石川五右エ門の生い立ちを推理する



星座

正直、五右エ門の星座が五人の中で一番考えつかない。
今まで五右エ門に「西洋占星術」を当てはめようと思ったことがないせいかもしれない。
きっと五右エ門自身も星座占いなど知らないのではないだろうか。八卦や宿曜などの占いならなら知っているだろうけど。
まあいい機会だから(?)ちょっと推理してみたい。

星座のイメージが浮かばないときは、四大元素のどの宮が一番相応しいかから考えることにしている。
五右エ門は、地の宮ほど物質世界に関心が向けられているタイプではないし、五右エ門はなかなか気性が激しい面もあるけれども、もともと衝動的・活動的だったり、激しやすいタイプでもないだろう。
風の宮ほど知性的で器用でもなさそうだし……
というあまりにも独断的な消去法により(笑)、水の宮ということになった。
水の宮の中では、一番優しく、夢見がちといわれる魚座あたりが相応しい気がしてくる。

五右エ門は、修行を通じてしきりと悟りを開きたがっている。
多分彼は根本的には優しい人柄で、感受性が強く、俗世ではなかなか生きづらいのだ。悩みや葛藤、彼が背負っている業はあまりにも重い。
そう思いながら魚座の性格について書かれているところを読むと、なかなか合っているではないか。

「魚座の人は夢想的でスピリチュアルで、非常に情緒的な性質を付与されています。実用的というよりはむしろ、抽象的な思考や体系を理解し、表現する能力にすぐれているのです」

表現する能力にすぐれているかどうかはともかくとして、五右エ門の思考回路はそれほど実用的ではない。彼が剣や武道だけでなく、いろいろな乗り物の運転技術をもっていたり変装も出来たりと、案外実用的なのは、彼の本質とはまた別の問題だと思う。

また、「魚座の人は所有物を気楽に分け与え、親密な友情と愛情を大切にする点で際立っています。その半面、1人で過ごす時間が必要なため、隠遁者や一匹狼となって世間から遠ざかろうとする癖もあります」ともある。
ルパンや次元に対しての友情はかなり厚いものがある。「五右エ門危機一髪」(新112)でのルパンへの思いに涙した人も多いだろう(独断)。
だからといって、いつもルパンたちと一緒にいるわけではない。そもそも「五右エ門危機一髪」で捕まったのも、単独行動している時だった。
「カリ城」でも「暗殺指令」でも、五右エ門はどこかから呼び寄せられている。次元に比べ五右エ門はルパンと離れている時間はかなり多いだろう。
そんな時は一人で剣を通じ悟りの道を開こうと修行に励んでいるに違いない。

さらに魚座は、宗教に限らず、その他の信念・信条に関しても心からの信奉者になる事が多いのだそうだ。
心酔した後へのルパンへの忠義だて、また大和魂・武士道への信念やこだわり。
思い込んだら融通がきかないくらいに一途な五右エ門らしい特徴と言えよう。


血液型

五右エ門の血液型。これまた難しいのでどうしよう。五右エ門のこの項がなかなか進まないせいでHP作成もだいぶ遅れた(^^;)。
大雑把で迫力あるO型、ユニークでマイペースのB型、真面目で几帳面なA型。
O型だけはないだろうと思うものの、AとBの要素はある程度持っている。が、そのどちらでもないとなるとAB型だろうか。
ルパンレギュラーに誰もA型がいなくなってしまうのでバランス的にはA型にしたいところだが(←すごい理屈。笑)、ここはAB型と推測してみたい。

だが、AB型には一言でいえるような大きな特徴が思い浮かばない。今まで会ったことのあるAB型はみんなタイプが違う気がするし。
変わり者、よく分からない人、OでもAでもBでもない人。そんな感じしかないのだ。(AB型の皆様、無知ですみません)
だがあえて共通点を挙げてみると、沈着冷静で、ドロドロした人間の感情が苦手で、スマートさ、淡白さ、クールさを好むということがあっただろうか(昔読んだ本より)。
五右エ門が悟りを開きたがるのも、そういった醜い人間のドロドロとした部分に耐えられないからなのかもしれない。

またAB型の男は、時々ものすごく遊び上手な男がいるようだが、その半面、真摯な愛情表現が上手じゃないという。
五右エ門も決して愛情表現が上手いとは思えない。己に禁欲を課しつづけているせいで年のわりに純情なのだろうが、それにしても自分の気持ちを伝えるのが得意な性質ではない。
さらにAB型は偽善を嫌う。信じていたものから裏切られたとき、さすがの冷静なAB型も動揺し、傷つく。人によっては復讐の鬼と化すと言う。
いちいち例を挙げるまでもなく、五右エ門が偽善や嘘を好む性格ではないのは明らかだろう。

かなり苦し紛れにAB型説を唱えたのだが、そこまで激しくズレているわけではなさそうだ。
五右エ門の「男とは、女とは、武士とはこうあるべき」的な考え方はもしかしたらA型かもしれないなと思わなくもないが、取り合えず五右エ門AB型説を推しておこうと思う。

年齢

五右エ門は、ルパンにも不二子にも「坊や」と呼ばれていることから、ルパンレギュラー陣の中では最年少だと考えられる。
ルパンの五右エ門に対する態度は明らかに年少者に対するものだ。
「月影城の秘密を探れ」(新36)では、「月影丸をお前のものにしてやるからな」などと言って五右エ門のワガママ(?)ぶりも気にせず必死に暗号を解いてあげているし、「五右エ門危機一髪」で、自分のために痛めつけられた五右エ門の頭をなでたりしている。
また、「ルパン暗殺指令」(TVSP)で生きていた五右エ門に対しては抱きついて激しく喜んでおり、次元のときとはやや反応が違う。

わたしは旧ルのルパンを24,5歳と推測しているので、そこから考えてみる。
ルパンと五右エ門の年齢間には不二子もいるし(不二子の項にて述べる)、1,2歳程度の年の差ではないような五右エ門の扱い方。それを考えると、五右エ門はルパンの4,5歳下なのではないだろうか。
ということは旧ル時で20歳くらい!
あの声と三白眼でどうも20歳にはあまり見えないが(笑)、あのピリピリとした雰囲気からも、まだかなり若いと考えてもいいだろう。

新ルの時に24,5歳程度。外見では旧ル時より若返っているのだが。
「大統領への贈り物」(新12)では、まだまだ煩悩が捨てきれず(笑)不二子のパンチラをちゃっかり見ていたり、高校生の浜中奈美にちょっと思いを寄せたり(新108)と、ルパンたちよりはやはり若い。そもそも高二の奈美が守備範囲なのだから、五右エ門は24,5以上だとちょっとヤバイ(?笑)だろうし。
そう考えていくと、パースリで28,9歳。26話ではリリーに「おじさま」と呼ばれて面くらっていた(笑)。
きっとオジサマ扱いされたのは初めてだったのだろう。だとすると、このくらいの年代と考えてもいいだろう。ティーンエージャーらしきリリーにとってみれば30歳近ければ「おじさま」だよなぁ、きっと。

IIIでは新ル以上に「〜なのじゃ」等々古臭い言い回しを使うようになっているような気がする。貫禄をつけるためにあえて使っているのか?まだちょっと早い気もするが。
「暗殺指令」では35,6歳か。「暗殺指令」の絵柄だけでは、若いのか年取っているのかよく分からないが、異様なまでに寡黙になっている。もともとそれほど口数の多くなかった五右エ門だが、新ルの時はこれほどまでに無口ではなかったのに…。
年を取るほどに五右エ門は寡黙になっていくタイプなのかもしれない。

家族・生い立ち

五右エ門が家族について語る部分はあまり多くないが、記憶にあるだけでも母と祖母のことは話していた。
母は熱心な観音信者だったこと(新54)、祖母の薬のおかげで命が助かったこと(新14)。
そして原作最終回では非常に印象に残る台詞を言っている。
タイムマシンが見つかったらどうするかを尋ねるルパンに対してこう言うのだ。
「オレを身ごもった瞬間のオフクロに会ってこういうだろうな……『オレを生まないでくれ』……って!!」
この台詞を読んだ時は非常に衝撃を受けた(この後のストーリーも衝撃的だったが)。
この台詞の解釈によっては五右エ門の生い立ちはかなり違うものになるだろう。
自分の生を肯定しきれないほどに深い悩みと葛藤を抱え、生んでくれた感謝も出来ぬほどに母との関わりも冷たく薄かったのだろうか。
それとも、母親が自分のせいで(例えば産褥で、あるいは五右エ門が狙われたとばっちりで)死んでしまい、自分さえいなければ母親は今も生きているだろうにという、自責の念から出た言葉なのだろうか。

原作とアニメでは設定が違うのは当然だし、特に五右エ門はその差が大きいのでなかなか推理も難しい。
だが、何があったかはわからないが五右エ門が自分を生んだ母親を恨みに思うような人間ではない気がする。やはり後者の考え方を採りたい。
そして母が観音信者だったから、観音像を盗むという仕事を降りるくらいなのだから、思慕の念があることは間違いないだろう。
五右エ門の「死んだ母上」という言い方も、とても感慨深そうで、そして優しい感じだったことも、それを裏付けているように思われる(新54)

そこで思い浮かぶのは祖母の存在だ。
幼い頃に病気をした時、祖母の薬(ミミズだが(笑))のおかげで助かった五右エ門。
ごく当たり前の状況なら、やはり幼い子供の看病するのは母親だろう。が、五右エ門は祖母により助けられている。
五右エ門の母がいつ死んだのかは明らかではないが、ごく若いうちに亡くなってしまい、五右エ門は祖母によって育てられた。……そう考えてはいけないだろうか?
五右エ門の頑ななまでの、古きよき時代の日本へのこだわり、極端な和食好きも祖母に育てられたからだと想像できる。
五右エ門は独立独歩のようでいて、どことなく年長者の保護欲をかきたてる何かがあると思う(わたしだけ?)。
おばあちゃん子は(あくまで一般論だが)、甘えん坊だと言われているし……。
きっと優しい古風な祖母、そしてあまり記憶にはないものの清楚で美しい母親だったのではないだろうか。だから優しく清楚な女性に弱い。弱いというよりは、修行続きでそれほど多くの女性を見てこなかったので、女性とはそういうものだと思っていたのだろう。
不二子のことも「清楚」だと信じ込まされたから惚れたみたいだし。
そういえば不二子に「マザコン」呼ばわりされていたこともあった(新115)。鋭い不二子がそういうのだから、もしかしたらそうかも!?

父親の存在はまったく語られていないのでこれもまた想像に頼るしかない。
十二代石川五右エ門である父も、多分物騒な仕事についており、なかなか家にいることもなかったのではないか。
石川家のことは五右エ門にいろいろ教え込んだかもしれないが(原作では石川家に伝わる「鉄糸錠」を教わっている。父についての記述があるのはここだけ)、それほど長く一緒にいられなかったように想像してしまう。

ある程度の年齢まで保護者と暮らしていたが、その後五右エ門はさまざまな修行に出されて父(あるいは祖母)の元を離れたのだと思う。
旧ル初登場時にすでに剣術、空手、忍術を修めていたのだからかなり若い頃修行に出てしまったはずだ。実際、伊賀流忍法の自然先生に弟子入りしていた過去もあり、最終的には免許皆伝となっている(新ル21)。
こういう平和な世の中であることと、元々が代々泥棒というアウトローな家系であることを考え合わせると、己の選んだ剣の道、そしてずば抜けた剣術の腕前を生かすには殺し屋になるしかなかったのかもしれない。
五右エ門は着実に殺し屋としての腕をあげ、ついには師匠百々地を脅かすまでになり……
そして、ルパンに出会うのだ。

兄弟に関しては、ますます考えるのが難しい。
末っ子か一人っ子のような雰囲気だが……。きょうだいがいたとしても五右エ門が十三代目を継いでいるのだから長男だろう。
一番考えられるのは姉か? 時として年上の女性に弱いようだし(紫は除くが)。
まあ、これ以上は完璧に妄想になってしまうので、このくらいにしておくとしよう。

五右エ門は原作で「ズルさってものがない」とルパンに評されている。
ずっと殺し屋をやっていたのに、なんという真っ直ぐな心のいい男だろう、と原作五右エ門大ファンのわたしはいつも思う。
殺法だけでなく、空手などの武道もたしなむのでそこで正しく真っ直ぐな心を学んでいたのかもしれないし、武士として父親から躾られていたのかもしれない。
師匠であった百地が、五右エ門に「生きること」を教えなかったというだけあって、ズルく立ち回り、何がなくでも生き延びてやろうという狡猾さに欠ける。
名台詞「武士道とは死ぬことと見つけたり」に表されている通り、五右エ門はやや死に急ぎがちだ。仲間を見捨てたり、無様な姿をさらすくらいなら潔く死地に赴こうとする(旧8、新ル112、新134など)。
そんなところが五右エ門の魅力なわけだが、ついついいつも心配してしまう。

その他

五右エ門は意外に(といっては失礼かもしれないが)、いろいろなことが出来る。
百々地流殺法後継者であり(旧5)、示刀流空手免許皆伝(新1)。また唐忍法も学んでいるIII−24)し、伊賀流忍法も免許皆伝、術もきちんと使える(新ル21、36、TVSP「燃えよ斬鉄剣」)。
武道以外にも、スキー(新152、III−28)、サーフィン(新44)もこなす。
日本史・西洋史問わず歴史にも詳しいようだ(新ル113、新ル138)

ただスキーの時も着物だし、サーフィンの時はふんどし姿(笑)。この辺のものはこんなスタイルでやっているし、自己流で学んだのだろうか?
マシンガンも撃てるし、ヘリやトラック、クレーン、船も操縦する。殺法の一環として習得していった技かもしれない。
次元は苦手だと言ってよく針で手を刺していたが、五右エ門はお裁縫もすんなりやっていたように見受けられる。
また何よりハトラーの似顔絵を気球に気合一閃描いている(新ル20)。かなりの絵心!
これは天性の器用さだろう。
ルパンや次元が出来ても「当たり前」としか思わないことだが、五右エ門が出来るとなぜか新鮮な驚きがある。
変装も、徐々に上達している。
旧ルの時代は、ケーキ職人と警官くらいにしか化けてないのではないだろうか?ケーキ職人は格好だけで素顔だし、出っ歯の警官に化けたときは「いざって時はこれくらいするさ」といかにも普段は変装などしないのだと思われるコメント。
だが、新ルではついに女装までこなすようになっている(新28)。

それはそうと、五右エ門は念力の修行までしている(III−29)。「久しぶりに」ってことは以前も挑戦したことがあるのだろう。
どういうつもりで念力なんか……。
五右エ門、やはり奥が深い人間である。

(2001.4.17)

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