第86話 謎の夜光仮面現わる


夜光仮面

冒頭から素っ頓狂な格好で登場し、金庫からサファイアを奪う男。
これが今回メインの夜光仮面である。
それにしても、この格好に何か意味でもあるのだろうか?元ネタがあって、それのパロディとか??
頭に付いたタケコプターもどきが、すっごい気になるんですけど(笑)
色彩感覚もスゴイし、とにかく死ぬほど目立つ格好である。こんな格好で盗みに入るなんて、かなり無謀。

ふざけたお笑い系の格好をしているけれども、夜光仮面は残忍な手口で盗みを繰り返す。
冒頭では、ル・モンド侯爵邸に押し入り、侯爵を刺し殺した後に紅い薔薇を置いていったりする。
銭形が指揮する警官達が駆けつけ、夜光仮面を捕らえようとするが、裏をかかれて逃げられてしまう。せっかく銭さんの銃の腕が冴えていたのに。

そしてICPOでは、この夜光仮面の正体を、ルパンだと考え始めていた。
というのも、ICPOの特別顧問となった超売れっ子ミステリー作家・コナン・ドリルが、そう主張していたからだ。
ご存知の通り、夜光仮面の正体は、このドリルと秘書なのだが、それにしても……
どうも強引な設定が目に付くお話。
コナン・ドイルのエピソードのパロディとして、推理作家に難事件解決の依頼が行くという設定にしているのはわかるけど。
まあ、百歩譲って、きっと本当に優秀な頭脳の持ち主で、過去にさまざまな難事件を解決したりしていたのかもしない、と考えておこうか。

第二に、どうして夜光仮面をルパンの仕業などと言うのだろう。(そう言ってくれないと、ルパンを事件に介入させにくいからなのだが^^;)
自分が夜光仮面であることを隠し切りたいという気持ちはわかるが、迂闊にルパンの名前を出して、本人を引っ張り出すなんて愚の骨頂。随分バカなことをしたものである。
ルパンの力を見くびりすぎている。実際、ルパンの介入で、ドリルの計画はだめになってしまうのだから。

第三に、とっつあん、あなただけは夜光仮面がルパンじゃないと、最後まで主張して欲しかった〜!
今更、ルパンがおかしな扮装をして盗みをはたらいても意味ないのだし。
とっつあんに、「どこかあやしいぞ」と疑わせるだけでも、少しはちゃんとした銭形警部としてえがけると思うので、非常に勿体無い。


パレンケの秘宝

ちゃっかりICPO特別顧問におさまったドリルは、次のターゲット、ヨハネス伯爵邸の仮装パーティーに警察側の人間として乗り込む。
そして伯爵に入れ知恵し、伯爵令嬢マーガレットと、侍女エリザベスを入れ替わらせる。
本物のサファイアの指輪を身に付けているのは侍女の姿をした方。
さらに伯爵に夜光仮面の仮装をさせたり、被害者面して夜光仮面に縛られたふりをしたり、秘書に夜光仮面の姿をさせたりと、警部を散々混乱させる。
伯爵と令嬢、2人とも刺殺され、本物の指輪は夜光仮面によって盗まれた。

ル・モンド侯爵邸での夜光仮面の犯行を、自分の仕業にされたルパンが黙っているはずもなく、大きなサファイアの指輪を狙い、伯爵家の仮装パーティーに潜入していた。
ちなみにこの時二人が変装していた格好、結構楽しいので注目。ルパンはピエロだが、次元は元ネタが判然としない。
どうでもいいことだが、新ル次元の変装はなぜか醜男系が多いように感じられる。それとも気のせいだろうか?

閑話休題。
そのパーティで、ドリルの企みを知らずに、ルパンと次元は偽物の指輪を盗んでしまう。
まんまと夜光仮面=ドリルにしてやられてしまった形となった。

ここに来て、ルパンはどうやら事件の裏が読めてきた様子。
盗まれた獲物が両方とも、サファイアであるということが、共通点である。
ちょうどその時、不二子がル・モンド侯爵の30年前の日記を手に入れて来、事件の全容がほぼ明らかになる。
それにしても、どうやったら死んだ侯爵の古い日記を手に入れられたりするのだろう!さすが不二子。
銀行を買って札束に埋もれた生活をしたい、というとんでもない目標を持っているだけあって(笑)、その行動力はすごいと思う。
ルパンはこの時、「取材費だったらまかせとけ」と言っている。
この新ルにしては、どこか馴れ合っていないビジネスライクな2人がいい!
だけども日記を受け取る時には、さりげなくルパンが不二子に手を出したりして、この適度なイチャツキぶりが最高(^^)。

夜光仮面が盗んだサファイアは、いずれも古代インカ帝国の遺跡から発見されたもの。
発見したのは、セシボンヌ大学発掘隊。メンバーは、ル・モンド侯爵、ヨハネス伯爵、ドルメン教授、スターン助教授の4人である。
このサファイアは3つあり、インカの王パレンケの財宝の扉を開く鍵となっている。
4人の発見者に3つのサファイア。案の定サファイアの保管について仲間割れが起き、スターン助教授が殺されてしまった。
また、その時発見され解読されたタブレットによれば、王の死後1000年の間、財宝の扉は開かないことになっている。
そして、この年が王の死後からちょうど1000年目に当たっており、夜光仮面はサファイアを手に入れ、パレンケの秘宝を手に入れるつもりなのだった。
最後でわかることだが、ドリルは昔殺されたスターン助教授の息子であり、その復讐もあってサファイアを盗むだけでなく、持ち主を殺していたようだ。可哀想なのは、ヨハネス伯爵令嬢である。父はともかく、彼女に罪はないはずなのに……。

こうしてルパンたちは、次に狙われるであろうドルメン教授のもとへ先回りする。ドルメン教授は、次元が入れ替わってくれたお陰で殺されずに済む。
本物の夜光仮面と、夜光仮面に化けたルパンが戦ったり、まあいろいろあるものの、駆けつけた銭形の前で、ルパンと不二子がヨハネス伯爵邸での殺人事件の謎を解き、ドリルと秘書は逮捕される。
とっつあんは、ルパンこそいつも逃がしているものの、タナボタ逮捕はよくしている。

それにしても、ここでルパンが夜光仮面に変装した意味、あまりないような気がするのだか……?(^^;


ギャグ五右ェ門

どさくさでサファイアを3つとも手に入れたルパン。
さっそくインカ帝国の遺跡へ向う。
今回は、結局くだらないお宝でした、というオチはなく、本当に莫大な金銀財宝が眠っていた。
お宝の中で泳いで大喜びするルパンと次元。五右エ門はクールに横で立ってみているだけなのだが……

ところで、この話で一番気になるのは、実は五右エ門だったりする。
冒頭のルパンアジトシーンから、今回の五右エ門は一味違う。
ひとりお茶をたてつつ、ルパンに「働きすぎはよくない」と場の空気を乱したかと思うと(笑)、「ルパン、もう一つ」と言って発した言葉が、
「おいしいね、この羊羹」
お茶の苦味を羊羹の甘さが引き立て……などとやけに詳細に美味しさを説明している(^^)。よっぽど気に入ったのだろう。
ルパンも思わずひっくり返って、「モンゴエ、いやゴエモン、お前日本に帰れ」と言っている(笑)

そして、ルパンと夜光仮面が戦っている場面に登場する五右エ門。
やたらとキザな笑みを浮かべ、風になびく髪をかきあげたりする! ど、どうしちゃったんですか、五右エ門さん(笑)
斬鉄剣で一閃、仮面だけを切り裂いたり、喝で2人を屋上から落としたりするところは、さすがと言えなくもないが。

が、もう一度同じようにキザに笑い、髪をかきあげ、斬鉄剣を振るうシーンがある。
パレンケの秘宝の最後の1回分をルパンたちに運ばせている間に、不二子が宝のすべてをヘリで持ち逃げしようとする時。
気合と共に飛び上がり、剣を振るう。当然、ヘリから宝を積んだトラックが落ちてくると思いきや、一言。
「無念、届かなかった」
大喜びして五右エ門を称えていたルパンと次元は、大いにズッコケ、「紛らわしいことすんなーっ」と怒っているがご尤も(笑)。
今回ずっと、場の空気を乱すというか、周囲のテンポを狂わす役割の五右エ門。時々なら、こういう役回りもいいのだが。あくまで、時々なら。

この他にも、本筋と関係ない部分に個人的に好きなシーンが多い。
ルパンの髭剃りシーンとか、パレンケの宝が開くとき、神の像(?)から噴出す炎を、ルパンと次元が息ピッタリに「アチッ!アチッ!」と言って逃げるシーンとか……。
ぜひ注目してみてください(^^)

ルパンたちにはそれぞれ一袋ずつ、秘宝が残されたが、あとは全部不二子が持っていってしまう。
これできっと望みどおり銀行を買えた事だろう。


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