ルパンとコンピューターとの対決をメインとする話は、各テレビシリーズに一つずつある。
厳密に言えば、コンピューターそのものと対決し勝ったのは、パースリ「ベイルート移動銀行襲撃作戦」だけであり、旧ル「どっちが勝つか三代目」と当作品は、コンピューターを操っている人間の方を攻略して、勝利をおさめている。
この回の特徴は、コンピューターにはルパンの犯罪手口がすべてインプットされており、対決するコンピューターがルパンの分身といえる存在と化していたところではないだろうか。
もしも銭形がいなかったら、彼自身の手口を用いてくるこのコンピューターをどのようにルパンが破ったのか興味深いところだ。
でもまあ、銭形がいなければ、そもそもこの事件も起こらなかったのかもしれないんだけど(^^)。
発端は、ルパン一味がハワイへバカンスに来ているという情報を、銭形が得たことだった。
銭形はハンター教授という犯罪心理学者の元へ赴き、ルパンからハンターのコレクションを守ってみせるなどと言っていた。
ルパンたちは、今回は本当にバカンスに来ていただけのように見受けられるし(アジトでずいぶんのんびりしていたし…)、予告状が届いたわけでもないようなので、これは銭形の早とちりであった可能性も高い。
銭形が「ルパンに狙われそうな金庫・コレクション」を警戒する気持ちは非常によくわかるけれども。
さて、このハンター教授。犯罪心理学者であり、「天才は私一人だけでいい」というような台詞もあることから、かなりの頭脳を誇る人物であるらしい。
ご自慢のコンピューター制御の迷路に守られた、ジャンボジェット機の中に住んでいるようだ。何だってこんなところに住んでいるのか。
移動も出来る要塞的な住居…考えてみると、確かに便利かもしれないと思ったりするが。
飛行機の入口が常にオープンなのが、私的には気になるところ(←閉めればいいのに、とか。笑)
それにしても、ハンターも容貌はやけに印象的!
巨大な顔と耳、部分ハゲのロン毛+チョッピリ前髪。これらは、持って生まれたものだから仕方ないにしても
ヘンテコなサングラスに、上半身だけスーツで、下半身はニッカボッカ?、しかもマント着用。すっごい服装センスである。
風変わりな格好をしているのが、徹底的に身なりに構わない結果なのか、それとも彼流のお洒落の結果なのかが、まるで判別できないという、大学教授にわりとよくいるタイプか。頭が良すぎて、浮世のことがよくわかっていないのかも(笑)。
個人的に新ルの博士系のゲストキャラの顔は、あまり印象に残らず忘れてしまうことも多いのだが、このハンターだけは私の中で別格らしく、あの顔はとても忘れがたい。
こんなデザインのキャラでもなぜか受け入れてしまえるのが、新ルの不思議センスの見せ所。昨今の作品では決して登場しないタイプのキャラデザインだろう。
さらにハンターは何やら美術品のコレクターでもあるようだ。後に10万ドルでの買い手が見つかったので、そこそこは価値はあるものだったのだろう(不二子としてはあまり魅力を感じないようだったが^^)
それでも飛行機の入口が開いているのは、複雑に変化する迷路と、強力な金庫への絶対的な自信のようでもある。
また、わざと犯罪者を招きいれて、自分の頭脳(により生み出されたコンピューター)によって彼らを敗北させるのが、楽しみなのかもしれない、と想像したりもする。
いずれにしても、一癖も二癖もある人物である。
銭形に金庫の説明もするハンター。透明な金庫は、ハンター教授の指紋がなければ開けることが出来ない仕組みだ。
説明を受けながら、金庫に入った銭形が発見したのは……
一代目・銭形平次親分の、一文銭である。
思わず手を伸ばす銭形に、ハンターの厳しい声が飛ぶ。チリ一つでも持ち出すと、電流が流れる仕組みになっているらしい。
ハンターがその警備装置を切った時、銭形は再度、ご先祖様の一文銭に手を伸ばし、葛藤の末、結局それをポケットに入れて持ち帰ってしまった。
現役警察官が、盗みを働いた決定的瞬間である(笑)
ホノルルのアジトで、ルパンと次元はのんびり日光浴。
この時のルパンの水着は、ごく普通の海水パンツ。次元も同様。
気になるのは、次元が紫の海パンを穿いているところだろうか(笑)…次元の「紫色好き」設定は、個人的にあまり好かんのだけど、一応チェックしてみたり。(ちなみに次元が紫色を身につけているのは、似合うので嫌いじゃないけど^^)
のんびりしてはいても、ルパンたちは常に追われる身。警戒は怠っていない。五右エ門を見張りに立て、しかもアジト周辺にはあちこちにカメラが仕掛けてある。
五右エ門からの報告で、カメラの映像を見てみると、アジトへ猛スピードでやって来るのは、銭形だった。
ハンター教授のところへ乗って行ったジープ風の車ではなく、この時は大きなオープンカーに乗っている(ムスタング・マッハIという車だそうだ)。
どちらもホノルル警察のものなのか。それともルパンの元へ赴く時の車は、個人的な用なのでレンタカーかもしれない。
そしてもう一点気になるのは、ものすごいスピードで運転している銭形を見て「スピード恐怖症の銭形」と言っているところだ。
…これに関する私の考察は、Character・銭形のコーナーの「嗜好」編に書いたので、興味のある方はご参照あれ(笑)
そんな些細なことは、実はこの際どうでもいいことなのだ。スゴイのはこの後!
立ちふさがる五右エ門を、ザコ呼ばわりした銭形は、それが口だけではないことを証明してみせる。
手錠であっという間に五右エ門を生け捕りにしてしまうのだ。手錠を掛けられた上に、さらにロープでぐるぐる巻きにされてしまう五右エ門。
あっさりと捕えられてしまい、非常に情けなさそうな、とても信じがたいといった表情の五右エ門、珍しく崩れた顔を見せてくれる(笑)。
彼を車に乗せ、さらに銭形はアジトへと突き進む。
次に銭形を迎え撃つのは、次元。
しかし次元は、マグナムをあっさりと銭形によって弾かれる有様。この日の銭形の銃の腕前は、恐ろしいほど冴えていた。まさに百発百中。
己の銃を拾おうとする次元をからかうかのように的確に弾き続け、最後は五右エ門と同様、手錠にロープでフィニッシュ。二丁上がり。
次元が「夢に違ぇねぇ」とぼやきたくなるのもよくわかる。
う〜ん、何だか銭さんがやけにカッコよく見えるぞ!(笑)
最後に残ったルパンは、この日の銭形がいつもと違うことに気付き、爆弾を仕掛けたサーフボードや、隠しマシンガンなどで攻撃をしかける。
その隙に相棒たちを助けようとしたらしいが、銭形はそんなこともお見通しだったようで、ルパンの後ろから銃を突きつけた。
この時、相棒二人を見下ろし「みっともねぇ」と威張っていたのに、同じように自分も銭形にしてやられた時、急に「アラ〜」となるルパンがやけに可愛い(笑)。まさに山田節v
それにしても本気になった時の銭形は強い。本当に強い。
同じように銭形が真の実力を発揮する話に、新ル97話「ルパン一世の秘宝を探せ」やパースリ37話「とっつあん大いに怒る」がある。
いつもその力を発揮できればいいのにと思うのだが、アニメのとっつあんはなかなかそうはいかないようだ。個人的にはアニメの銭形は、気分的にムラがあり、結果実力にバラツキが出るタイプなんじゃないかと想像している(とっつあん、B型みたいだし^^)
ついに全員逮捕?と思いきや。銭形はルパンたちを逮捕しに来たわけではなかった。
自分もドロボウの仲間にしてくれというのである。
ハンター教授のコレクションの中に、ご先祖様の一文銭を見つけたので、どうしても取り返したいとルパンに泣きつく銭形。
ルパンたち三人を生け捕るくらい真剣だったのは、ルパンと一緒に、ハンター教授の迷路そして金庫に挑みたいがためだったのだ。
「あれ、すでに盗んでいるはずでは?」と視聴者は思うのだが、ここで銭形がすでに一文銭を持っていること、そしてルパンがまだそれを知らないことが、この話のミソである。
余談だが、この時五右エ門が、銭形の説明の途中で「一文銭か」と、さすが日本の歴史に詳しいところを見せるのが結構好きだったりする(^^)
ここで不二子も登場。銭形が一緒にアジトにいるのを見て、「良く出来たサイボーグ」と勘違いする。
銭形が泥棒になりに来たと説明されても、最初はまるで信じない。まあ、そりゃそうだろうな(笑)
そして、5人一緒にハンター教授の迷路の見取り図を囲むという、きわめて珍しい図が見られる。
かなり貴重な1シーンであろう。
協議、検討の結果、ハンター教授の迷路に挑むのは、至難の技であることがわかる。
危険だけが大きく、その割りに金庫の中身には金額的に値の張るものがないと、不二子はあっさりとこの仕事から降りた。
五右エ門、次元にしても今回は同様だった。(ハンターのコレクションってそんなに魅力ないのか。笑)
だが、ルパンだけは違った。
「破るのが難しいから挑戦し甲斐もあるってもんだ」と、いたってルパンらしい挑戦の意欲を見せる。
この金庫破りに関しては当事者である銭形も、当然のことながら一緒にやると宣言。「男ならやれ」と、ルパンをけしかけるが、その時の表情はちょっと気弱な感じがするのは気のせい?(笑)
結局、3人は去って行った。後に残されたのは、日頃宿敵同士のはずの2人だけ。夕日の中、ルパンと銭形が2人並んで立ち尽くす姿は、ちょっと感慨深い(?)。
ここでの「所詮オレは孤独な男。でもオレは負けんぞ」と、ルパンのちょいと気障な独白が印象的。
どこまで本気で思っていたのかは、わからない…というか、相棒たちは離れていき、敵であるはずの銭形だけが自分の傍に残る。そしてその銭形のために危険の中へ飛び込もうとしている。こんな状況を、どこか楽しんでいるんじゃないかと思うのは、さすがに勘ぐりすぎだろうか。
銭形と連れ立ってハンター教授の飛行機に侵入(というか、入口開けっ放しだし。笑)
二人そろって変装しているものの、床全体が人物識別装置になっており、すぐにルパンの侵入が発覚する。
コンピューターによりその都度道が変わる迷路へ入るが、やはりなかなか出口は見つからない。相手のコンピューターはルパンの手口を知り尽くし、ルパンの思考を読み、それに対応して道を変化させていくわけで。要はルパンvsルパンの思考対決だったわけだ。
が、ルパンはそれを予想していたせいか、あまり慌てる様子もなく、次からどちらに進むのかは銭形に決めさせることにする。
世界中の犯罪者のデータはインプットされていても、警察官である銭形については、対応していないはず、ということのようだ。
その考えは的中し、銭形がルパンを背中に背負い、道を選び続けて進むと、ついに金庫のある部屋まで到達する。
コンピューターに「まともな人間の思考ではありません」と評されている銭形の思考って一体。単にコンピューターにとって未知な思考だっただけなのか。
どうでもいいけど、銭形におんぶされているルパンという図が、非常に可愛いv(←こればっかり。笑)
いよいよ金庫に挑むルパン。最初はお約束通りドリルでトライ。続いてレーザー。さらには電流を流してみたりもする。
しかしいずれも効果なし。電流を流して金庫の透明な外壁を一回は壊すことに成功するものの、自動修復装置が備えられ、瞬く間に金庫は元に戻ってしまった。
次にルパンは、ハンターに化けて金庫を開けようとするが、彼の顔で認証するのではなく、指紋でなくては開かないため、結局無駄骨に終わる。
万策尽きたルパンは、何となく諦めモード。
その時銭形は、動揺してかようやく本当のことを口にするのだった。…平次親分の一文銭を盗みに行くのではなく、すでに盗んでしまったそれを返しに行きたかったのだと。
魔が差して盗んでしまったものの、銭形家にとって盗みという犯罪行為に手を染めてしまうなんて、許されることではない。
盗んだことに気付かれる前に、なんとしてでも、銭形は一文銭を返しておきたかったのだ。相当後悔したんだろうと察せられる。
しかし、唯一の頼みの綱のルパンでもお手上げ状態。絶望した銭形は、ルパンに一緒に仲良く引退しようと、言い出したりする。
犯罪者になってしまう銭形は当然警察をクビになる。ルパンも開ける事の出来ない金庫があったからには泥棒を引退だろう……と。勝手にルパンの引退まで決めちゃうなんてさすが(笑)
しかしルパンは、この一文銭に活路を見出す。一文の価値ではなく、まさに値千金だと。
一方ハンターは余裕綽々で金庫室にやって来るが、ルパンの姿が見えないことで、彼が諦めて逃げ帰ったのだとご満悦の様子。
だがルパンは帰っているはずもなく、それまでハンターがコンピューターとやっていたチェス盤に向かってハンターを待っていた。
この辺の演出が、個人的にすごく好きv
自信満々のハンターに対して、ルパンは「コンピューターにないものが一つだけある、それは感情さ」と言いながら、一文銭を取り出し、ハンターに見せるのだ。
絶対に破られるはずのない金庫の中にあった一文銭。それが今ルパンの手にある。
それを見たハンターは激しく動揺。思わず金庫室へ直行、そして金庫を開けて、ルパンが持っていた一文銭が本物であることを確認するのだった。
…ルパンが後をつけていることにも気付かずに。
ルパンは、冷徹な理論だけで動くコンピューターに挑まずに、それを武器とし制御する、人間であるハンターを攻略したのだ。
人間である以上、誰もが持っている「感情」。
ここにつけ込み、動揺を誘い、ついに金庫を開けさせ、中に入ることに成功したのだった。
ハンターはルパンが逃げられないように飛行機を州立刑務所の前まで飛ばしたつもりになっていたのが、実はその飛行機を操縦していたのは、次元・不二子・五右エ門。
「降りる」と言っていたのに、やはりルパンを見捨てることは出来ない相棒たち。ウフフ(怪)
不二子は「勘違いしないで。10万ドルで買い手が見つかったのよ」とクールに答えていたが(実際その通りなんだろう^^)。
こうなればもうルパンのペースである。
マントでハンターを包み(笑)、その隙にルパンたちはコレクションを運び出す。この時、バタバタと壷などを運び出すルパンたちの動きが、やけに可愛いので要チェック。
そういえば、結局一文銭はどうしたのだろう。ルパンたちが持って行ったのか?それともハンターの手に握られたままだったのだろうか?
何度かこの辺のシーンを見たのだが、どうもよくわからない。個人的には、盗まずに置いていったような気がしなくもないが。
いずれにしても、銭形の盗み(笑)は発覚せず、犯罪者にならずに済んだ。
そうなるとゲンキンなもので、銭形はルパンたちを現行犯逮捕しようと向かってくる。
さすがに盗みの現場を目の当たりにしたら、警察官の血が、いや、岡っ引の血が騒いだのだろうか(笑)。
しかし今回は、ルパンたちを逮捕するどころか、いともアッサリとあしらわれ、逃げられてしまう。
この間の時と、今の銭形はまるで別人だとルパンは言う。気力・迫力共に不足していたのだろう、多分。
ルパンが言うように、「泥棒になるくらい真剣」でないと、ルパンたちを捕えることなど出来はしないのだ。
まあ、この時に関していえば、…義理堅く貸し借りを嫌う銭形のことだから、彼自身は無自覚であったかもしれないが、つい先ほどまで世話になっていたルパンに対して、本気になれなかったのではないかと、推察したい。
去っていくルパンたちを目で追いながら、銭形は「ルパンを逮捕するためなら、鬼にでも悪魔にでもなってやる!」と、新たに決意を固めるのであった。
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