第39話 香港の夜空にダイヤは消えた


ダイヤを探せ

改めて観賞してみると、ルパンと次元の脱力もののやり取りが無性にツボにハマってしまい、好感度急上昇(笑)。特に次元が良いなーと思った。
クールでハードボイルドな…ひたすらカッコイイ次元がお好きな方にはあまりオススメできないが、適度にいい加減で飽きっぽく、でもルパンの良き相棒であるというさり気ない存在の仕方が非常に好ましい(というか、可愛い。笑)
今回はそんな視点でレビューを進めることになりそう。


さて、ルパンと次元は香港警察の警官に化けて、一隻の船に乗り込んだ。(半そで警官服がわりとレアな感じ。やはり香港は暑いから?)
「太白丸」というその船に、宝石密輸の疑いありとの情報が入ったので調べさせてもらうと、ニセ警官のルパンは言い、次元と二人船に入り込んだ。
対応に出てきた男は、どうせ何も見つけられやしないとばかりに、自信たっぷりな様子。
ルパンと次元は、次々に船の中を検めていく。
台所では次元が魚を輪切りにしたり、コーヒー豆の詰まった袋を破いたり。ヌードポスターまで引っぺがすが、それらしいものは見当たらない。
ルパンもあらゆる棚の中、救急箱まで細かく調べていくが、空振りばかりだ。

次元は、この船に闇取引されるダイヤが隠されているという情報そのものを疑うが、ルパン自ら、闇取引の主催者というべき胡珍古の屋敷に忍び込んで得た情報なのだから、信憑性は高い。
ないのではなく、見つけられないのだ。
しかし、探し疲れた次元は「あきらめよう」と投げやりな台詞。あきらめるの早!(笑)
ルパンは「いいや、あるよ」とまだまだ探すつもり。

そこへ出迎えた男が挑戦的に「探し物は見つかりましたかな?」と尋ねてくるが、ルパンは涼しい顔で受け流している。
その時、次元が一声。「おおーい、ルパン、来てくれ!」
「ルパン」って!(笑)今のアナタは警官、警官!バレるぞ。
と、観てるこっちが心配になる次元の呼びかけだが、この回の後半、胡珍古と部下のやり取りから、「ルパン三世」の知名度が、香港ではいまひとつなのではな いかと推測できる箇所がある。顔を見ただけでルパン三世だと判らないのは置くとしても、「ルパン三世とかいう泥棒らしいです」という台詞があり、そこには 「あの有名な」という感じがあまりない。
主な活躍の舞台であった日本と、祖父の祖国フランスでは知名度は高いが、香港エリアでは、まだそれほど有名ではなかったのか。
まあ、仮に元から警官ではないとバレていたのだとしても、ダイヤのありかがわかりっこないとタカを括っていたので、ルパンだろうと誰だろうと好きに探せという態度だったのかも。

次元がルパンを呼んだのは、怪しい突き当たりを見つけたから。その壁の奥がクサイと、次元は睨んだのだ。
…やはり、次元の勘って結構鋭い、ような気がする。
奥にあったのは、ニワトリ小屋。ずばり、ダイヤの在り処だったのだが、この時点でルパンが気づくことはなかった。
警官に化けていることを失念したかのような、突然壁に向けて発砲、ぶち破るという行動をしたにも関わらず、見つかったのがニワトリたちだったので、次元は「面目ない」とちょっと肩身が狭そう。当たってたのに、惜しい!(笑)
このニワトリたちは、美食家としても有名な胡珍古が注文したニワトリなんだとか。
男に、新鮮な卵は如何?と勧められるも、「勤務中なので、ケッコー!!」というダジャレで拒否したルパンは、悔しそうに船を後にすることに。
探し物は、その卵の中に隠されているとも知らずに。


その頃、不二子は例の胡珍古と、高級そうなレストランで食事をしていた。
美食家の彼は相当な卵好きで、「卵に始まり卵に終わる」とよくわからない格言めいた言葉を発しながら、ひたすら生卵を食べている(飲んでいる?)
彼が卵を割るのは、大満貫という巨漢男の額。不二子がやや戸惑い気味なのもわかる(笑)
が、胡珍古が不二子の美しさを褒めると、少し調子を取り戻して、彼をおだてにかかる。「香港の夜の帝王と噂される方とお知り合いになれて光栄ですわ」と。
「香港の夜の帝王」!!なんともスゴイ響き(そういう意味じゃない)。
が、胡珍古は気をよくした様子。不二子を自分の屋敷に招待する。不二子としては、これが当初からの狙いだったのだろう。
美しいもの・美味しいもの・強いものが好きな胡珍古。彼は明日、屋敷のそのすべてを集めるのだという。
美しいものは、密輸のダイヤというわけだ。不二子の狙いもそれだ。

そんな不二子に卵を勧める胡珍古。不二子は困ったように「生卵はちょっと……」と言葉を濁す。確かに、卵だけ渡されても困るよなぁ(笑)
胡珍古は、それでは目玉焼きにしてあげようと、大満貫に合図。すると、卵をのせた鉄板を持った大満貫、口から火を吐き(!)目玉焼きを作ってみせる。
人並みはずれた石頭は卵割り機に、大道芸みたいな火を吐くワザは目玉焼きを作るために…と、相当色物扱いされ、能力の無駄遣いされている大満貫だが、実は腕っ節は相当なもの。後半、五右ェ門と熾烈な戦いをすることになる。

同じレストラン内でメニューを手にしつつ、不二子らをこっそり見張っている者がいた。銭形警部だ。
不二子を発見した銭形は、「ということはルパンも必ず現れる!」と確信し、彼女をマークしていたのだ。
ご注文は…と訊かれた銭形は、迷わず「ルパンだ!ルパンの生き造りを一人前!!」と言い切る。店の人からすれば、唖然とするしかない答えだが(笑)、銭形が欲しいものといえばソレしかないだろう。

銭形に名前を連呼されたルパンは、クシャミをひとつ。
警官のフリをして潜入しても成果がなかったが、まだダイヤを諦めてはいなかった。次元とともに手漕ぎボートに乗って、例の船を見張っているのだ。
次元の方はさっさと諦めたいようで、「さ、帰ろうぜ。あったかいモンが食いてぇや」と呑気な態度(すごいツボ^^)
だが、ちょうどその時船が動き、胡珍古の屋敷のある通称「ドラゴンバームガーテン」へと向かう。当然、追うルパンたち。
ダイヤの取引はやはりあると確信し、今度は正々堂々と屋敷に乗り込むことにするのだった。
(どうでもいい余談だが、ココのルパンの台詞がやたらと窮屈そう。台詞は長いのにルパンの顔が映る時間が短すぎるためか)


世界格闘技選手権大会

タイガーバームガーデンのパロディである胡珍古の「ドラゴンバームガーデン」。
そこでは、世界中の格闘家を集めてチャンピオンを決める大会が開かれる。その裏で、密輸ダイヤの取引も行われるということらしい。
ルパンは次元五右ェ門と共に、正面からドラゴンバームガーデンへ。
格闘大会の方は五右ェ門に任せ、次元と二人でダイヤを探すという計画なのだ。
…この大会、名乗りをあげれば誰でも、当日でも出場できるのか等、謎が多いのだが、強そうなアウトローならOKなのかも(?)。

一方、警察に対しては相当態度が厳しい。
この屋敷に不二子が入っていったことから、銭形はルパンもここへ来ると確信、警備している強面の男と「入れろ」「ダメ」の押し問答をすることになる。後ろ暗いところがあるため胡珍古側は、一切協力拒否の構えである。
警察の銭形相手に、屈強の男たち4人が取り囲み、力尽くで追い返そうとする。
そんな脅しでは一歩も引かぬ銭形、「日本警察の実力を見せてやる」と戦闘態勢。大会前に場外乱闘といった格好だ。この時の銭形、すごくカッコイイ。

その脇を、ルパンが日の丸持って「日本代表頑張ってぇ」と通り過ぎると、反射的に「おう」と答える銭形に爆笑。
ワンテンポ遅れてルパンだということに気づくが、敵が襲い掛かってきて追うことが出来ない。
さすがの敏腕警部っぷりを見せるかのように、一人目は楽々と倒すもの、三人同時にかかってこられ、銭形はKOされてしまう。目のふちの青あざや鼻血が痛々しい。トドメには、海に放り投げられる始末。
胡珍古が香港でどれだけの実力者か知らないが、ICPOに真正面から喧嘩を売るとはいい度胸。
もちろん、銭形はこれしきで諦めるはずもなく、「もう一度来るからな!」と叫んでいる。

屋敷内の庭では、大会参加者が準備開始。その中で五右ェ門は、平然と座って落ち着いた様子だ。
ルパンと次元は、格闘大会を観る側にいて、ちゃっかり食事の席についている。
そしてボス・胡珍古の登場。会場は拍手に包まれる。彼の脇にいるのは、不二子だ。
不二子の姿を見て、次元とルパンは囁きあっている。「懐かしい顔がいるぜ」「不二子だ」と。
この後ルパンが「どこへ消えちまったかと思ったら」と言っているように、どうやらこの時期ルパンと不二子はしばらく会っていなかったらしい。
お互い、同じものを狙っており、その現場で鉢合わせしたというところ。なんだか、こういう距離感の二人もイイ(笑)
不二子は会場に潜り込んでるルパンを見つけて、ウィンクをしてみせる。不二子らしい宣戦布告というところ?

ここで胡珍古の残虐さが垣間見られるシーンがある。
彼の登場を拍手で迎えていた一同の中で、一人だけ拍手を長くしすぎた部下がいた。不快感を示す胡珍古。
その不手際をした部下は、大満貫につまみあげられ、人食いワニのいる池の中へ放り込まれてしまうのだった。
当然、集まった人々は慄然とするわけだが…
これほど残酷なんだーと見せ付けた胡珍古が、ルパンと対峙するところでは、それほど際立った非道さを見せることなく、強敵度が低かったのが残念に思われる。
ワニの池に放り込もうとしたり、五右ェ門ですら苦戦する大満貫に襲わせ、それを見世物として楽しんでいたのは、常識で考えれば十分ヒドイわけなのだが。最初のワニのシーンに比べ、一番重要であるはずの、対ルパンのシーンはややインパクトに欠けるような気がしなくもない。

それはさておき。
胡珍古による「健全な肉体に健全な食欲が宿る」というオリジナル(笑)格言のようなものを織り交ぜた演説が済むと、いよいよ世界格闘技選手権大会が開始された。
大会の方は五右ェ門に任せて、ルパンと次元は早速行動開始。ダイヤを探し始める。

その頃銭形は、ボートで島に接近。波が盛り上がるタイミングにあわせ、ボートから島に飛び移ろうとしているが、失敗に終わっている。
(当然、この程度で諦める銭形ではない。笑)

ダイヤ探し中のルパンと次元、なぜか今回は金庫をルパンが開ける手間を省き(時間短縮が目的?)、爆弾で扉をこじ開けた。
しかし中から出てきたのは、世界中の超一流レストランのメニュー。ホントに美味しいものが好きなようだ。
その後、ルパンが「趣味の悪い風呂場!」とあきれる浴室を探索するが、一向にダイヤは見つからない。意味ありげな龍の飾りを触っても、「胡珍古、あなたが一番よ…」という女の声が聞こえるばかり。彼のナルシストぶりを示す小道具に過ぎなかった。

大会では、五右ェ門は順調に勝ち進んでいた。それを胡珍古の隣で見学している不二子だったが、五右ェ門の勝ちっぷりにまるで興味ない様子(笑)こんなもの観てたら、ルパンに先を越されてしまうと、不二子は気が気じゃなかったのだ。
隙を見て、彼女は席を立つ。
一方で、五右ェ門の強さに関心を示していたのは、強いもの好きの胡珍古と、力自慢の大満貫だ。
決勝まで残ったら、お前と戦わせてやると大満貫に約束する胡珍古。彼の声は単なる唸りにしか聞こえないんだけど(笑)、さすが雇い主だけあって、それが理解できるらしい。


不二子が焦るほど、ルパンたちは先を越していなかった。
ひたすら家捜しするもの、船の時と同じく手がかりはまるで見つからない。(家捜ししている時のBGMがなぜか『マグナム・ダンス』なのがちょっと不思議な感じ)
ここで、またしても次元が先に根を上げる。
次元「ルパン、どうする?俺は疲れたよ」
ルパン「弱音吐くなって」
……ツボすぎ(大笑)
次元としては、もうダイヤを諦めて帰りたかったのではないか(笑)。「どうする?」と訊いたのは、ルパンから「帰ろう」といって欲しかったに違いない。と勝手に決め付けてみる。
つくづく新ルの次元は根気・持続力がない。こんな性質だと、探し物なんか一番苦手なジャンルだろう。(でもソコが可愛い。笑)
ルパンの方は、なかなか見つけられないとなると、ますますやる気が出るタイプ。諦める気配はない。

その時、壁にかかっていた女性の絵に向けて、ルパンがふざけ始める。深読みするなら、このジョークで場の空気を明るくしたかったのかも(?)
絵の中の女性に向かって、ダイヤの在り処を教えてと迫り、チューしてあげっからと本当に唇を近づけたりする。
すると、次元は「チッ、バカバカしい!」と吐き捨てる。元々ルパンの女好きな態度にはあまり好意を示さないところへ持ってきて、疲れているから余計に機嫌が悪そうな次元。ルパン捨て身のジョークは不発か(笑)
と思いきや、その絵が扉になっており、ルパンのキスと同時に隠し部屋が現れるのだった。
そこにはまたしてもニワトリたちが。

次のシーンでの注目点は、次元の淡々とした突っ込み&受け流しである。
隠し部屋にニワトリという光景に驚いたルパンが、「コ、コ、コ……」とどもると、「お前までニワトリになったのか?」。
「隠し部屋にニワトリってどういうことだぁ?」と叫ぶルパンに、「俺にわかるハズないだろう」。
少しは一緒に考えてあげてー(笑)
ホントに、疲れた次元にとってダイヤはどうでも良くなりつつあったんだろうなぁ(ラストでお宝を見たがってるので、手に入ればまた関心が戻ってくるようだけど)

その時、上から檻が落ちてきて、二人は捕らえられてしまうのだった。


発見

勿論、捕らえたのは胡珍古の指示。
ルパンと次元が部屋を探しまくっているのを、監視カメラで見ていたのだ。
その時に前述した、「ルパン三世とかいう泥棒のようです」の台詞あり。「とかいう」「ようです」の辺りに、ルパンの香港での知名度の低さが窺える。
ルパンをドブネズミ呼ばわりする胡珍古は、目障りだからとルパンと次元を消すよう命じていた。

縛られて連れてこられた二人に対しても、面と向かってドブネズミ扱いするが、ルパンはちっとも気にするそぶりなく、むしろ「たまには檻が恋しくなってね」と減らず口を叩く(カッコイイv)
胡珍古はワニの池に放り込むよう命令するのだが、大満貫が二人を始末したいと申し出る(相変わらず類人猿語風)と、胡珍古はそれを許した。
突然、見るからに強そうな巨漢と対峙させられ、腰が引けてるルパンと次元(笑)。
次元が「ルパン、お先にどうぞ」と遠慮すると、「何言ってンだ、お前からいけよッ」と突っぱねるルパン。このシーンもツボ!
結局、二人で大満貫に殴りかかるが、まるっきり効き目なし。
「なんてバカ力だ。相当アタマ悪いんだな」と、ルパンは的を射た呟きをもらしている。

悪戦苦闘する二人の様子を、なぜか観客席で涼しい顔で眺めていたのは……五右ェ門だ。
優勝が決定していたから、胡珍古の脇の観客席に座っていたのだろうか。
いずれにしても、五右ェ門は酒を傾けつつ、傍観の構え。彼曰く「まだ拙者の出番じゃない」んだとか。
ルパンじゃなくとも「友達甲斐のない」とぼやきたくなる(笑)
地味ながら、大満貫に追われて「ルパーン!」と叫んで走ってくる次元の様子も可愛くて良い^^
二人は仲良く、逃げ回り始めた。それを観ている胡珍古は大喜びだ。

しかし、(密輸ダイヤを買うために)バイヤーが集まったとの報告が届く。見世物の方を優先させようとするが、部下の「そろそろニワトリが卵を産みます」という言葉に、胡珍古は一旦席を離れることにする。
すばしっこい二人を追い回している大満貫には、「(二人を)ウェルダンに焼いておけ!卵の取引が終わったら試食してやる」と大声で言い残して。
卵の取引。これが聞こえたルパン、ようやくひらめき、ダイヤの場所に気づくのだった。
「ウェルダンに」と指示されたからか、得意技の火吹きで攻撃を開始する大満貫。それを次元に任せて(笑)、ルパンは一人、ダイヤに向けて走っていった。

胡珍古とバイヤーの揃った部屋に、例のニワトリ部屋からニワトリたちが運び入れられる。
ダイヤはどこにと不思議がるバイヤーらに、胡珍古は自慢げに「私のダイヤ運搬法は如何です?」と、卵を割って見せた。
卵の中には、ダイヤが一粒入っていた。
なんでも、ニワトリのエサにダイヤを混ぜると、翌日中にダイヤが入った状態で卵が産まれるのだとか。
……そういう風になるものなんですかね?(子供の頃からの疑問)
フンと一緒に出るんじゃないかと思うんだけど。その辺のテクニックは、胡珍古の創意工夫によるものなのだろうか。

そんな様子を、天井裏から見つめるルパン。ニワトリにはネコとばかりに、二匹のネコを天井から放つ。
たちまち、ニワトリたちが逃げ回って部屋の中は大パニックに。その隙に、ルパンは転がった卵を拾い集めて逃げるのだった(ちょっと強引な盗み。笑)
胡珍古とバイヤーらは、後から発砲しながらルパンを追いかけていく。

次元のほうはといえば、巨漢相手に大苦戦。逃げ回っていたが、ついに逃げ場を失ってしまう。
するとそこに、五右ェ門登場。ついに、満を持しての大登場です(笑)
「ここは拙者に」というけれど、ホントに最初から出てきて助けてくれればいいのに。次元も「いいカッコするぜ」とぼやいていた。
こうして五右ェ門VS大満貫が開始された。
やっぱり斬鉄剣で戦う五右ェ門のシーンは良い。
この戦いのシーンの辺り、いかにも昔っぽいアニメという印象を私は受けるのだが、それでもこうして刀を交えて切り結ぶ姿を、ごく普通のスピードでちゃんと描いてくれてるのが嬉しい。
最近の作品では敵と戦う時も、五右ェ門のアップ→暗闇に光る刀筋(あるいはなぜかスローモーションか、異様なスピード描写)→斬り終わった後ポーズ決めてる五右ェ門、という絵で誤魔化されることが多いような気がするので…。あ、思わず関係ない愚痴が;(失礼!)


また場面は変わって、追い詰められてるルパン。しかしそこを助けてくれたのは、不二子だった。
部屋にルパンを引っ張り込み、窓から逃がしてくれようというのだ。
心配してくれてと喜ぶルパンだったが、彼女の目的はダイヤ。「ダイヤは山分けよ」と、つれない言葉をかけられて、可愛げのないことーとルパンは拗ねるのだが、そんなルパンは非常に可愛い(笑)
窓からロープを伝って池を越え逃げる二人。胡珍古らも追いかけるが、地上にたどり着いたルパンが、木に結ばれてるロープを解いたために、彼らはワニの池へまっさかさまと相成った。
これがドシリアスな話だったら、胡珍古はこの池でワニに食べられることになったのだろうが、コミカル調の話だったことが幸いし(笑)、彼は尻の部分に食いつかれただけで済んだ。

池のほとりでは、なぜか卵の入ったかごだけが置かれており、不二子の姿は見えなくなっていた。
それを何よりも疑わなくてはならないはずだったのに…。
ルパンは次元と合流し、ついに見つけた卵入りダイヤを「ざっとこんなモンよ」と掲げる。

まだ続いていた五右ェ門VS大満貫は、いよいよクライマックス。
なんと五右ェ門が刀を弾き飛ばされてしまうほどの苦戦を強いられていたが、相手の刀を真剣白羽鳥で防ぐと、巴投げをキメた。
大満貫も同じくワニの池へ。モチロン、彼も無事(笑)

片がついたと、屋敷を離れようとしたルパンらの前に、銭形と香港警察が立ちはだかった。周囲は完全に包囲されてしまった…ようだ。
そこでルパンがひらめいた脱出方法とは、ナント熱気球。
アジト発であれば熱気球も十分ありえるパターンなので、特に「ナント」ではない。では何が「ナント」なのかといえば、気球を上げるための熱源である。
ルパンは火を噴く大満貫を捕まえて、彼に火を吹かせ、その熱で気球を空に飛ばし、まんまと逃げ出したのだ。
気球は、たぶんなんでも揃ってそうなドラゴンバームガーデンのどこかにあったのだろう(それでヨシ。笑)
このアイディアを、次元は「さすがだな、ルパン」と褒め、ルパンもまんざらではない様子。哀れなのは、意外に強敵だったわりに、ラストの扱いがトホホの大満貫。やはり色物路線だったようだ。

いよいよ、空の上でお宝のご開帳。だったはずだが…
勝手に卵が割れ始め、中から現れたのは、赤ちゃんワニ!
ダイヤ入りの卵は、不二子にすりかえられていたのである。ワニの卵は、ニワトリの卵よりもやや大きめらしいが、ルパンはそれに気づかなかったのだ。

ダイヤを独り占めした不二子は、クルーザーの上でゆったりと満足げ。心の中でルパンにメッセージを送っている。
ダイヤを手に入れただけでなく、きっちり卵の白身も、美容のために使ったらしい。
今度(ルパンに)会う時は、もっと美しくなっている、だからそう悲観しないで。と呟く不二子。すごい、不二子にしか言えないこの台詞!
並みの裏切り者だったら「だから」の使い方間違ってるでしょ!?と言いたくなるところだが、ルパンは不二子が美しくなっていたら、きっと喜ぶだろうから、この場合はそれほど間違っていないのかも。
ルパンが次元からいつものように「女に甘いから!」と責められていることも知らずに、いい気なものである(笑)
だが、今回の不二子は最初から別行動であり、ずっと仲間のふりしてたのに土壇場で裏切ったわけではないから、個人的にはそれほどひどく後味が悪くはない。

結局、ダイヤをひたすら探し回ったり、バカ力の強敵から逃げ回ったり。疲れることが多かった割に、何も手に入れられなかったルパンたち。
100万ドルの夜景と称えられる夜の香港を眺めても、宝石に見えてしまって切なそうだ。


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