特別企画!酒豪対決

ルパンたちは、非常に良く酒を飲んでいる。
そして印象としては、みんなかなりの酒豪のように思える。
果たしてどれだけ酒に強いのか。
また、一番酒に強いのは誰なのか。
酒名場面と合わせて見ていきたいと思います。

不二子

アニメ本編に、不二子は酒に強くないと言われているシーンがある。
ルパンが「不二子はあまり酒に強くないからね」と言っているのがそれだ(新ル47「女王陛下のズッコケ警部)。
不二子のことをよく知るルパンの言葉だから、信用度が高そうな気がするが、なんせあの不二子のこと。ルパンに「酒に強くない」と思わせている可能性も捨てがたい。
一応、検証してみよう(笑)。

だが、さすがに不二子、隙はない。
不二子が酒を大量に飲んでいるシーンがないものか探してみたのだが、なかなか見当たらない。
勿論、お酒を飲んでいるシーンは数多くある。
ルパンたちと作戦の成功を祝して乾杯していたり、あるいは敵を篭絡させるために一緒にグラスを傾けることもある。
だから当然「一切酒が飲めない」わけではない。

そして多分、酒が嫌いなわけでもないのだと思う。
というのも、旧ル10「ニセ札つくりを狙え!」で勝手にルパンたちの部屋に入り込んでいた時、洋酒らしき飲み物を飲みながら待っていた。
酒が嫌いだったり、それほど飲める体質でないとしたら、いくら手持ち無沙汰だからといっても、一人で酒を飲んだりしないだろう。
また、新ル12「大統領への贈り物」では、ナポレオンがジョセフィーヌのためにワインを作らせたことを羨ましがったりしている。
この場合は「英雄にそれだけ愛された女性が羨ましい」という新ル不二子らしい心理によるところが大きそうだが、それでも酒が飲めなかったり嫌いだったとしたら、そのワインを飲んでみたいとも思わないのではないか。

そんな不二子が、多く飲んだとハッキリわかる回は、旧ル12「誰が最後に笑ったか」と、パートIII・27話「暗号名はアラスカの星」だ。
それぞれウィスキーとブランデーを、普段よりずっとたくさん飲んでいる。
旧ル12では、瓶に半分程残っていたウィスキーを、ほぼ一気にラッパ飲みしているし(そのシーンが直接見えるわけではないが)、パートIII・27話では、ブランデーを少なくともグラス二杯はお代わりして、これまた一気に飲み干している。
それだけ飲んでも、不二子が酔った様子は微塵もなかった。
この二回は、極度に体が冷えている時、という共通点があり、そういう意味では普段とは若干違っているかもしれない。
が、いくら寒さに震えていても、本当に酒に弱かったら、こんなには飲めないのではないだろうか。
特に後者では、暖かい室内に戻って来ているわけだし、コーヒーでも紅茶でも、飲もうと思えばノンアルコールの温かい飲み物くらい作れたはず。なのに敢えてブランデーを選んでいるということは、やはりそれなりに酒が強いし、好きでもあるということなのだろう。

ただ普段の不二子は、嗜む程度しか飲んでいない。勿論、酔った姿など一度も見せたことはない。
まあ、それも当然だろう。
常に駆け引きと裏切りの中に自ら身を置く不二子なのだから、例え本当はかなり酒が飲める体質だったとしても、むやみにアルコールを摂取して、相手に隙を与えることはしないはずだ。
仮に「酔ったみたい」と不二子が言ったところで、それは相手を油断させ意図的に誘い込む罠なのではないかと想像してしまう。
わずかな油断や判断の狂いを避け、逆に相手に隙を作らせてそこにつけ込むためには、常にクリアーな頭でいることが、不二子には必要不可欠なことなのではないだろうか。


不二子を「本当に酔わせる」ことはかなり難しそうな雰囲気である。

銭形

勝手なイメージなのだが、銭形はすごく酒が「イケる口」だと思っていた。
あの体格、あの顔つき(顔?)…どう見ても「酒豪」という感じがしないだろうか?(ムチャクチャな理由。笑)

だが、銭形は作中で「酔っ払った回数」が、多分最も多いメインキャラクターである。

印象的な回を挙げると
新ル22「謎の女人館を探れ」、新ル141「1980モスクワ黙示録」、新ル147「白夜に消えた人魚」である。

「謎の〜」では、まんまと女人館に誘い込まれ、そこでルパンを発見したというのに逮捕することもせず、大いに酒を飲み交わす。
酔いつぶしてしまえとのルパンの計略なのだろうが、銭形は相当酒を飲まされている。
ルパンも一緒に楽しそうに酔っ払ったふりはしているのだが、銭形にばかり飲ませていたのではないだろうか。
実際、ルパンはむやみに銭形のグラスに酒を注ぎ、挙句の果てには直接彼の口に酒を注ぎ込んでいるのだ。
律儀にというか(笑)、銭形はこぼしつつもそれをちゃんと飲んでいる。
結果、かなり酔っ払い、ルパン逮捕を一時完全に忘れ、ルパンの動きや女人館の女性たちの慌しい動きにも大した不審を抱かずに、無邪気に楽しんでいた。

「モスクワ〜」では、ルパンが逮捕できたという安心感、そして彼の身柄を引き渡してもらえる嬉しさに、グラスの酒をイッキ飲み。
(モスクワという場所柄や酒の色から考えると、この酒はウォッカであった可能性が高い)
一杯のウォッカで銭形の顔は赤らみ、そして唐突に瓶2本をラッパ飲みするのである。
どう考えても最初の一杯で酔ってハイテンションになったとしか思えない暴挙だ。当然、2本ものウォッカを一気に飲んだ銭形は、すぐにその場で昏倒してしまう。
ウォッカはアルコール度40%以上の強い酒。「無茶飲み厳禁」の見本のような1シーンだ。

そして「白夜〜」では、ベルゲン市長に勧められ、アクアビットを飲み酔っ払う。
最初のうちは酒を遠慮していたのだが、やがてグラス一杯をイッキ飲みし、その途端に顔が真っ赤になってしまうのだ。
そのせいで、ルパンが人魚像を狙っている最中であることも忘れたみたいに(笑)、自分で酒瓶を持ってご機嫌で飲み続けてしまう。
アクアビットにはアルコール度40〜43%くらいのものが多いようだが、それをグラス一杯イッキすれば、上の「モスクワ〜」の時の銭形の様子を考えても、酔いモードに突入してしまって当然だと思われる。
この時は、モスクワの時のように瓶2本イッキなどという無茶だけはしなかったらしく、そのせいで昏睡することなく「ご機嫌」止まりで済んでいる。まあ勤務中だということを考えれば当然か。

この3つの話では、銭形は急激にアルコールを摂取するとグラス一杯程度でも酔いが見られ、そして酔っ払うと気が大きくなるというか、ご機嫌になるようだ。
普段ルパン逮捕に全人生を賭け、常に逃げられ苦渋を味わっている銭形は、多分ストレスもたまっているだろうから(気の毒な;)、酒を飲んだ時くらいパーッと騒ぎたくなるのかもしれない。
いや、それ以上に、「ルパンが逮捕できた」という嬉しさに、おのずと酒も陽気なものになったのだろう。
「謎の〜」の時だけは、ルパンを目の前にしながら、逮捕もせずに陽気に飲んでいるが…これはまあ、謎めいた女人館の中というやや異様な状況だったので例外中の例外として。


しかしルパンを逮捕したものの、湿っぽい酒を飲んでいたときもある。パートIII・32「1000万ドルの鍵」がそれだ。
この時は、ハンバーガー1個を無銭飲食するという、あまりに下らない罪であっさり捕まり、留置所に入れられたルパンを前にして、一人愚痴っぽく酒を飲んでいる。
逮捕できた嬉しさよりも、終生のライバルが、こんな情けないキッカケで簡単に捕まったことが、情けなくてたまらないようだった。

劇場版「カリオストロの城」、パートIII・39「ライバルに黄金を」、TVSP「ルパン暗殺指令」「炎の記憶」等の酒も、あまり楽しいものではなかった。
これらは、任務から外される等の事情があり、そもそも自棄酒として飲んでいるので、元々楽しくなりようもないのだが。


こうして見ると…誰しもある程度はそうだろうが、銭形は特に、その時の気分・状況によって、酔った時の態度が違うタイプのようだ。
ルパンを逮捕すれば嬉しさにまかせて酔いつぶれ、あるいは生きがいがなくなったことに意気消沈し、任務を全うできない悔しさを噛みしめている時は、心のままに荒れる。
銭形は本質的には、素直というか、真っ直ぐな人なんだろうなと感じるのは、こんな時だ。
全体的に見ると、年を重ねると愚痴っぽい酒・自棄酒率が、若干増えている…といえるかもしれない(お役目ご苦労様です)。

総合的に考えると銭形はアルコールに関して、それなりに強いものの、底なしザル(笑)というわけではなさそうだ。
飲みすぎた時は二日酔いにもなるし(新ル12「大統領への贈り物」、新ル69「とっつあんの惚れた女」、パースリ39「ライバルに黄金を」)、どれだけ飲んでもケロリとしている人並外れた酒豪とまではいかない。

彼の酒量の限界(心地よく酔える範囲)を、私は洋酒系の大瓶1本程度、と推察したい。
「1000万ドルの鍵」では、瓶にはまだウィスキーが残っているのに、もう顔は赤いわ、愚痴っぽいわ、やがて寝入ってしまうわという状態だったので、通常時(というか、気が緩んでいる時)はこのくらいが限度だと思われる。
「1980モスクワ黙示録」の時のように、ウォッカ2本を一気飲みすると完全に昏倒してしまうことからも(危険な飲み方;)、本来の上限は1本、それ以下なのではないだろうか。
「ライバルに黄金を」の時のように、ちびちびと酒を飲み続けた場合は、ウィスキー数本(転がってた瓶+抱えていた瓶は合計5本)空けることも可能のようだが、二日酔いで入院するほど苦しんでいたので(事故後の検査を兼ねた入院である可能性も高いが)、やはりこの回の酒量も相当限界を超えていたと考えられるのである。

ただ、酒好きなのは間違いない。上記の新ル69でも二日酔いに対して「迎え酒」をしているし、新ルではよく寝酒をしているらしい様子も伺える。
新ル13「サンフランシスコ大追跡」の部屋の様子から、どうも寝しなにウィスキーのようなものを飲んでいたようだし、新ル148「ターゲットは555M」での仮眠の時ですら、瓶ビール2本を空けてから眠ったものと見られる。
いくらルパンが朝まで動けないだろうと予測していたとはいえ、勤務中にビールの寝酒(笑)。
酒好きでなければ、やらないことだろう。
また、「カリ城」の時の銭形のおつまみは珍味やピーナッツだった。ピーナッツはともかく、「珍味」の方は明らかに日本のもの。
カップ麺同様、日本からわざわざ「おつまみ」まで持ってきているとは。これも銭形の酒好きの証と思われる。

酒好きで、酔うと気が大きくなったり愚痴ったり…やはりアニメの銭形は、非常に人間らしく愛すべき面を持っている。

さて先日、「Cheap Thrill」のなばさんから銭形の酒の強さに関して、面白いご意見を聞かせていただいた。
その推察が、私もかなり同感だったので、こちらに書かせていただく。(なばさん、その節はありがとうございました!)

それは、「銭形は昔、今よりも相当な酒豪だったなのでは」というものだ。
若い頃は、いくら無茶飲みをしても平然としているタイプだったのだが、ルパン逮捕という365日気の抜けない仕事に没頭するようになり、ゆえに自主的に酒を控えることも多く、そのせいと歳のせいで(笑)、次第にアルコールに弱くなっていく。
酒好きというところは変わらないのだろうが、だんだんに無理が利かないようになってきている。
だが、セルフイメージはいつまでも「若い頃たくさん飲んでもケロリとしていた自分」なので、ハメを外した時や、自棄酒する時は、つい昔のように飲んでしまう。
当然体がついていかず、酔いつぶれることが多くなってしまう……

この説、ありそうだなぁと私は思った。
酒をあまり飲んだことがない、あるいは酒がそれほど強くないという自覚がある人は、銭形のような無茶な飲み方はしないだろう。
銭形は、わけもわからず暴飲するような「若気の至り」をしでかす年齢でもないし、飲んだ経験も豊富で、且つ、かなり酒に強いという自覚がある(あった)からこそ、時に上記のような飲み方をするのではないだろうか。

本編では、銭形の若い頃の酒逸話等出てこないので、あくまで推論なのだが、その頃の銭形の様子を想像すると、何だか楽しくなってくる(^^)

(2007.4.12追記)



問題は、ルパン・次元・五右ェ門の三人である。
とにかくいずれ劣らぬ酒豪なのは間違いない。
この三人が揃って二日酔いになったのは、ワインの海で泳ぐハメになってしまった、新ル12「大統領への贈り物」の時くらいではないだろうか。この翌日は、三人とも頭を氷で冷やしており、かなりの頭痛に悩まされていた。
が、それも無理のない話。あれだけワインを大量に浴び、その上ワインの中を泳いで逃げたので、相当飲む羽目になっただろうし、皮膚からも吸収してしまっただろう。結果的に凄い量を摂取したことになったのだ。
彼らも人の子、一応は「酔う」ことがあるのだということがわかる(笑)。

だが、普段この三人は、飲みに飲んでも滅多に酔ったことはない。

それぞれの印象的な酒シーンから、検証してみよう。

五右エ門

ストイックなイメージのある五右エ門も、こと酒に関してはまるで禁欲的ではない(別に禁欲する理由もないからいいんだけど)。
特に新ル作品では、酒を飲むシーンが多く見受けられる。
新ル4「ネッシーの歌が聞こえる」では、ニースのビーチでも日本酒、その後ネス湖のほとりで見張りをしながら、酒瓶抱えてのんびり酒を飲んでいる。
いずれの時も素面そのものだ。
特に後者。ルパンを狙う銭形の存在に気付き、見事麻酔銃を剣で弾き飛ばして銭形を返り討ちにするわけで、アルコールで腕が鈍っている様子は一切ない。

新ル24「怪盗ねずみ小僧現る」でも、まだ敵か味方かも分からぬ男を前に壷から日本酒らしきものを注いで飲んでいる。すごい余裕!
そうするだけあって、懐に手を入れたねずみ小僧の動きに素早く反応し、正確にねずみの着物だけを斬り裂いている。
五右エ門は、多少のアルコールでは顔色も変わらないし、態度も普段と変化なし。また剣捌きにもまるで影響はなさそうだ。

五右ェ門の酒シーンとして忘れられないのは、新ル61「空飛ぶ斬鉄剣」のシーン。
最初洋酒に気乗りしない様子を見せていながら、試しに飲んでみたら口にあったと見えて、何度もお代わりをしている。その時、五右エ門も顔色一つ変えずに飲み続けている。
飲んでいる時の顔つきはいかにも美味そうであり、その様子は見ていて微笑ましいほど(笑)。
一番好きな酒は当然日本酒なのだとしても、五右エ門は元々酒類を問わずアルコール自体が好きなのではないだろうか。
ちなみに、その後寝てしまったのは、不二子の入れた睡眠薬のせいであって、酔いつぶれて寝入ったわけではない。

それに、新ル28「女刑事メロン」では、五右ェ門の酒好きっぷりがわかる発言がある。
「ひと仕事終えた後で美味い酒を一杯。他に何が要る」
これは、どう考えても酒好きな人が言う台詞だろう^^

ただ五右エ門は、新ルの前半に比べ、後半は酒を飲む量が減ったように感じられる。
新ル121「俺の爺さんの残した宝物」でグレゴワール家で食事をする際、五右エ門の前にあるのはお茶だったし(煮魚に赤ワインは合わなそうだから?)、
また新ル123「泥棒はパリで」のアジトのシーンで、次元は酒を飲んでいたのにも関わらず、五右エ門の前に置いてあったのはお茶だった。
新ル前半では酒を飲んでいたはずのビーチでも、オレンジジュースを飲んだりするようになっているし(新ル143「マイアミ銀行襲撃記念日」)。
パートIIIに至っては、五右ェ門には一度しか飲酒シーンがない。ルパンや次元には、相変わらず飲酒シーンがあるというのに。
五右ェ門のその一回も、作戦上酔っ払いのフリをしていた時で、実際には飲んでないと考えられるので(パートIII・25「俺たちは天使じゃない」)、実質的にはパートIIIの画面上、五右ェ門が酒を楽しむシーンはゼロなのである。

もしかしたら、武士の魂を盗まれたという「空飛ぶ斬鉄剣」の時の失敗に懲りて、酒の量を減らしたりしているのだろうか?←激しく妄想(笑)

次元

日頃から一番よく酒を飲んでいる印象があるのは、次元である。
最早どのシーンで飲んでいた…など、いちいち例を挙げていたらきりがないほどで、アジトにいる時は四六時中ソファで酒を飲んでいるような印象すらある。

「これさえあれば気分は夏」と言い切るほどに、酒があればご機嫌である(新ル108「哀しみの斬鉄剣」)。
香港のバカンス中も特に何をするでもなく、「一日中スコッチを飲んで」いた。(新ル43「北京原人の骨はどこに」)
同じくバカンス中の、新ル64「クリスマスは女神の手に」では、次元には作中5回も飲酒シーンがあり、ブランデーにビールにワインと、飲みまくりだ(笑)
また新ル9「浮世絵ブルースはいかが」では、上等のスコッチ1本で気が進まぬ写楽三世の看病を引き受けたりして、美味い酒に目がないということが見て取れる。

また案の定、とにかく酒に強く、グラス数杯の酒如きでは、まるで酔うことはないようだ。
例えば。
「マモー編」で、壊れたバーで酒をあおるシーンがある。
「JIM BEAM」もアルコール40%はあるはず。それを「俺はいかねぇぞ」と言いながら、一気に飲み干しても顔色一つ変えない上、その後ルパンを引き止めるために敢えて発砲までした時、その狙いは狂ってはいなかった。

また、新ル61「空飛ぶ斬鉄剣」で不二子が持ってきた上質の酒(睡眠薬入り。笑)を、美味いといって少なくとも3杯おかわりしていたり、
新ル111「インベーダー金庫は開いたか」で氷漬けにされた後、身体を温めるためのアルコールもお代わりしていた。
これら作中で確認できるのはせいぜい1〜3杯程度(もちろん、その前後にどれだけ飲んでいるか知れたものではない・笑)なのだが、最低グラス2〜3杯程度の酒では酔わないことだけは間違いない。態度も顔色も変わらない。
このことから見ても、グラス一杯のアクアビットでご機嫌モードに突入した銭形よりは、相当酒に強いと思われる。

さらには、新ル4「ネッシーの歌が聞こえる」ではスコッチを、新ル141「モスクワ黙示録」では、酔いが回りやすいはずの風呂の中でウォッカを、どちらもぐびぐびとラッパ飲みしている。
どちらの時も、これまた酔った気配は見当たらない。
特に141話の時は、ナターシャたちに部屋に踏み込まれたシーンでも、ずっとウォッカをラッパ飲みしており、相当量アルコール摂取しているというのに、余裕の態度を崩さないばかりか、その後の脱出も平然とやってのけた。
急激に飲もうと、チビチビやろうと、次元には同じことらしい。もしかしたら次元は底なしに強いのではないかという気がしてくる。


そんな次元が少し酔ったように見えるのは、旧ル17「罠にかかったルパン」で星影銀子と飲んだ時である。
「アトランティス」での様子は、いつもの次元とは思えぬほどにハイテンションだ。
その後別室に移る時も、銀子に肩を借りてることからして、若干足に来ていたようだし(銀子とくっつく口実!?まさか次元に限って?笑)、
椅子に崩れるように座り込んだ様子は、かなり機嫌が良く酔いが回り、飲み疲れた〜という感じだ。
この時一体、どのくらいの量を飲んだものだろうか。
もしかしたらあの悪女二人組み(笑)のこと、酒の中に微量でも何かしら薬を混ぜなかったとは言い切れない気がしなくもないのだけれども、まあ本編にそのような一切描写はないので、この時は彼ですら酔う程のアルコールを摂取したと考えることとして……

残念ながら、作中からは飲んだ量を推測できる材料がない。乾杯の時の4人のグラスと、その後ルパンが飲んでるグラスが映るだけ。
捕まったのが朝の5時だということを考え、ほぼ一晩中飲んだということは間違いないのだが。
この時が次元が唯一「酔い」を見せた回なので、どれだけの量の酒を飲んだのか、具体的にぜひとも知りたいところである。

ルパン


そして、一番よくわからないのはルパンだ。
ルパンは銭形に次いで、酔っ払った様子が見られる。
ただ、それは「酔ったフリ」をしていると思われるシーンも多く、ルパンがどれだけ酒に強いのかは、パッと見ただけではわかりにくい。

ルパンは、次元のように日頃アジトにいる時も酒を手放さないというほどの酒好きではなさそうだ。
結構酒を飲んでいるシーンはあるものの、乾杯のシーンだったり、食事時であったり。
次元に比べれば、酒を飲んでいても不自然ではないシチュエーションの時に飲むことが多いようにも見える。
ただルパンも、上に挙げた「空飛ぶ斬鉄剣」のシーンでは、軽く2杯くらいはお代わりをしていたので、その程度の酒の量で酔っ払わないことだけは確かだ。

ルパンの酔っ払いシーンと言えば、次の話が思い浮かぶ。
旧ル15「ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう」、旧ル17「罠にかかったルパン」、新ル19「十年金庫は開いたか」、新ル22「謎の女人館を探れ」等。
だがどうも本当に酔っていたかどうかは疑わしいシーンが多い。

まず「ルパンを捕まえて〜」では、そもそも最初から手のつけられない酔っ払いとして留置所へ入ることを目的としている。警官がいなくなった途端に早速仕掛けをしていくなど、頭の働きは極めてクリアだ。
その後アジトへ戻った時、次元から酒の匂いを指摘されていることから、飲まずに「酔っ払った真似」をしていたのではなく、実際に「匂う」くらいのアルコールを飲んだのは確実。それでいて、本当に酔うには至っていなかった。

「十年金庫」では泥酔した客に変装。
しかしその後あっさりと目的の金庫を開け、その上マダムのハートも戴いちゃった(笑)、鮮やかな手並み。
変装していた時そう見えていたような、「極度の泥酔状態」でなかった事だけは間違いないだろう。
だが、この時も「シラフのままで酔ったフリ」ではなく、パーティでは何杯もグラスを開けている様子が描かれているので、飲んでいることは間違いない。

「女人館」では、最初から目的あって忍び込んでいたので、元々酔うつもりもなかったのだろう。
銭形が現れてからは一方的に銭形に飲ませているようにも見えるし(笑)、実際ルパンがどの程度飲んでいたのかは不明。
案外うまく立ち回って、それほど酒を飲まずに済ませたのかもしれないが、まったく飲まなくては周囲の女たちに怪しまれるから、やはりある程度は酒を飲んだはずだ。
それでも、身のこなしは軽やかだったし、女たちの罠にも引っかからずに逆にお返しまでした上、不二子を取り返しているわけだから、酔っ払っていたとは思えない。

これらを素直に見てみれば、ルパンは多少の酒を飲んだくらいでは、酔わないのだ。
少なくとも、銭形のように本格的に酔いつぶれてしまったりする姿は見られない。(新ル113「作戦名は忠臣蔵」で、食事中・食事後も立て続けに飲んだと考えられる時は、さすがに「もう飲めない」と寝言を言っていたが、深夜のことだし泥酔したゆえの眠りかどうかは定かでない)
ただ、ルパンの難しいところは、多少の酔いが回っていようとも、金庫を開けたり、ささやかな留置所から脱出するくらい、ルパンにとっては簡単だという可能性もあることだ。
こんな風に考えると……旧ル17「罠に〜」の時、上の次元と同様ほぼ一晩中飲み明かしており、しかもあっさり捕まってしまうので、本当に酔っていた可能性も高いのだが、ルパンの場合は、酔ってなくても不二子に油断してしまうこともあるわけで(笑)、本気で酔ったという確証にはならないような。
本当に判断に迷うところだ。

そんなルパンの酒がらみのシーンで一番印象的なのは、原作「ハプニング」である。
この時のルパンは登場時から相当飲みまくり、一体酒瓶何本開けてるの?といいたいほどに泥酔状態だ。
周囲の人間からも「レロレロ」だと評されているし、また絵を見る限りでは顔も赤いし、目もうつろだし、寝ている時はハナチョウチンまで出す始末。とにかく飲んで飲んで飲みまくっている。
だが、それでいて腕の方は鈍っていないようだ。
次元を人質に取られて仕方なくとはいえ、犬を殺して強盗に押し入り、金庫破りを成功させるのだから。
金庫を破る前だけは、さすがにキリリとした顔つきになっているが、その後もボーッとしたあの目が続くし(笑)、どうもこの回だけは単なる「酔った真似」には見えない。

これらを総合して考えてみると、ルパンはさすがに一晩中飲み明かしたり、酒瓶を何本も空ければ酔いが回っているのが見て取れる。
しかしそのせいで「泥棒としての腕」が鈍ることは殆どないようだ。頭脳の方も同様の様子。
ただ。ルパンのことだから、「正真正銘」酔うことがあるのかないのか、本当のところはわからない。
「ハプニング」の時も、泥酔状態に見えて、金庫は開けるわ、銭形の罠は回避できるわ(単に幸運だっただけ?)、結果女にモテるわで、ここまでコトがうまく運ぶと、実は酔ってなくて、すべてルパンの計算通りだったんじゃないかと、勘ぐりたくもなってしまう(笑)
…どこまでが素で、どこまでが計算なのかがわからないところが、天才・ルパンの大いなる魅力だと思っているので、深追いはこのくらいにしておこう。

ルパンたちはいずれも、敵も多いし、毎日スリルの多い暮らしをしているので、当然のことながら、そうやすやすと酔っ払ったり、己を失うまで飲んだりすることはないだろう。それは、命取りにもなりかねないことなのだから。
そういう意味でも、それぞれに酒に強いことは間違いないのだが、果たして一番強いのは誰か?ということになると、本当に難しい。

以前、この項では「甲乙付けがたし」という結論にしていたのだが、それだとあまり面白くないので(笑)、無理やり結論を出してみるとすると…

銭形<不二子<ルパン<五右ェ門<次元

左から酒に弱い順として、こんな具合に推測してみるのだが、如何だろうか。
もちろん、私の妄想が混じっているので、皆様のご意見と違っていても、どうぞご了承を。

不二子はかなり謎なのだけど、やはり決め手はウィスキー“瓶半分”を一気飲みしてもケロリとしていた事。
よって、ウォッカやアクアビットを“グラス一杯”一気飲みで、ご機嫌になってしまう銭形より、強いと推定。
また、ルパンの順位も本当はかなり難しいが、ここは敢えて深読みせずに、見たままの様子から判断することにして……
不二子を、「酒があまり強くない」と表現していたことから、ルパンの方がより強い。
そのルパンは、次元・五右ェ門と比べると、酔っ払った姿を披露した回数が多いことから、三人の中では一番下に。
五右ェ門は酔った姿も見当たらないし、かなりの酒豪だと見ているが、年を重ねると節酒している気配が感じられる。
それに比べて次元は、常に酒を飲むシーンが多くあり、彼の筋金入りの酒好き具合を称え(笑)、私は次元に、酒豪王の称号を進呈したいと思う。


余談だが、原作ルパンはアルコールが入ると、顔が赤くなるタイプらしい。
アニメの方でも、そういったシーンが見られる。新ル108で、温泉の中でお銚子を重ねている(お銚子10本程度)時や、新ル113で、クルーザーで洋酒をひとり傾けていた時等、頬が赤らんでいた。
新ル、パートIIIを見る限り、銭形も顔に出るタイプである。
一方、次元と五右エ門は、酒で顔色を変えているシーンは見当たらない。ということは、二人はいくら飲んでも顔に出ないタイプなのだろう。
個人的に、酒で顔が赤くなるルパンというのが、可愛くてちょっとツボである(笑)

(2003.10.10)
(2007.2.27、全面的に加筆)


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