峰不二子の嗜好を探る


不二子の好き嫌いは、きわめて分かりやすい。
好きなものもは特に不二子らしい(^^)。基本的にはお宝である。
また、嫌いなものはいかにも女の子といったものが多く(主に新ルで紹介されるエピソードに基づく)、自分の欲望に忠実に生きる自由で強い女というイメージの反面、妙に可愛らしい部分もあって見逃せない。



ヘビ・カエル嫌い

不二子は意外にも、ヘビやカエル嫌いのようである。
一番印象的なものは、「とっつあんの惚れた女」(新ル66)におけるエピソードであろう。
ルパン一味を知り抜いている銭形警部だけあって、不二子の最も苦手とするものも承知していた。
それはカエルである。
不二子を撃退するために、しっかりと生きたカエルを用意していた銭形。実際、その作戦は大成功している。
ローラを取り戻しに来た不二子を、まんまとカエルで気絶させた銭形は、愛の逃避行(笑)へと立つのだが……それはともかく。

カエルを目の前に突きつけられた不二子は、それまでの強気もどこへやら、悲鳴をあげて身をすくめてしまう。
仕舞いには気絶してしまうのだから、そのカエル嫌いは筋金入りのようだ。
いつも余裕の笑みを浮かべて、あのルパンをも平然と裏切る不二子とは、とても思えぬ可愛らしさである。

さらに、不二子は蛇も苦手だという。(新ル138「ポンペイの秘宝と毒蛇」)
蛇によって守られているポンペイの秘宝。それを不二子としたことが、蛇を理由に奪うのを諦めている。
結局、秘宝の正体は「血清」だったので、この場合出かけていかなくて大正解なのだが、あれほど大好きな「お宝」への執着心以上に、蛇への嫌悪感の方が強かったと見える。
また、パートIII・1話「金塊はルパンを呼ぶ」では、蛇を突きつけられ、すごい顔で(笑)悲鳴をあげているから、この時もまだ蛇が嫌いなようだ。

カエルといい、蛇といい、不二子はヌメッとしたイメージの爬虫類・両生類が苦手らしい。 が、ネッシーは不思議と平気な不二子(新ル4「ネッシーの歌が聞こえる」)。
そもそもネッシーは爬虫類なのかよく知らないが(というか、いないし。笑)、恐竜の生き残りのような生き物なのだとしたら、爬虫類である可能性は高そうではある。
それでも不二子は、ネッシーという存在に驚きはするものの、その後ネッシーをかばってあげたりする等、取り立てて恐れたり嫌悪している様子は見えない。
爬虫類が全部ダメというわけではなさそうだ。
ヘビの這う姿とか、カエルの皮膚感のようなものが苦手なのだろうか。
それとも、あまりにも巨大なモノだと、嫌いな種類でも感覚的に「別物」なのか。
まあ、強引にこの話を「爬虫類系」でくくることもないのだが(笑) それにしても、不二子の嫌いなものはいかにも「女の子」らしく、分かりやすいといえば分かりやすい。
案外「普通」のウィークポイントがある辺り、不二子に親近感を覚えてしまう。

これ以外に、不二子は「閉所恐怖症」の気があるらしい。(新ル110「激写!これが不二子だ」)
潜在意識を探った結果、それが発覚するのだが…
うーん、何だかコメントのしにくい恐怖症。
不二子って、お宝のためなら、狭苦しい屋根裏にも潜入できるような気がする。
潜在意識の中では、閉所恐怖症のケがあるが、実生活ではあまり意識しないで済む程度のものなのか。
それとも、お宝への誘惑が、不二子を怖いものナシにさせるのか?(^^)
はたまた、ああいう屋根裏のように縦に狭くても、横に広ければ、特に恐怖は感じないものなのか。
私自身が狭いところが決して嫌いではないので(笑)、個人的にこの恐怖症はなかなか想像しにくいものがある。


お宝大好き

不二子が好きなものといえば、何と言ってもお宝だろう。
金銀・宝石・絵画・現金。
価値あるものなら何でも好きそう(^^)。

不二子のルパンへの裏切りは数知れぬほどあるが、「宝石横取り作戦」(旧ル16)を初めとして、宝石がターゲットの時に多いような気もする。
また、ルパンの命を「賭け」の対象にしている場合も同様。
「ルパン史上最大の苦戦」(新ル109)では、巨大なダイヤの原石目当てだし、「地獄へルパンを道連れ」(新ル126)でも、名高いレディ・ブラックの宝石コレクションがきっかけだった。
不二子が、愛のない結婚すら厭わないほど、欲しがったものも宝石である場合が殆どである。
ハワード・ヒースのジャンボルビー(新ル14)、ハフナーの宝石コレクション(新ル75)など。

これだけ宝石に執着する不二子のことだから、最後までルパンを裏切らずに共同で手に入れた大きな1個の宝石の場合(例えば「華麗なるチームプレイ作戦」の時など)、結局所有者は誰に落ち着くのかが、気になるところではある。
現金や金塊、多数の宝石ならうまく山分けも出来るだろうが…。やっぱり最終的には、おねだり・強奪などで(笑)不二子が所有者になることが多いのだろうか??

その点、金塊の場合は裏切る確率が若干低いようにも思える。
獲物が金塊である場合が多いパート3を、もう一度きちんと見返してみないと何とも言えないが…(^^;
やっぱり多量の金塊は、不二子一人で持ち逃げするにはあまりにもかさ張るし重いので、ルパンたちとの共同作業をせざるを得ないのだろうか、などと考えてしまう。
そういう意味で、「金塊の運び方を教えます」(新ル5)は、上手な運び方のアイディアがあったので、ルパンたちを裏切った。
ルパンたちと組んだら分け前が4分の1であるのに対し、頭取と組めば安全に運べる上に、共犯が一人なら分け前が2分の1になるので、そっちが得だと判断したのではないだろうか。

宝石も好きだが、勿論それと同じくらい現金も好き。
「罠にかかったルパン」(旧ル17)で、空から舞い散るお札(但しニセ)を銀子とともに集める不二子の壊れっぷりはなかなかスゴイ(笑)。
とてつもなく莫大な量のパレンケの秘宝を持ち逃げした時、その目的は「銀行を買うこと」だった。(新ル86)
不二子が銀行を経営すること自体にそれほど興味があるとも思えないので(違うかな)、その目的は現金そのものと思われる。
銀行を買えば、現金がいつでも自分の手元にあるわけで、不二子にとっては魅力的だろう。


また、不二子は「浮世絵に目がない」のだという。(新ル55「花吹雪謎の五人衆」)
ルパンの言い方からすると、個人的に愛好しているのかとも受け取れるのだが、ちょっと違うかもしれない。
「浮世絵ブルースはいかが」(新ル9)で、不二子は手の込んだ方法でルパンを利用し、写楽の本物を手に入れているが、自分のコレクションにするわけではなく、即座に誰かに売ってしまうつもりだったらしい。
純粋に好きだったら、少しの間でも自分の手元に置いて楽しみそうなものだと思うのだが…。
とはいえ、55話ではさらにルパンが「富士山のコレクションをしている」とも言っているので、不二子は浮世絵全般を愛好しているというよりも、自分の名前と関係のある富士山を描いた浮世絵、絵画だけをコレクションしているのかもしれない。
ならば、9話で人物画の浮世絵をすぐに手放そうとしていた事の説明もつくので、不二子は「富士山絵画愛好家・コレクター」ということなのだろう。

そう考えていくと、不二子は作中、いくつもの宝石を手に入れているが、これらは結局売ってしまっているのか、それとも宝石はかなり実用的にも使えるので、ちゃんと手元に置くのだろうかなどと、いろいろと気になることも多い。
何となく、宝石は手元に残しているのでは、という気がしなくもない。




不二子が損得抜きで純粋に好きなものといえば、それは犬なのではないだろうか、と想像してみたりする。
「ドロボウ交響曲を鳴らせ」(新ル89)で、不二子はプードルの「ぷーちゃん」を連れてルパンの元へやって来る。
その時ルパンが挑もうとしていた仕事には関わろうとせず(勿論不二子にとってはデメリットが多すぎたせいだろうが)、「私忙しいの。ぷーちゃんの美容院へ行かなくちゃ」などと言って、かなり可愛がっている様子だった。
この直球のネーミングが、笑いを誘う。というか、我が家のペットの名づけ方と同じなので、ますます親近感(笑)。

また、「クリスマスは女神の手に」(新ル64)では、マギーに張り合ってしこたま買い物するのだが、その時大きな犬も飼ったらしい。
いくら見栄のためにいろいろと買い物をしていたときとはいえ、単にステータスのひとつとして買っただけとも思えない。(他に高くて金持ちに欠かせないものは、ニューヨークにならいくらでもあるだろうし)
この二つの話を合わせて考えると、やはり不二子は犬好きなのではないか、と思う。

余談だが、もしもペットを飼うことがあったとしたら、ルパンは犬、次元は猫、五右エ門は鳥(犬か猫なら、犬)という気がする(←超勝手な妄想ですが)
ルパンは愛玩動物として飼うわけではなく、護身用とか、作戦で必要だから、いう意味合いで。
次元は捨て猫に勝手について来られて、時々路地とかでエサをやる程度。五右エ門の鳥もそんな感じ?
なーんて、ちょっと妄想しすぎました(笑)

(2002.5.5)

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