特別企画!変装対決

ここでは、ルパン界で最も重要な要素の一つである「変装」を取り上げてみたい。
ルパンたち各人の、それぞれ印象に残った変装を取り上げ、彼らの上達度や変装の幅を見ていこうと思う。
……っていうか、大袈裟なタイトルでスミマセン(笑)。



ルパンワールドの変装術

変装は、ルパンが最も得意とする武器の一つであり、大胆な盗みを成功させるに当たってかなり重要な役割を果たす技の一つである。
ルパンは言うまでもなく「変装の名人」であり、ルパン一家もそれぞれ巧みに変装する。
銭形警部も、いつもルパンの変装に騙されるばかりでなく、それに対抗する様々な手段を考え出したり、自らも変装術を習得、時々ルパンに一矢報いることもある。

ルパンワールドでの変装は、特殊な人工皮膚を用いた変装用マスクで行うようだ。
変装姿からマスクを破いてルパンの顔が現れるシーンは、どの話でも、何度見てもカッコイイ(^^)。
異性に化ける時や、特殊な変装の時はその皮膚で全身を覆うこともあるらしい。
新ル「霊山ヒマラヤの泥棒教団」(その元となった原作新「変装防止」も)では、変装防止装置が設置されており、ルパンはその装置に変装用皮膚を焼かれてしまい、危機に晒されたこともある。
一方、いつもその特殊マスクで騙される銭形警部は、対抗策として「変装用マスクはぎ取り機」(新ル14)や、「変装防止ボックス」(V−13)などを開発している。
そういう道具がない時は、手っ取り早く相手の顔を抓ったりして(笑)、日夜ルパンに神経を尖らせている(疲れそう^^;)。

また、ごく稀に変装用マスク以外のモノで変装することもある。
新ル117では、チューインガムで変装が出来る、特殊なガムが発明されたこともあった。
また、TVSP「1$マネーウャーズ」では、自分が死んだと見せかけるために、ルパンは別の死体に「カリスマメイク」を施す。メイクだけでその人物をルパンだと認識させたのだから、相当上手なのだろう。
マスクで顔を覆うだけでなく、時にはメイクを使うこともあるのかもしれない。

それはそうと、ルパンたちが特定の誰かに変装する際、その人物との身長差はどうしているのだろうか。
背が高い人物に変装するなら、靴でどうにか出来そうだが。
勿論、関係者の中から変装しやすい体格の人物を、かなり入念に選択しているとも思う。
一番変装しづらい体格の人間に変装する必要がある時は、きっとルパンが担当するのだろうという気もする。
そして、ルパンのことだからヨガ等極度に体を柔らかくする技術もおさめていそうだし、また関節もすごく柔軟そうだ(手錠をあれだけ簡単にはずせるのだし)。
その技術を応用して、変装すべき人物との多少の身長差なら、上手に姿勢を変えたりするだけで目立たなく出来るのではないだろうか。(く、苦しい?^^;)

上達度

変装の上達が目覚しいのは、まず五右エ門である。
旧ルの時代、彼はほとんど変装というものをしなかった。今も、ルパン一家の中で五右エ門の変装回数はかなり少ない。
魔毛を罠にかけた時(13話)、侍風の変装(?)をしているものの、脇差が多いくらいで普段の五右エ門の姿と殆ど変わらない。
旧ル18話では、一応警官の変装をしているが、歯をつけただけのごく簡単なものであった。そしてその際「このくらいの変装はするさ」というような事を言っており、その言い方はどことなく「本当だったら変装をすることはあまり好きじゃないけど、どうしても必要なら、してもいい」というニュアンスを含んでいるような気がする。

新ルに入ると、五右エ門はある程度の変装はこなせるようになっている。
15話では金田二探偵に化け、フケを飛ばす熱演をしているし、28話では刑事メロンに変装、初の女装姿を披露している(笑)。
どちらとも、ばれずに役割を果たしきっている。
原作に目を向けると、五右エ門はルパンにも変装できるようだ(原作新15「ホールドアップ」)。それも、本物のルパンが現れるまで五右エ門の変装だとは発覚しなかったので(相手は鋭い刑事メロンだったにもかかわらず)、なかなかの変装の腕前なのかもしれない。

五右エ門はルパンの相棒になって初めて「変装」という技術を身につけたのではないだろうか。
そしてちょっとした付歯の変装から、やがて女装までこなせるようになっていく。
ルパンたちの中で、一番最後に変装術をマスターした五右エ門。かなり努力したのではないか、などとつい想像してしまう(^^)。

不二子の変装も次第に上達している。
不二子が最初に変装を披露したのは、旧ル7話。
藤波吟子はものすごく可愛くて個人的にやけに好きなのだが、ルパンには一瞬でばれている。ルパン曰く「ヘタクソ」なのだそうだ。
だが、不二子は次第に上達。おおむね素顔+αの、変装というよりも単にイメチェン程度のものも多い不二子だが、インパクト大の「峰ブジ子」(新ル23)やボニー(新ル70)というオバサンキャラや、パトラ・ロレンス(新ル149)という女傑にも変装。時にルパンすら欺いている。
峰ブジ子やパトラは、言わば不二子が作り出した架空の人物だが、ボニーになりきる演技力はさすが。長年の相棒クライドもまったく気付いていなかったほどだ。
どうも本物のボニーを相当研究していた模様。この観察力が不二子の変装のポイントだろうか。


一方、上達度はルパンも負けてはいない。
元々ルパンは「変装の名人」なのだが、実は原作初期では「ルパンは女に化けられない」と自らそう言っている(原作6話)。
が、ルパンはいつの間にか女性にも見事に化けられるようになっているのだ。
「ルパン勧進帳」ではソーニャに化け遂せ彼女を見事に逃がしているし、「ルパン一家勢揃い」(原作新1)では不二子に、またサンフランシスコ編(原作新)ではスーザンに変装している。
ルパンの手下の科学者たちの研究の成果と、ルパンの技術の向上の賜物だと思われる。

ちなみに、ルパン一家では男性が女性に変装する場合、どうも胸にはリンゴを入れることが多いらしい(笑)
メロン・ガニマールに変装した五右エ門や、不二子に変装したルパン(原作新1等)の胸元からは大抵リンゴが現れる。
また女装中、ルパンだけは時折胸に酸素ボンベや爆薬など、状況に応じたものを仕込んでいる。
変装はただ相手を騙すだけの手段ではない。武器等も隠すことに利用する。その辺りはさすがルパンと言ったところである。

異性への変装

以前は異性には化けられなかったルパンたちも、技術の向上か、やがてそれも可能になってくる。
その中で、異性に変装するのが一番上手いのは誰だろうか。

ランキングでも書いた通り、個人的に次元の女中姿は非常に印象的である。
目つきは完全に次元のものなので、実際は高度な変装ではないような気もするのだが…髭なし次元が見られたような雰囲気でちょっと嬉しい(笑)。
声色も変えており、次元はいかにも男っぽい鋭い目さえ隠せば、なかなかの女装上手かもしれない。
あの着物の中にリンゴが入っていたのか、着物だから布を詰めただけなのか、余計なところまで気になるところである(なりませんか?^^)。
次元は案外面白がりやなので、五右エ門のように「ご先祖様に顔向けできない」と嘆くこともなく、仕事にどうしても必要なら開き直って上手に演じるように思われる。

五右エ門の女装は、きっとそれほど上手ではないと想像されるのだが、いかがだろうか。(「ルパン三世Y」では結構女装しているようだが、そのシーンを見たことがないのでここでは取り上げない)
そもそも顔は完璧なマスクなのだから、後は姿勢・歩き方・仕草や声色が変装のポイントになる。
男性ならば上手に変装できるだろうが、殊女装の場合、五右エ門は「男子たるもの…」という昔気質が邪魔をして、女らしく振舞うことに抵抗感が拭い去れないだろうと思う。
メロン・ガニマールの時のように短時間が目一杯の限界なのではないだろうか。

特定な女性への変装ではないのだが、銭形警部はあのゴツイ見た目にも関わらず結構女装している。
新ル30話「モロッコの風は熱く」では、ルパンと共に逃げる際、アラブの女性の格好をしており、何とモロッコでは相当の美人に属する顔らしい。正確には目元だろうが。やっぱり決め手はあの下睫毛だろうか。
一方、新ル135話「毒薬と魔術とルパン三世」では、ルパンのせいで一時完全にココロも女性になってしまた。その姿はルクレチアにそっくり!(あ、これは別に変装したわけじゃないのか^^)。
新ル139話「ルパンのすべてを盗め」では、自分の意思で女装している。もちろん、ルパン逮捕のためである。
身を張って、女好きの彼をおびき寄せて捕まえようという、涙ぐましいほどの努力。
とはいえ、その女装術はおせじにも上手とはいえないような、白く厚塗りした不気味な化粧が目立つものであった。
昭和一桁に女装は難しいか(笑)

旧ル時代はルパンに「ヘタクソ」と言われていた不二子の変装だが、原作での不二子は時々見事に男性に変装している。
原作新1では次元に、25話「♀の中に宝が見える」や154話「不二子プリズナー」では、かなり完璧にルパンに変装している。
アニメの方でも、旧ル9話「殺し屋はブルースを歌う」でルパンに化けているし、キワノモの男装といえば新ル34話「吸血鬼になったルパン」の、田舎のプレスリーが忘れがたい。
不二子はクールに男性を観察していてその特徴を掴むのも早そうだし、演技力もありそうなので、あの立派な胸さえきちんと隠せれば(笑)かなり素質はあるかもしれない。

ルパンは、上の項にも書いたように、以前出来なかった異性への変装を可能とした。
マスターしてしまえば持ち前の才能と器用さで、完璧な変装を披露する。
ソーニャに化けて彼女を逃した時、捕まったのがルパンであるとすぐに発覚してしまうと、彼女に追っ手がかかってしまうだろうから、警察や国家組織の目をも、ある程度の時間、完璧に誤魔化す必要があったはずだ。きっとルパンはやり遂げたのだろう。
また、原作新「地獄志願」では死んでしまった少女に変装し、見た目や声だけでは彼女の父親にすら見破られない完璧な化けぶりだった。
出会って間もない彼女の特徴を、短時間にすっかり身につけられる観察力、完璧に表現できるそのテクニックはスゴイ。
さらにスーザンに変装した時は、Xレイ眼さえなければ発覚しなかったほどの色っぽい仕草を見せている。
原作では、ルパンの本当の性別すら不明、ということになっているのでそのせいもあるのだろうか?
個人的には、ルパンの変装テクニックのレベルの高さを表しているものと考えたい。

そういえば、ミス・マリーも完璧な変装だと考えてもいいのだろうか(笑)。なんせ、オナベスに結婚まで申し込ませたのだから。
あの睫毛と瞳ウルウルが可愛らしくて(大笑)個人的には大好きな変装なのだが。


完璧度

完璧な変装。
変装の回数は少ないけれども、銭形警部はなかなかの技術を持っているようだ。
まず思い出されるのが、新ルのステファン。ジャスミン局長の作戦に従って、ステファンという純愛チンピラに変装、見事にルパンたちを騙しきり逮捕に成功している。
警部が変装を解くまで、あのルパンが正体を見破ることが出来なかったのだから、完璧度はかなり高い。
原作では、時々ルパンに変装している。いずれもルパン逮捕の執念のなせる業。
時には、ルパンのことを心から憎ませ徹底的にその後を追わせるために、秘密犯罪警察官の前にルパンとして現れ、かなり非道なことを行ったこともあった。
また、原作「ルパン葬送曲」では、指揮者タガニーゼという別人に成りすまし、ルパンを追いつめる(もっともこの変装はルパンにしっかり見破られていたので、「完璧」ではないかもしれないが)。



ルパンも勿論負けていない。
幾度も変装で銭形を欺き、手玉に取ってきた。
特に「斬ラー」では、本人ルパン・不二子・ネズミ・所長と、四重の変装をして、ついに銭形から重要な情報を聞き出した。
銭形警部が見破った所長までの変装は、見破るキッカケがわりと露骨なので、ルパンの誘導のような気がする。この回ではルパンのシナリオ通りに運ばれたようだ。
完璧な上に、かなり高等技術を要するトリッキーな変装の冴えである。

そして、完璧な変装と言えば、何と言ってもルパンが化けたパニシュではないだろうか。
ナノマシンすら騙されるほどの完璧な変装。ナノマシンだけでなく、映画を見た私たちをも見事に騙してくれた(笑)。
あらゆるデータをどうやって入手したのかは不思議だが、データだけあっても、やはりルパンでなければあそこまで完璧にパニシュになりきることは出来なかっただろう。


次元は、原作で相棒ルパンに変装した際、回数こそはそれほど多くないものの周囲からの発覚度が低いし、不二子はボニーやパトラ・ロレンスで殆ど最後までルパンたちを騙し通している。
次元の場合、いつも一緒にいるルパンの仕草やクセ、喋り方や反応のパターンなど、嫌でも(?)覚えてしまっているのではないだろうか。ルパンに変装する機会がもっとあれば、かなり完璧な「ルパン」ぶりを見せてくれるような気がする。

特殊モノ。そして…

ルパンは、同時に二役をこなしていたことがある。
新ル「白夜に向かって撃て」では、白毛という殺し屋に変装。(架空の人物か?)
アニタとラチカの背中の刺青を同時に写真に収めるため、ゴム製の鏡というトリックを用い、同時にルパンと白毛をになるという人間離れした(笑)技を披露。

また、特筆すべきは、ルパンは動物にも変装できる、ということである。
新ル40「ミサイルジャック作戦」(そしてその元となった原作新33「コン・ジャック」)では虎に、そして原作新「God damn you!」では、野良犬に変装している。
それぞれ、虎の飼い主や、間近で見ている不二子にもばれない化けぶり。
変装が発覚する確率は、銭形警部に変装する時よりも格段に低い(笑)。


こうして見て来ると、五右エ門は変装の上達度は高いが、もともと変装に不可欠な演技に向いた性格ではないので、物語のキーになる変装はそれほどこなしていないようだ。
次元は、適度な遊び心と余裕があるので、真剣にやれば意外と上手そう。
だが、本人が「変装はルパンの役目」とどこかで思ってそうな気がする。銃の腕前は磨いても、変装技術の練習を熱心にするとは思えないのだが、如何だろうか。

不二子は上達度も高く、また演技力はかなり高いようだ。
しかし、不二子は「ルパン一味」として指名手配されているのかいないのか、素顔で色々な場所へ出入りしても取り立てて問題が起きないこともあり、彼女が変装するのは主にルパンを欺くため、という場合が多い。
ルパンは変装の名人なので、勿論見破られてしまう場合もあるが、勝率的には決して悪くなく(統計とったわけではないのだが)、むしろかなり大健闘していると言えるだろう。

大健闘といえば、銭形警部である。
やはり原作での見事な変装が光る。
そして、一度は新ルでもステファンとしての「変装」と「芝居」でルパンを逮捕している事実も見逃せない。敵の得意技をもって逮捕に至るとは、なかなかの快挙だとは思う。

そして、やはりというか、これほどダラダラ書く前から分かりきっていたことと言おうか(←自爆)…
ルパンの変装のレベルは極めて高い。
時々気を抜いているのか、アッサリ変装が発覚することも多い。ちょっと調子に乗りすぎてバレる場合もある(笑)。
が、ルパンの変装回数は他の人よりも断然多いこと、そして銭形警部に変装する回数がかなり多く、本人との遭遇率が異様に高いことが、ルパンの変装発覚率を上げていると思われる。
それを差し引けば、男女問わず、また人間外のものにまで変装できるルパンが、最も変装上手と言えるだろう。

こうして見て来て、結果は勿論ルパンが一番の変装名人だということがわかったのだが、同時に、次元たちも思った以上に変装が上手いことがわかった気がする(今更?)。
変装データをまとめたり、統計とったりすると面白そうという気もするが…それはデータベース系サイトさんにお任せしたいと思います(^^)。

(2001.12.6)
(2006.2.1ごく一部加筆)

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