第114話 迷画 最初の晩餐の秘密


超透視目薬

ユダの子孫・ノヴァ、キリストの描いた絵、マリアの遺産、奇岩城、透視目薬…と、盛りだくさんの回。
いろいろとポイントが多いので、順次書いていくつもりだがその前に。

この回には、個人的にどうしても忘れがちというか、他作品とゴッチャになりがちなシーンがあって困るので(笑)、ここにまず書いておきたい。
新ルには、列車を舞台にした盗みの話が、当作品以外に3つほどある。(「ベネチア超特急」、「名画強奪ウルトラ作戦」、「白夜に消えた人魚」)
その中で、「白夜に消えた人魚」と、この作品のトリックが、頭の中で混ざりがちな私。いや、よく考えれば思い出せるのだけれど、なぜか「どっちがどっちだっけ?」と迷うことが多い。
列車+氷という組み合わせがそうさせるのかも…(そういう方、いらっしゃいませんか?笑)
この作品では、次元と五右エ門が新たに氷のレールを作って、列車が線路から姿を消したように見せる回。
「白夜に〜」の方は、五右エ門の人間ラッセル車の回である。
ぜひ忘れないようにしておきたい(←自戒)

さて。暗い館の中で、液体を混ぜ合わせたり、電圧をかけたり、作業を続ける一人の男。ついに、何かが完成したようだ。
そこへ現れる一人の女。彼女はノヴァ。ネッスル博士の実験のスポンサーとして、全財産をつぎ込んできたのだという。
博士の長年の研究と実験により、ついに作り出したものは、「何でも透視できる」という超能力を身につけることが可能になる目薬。
ノヴァは、裏切り者の代名詞・ユダの子孫。そのユダ一族に代々伝わるキリストによって描かれた「最初の晩餐」という絵の半分を所有しており、そこにはマリアの遺産のありかが塗りこめられているのだという。ノヴァはその遺産を手に入れることを宿願としている女性だ。
ネッスル博士に対する資金提供も、すべてはそのためなのだとか。
早速完成した目薬を差すノヴァ。勇気あるなぁ。
博士の研究は大成功で、ノヴァは何でも透視する能力を得た。目薬を差した目で、ユダの家に伝わる絵…ちぎれて半分になったものを見てみると、羊皮紙に塗りこめられた地図がはっきりとわかった。

しかし、遺産の場所を明確にするには、ちぎれた絵のもう半分が必要だった。
その半分を持っているのは、ルパン一世。彼が、秘密のアジト・奇岩城に絵の残りの部分を隠したことまではわかっている。
ノヴァは、奇岩城の場所を突き止めて、絵の半分を取り返そうと画策する……

それにしても。出ました、この手のアイテム(笑)透視目薬。
ただ今回面白いと思ったのは、こうした特殊アイテムを銭形と絡ませ、彼の手強さを強化したところ。
正直、もう少しルパンたちが、超能力(笑)を身につけた銭形相手に「苦戦」している雰囲気が濃ければ面白かったかも…という気はする。(それでも十分、逃げまくっているのだけれど。「雰囲気」の問題かも)


この回、恋にトチ狂った銭形が、まさにアクセル全開状態で突っ走る。
タクシーに乗った銭形は、死に物狂いで急いでおり、赤信号で止まった運転手に拳銃を突きつけて(!)先を急がせる始末。
「今日の信号は全部青」「俺の恋を邪魔するヤツは、全員死刑」と、メチャクチャもいいところ。
フラフラのタクシーが壁に激突したちょうどその場のカフェに居合わせたのは、ルパン・次元・五右エ門の三人。
それをしっかり発見した銭形なのに、「逮捕は午後三時以降までお預けだ」と、な、な、なんと銭形ともあろう者が、ルパンを目の前にして逮捕しようともせずに見逃してしまってるのである。
…いくらなんでも、これはどうなのという気分でイッパイ。
当然、見逃された当人ルパンたちも同様で、ポカンとしている。と、五右エ門が銭形の落し物を拾う。
それは、銭形への熱烈なラブレターなのだった!!
銭形を「ダーリン」と呼びかけてる手紙の熱烈さに、次元は酒を吹き出すほど。確かに、昭和一桁がダーリンってイメージじゃないなぁ(笑)。軽いフシをつけて読むルパンの声の調子がいっそう笑いを誘う^^
この手紙を読んだ三人は、銭形がルパン逮捕をもせずに急いでいた原因と行き先を知ることになる。

女との待ち合わせの為に、銭形は何もかも目に入らないほど夢中になって、目的地へ急いでいた…。
うう、気持ちはわからなくもないけど、ルパンたちを見逃すのだけはなぁ(←しつこい)。
どうせなら、急ぎまくって壁に激突しているタクシーに乗った銭形を、ルパンたちが一方的に発見してひとまず身を隠していて、銭形が慌しく去った後「何があったんだ?」とばかりに出てくると、足元にはラブレターが落ちていて…という展開でも良かったような気がする。
常日頃命がけでルパンを追う銭形が、時には恋に舞い上がってもいいんだけれど、いくらなんでも「まだ見ず知らずの女性」と「目の前にいるルパン」では、どう考えてもルパンの方が銭形には重いように思ってしまう。
ま、コミカルタッチだからそう深く考えなくてもいいのかもしれないけれど、私個人としてはちょっと気になってしまうのである。

そんな具合に突進して目的地・セントヨハネス寺院に向かった銭形、何とか待ち合わせ時間に間に合うことが出来た。
そこに現れたのは、ノヴァ。
彼女は、段取りも何もあったもんじゃなく、とにかく銭形に迫りまくり、熱烈に愛を告白する。怒涛の攻めだ(笑)
相当な美人にそこまで迫られれば嬉しいのだろう、銭形もその気になっている。

そんな様子を隣のビルから眺めているのは、ルパンたち三人。
銭形へのラブレターと、彼のただならぬ様子に興味を引かれたのだろう(モノ好き!)
ルパン曰く、ノヴァは「不二子よりいい女」なんだとか。←個人的に一言物申したいけど控えよう(笑)
そんな女がよりによって銭形に熱を上げていることに「気が狂いそう」(ルパン)、「蓼食う虫も好き好き」(次元)「妙な予感がする」(五右エ門)と、言いたい放題だ。この辺の三人の会話が楽しいv

教会の中に入った二人は、今にも結婚しそうな勢い。ノヴァの迫り方はとにかく強引。その場でプロポーズしてしまうのだ。
「愛の方で私を追ってくるんです」など、熱烈でロマンチックな台詞、きっと銭形は聞きなれなくてポーッとなったことだろう。
どうやら銭形はその気になって、結婚を決意してしまった様子。すっかり彼女のペースで、「ダーリン」「ノヴァ」と呼び合う始末。
しかし。そう簡単にハッピーエンドというわけにはいかない。
結婚に当たってノヴァの出した条件は、ルパンを逮捕すること、であった。
かつてルパンが逃げたせいで結婚しそこなった過去のある銭形(新ル85)、いつになく慎重で「ヤツはそう簡単に捕まらない」といったことを呟く。
すると、ノヴァは、あの透視目薬を取り出し銭形に与える。
それさえあれば、ルパンの変装を簡単に見破ることが出来るばかりでなく、壁をすかしてみることも出来るのだから、どこに隠れてもすぐ発見することが出来るようになる…
銭形はちょっと半信半疑っぽい様子を見せていたが、目薬の効果はすぐに現れた。
教会の壁を越え、隣の建物の屋上にいるルパンたち三人を、あっという間に見つけ出したのだ。
こうして、特殊能力を身に着けた銭形とルパンたちの追いかけっこが始まる。


奇岩城

透視目薬はどこまで「透視」出来るのだろうかと、改めて見てみたところ。
目薬を差した後銭形がノヴァを見たとき、洋服一枚だけが透け、下着姿が見えていた。
その後透かして見たものは教会の壁、バーの壁、海の水など。どうも「直接視界を塞ぐ物質を一枚だけ」透視できるようだ。
そして、途中で一度銭形が目薬を差しなおしていることから、ある程度の時間が経つと、能力は消えてしまうものらしい。
また、「直接視界を遮るものの一番上の物質」を透視すると言っても、それに「人体(皮膚など)」は含まれないようだ。
…まあいちいち見えちゃ、不気味で仕方ないだろうけど。
どういう仕組み?と、突き詰めて考える必要はないだろう。元々が「超能力」という不可思議なモノなのだから。

そうはいっても、これだけでもルパンたちにはかなり不利。
いつもならバーに入ってやり過ごせば、銭形は素通りしていくところだったかもしれないのに、今回はあっさり見つかってしまっている。
逃げ込んだバーでも、しっかり酒を飲んでるのがルパンたちらしくて好き^^
先ほどルパンらを発見して発砲してきた銭形が誇らしげに言った、透視目薬について語る三人。
この回では五右エ門までもが胡散臭そう。屋上では「SFの読みすぎでは」とまで言っている。
もしかしたら、五右エ門は昔からある心霊的なモノはある程度信用できても、SF的アイテムには抵抗のあるタイプなのかもしれない。

しかしそこも、すぐに銭形に見つかって踏み込まれる。
この回の銭形、惜しむらくは拳銃の腕前がまるで冴えていなかったことか。いや、「威嚇射撃」にあえてとどめている可能性は高いが、拳銃に頼らず得意の投げ手錠を使っていたらいいのに。
ノヴァ的には早いうちに捕まえられては困るから、それでいいのだろうけど。

逃げるルパンたちを追うべく、ノヴァは車も用意しており、銭形と共にどこまでも追っていく気構え。なかなか活動的な女性らしい。
そんな風に逃げていくルパンたちの様子を、陰からこっそり見つめていたのは、不二子だった。

余談だが。バーから出てきたルパンたちが、車に飛び乗るシーン。
一番最初に車に辿り着いたのは五右エ門なのに、彼は迷うことなく後部座席に座りルパンたちを待っている(笑)
やっぱり新ルにおいては、基本的にはルパンが運転、という役割分担がなされていたのかもしれない(次元運転も結構あるにはあるが)

逃げるルパンたちを、銭形とノヴァは執拗に追い続ける。
ヘリコプターで空へ逃げれば、空までも。海中に逃げれば、海までも追ってくる。
逃げ場を失ったルパンたちは、ついに秘密のアジト、ルパン一世の残した奇岩城へと追いつめられていくのだった。ノヴァの目論見どおりに。

銭形には気の毒な話だけれど、ノヴァの目的は奇岩城に隠されたキリストの絵の残り半分。
奇岩城の場所がわからないため、ルパンの宿敵銭形を利用し、彼を徹底的に追いつめ、奇岩城に逃げ込まざるを得ないように仕向ける、という計画を立てた。ということは、銭形へのあの熱烈なラブコールも演技、なのだろう。
ここまでは完全にノヴァのペース。彼女の計画通りにことは進んでいた。

三人ともダイバースーツ着用で海に潜行しつつ、奇岩城に辿り着いた三人。
そこは、海に囲まれ、外からでは大きな岩にしか見えない、まさに秘密のアジトといった雰囲気。
しかし銭形には透視能力で全てお見通し。透視によると、奇岩城の中にはいくつもの部屋があり、様々な装備がされている様子が伺える。
さすがルパンが最後に身を隠すアジトだけはある。
残念なのは、奇岩城そのものの凄さはこれ以外ではよくわからず、勿体つけて出てきた割には、ルパンらはあっさりそこから脱出してしまい、存在感が薄いことだろうか。

船の上から奇岩城の様子を伺っている時、ノヴァが銭形の愛を確認したりする。
その時銭形は「あの星をエンゲージリングに欲しいと言うなら、今すぐにでも撃ち落して見せましょう」と言い、空に向けて発砲。(ちょうど流れ星が落ちてくるのがイイ^^)
かなり熱烈でロマンチックな台詞。銭形やるなぁという感じ。こんな台詞を言えるなんてやや驚き。
一方ノヴァは着々と絵の半分を手に入れる準備をしている。
銭形に、奇岩城の中にある絵を盗んで欲しいと頼み込むのだ。
警官である彼は最初拒否するのだが、涙ながらに「二人の愛のためなのよ」と訴えかけるノヴァに、結局は言いなりの様子。
…今回の銭形は、トコトンいつもと調子が違い、ひたすらノヴァとの愛に生きようとしているみたい。ICPOの星よ、どこへ行く。あーあ。

アジト内部では。ルパンたちが階段を登っているその時。西洋鎧に気配を感じた五右エ門は、鎧を切り裂く。
と、そこから出てきたのは、不二子(なんで隠れてたんだろう?)。
追いつめられたルパンが逃げ込むのはここだろうと見当をつけて、先回りしていたのだとか。さすがルパンのことはお見通しなだけある。
奇岩城の場所や入り方は、不二子には教えてあったらしい。彼女を仲間だと認めているのだなと思うのはこんな時である。(でも不二子にナイショの場所もあるのでは、と妄想したくなるけれど。笑)

不二子は、ノヴァや、彼女が支援したネッスル博士の研究について調べ、彼女の目的まで見破っていた。
ノヴァの狙いは、キリスト自らが描いた絵の半分であること、そこにはマリアの遺産のありかが隠されていること、その遺産欲しさに、ユダはキリストを裏切ったのだという歴史的背景まで調べていた。
また奇岩城にあった日記から、若き日のアルセーヌ・ルパンが、その伝説を聞きつけ、ユダの子孫から絵を奪おうとしたいきさつまで、ルパンに話して聞かせる。
かなり有能な感じで、この回の不二子はとても好ましい。
ようやく相手の目的を知ったルパンたち。今度は彼らが攻勢に出る番である。次元は早くも、ノヴァから絵の半分を手に入れれば、自分たちがマリアの遺産を手に入れられると張り切っている。

そこへ現れたのは、銭形とノヴァ。
だが捕まるルパンたちではない。ルパン一世が準備してあった脱出用の気球で、四人は逃げ去った。
「こうなったら人海戦術で」と悔しがる銭形だが、もっと早く効率的に人員を配置することは考えなかったのかとか、つい気になってしまう(笑)
ギリギリまで単独行動しがちなのは銭形の気質か、それともノヴァの魅力に参って判断力が鈍っていたからか。
まあ…この回の銭形はどこもかしこも(ルパンを見逃したことに始まり、「来週からは銭形が主役として『ルパン三世』が恋愛ものになる」とメタな叫びを上げるなど)、とにかくハチャメチャだ。

気球で逃げていく際、ルパンが「絵が欲しかったのなら、銭形じゃなく俺に惚れれば良かったのに」と言っているが、もっともな感じ(笑)
とはいえ、ユダの子孫であることを誇りにしているノヴァのこと、彼ら一族の秘宝「最初の晩餐」を盗み出した盗賊の孫であるルパン相手では、さすがに色仕掛けのお芝居をする気にはならなかったのではないか。


氷のレール

奇岩城を後にしたルパンと不二子は、列車を乗っ取りどこかへ向かっている。
不二子は「どこへ逃げても無駄よ」と言うが、ルパンは「逃げてるんじゃないの」と、列車に乗っていることにちゃんと考えがある様子。
そして「耳貸してご覧」と不二子に、作戦を耳打ちするのだった。この時、小声で「昔々あるところに…」と言ってるのが楽しい(山田さんのアドリブなのかしら??^^)

ルパンがこの列車に乗り込んでいることだけは突き止めている銭形。
部下を乗り込ませ、彼らに透視目薬で「超能力」を与えていた。これでルパンの変装を見破るつもりだったらしい。ちょっとだけ登場する弱腰の上司が、個人的になんとなくイイ(笑)
ついでに、ノヴァもこの列車に乗ってきており、銭形がルパンを逮捕する瞬間を待っている。

そこへ現れたのは、変装した不二子。金髪・眼鏡という変装が可愛らしい。
この時ルパンの作戦で、なんと不二子は洋服の下に下着をつけずに銭形の部下&上司の前に姿を現しているのだった(!)
外したブラジャーをルパンが持っているのがナンとも…(85話の時のように無理やり外された?笑)
当然、透視能力を持った彼らは、不二子の裸身に目が釘付けになる。変装を暴くどころの騒ぎではない。
「ルパンたら、こんなエッチな作戦を考えるなんて」と恥ずかしそうにする不二子は、とてもキュートで色っぽい。何だかんだいってしっかり役割をこなすところがプロフェッショナルだ。
部下たちは銭形によって透視能力を与えられるだろうと読んだルパンの作戦勝ち。そして、不二子の美しさの^^。

ノヴァの元から戻ってきた銭形は、部下たちのおかしな様子に一瞬隙が出来る。
いいタイミングでルパンは列車内を停電させる。
わずかな時間の中、不二子は銭形の持っている絵をすり替え、また透視目薬を奪う。不二子、お見事!
そして、駅に列車が停車した時、ホームにルパンと不二子らしき人影が走り去る。それを追って、列車を降りる警官隊と銭形。
しかし、捕まえてみれば、「幾重にも」ルパンのマスクをかぶせられていた、別人だった。むろん不二子の方も。
またもや透視目薬の能力を逆手に取ったやり方で、ルパンは邪魔な銭形たちを一旦、列車から排除した。

だが、次の駅で銭形が待ち受けていることは必至。不二子が「どうするの?」と尋ねると、またもやルパンは自信ありげ。
列車は線路以外走れない、だから次の駅で待ち受ければ逃げられないとの固定概念を利用、逆手に取る作戦をすでに考えてあったのだ。
その頃次元と五右エ門が、打ち合わせどおりの場所で、準備をしているのだった。

二人は、トラックに水と液化窒素を準備。
水を大量に撒き、それを液化窒素で瞬時に凍らせつつ、線路から離れていく。
岩場を登りきった辺りまで、氷の道を作り終えると、五右エ門はトラックから飛び降り、そこを滑り降りながら斬鉄剣で鮮やかに筋を入れていく。線路をも切り裂き、またも氷上を滑り往復する。
斬った二本の筋はちょうど線路の幅と同じである。
坂を下りるときは凍ったところを滑り降りていけたんだろうけど、帰りは登り道になるのに、相変わらずツーーッと滑って移動しているのはどういう仕組みなんだろう、とちょっと不思議なんだけど(笑)五右エ門の鮮やかな身軽さが気持ちいいから別にいいことにしよう。
お次は次元の番。五右エ門の手並みを「見事なもんだ」と評した後、彼が作った線に沿って不要な氷の部分をマシンガンで撃ち崩していく。
これは、二人の特技を生かした作戦でもあったのだ。

こうして出来た氷のレール。そこへ、ルパンは列車を乗り入れるのだった。
次の駅で待っている銭形の元へは、いっこうに列車の姿は現れない。部下の「蒸発してしまった」との言葉に怒り、また不機嫌なノヴァの様子に戸惑う銭形。
まんまと絵を奪われ、しかもルパンを逃してしまった銭形に愛想をつかしたノヴァは、彼を派手にひっぱたいて去っていく。「二人の愛はどうなるのだ」と叫ぶ銭形は、ちょっと可愛そうな気もする。
が、ノヴァは自分本位な女だし、別れて正解だよと慰めたい心境(笑)
どうせルパンを逮捕して絵の全てを手に入れたところで、役目が終わればきっと振られていたんだろうし…。

絵をつなぎ、透視目薬でそれを見たルパンは、ついにキリストの隠した宝のありかを突き止める。
その場所はイスラエル。キリストの生まれた馬小屋に、その宝は埋められていたのだった。
なぜか、穴を掘る作業は次元と五右エ門だけが担当(笑)、ルパンは不二子と一緒に見守るだけ。三人で掘るには狭い場所だからかしらん。

そして、五右エ門が何やらツボを掘り当てる。これが、キリストの宝…だったのだが。
出てきたのは、古びた哺乳瓶。
聖母マリアから受け継いだ宝とは、キリストを育てた哺乳瓶のことだったのだ。
次元の「バッチイ哺乳瓶」という言い方が彼らしくて笑える。
骨折り損だったわけだが、キリストにとっては自分を育ててくれた哺乳瓶は大切な宝だったのねと、穏やかな理解を示す不二子がイイ。今回の不二子は、突出した活躍こそないものの、わたし的には何だか好印象。

ルパンは、キリストの哺乳瓶より、「不二子の本物の哺乳瓶」がいいと鼻の下を伸ばしている。
そう、彼はまだ透視能力を持ったままで、さっきからずっと不二子の胸を見ていたのだとか。さすがにブラジャーはもう返してもらってたんだろうけど(?笑)
不二子はルパンの口にキリストの哺乳瓶を突っ込み、逆襲。それを見た次元は大笑いしている。
彼らの期待していたような宝は手に入らなかったものの、いつも通りの楽しげな様子。彼らが楽しそうだから、宝がああいう感じでも、何となくほのぼのしてくるラストである。


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