石川五右エ門の嗜好を探る

五右エ門に関しては嗜好を探るも何も……見たまんま、という気がするのだが(笑)。
ストイックな性格のわりに、着る物、食物等何かとこだわりが多く、海外で生活するに当たって多分一番手のかかる男である。
こんな五右エ門のさまざまな好き・嫌いを見てみたい。


食事

何はなくとも米と味噌。これが五右エ門の基本である(^^)。
五右エ門はこよなく和食を愛する男。和食に、米と味噌は欠かせない。
このサイトではしつこいくらいにあちこちで書いているが(笑)、新ル26話「バラとピストル」で、五右エ門は不二子にわざわざ日本から味噌とたくあんを買ってきてもらっている。
あの時ルパンたちが滞在していたスペインアジトの周辺に、日本料理屋や日本の食材の店がどうやらなかったらしい。
それが届くまで、五右エ門はずっと断食している模様。ルパンに食事に誘われても、一緒に行こうとしない。
スペイン料理がよっぽど口に合わなかったか…日本びいきが高じて和食以外口にしたくない偏屈な人物と化してしまったのか(笑)?

個人的には、単にスペイン料理が口に合わなかったのでは、と思っている。
というのも、実際五右エ門は洋風の料理を幾度も口にしているからである。
新ル1話では、サーロイン号での豪華ディナーをみんなと共に楽しんでいたようだったし、5話でもニースのシーフードレストランで普通に食事している。これ以外でも、しばしば洋食をごく普通に食べている時もあるからだ。
勿論、五右エ門は和食が一番好きなのは間違いないが、こうして見ると、普段は和食がないからと言って、即断食するほど意固地で融通の利かない性格でもないように思える。

ましてや、仕事の最中だとそれほど好き嫌いも言わなくなる。
パートV30話「カクテルの名は復讐」で、見張りをしている時五右エ門は、買出しに行く次元に一応は「握り飯」を所望したようだが、生憎手に入らなかったらしく、次元が買ってきたのはハンバーガー。ちょっと不服そうな表情を見せていた。
そういえば、五右エ門はケチャップは「嫌いでござる」と明言していた。(新ル135「毒薬と魔術とルパン三世」)
ケチャップを使っているであろうハンバーガーを、きちんと全部食べたかどうかが、気になるところである。
後に作戦が控えていたので、個人的には食べたのではないかと思う。

また、TVSP「ワルサーP38」では、ずっと豆の缶詰を食べざるを得ない状況に陥る。
後に梅干と白米を食して思わず涙してしまうほど、きっと不本意で口に合わず、また飽き飽きする食生活だったのだろうが、それでも断食はせずに缶詰を食べていた。
少なくとも仕事の最中に、断食という力が出せなくなるようなマネはしないらしい。さすがプロと言ったところか?(笑)

だが手に入る場合は、なるべく和食を食べているようだ。
新ル94話で味をしめたか、カップそばを愛用している(新ル94「ルパン対スーパーマン」、96「ルパンのお料理天国」)。「カリ城」で待機中も、次元とカップ麺で過ごしていたと思われる。
新ル121話「オレの爺さんが残した宝物」では、グレゴアールの所で出された食事は、なんと五右エ門の分だけしっかり和食!
好みを聞かれて出してもらったのだろうが、やはり可能な限りは和食にこだわっているらしい(^^)。

そういえば、パートV7話「死神ガーブと呼ばれた男」では絹ごし豆腐を捜し求め、味噌汁を作ろうとしていた。
不二子にたくあんと味噌を買ってこさせている所から考えても、わりと五右エ門は自炊することが多いような気がする。
今でこそ海外でも和食の店はよくあるが、昔はそうもいかなかったであろうし、あったとしても不味い店も多く、ならば自分で作ろうと五右エ門が考えても不思議はない。
新ル145話「死の翼アルバトロス」でルパンたちが食べていたすき焼き。あのわりしたは誰が作ったのだろう(笑)。
何となく肉よりは魚、魚よりは野菜を好みそうな五右エ門なのだが(←勝手なイメージ)、この話を見る限りでは、かなり肉も好きらしい。和風な味付けだからだろうか。

さらに、意外と言おうか、やけに似合うと言おうか…五右エ門は羊羹も好む(新ル86話「謎の夜光仮面現る」)。
後で触れるように、かなり酒飲みの五右エ門なので、甘いものはそれほど好きなようには見えなかったが。
ケーキなどはあまり好きではないような気もするのだが(根拠なし)、お茶請けには羊羹が一番なのだそうだ。

「やっぱり日本酒に限る」と、五右エ門は言う。(新ル12話「大統領への贈り物」)
あれだけ「和」にこだわる五右エ門だけあって、当然の台詞。
新ル111話「インベーダー金庫は開いたか」でキャサリンに氷漬けにされた後体を温めるために飲んだ酒は、ルパンと次元は洋酒だったが、五右エ門だけは熱燗だった。
(しかも不二子にお酌させているし。←どうでもいい?(笑))
新ル4「ネッシーの唄が聞こえる」では「スコッチを味わいたくて」と言っているのに、日本酒が入っていると思しい瓶を持参して(?)飲み続けているし、新ル64「クリスマスは女神の手に」のマギーの部屋のバーや、TVSP「ヘミングウェイ・ペーパーの謎」のバーでも、日本酒を注文している。
一人で好き勝手に飲む時は、やはり手に入る限り日本酒を飲んでいるのだと思われる。

だが、五右エ門が飲むのは日本酒ばかりではない。
旧ル23話「黄金の大勝負」、新ル153話「神様のくれた札束」ではビールで乾杯しているし、またいちいち列挙しきれないほど、ワイン・洋酒で乾杯している。(新ル12話、18話、25話、55話等)
不二子に斬鉄剣を盗まれるという切腹モノの大失敗をしてしまった時(新ル61「空飛ぶ斬鉄剣」)も、最初こそ洋酒は薬くさいと言っていたが、上等なバーボンは、勧められて飲んでみるとかなり口にあったらしく、大量に飲んでいた(睡眠薬入りだったが;)

ということは、五右エ門は酒に関しては食事よりも多少こだわりが少ないのではないか、と思う。
美酒であれば、日本酒であろうと洋酒であろうとかなり美味しそうに飲む。
それも相当強そうだ。作中で一度も酔っ払った姿を見せたことがないくらいに。
アルコール自体が好きだから、食事ほどは日本的なものにこだわらないという可能性も見逃せない。

その他

五右エ門の好き嫌いのキーワードはただ一つ。和風、である。
食事以外の、服装・趣味・コレクション……みんな日本的なものに限られている。

服装は断固として着物である。
変装の時にやむを得ない場合を除き、自分の意思で洋服を着るということはほとんどありえない。
(そういう意味で、「アルカトラズ・コネクション」のラストシーンの短パン姿は、あまりにも五右エ門らしくなかったと思う)
色違いの着物は何着か持っているようだが、私服で洋服を持っているのかもよくわからない。何となく持っていないという気がするが(^^)
そして下着も、勿論和風! そう、ふんどしである(笑)。

ほぼ白を着用しているが、ごくまれに赤をつけているときがある。(新ル12)
ブルー系、白系の着物を着ていることがほとんどなのに、ふんどしは赤を持っているとは!
結構ハデ好き?(笑)
それとも、もしかしたら江戸っ子のように、見えないところにオシャレをするのが真のお洒落だ、と思っているのかもしれない(?)。

趣味は、茶道。
武術(特に剣)は多分五右エ門にとって好き嫌いを超えた存在なので、趣味には入らない。
また、ヨガだとか宗教不明の瞑想(ラスプートンの元での修行)など、精神修行もよくやっているが、これは趣味というレベルでは勿論なく、五右エ門にとってはもっと真剣な意味合いが強そうなので、これも「趣味」には入れない。
実益を兼ねない茶道こそ、五右エ門の純粋な趣味なのではないだろうか。
ルパンのアジトにまで、茶室を備えさせているくらいだし。どう考えても、ルパンが茶室を必要とするとは思えないので(しかも海外のアジトで)、五右エ門が仲間になってから、彼のために取り入れたのだろう。

暇な時は、壁際でじっと座って瞑想でもしていそうな五右エ門だが、案外茶道を嗜んでいる時間も多いのかもしれない(^^)。
さらには釣りをしていることもよくある(新ル154話「ヘクサゴンの大いなる遺産」、パートV26「ニューヨークの幽霊」など)。
ルアーを使ったり、豪快な海釣りというわけではなく、静かな川辺などで糸を垂らす事が多いように見える。
茶道にせよ、静かな釣りにせよ、普段肉体を鍛えたり、仕事で激しく動いたりすることが多いためか、どうも心穏やかに過ごせるものがお好みのようだ。

聴く音楽は、断固として演歌。これもいかにも五右エ門らしい(^^)。
五右エ門はテレビにはあまり興味がないようだが、昔からずっとDJファンである。演歌を流す番組などを愛好しているのだろうか。
ルパンと次元のテレビチャンネル争いにはまったく参戦する様子を見せない五右エ門だが、ラジオのチャンネル争いには参加し、しっかり演歌を流す局に合わせていた(新ル48「非常ベルにルパンは笑う」)。

そして、五右エ門は日本刀のコレクターのようである。
原作新120「五右エ門…!!剣ッ…!」では、ひとりでに鞘に戻ってしまう不思議な「魔剣」に魅入られている。
「欲しい。どうしても欲しい!」と、かなりの熱の入れよう。
普段はほとんどお宝にも執着心を見せない五右エ門からすると、非常に珍しい姿である。
いつもは宝石や大量のお金を入手してもそれほど嬉しそうでもないのに、剣を手に入れた時(剣の動きを見切り、鞘を壊した時)の顔は、ものすごく嬉しそう(悪そう?^^)であった。
また、新ル36話「月影城の秘密を暴け」でも、名刀・月影丸にひどく執着し、ようやく(ルパンのお陰で←(笑))手に入れた時は小判に目もくれず剣を満足そうに眺めていた。
自分の分身・何でも斬り裂く斬鉄剣(原作では流星)を持っているにも関わらず、魔剣、名剣への熱心な執着ぶり。
五右エ門にとって剣は、武器として使うという実益を超え、単に「欲しいから」集めているのだと思われる。
刀にこだわる五右エ門らしい収集物である。


五右エ門には、「これが好き」というこだわりは多数見られたものの、逆に「これだけは苦手」とか「大嫌い」というものがあまり見当たらなかった。
はっきり言っているのはケチャップくらいか。
しいて言えば「女」が苦手?(特にテレスペ;)
単に私が見落としているだけかもしれないが(もしあったらぜひ教えてください)。

日本的なものを愛する五右エ門は、近代合理主義的西洋文化は総じてお気に召さないものと思われる。
旧ルでの初登場時、西洋かぶれした日本人を痛烈に批判していた。
だから口には出さないものの、西洋的なもの全体をあまり好んでいないのだろう。
だが、自ら海外へ出ることを選んだ五右エ門は、今更あちこちで「西洋的なものが嫌いだ」などとゴチャゴチャと言うほど子供っぽい性格ではない。

だからといって、郷に入りては郷に従え、とならないところがまた五右エ門らしい。
文句は言わない代わりに、自分を不自然に曲げることもない。極めてマイペースな生き方を貫き通している。
武器にしてもそうだろう。
ごく普通に考えれば、どう考えても銃やマシンガンの西洋的武器の方が殺傷力が高く、命のやり取りをする場合強そうに感じられるのだが、彼はそんなものは使わない。
使えない、ではないところが五右エ門のカッコよさである。
あらゆる銃器を一通りは、多分使いこなせるはずだ(新ル2話では実際マシンガンを撃っていたこともある)。
なのに、五右エ門は日本刀を選んだ。
本当に日本刀の素晴らしさを信じ、日本刀は拳銃以上だという信念を、弾を見切り一刀両断することによって自ら証明してみせるのだ。

自分が信じる真の日本男児としての生き方を、多く語ることなく静かに貫き通す五右エ門。
これぞまさにサムライ!……かな?(^^)。

(2001.11.22)

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