第41話 かぐや姫の宝を探せ


ルパンinおとぎ話

ルパンたちがおとぎ話に迷い込んだような趣のある回。
「竹取物語」と「眠れる森の美女」のモチーフをつないだような…というか、正直「ルパン」としてはかなりとんでもないお話(笑)。三種のUMAが出てきてルパンたちと戦った時には、本当にどうしようかと思ってしまった。
新ル嫌いの方々からは「やっぱり新ルは子供騙し!」と言われそうな回だが(苦笑)、私は子供の頃の方が、この話に抵抗感があった。
個人的には、今も特に大絶賛やオススメはしないけれど(笑)、この話に対して苦々しい気持ちはまったくない。
バカバカしさの中に、たまに面白いポイントがあって(カグヤがルパンらを個性に合わせた引っ掛け方をしているところなど)、その辺を重点的に楽しんでいる。


舞台はモナコ。
愛車でモナコグランプリのコースを走るルパン、助手席には不二子。
不二子が楽しそうに「もっと飛ばして」とせがんだりして、二人はいいムードv…と思っていると、そこに一台の車が登場。
荒々しくルパンの車を追い抜いていったその態度にルパンは怒り、わざわざ文句を言いに追いついた。
「Hey,you、暴走ガキ!」と声を掛けたところからして、ルパンは最初暴走カーの運転手を「ガキ」だと思っていたらしい。無謀で礼儀知らずの運転からそう思ったのか。
実際、ヘルメットをかぶった運転手は、男の子のような喋り方をし、さらにルパンを挑発する。
このハイウェイをどちらが先に走り抜けるかという賭けを、ルパンに持ちかけるのだ。

不二子が「大人気ない」と一度は止めるものの、負けず魂に火がついたルパンは彼女のいう事であっても聞く耳持たない。
ましてやレース好きのルパン、この勝負を受けてたった。
「ルパンが勝ったら500万リラをあげる、自分が先に着いたら何でもいう事を聞くこと」というのが例の運転手が出してきた条件。
その運転手がカグヤ姫なわけだが。それはそうと、
……あまりにルパンに不公平な条件じゃない?(500万リラって、たいした金額じゃないし)
………それに、どうしてこの時カグヤは「ミー」なんて一人称使ってたの??(笑)
と、頭の中に様々な疑問や突っ込みどころが渦巻くが、気にしないで進もう。

二台はモナコグランプリさながらに走り始めたが、途中で反対側からトラックが現れる。途端に、カグヤは一旦スピードを緩めて後退する。
ルパンの進路を塞ぐように走りよってくるそのトラックは、カグヤとグルだったのだ(不二子談)
ルパンは正面衝突を避けたものの、ガードレールにぶつかってしまった。
不二子の推測――トラックとグルだというのは当たっているのだろう。レース上手のルパンに、まともにやってカグヤが勝てる見込みはあるはずないのだから。
そんなズルをしていたくせに、「免許持ってるのか?」なんて憎らしい台詞を吐いて近寄ってくるカグヤ。

「手を貸して」と不二子に言われ、車から全身を現すと、運転手は見事にグラマーな女性であることが判明。しかも美人。
彼女は勝者として、「10日以内にヒマラヤに住む雪男の涙」を持ってくることを要求してきた。
雪男??
と、引いてはイケマセン(笑)
この話では、こういう伝説の生き物だって存在することになっているのです。わははは。
それにしても、初対面の人間にそんな未確認生物の、しかも涙なんて物質を頼むほうも頼むほうだが、聞くほうも聞くほうだと思う(笑)
ルパンは、ガキだと思っていたのがグラマー美人だったことに意表をつかれ、しかも彼女が「言う事を聞いてくれたら私をあげる」なんて思わせぶりをしてくるもんだから、即座にやる気になってしまった。

いつも思うのだが、漫画などでたまに見かける「私をアゲルv」という台詞(今年のテレスペでも聞いたな……)
ずいぶん上からモノ言ってんなぁと、私などは思ってしまうのだが、男性からすると心浮き立ち、彼女のために奮い立つ魔法の台詞なのだろうか。
まんまと奮い立ったルパンとは対照的に、不二子は案の定反感を覚えたようで(笑)、「すごいこと言っちゃって!」と呟いている。
目をハートにして「すっかりできあがっちゃった」(by不二子)ルパンに、彼女はカグヤと名乗り、10日後同じ場所で待つと言い残して去っていく。


さてお次は次元を引っ張り出さなくちゃいけないカグヤ、かなりこの日は大忙しだったことだろう。
次元がいるカジノに、エレガントな装いで登場する。
(レーシングスーツ、イブニングドレス、普段着風、お姫様のドレスと、4種類の服を着こなしたカグヤ。ゲストでこんなに着替える人も珍しいかも??)

よっぽどツイていたようで、この夜の次元はカードで勝ちまくり、大いにご機嫌であった。
本当に嬉しいらしく、文字通り笑いが止まらないといった感じ。この傍目をはばからぬご機嫌な様子が、とにかく可愛らしい。次元って、基本的にシンプルな性格だよなぁと思うのはこんな時だ。(次元はいつも渋くキメてるわけじゃないのだ!)

そこへ現れたカグヤが勝負を申し出ると、あっさり受ける。
「こんなカワイコちゃんと勝負できるなら、これ全部賭けてもいいぜ」
調子に乗ってる時の次元は、これくらいの軽口も気軽にたたくし、負ける気がしないものだから、かなり大きく出てる(笑)
カグヤはお得意の500万リラの小切手をチラつかせ、次元が勝ったらこれを払うと申し出る。そして、ルパンの時と同じく、カグヤが勝てば次元はあるものを10日以内に手に入れなくてはならない、と。

結果から言えば、勝負は次元の負けだった。勝負中の「へっへっへ」という余裕の笑いも引っ込んで、彼女のロイヤルストレートフラッシュに「イーーーッ!?」と目をひんむく次元、やはり可愛い(笑)
単なる推測だが、カグヤがカードを切っていたし、ルパンや五右ェ門の時もすべて仕込みだったことを考え合わせると、このポーカーもイカサマだったのだろう。
だが負けは負け。次元は彼女から、「地中海の底に住む人魚の鱗」を取ってくるように言いつけられる。

この様子を、不二子は窓辺から見つめていた。
カグヤはルパン、次元に、珍妙なモノを取って来させようとしている。となると、お次は……
そう不二子が考えた通り、次は五右ェ門の番だった。

海辺で瞑想する五右ェ門の耳に、女性の悲鳴が届く。
もちろん、カグヤ。男二人に追われ、助けを求めている(この男二人も家臣かなにかだったんだろう)
悪漢役の彼らの前に立ちふさがり、五右ェ門は見事な剣技で威嚇、男どもを追い払った。
カグヤはしおらしくお礼を言ったかと思うと、途端に「お願いがございます!」と五右ェ門にすがりついた。
あの男どもに母が捕まっており、10日以内にあるものを持っていかないと殺されてしまうのだ、と。

あるものとは、崑崙山脈に住む生きた竜の肝臓。
さすがの五右ェ門も驚き、「いや、しかし」と口ごもっていた。
その後すぐ不二子が物陰からのぞていてるシーンになってしまうので、最終的に五右ェ門がどうやって頷いたのかはわからないが、たぶんカグヤの哀れを装った押しの強さに押し切られたのだろう。
助けてもらった恩人相手に、お礼の言葉もそこそこに次の救助を求めるとは。しかも、初対面の人間の母親のために崑崙まで行けと要求するとは!!(大笑)
さすがお姫様、作ったシナリオも姫気質が現れている。それでも王子への愛のために自ら動き回るところは好ましいが。

それはそれとして。
ルパンにはレースを仕掛けて負けさせ、さらには色仕掛けでとどめを刺し、次元にはカジノで鼻っ柱を折ってから、勝者の立場で取引をし、五右ェ門には人情話(しかも母親ネタ!)で同情をひき義侠心を掻きたてる……
かなりルパンたちの好みや性格を分析したうまい作戦だと思う。

一方不二子は、カグヤがルパンらを上手く乗せて、不思議なものを集めていることを知り、その企みを暴いてやる!と意気込んだ。


宝探し

翌日、三人はそれぞれに目的を隠したまま、そそくさと旅立つ。隠し事をし合ってる、ちょっと白々しいやり取りがユーモラス。
スーツケースを引っ張り出してきたルパンに声を掛けた次元の、「どっか旅行かい?」の言い方(特に語尾の口調)が最高だ。
ちなみにルパンの言い訳は「ひいじいさんの墓参り」、五右ェ門は「山にこもって断食修行」、次元は目的地が一番近かったせいかどこにも行かないフリ(笑)

次元が地中海に潜ったのを確認したカグヤは、何やらワケアリの独白をして、車をどこかへ走らせた。
彼女をマークしている不二子が後を追うと、着いたのはお城、まるでおとぎ話に出てくるかのような、中世風のお城だった。
そこに掛けられた旗は、フェニックス王国のもの。
さらに、城内にまで潜入した不二子が盗み聞いたところによると、カグヤはその国のお姫様なのだった。

中世風の概観をした城にふさわしく、その奥にはナント黒いフードをかぶった魔女(!)までおり、しかも大鍋に怪しげなものをグラグラ煮込んでいるのだ。スゴイ光景。
鍋の中身は、世界中の花々の花粉を集めて煮込んだもの。これに、三種類の材料を加えれば、秘薬が完成するのだとか。
三種類の材料というのが、ルパンたちに取りに行かせたものなのだ。
秘薬と聞いて、不二子の目が光る。それをみすみす見逃す手はないと、横取りを企てるのだった。


さてさて、いよいよ未確認生物とルパンらが邂逅する。
まずは次元。巨大な蛸に襲われるハプニングに見舞われたりしつつ、海を進んでいくと、そこには人魚の姿が。
広い海の底、意外にあっさりと見つかったた。人魚の人口密度は案外高いのか?
次元はすかさず追いすがり、ウロコを入手しようとその尾を両手でがっしりと掴む。人魚からすればなんとご無体な!
当然人魚はすぐに逃げてしまったが、次元の手には人魚のウロコが残された。入手完了!


お次は五右ェ門、崑崙山脈で早くも竜に遭遇していた。わはは、これまた早くも見つかったのね(笑)
場所柄からいって、東洋的な竜であるかと思いきや、その形状は西洋的。悪役のドラゴンに近い。
くわっと開けた竜の口に、五右ェ門は果敢に飛び込んでいく。そうして、腹の中へと潜り込み、竜の肝臓を発見。
それをさっくり切り取って、五右ェ門は涼しい顔して竜の口から再び出てきた。
「五右ェ門、生きた竜の肝臓、確かに仕り候」と、竜に言い残し(笑)、これまた、入手完了!


最後はルパン。
現地の案内人に荷物を持ってもらい、歌を歌いながら元気に山を登っていた。
途中、テントの中では寒さに震えていたが、案内人がイエティ発見するや、棍棒を振りかざしていきなり雪男に襲い掛かって行った。
ゴリラと大差ないルックスをした雪男、突然現れた人間にめちゃくちゃ棍棒を振されて、さぞ驚いたことだろう(笑)
雪に足を取られうもれてしまうルパンだが、棍棒が雪男の「弁慶の泣き所」にクリティカルヒット。
痛さのあまり、雪男の目に涙が盛り上がる。
用意した小瓶の中に落ちたその涙は、寒さのあまり凍っていた。

ちなみに、この時雪男が「いたい!!」と叫んでいた。どうやら言語を解するらしい。
痛さのあまりに出した声の大きさに、雪崩が発生。危うしルパン。
とはいえ、これもまたまた、入手完了!!

しかしまあ、ナンというのか…突っ込みどころ満載のUMA対ルパンたちのシーン。
原作でも吸血鬼だって出てくるわけだし、人魚や竜や雪男が居たところで特に問題はないはずなのに、このトホホ感は何なのだろう(笑)
さすがに架空生物三連続コンボは効く、といったところだろうか(ちょっと疲労感……とはいえ、昔に比べてこの話をかなり楽しめてる自分を新発見)


男たちがそれぞれに頑張っている間、不二子も目的を達すべく動いていた。
国際電報を打って、銭形をモナコへ呼び出したのだ。そして、ルパンの居所を教える、と銭形に申し出る。
銭形は彼女の変心を怪しみながらも、ルパン逮捕のため情報を聞き出すのだった。
……秘薬を手に入れたい不二子としては、材料を持ち帰った後のルパンたちは、邪魔だったのだ。


約束の10日後、次元、五右ェ門、ルパンの順で、カグヤは会って行く。
それぞれに会った時の服に着替え、車も変えるのだから、この夜も大忙しだったと思われる。
次元からは「ワケは聞かない約束よ」とクールに、五右ェ門からは念入りな感謝の言葉を添えて、秘薬の材料を受け取る。
完全にカグヤの話を信じ込んでいる五右ェ門は、すがすがしい顔で竜の肝臓を渡し、別れ際は「母上を大切にいたせ」と言っていた。

カグヤを見送った後、すぐに次元がそこへ通りかかる。
思わぬ場所での遭遇に互いに驚き、嘘をついて出かけていた五右ェ門はたどたどしい返事をしたりもしたが(笑)、二人は同乗して走り出した。
次元が「ある女を追っている」と言うと、五右ェ門が「まさかカグヤという女か」と問う。
ここでようやく、二人ともカグヤに使われていたということに気づくのだった。

どうでもいいけど、この辺は絵が妙に荒れてるように見えてしまう(私が見てるのは人物の顔だけど)
前半や後半の一部など、いかにもこの時期のルパンたちっぽい、目の大きな可愛らしい顔のシーンが多いのに、この辺はみんなブサイクな感じ。ちょっと気になる(笑)


薬の正体

カグヤを追おうとしていた二人の車は、検問によって止められた。
「免許書拝見」と言ったのは、銭形。不二子情報により次元と五右ェ門の動きもキャッチしていたのだ。逮捕する準備も万端。
逃げ出そうとした次元と五右ェ門は、風景を描いた垂れ幕(?)に突っ込み、その陰に隠れていた護送車に車ごと乗せられてしまった。
二人を捕らえた銭形は大喜び。その時叫んだ台詞は「やったぜ、ベイビー」。今聞くと、古(笑)
浮かれた銭形は、「恨むなら不二子を恨め」と言い放つ。情報提供者の名前をこんな風に明かしていいのか。


その頃、カグヤはルパンと再会していた。
といっても、雪崩からは助かっていたが、ここまで親切に送ってきてくれたヒマラヤの案内人曰く「イエティの呪い」で、ルパンはカチンカチンに凍ってしまっていた。
ルパンに代わって案内人が、カグヤに雪男の涙を入れた小瓶を手渡す。
凍ったままのルパンの頬にお礼のキスをし、彼女はお城へと帰っていった。彼女には、これからが本番なのだ。

直後、次元と五右ェ門を後ろに乗せた護送車がやって来る。目ざとくルパンを発見した銭形は、「召し取ったり〜!」と高らかに叫んで、ルパンをも逮捕した。
相変わらず凍りついているので、身動き一つとれず、当然逃げられないルパン。ゴロリと荷物のように積み込まれてしまう。
次元じゃなくても、「何て姿だこりゃあ」と言いたくなるというものだ。

しかし、そのまま護送されるわけにはいかない。訳もわからぬまま彼らを操ったカグヤをそのままにしておくわけにはいかないのだ。
次元は車を激しくぶつけ護送車を止め、さらには五右ェ門は斬鉄剣で檻を斬った。
…銭形警部、斬鉄剣くらい、取り上げておかなきゃ。
こうして、三人は無事に逃げ出した。

カグヤの後を追う前に、次元と五右ェ門はルパンを焚き火であぶり、溶かした。
炙られてるルパンの姿は、まるでブタの丸焼きのよう。
気づいたルパンが、「次元それでも友達か!俺を丸焼きにして食おうとしやがって」と動揺するのも、ちょっとわかるような感じだった(笑)
(ルパンを火の上でぐるぐるまわしてる次元、歯をむき出して笑っているようにも見えるし!)
正気に返ったルパンに、次元はカグヤという名に心当たりはあるか質問する。
彼女の名を聞いた途端、デレデレと鼻の下を伸ばすルパンの様子は、雄弁に「ある」と答えていた。
やはり、三人とも揃ってカグヤに利用されていたのだと、やっと彼ら自身理解した。


材料を集め終わり、魔女が鍋を煮詰めるのを見守るカグヤ。
ようやく出来たその秘薬。
しかし、それはカグヤの手に渡らずに、魔女が横取りしてしまった。その魔女は、不二子の変装した姿だったのだ(秘薬の最後の仕上げは不二子でも出来たようだ^^)
この後の行動が可愛いおバカさんになってしまうのだが、狙い定めたモノを独力で奪っていく不二子の姿は、なかなかカッコイイ。

ようやく出来た秘薬を奪われ、絶望するカグヤ。
そこへ、ルパンたちが城へやって来た。どうやってカグヤの居場所が判ったのかは、ちょっと謎だが(次元がカグヤの車に発信機を仕掛けてたのだろうか。カグヤはその後ルパンと会う用の車に乗り換えてるが、家臣等が車を城まで乗って戻ったのかも??)
まあ、いずれにしてもそんなことはどうでもいいことだ。←ホントにね!

三人の中で、五右ェ門は特にカグヤにご立腹だった。
ルパンと次元は、(たぶんインチキとはいえ)「負けたらカグヤの言う事を聞く」という条件を出され、本人が了解してやったことだったから、まだいいような ものの、五右ェ門は完全に善意を利用された形になっていたのだから、怒って当然だ。「返答次第では捨て置かん!」と息巻いている。

カグヤはようやく、すべての事情を説明した。
結婚相手である隣国の王子が、10年前奇病に掛かり、それ以来眠り続けている。魔女の予言によると(!)あと10日のうちに王子の目を覚まさないと、永遠に眠り続けることになってしまうため、それを阻止すべく何とか彼の目を覚まさせる秘薬を作ろうとしたのだ。
入手困難な三種類の材料を手に入れられるのは、ルパンたちを置いて他にないと、本人らの知らないところで白羽の矢が立っていた、というわけだった。
眠り続ける王子に、ルパンが一言「眠れる森の王子か、チャイコフスキー」。……やっぱりルパンはこの程度の常識はないと困る(笑)

ついに完成した秘薬を奪われ、カグヤは絶望していた。話し終わると、五右ェ門の前に「斬ってください」と身を投げ出した。さすがに本当に斬ることはルパンが止めたけれど。
薬を奪ったのが不二子だと判ると、次元は「あの女はそういう女さ」と言い放つ。銭形に売られたことを忘れていないのだ。
ルパンは薬を取り戻してきてやると、カグヤに申し出る。その時の声が、とても優しくて素敵だ。

秘薬を手に入れた不二子は、「効きそうな色」だと呟いて、早速それを一口飲んでいた。
な、なんて無謀な。どんな薬かも判らないのに、勇気があるというよりは無茶だ。
不二子は勝手に、若返りの薬か何かだと思い込んでいたようだが、とんでもない。
追いついたルパンが、「アサハカ!!」と怒鳴るのも当然だろう。それは「深〜い眠りを覚ます、きつ〜い眠気覚ましの薬」なのだから。

不二子から薬を取り戻し、城で王子にそれを与えてみると、ゆっくりと眠りから醒めていった。
カグヤは嬉しそうに王子に抱きつく。王子様とお姫様は、お城でずっと幸せに暮らすのだろう。めでたし、めでたし。


一方、めでたくないのは不二子。
せっかくルパンが、裏切りを責める五右ェ門から守ってくれたというのに(斬ろうとする五右ェ門を宥めるルパンが、いい表情してる^^)、今度は薬の副作用が不二子を襲う(笑)
彼女は、大きくしゃっくりをしたかと思うと体を急にバタバタさせ始めるのだった……。この後、不二子のテンションが異様に高いのも、薬のせいなのだろう。

そして不二子は、三日三晩まるで眠気がやって来ない、完全な不眠症になってしまった。
退屈な時間を持て余し、ルパンの部屋に「遊びに行きましょう」とやって来るが、さすがのルパンも三日目となると付き合えないらしく、ドアを開けず布団をかぶって寝てしまった。
余談だが、この時ルパンが泊まってるホテル、長いことずっと「HOTEL MONACO」だと思っていたのだけど、実際は「MANOCO」だったんですね。
ちなみにルパンの部屋番号は「007」だった(こういうちょっとした遊び、楽しいなぁ)

相手にされなかった不二子はホテルの外へ出ると、ルパンを見張っていた銭形を発見。
銭形にまで「一緒に遊びましょう」と接近し、なんとやり始めたのが「あっち向いてホイ」。(新ル本放送当時、桂三枝が流行させたのだそうだ)
テンション高すぎの不二子のど迫力に押されたのか、素直にあっち向いてホイに付き合う銭形が可愛い。
こうして、眠れぬ森の美女になってしまった不二子の夜は更けていくのだった。チャンチャン。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送