第56話 花吹雪 謎の五人衆(後篇)


ルパンvs五右ェ門

前回からの続き、後編である。
それにしても、前編はルパンの顔や表情が結構可愛くて好きなのに、後半になると、途端に好みの顔つきじゃなくなるのが、酷く残念。
ルパンと五右ェ門の対決シーンや、不二子がふてくされて煙草を吹かすシーンなど、前編並みの可愛らしさで見られたら、もっともっと楽しかったのになぁと、個人的感想。

さて。五人衆に放火された塔は早くも崩れ始め、火の勢いもいっこうに衰える気配がない。手持ちがジャケットだけでは必死の消火活動に何の役にも立たないのだ。
「バーベキューになっちゃう」と叫ぶ不二子を置いて、ルパンと次元は一旦場を離れる。
その時の不二子がかなり怖い。ルパンたちが自分を見捨てると勘違いし、「薄情者!あたしを置いて逃げるなんて!あの世で呪ってやるから」と叫ぶ。
上に書いたように、後編になった途端、不二子の顔もあまり可愛くなくなるので、この怒った形相は本当に「呪いそう」と思ってしまう迫力だ(笑)
が、当然ルパンが不二子を見捨てて逃げるはずがない。
ボートに乗って岸辺まで行くと、今度はヘリに乗り換えて、燃える塔へと接近。
ヘリについている錘で縛られてる柱を一気に崩すと、不二子は水中へと沈んで行った。とりあえず、バーベキューの危機だけは脱出。
その後ルパンが自分にロープをつけて水中へ潜り、気絶した不二子を救い出している。
ヘリの次元に上げての合図をする時の、ルパンの「どうぞ」という言い方、かなり好き^^


どうにかこうにか不二子を助け出し、アジトヘ戻ってきたルパンたち。
そこには、斬られた金庫の扉があるばかり。真っ先に不二子は金庫の中を調べるが(さすが・笑)浮世絵はすべてなくなっていた。
次元は五右ェ門の姿がないことに、おめおめと捕まるようなヤツじゃないはず…と、彼が人質になってしまったのでは、という心配をしたようだが、そうではなかった。
金庫の扉を真っ二つにした、その斬り口は間違いなく斬鉄剣によるものだと、ルパンは気づいていたのだった。
その時の不二子、いつも自分は平気で裏切っているクセに、「五右エ門が裏切ったのよ!これが何よりの証拠よ!」とやけに強く責める口ぶり。
ルパンが自分にくれるはずだった浮世絵を持っていかれたのが悔しいのかな?(笑)

ルパンは考え込んでしまうし、次元は斬られた扉を蹴って「どうなってんだ」と怒り交じりの困惑を隠し切れない。
それはそうだろう、不二子じゃあるまいし(笑)、五右ェ門がそう易々と敵に寝返るなど、なかなか考えられない事態である。
仲間になってからも、ルパンと行動を共にしない事や、時に勝負することもあるにはあるが(24話)、こういう唐突な“裏切り”はおよそ五右ェ門らしくない。


だが、不二子が言った通り、五右エ門は駄目衛門一味に入り、彼らのアジトで酒を酌み交わしていた。
駄目衛門は、ルパンのお宝を全部奪う計画らしい。
いまや、世界一の金持ちは、ルパン三世だということになっているらしい。すげー。
五右ェ門は、「ルパンは手強いぞ」と静かに警告するが、あんたが斬ればいい、簡単さ、とみんなからけしかけられる。
それとも怖いか、ルパンは斬れないか?と、威嚇・挑発するかのような言葉すら浴びせられているのに、五右ェ門は静かに目を伏せている。
駄目衛門と菊子の怒涛の攻めについ屈し、こちらに肩入れしたはいいけれど、この時点で早くも後悔しているのではないか?という気がしてならない。
「昔気質の盗人」だった彼らが、世界一の金持ちになりたくてルパンの財宝を狙い、そのために邪魔になる当のルパンは今仲間に引きずり込んだばかりの五右ェ門に斬らせようというのだから、どう考えても調子が良すぎる話である。
駄目衛門は穏やかに五右ェ門に酒を勧めつつ、それでも「今更おじけづいたんじゃねえだろうな」と五右ェ門を追い込む。周囲の男どもの顔も、いかにもさっさと斬れとけしかけている。(この薄ら笑い、妙にヤな感じ)

しかも手回しのよいことに、翌朝、ルパンに呼び出しをかけておいたという。
そうなっては、もはや行かねばならない……
五右ェ門の内心がどうであったにせよ、ルパンを裏切って五人衆に与してしまった今、後戻りはできなかったのだろう。

五右ェ門が何も言い返さないので、味方についたと信じ込んだからか、駄目衛門は早くも本性の一端を垣間見せる。
あれだけ拘って手に入れた浮世絵を、「ルパンさえいなくなればこんな浮世絵に用はない」と、放り投げている。
その様子を見て、菊子がそっと目を伏せている。意味ありげな1シーンだ(まあ、ご承知の通り、これも“彼女”の芝居だったんだろうけど)


そしていよいよ翌朝。ルパンを呼び出したのは、人気のない渓谷。古そうなつり橋の上でルパンを待つ五右ェ門。そんな彼を、五人衆は影から見つめている。
ルパンはたった一人で呼び出しに応じてやって来た。
ホントどうでもいいことだが、私がテープで聞いていたような記憶があるのはこの辺である。

碌な武器もないままルパン挑戦する駄目衛門一味の心意気に感じ入り、彼らに加担したと白状した五右ェ門が、ルパンに戦いを挑むシーンである。ちなみに二人の一騎打ちは、旧ル以来のことである。
「たまには一騎打ちもよかろう」という五右エ門に対し、
「冗談じゃねぇ。一生気取ってろ」とルパン。
「そうはいかん!」
そう言って五右エ門は刀を振り上げる。

多分五右エ門に気迫はあったのだろう。ルパンは避けるだけではなくワルサーで応戦している。
五右エ門に銃はきかない。そんなことは、ルパンと五右エ門の出会った時からわかっていたことだ。
だが、一発目、五右ェ門が斬鉄剣で払った弾が、つり橋のロープをかすめている事を考えると、もしかしたらルパンはそれを狙って発砲したのか?とまで考えたくなる。
この後自分が飛び込んでも死なない程度の高さ、川の深さである。つり橋が切れて、五右ェ門が水の中に落ちれば、不必要に彼を傷つけることもない……
(これはさすがに妄想しすぎかなぁ?笑)

だがそれはうまくいかなかった。
五右ェ門は素早く橋を渡りきりルパンに接近。刀を避けつつも、効かないとわかってる銃で応戦するルパン。
何となく切羽詰ってる五右ェ門は、「拙者が死ぬか、おぬしが死ぬか、勝負だ」と言っているが、そもそも、ルパンには五右エ門と本気で戦う気などなかっただろうと思う。

ついにルパンの手から、ワルサーが叩き落された。
五右エ門は「ルパン、すまん」と呟いてルパンを斬る。
が、五右エ門も本気にはなりきれない。ルパンの肩を斬りつけたものの、命は奪えず、ルパンが川へ飛び込んで逃げるのを見過ごしている。
ルパンは「この次はお前が撃たれる番だぜ」と言い残し、川へ身を投じて逃げるのだった。

……このシーンは、新ルで唯一ルパンと五右エ門が一騎打ちをしたシーンなので、すごく好きだ。
前述の「ネズミ小僧」登場の際、ルパンと離れて敵対したことはあっても、ルパンを殺そうとまではしていない。
ルパンと五右エ門。お互い腕を認め合い、信頼している者同士なのだが、ふとした時に緊張感が漂ったりもする。
この馴れ合わない2人の関係も、魅力的だ。


惚れちゃった

ルパンを斬れず、駄目衛門には「口ほどにもねぇ野郎だ」と評され、1人孤独に佇む五右エ門。
そこに菊子がやって来て、「今は何も言わずに一緒に逃げてください!」。
え?
あまりに唐突な展開に、最初はちょっとビックリ。そりゃ確かにアジトで、菊子は1人思い悩む顔をしていたけれど、突然五右エ門と逃避行ってどういうこと?と戸惑うほど。
菊子は確かに強引だった。手を引いて、いきなり走り出すのだから。
付いて行く五右エ門も五右エ門という気もする……というか、ルパンを裏切ってしまってから流されやすくなってるのかも^^;

五右ェ門がルパンを殺してくれなかったため、駄目衛門たちは慌て始める。
下手にルパンに深くちょっかいをかけすぎたのだ。彼らが言う通り「手負いの獅子と同じ」「今度はこっちの身が危ない」わけだ。
それはそうだろう、ルパンの命を狙ってただで済んだヤツはいないのだから。
五右ェ門がルパンを斬ると思っていた時は、あれほど大きな事を言っていたクセに、こうなったらルパンにやられる前に、せめて浮世絵だけでも持ってずらかることにする一味。
引き際をわきまえているというか、案外へこたれやすいというか(笑)
が、例の浮世絵はどこにもなかった。菊子の姿も消えている。
出し抜かれたと知った駄目衛門は、菊子と五右ェ門を何が何でも探し出すといきまくのだった。

なんと、赤鼻は犬並みに鼻が利くというスゴ業を持っている。
普段、生活しにくそう!!(笑)
だが、人を追跡する時はこれ以上役に立つ特技もないものだ。赤鼻の鼻によって、菊子が逃げた方向がバレてしまう。


一方、菊子は、ようやく立ち止まり、五右ェ門に身の上話を始める。
病気で余命幾ばくもない父の願い……どうしても盗めなかった富岳三十六景を一目みたいという願いを叶えてやりたいと言う。だからこそ、駄目衛門仲間になったのだと。
菊子としては、何としてもそれを持って、父のいる木曽路まで逃げたい。それを五右エ門に助けて欲しいと言うのだ。
「私には頼れる人がいないのです」と、泣かんばかりに土下座して頭を下げる菊子。
ご承知の通り、これは真っ赤な嘘だが……うーむ、確かにうまい。こんな風にワケありの女(と思ってる)に土下座までされ、しかも五右ェ門が最も弱い「肉親」ネタでゆすぶってこられては、断ることはまず不可能だろう。
だから、五右エ門は騙されてしまう。
41話でもかぐやの「肉親思い」の面にほだされて、崑崙まで赴き竜とまで戦った程なので(笑)、この辺が五右ェ門のアキレス腱なのかもしれない。

そこへ、追いついてきた駄目衛門らが襲い掛かる。危ないところで五右ェ門が矢を跳ね返す。
続いて再びまん丸による巨石攻撃。前回と同じ手はきかないよーと思っていると、さすがに学習したようで、五右ェ門が斬った石には爆弾が仕掛けられていた。
五右ェ門は吹っ飛び完全に意識を失い、菊子は裏切り者として4人によってじりじりと囲まれていく。

と、思いきりタメたわりには、菊子の目潰し(煙玉)であっさりと二人を逃してしまっている男4人。
彼らを見掛け倒しとダメ出しするよりは、菊子の隙のなさを褒めるべき?


五右ェ門は爆発によって怪我を負ったらしく、川べりで菊子に手当てを受けていた。
そこで、菊子は駄目衛門の企みを暴露する。
昔風の武器でルパンたちと戦ったのは、五右エ門を仲間にするための方便だったのだ。
さらに最終的には五右エ門を人質にして、ルパンからお宝を全部奪おうというのだから、念がいっている。
五右エ門を仲間にすれば、ルパンのアジトの秘密はかなり入手できる上、無敵の斬鉄剣と五右エ門の腕が駄目衛門一味に加わる。
仮に五右ェ門がルパンを斬りそこなったとしても(実際そうなったが)、五右エ門を人質にすればお宝が手に入る、と目論んでいたようだ。
だから浮世絵を持ち逃げした以上に、ルパンに対して切り札になりうる五右ェ門を連れ出してしまった事の方が、駄目衛門たちの怒りを買っているのかもしれない。
菊子曰く、「今度会ったら八つ裂きにされます」との事。

まあ、これは駄目衛門たちも五右ェ門も騙している菊子の弁なので、駄目衛門が本当に「五右ェ門を人質に」と考えていたのかは謎だが(だったら対決させるよ り、最初から人質として使ったほうが有効なので)、いずれにしても五右ェ門の目が、駄目衛門たちに関してはここで完全に覚めることになる。


ルパンたちがヘリで追跡していると知らず、二人は木曽路までの道を順調に辿っていた。
ようやく、木曽路が見えたその時、五右ェ門は菊子に別れを告げる。
騙されていたとはいえルパンを裏切ってしまった五右エ門は、その決着をつけねばならないと言う。
菊子は涙ながらに、約束が違います、と言ったり、私と逃げてください、ルパンも駄目衛門の目も届かない場所へ……などとすがり、五右ェ門をかき口説いている。
しかし、五右ェ門は菊子に背を向けた。
「なぜ」と尋ねる菊子に、「拙者は男だからだ……」と答え、背を向けて走り去っていく五右エ門。
この時点では、五右ェ門はかなり菊子に好意を抱いていたらしい。その後のルパンとの対決の時も「菊子殿はそんな方ではない!」とムキになることからもそれが判る。
実際、和服を着ていて、けなげな父親思い、意外にある実行力、とくれば、五右ェ門好みであることは間違いない。
……これで菊子がホントに女だったら、しかも五右ェ門が利用されていなかったのだとしたら、この別れの場面はとてもいい場面なんだけどなぁ(笑)


弁天菊子の正体

菊子につけられた発信機は機能しつづけていたようだ。(たぶん菊子がカツラだったのが幸いしている。具体的に何日経過しているのか作中からはよくわからないが、カツラだったからこそ、風呂に入っても発信機が取れて流されることがなかったのだろう)
ヘリに乗ったルパンたちは、ついに五右ェ門と再会を果たす。

ルパンはイキナリ発砲し、「お前の頭ふっとばしてやる!」とご立腹のご様子。
しかし五右ェ門は刃向かう素振りを見せるどころか、刀を置いて座り込む。(この時のルパンの「なんだ、その態度はァ」という言い方がツボ^^)

彼は、いくら駄目衛門に騙されていたとはいえ、ルパンを裏切ってしまった代償に腹を切るという。ホントにどこまでも真っ直ぐな男、五右ェ門。
「ついては介錯を願いたい」という五右エ門に対し、ルパンは「おう、引き受けた!」と、軽い調子でOKし、ノリノリ(死語)で首をはねようとする。
「ノコギリでもあったら、首ギコギコちょんぎってやりたいくらいなんだから」と言っているところを見ると、五右ェ門が裏切り、自分を本当に斬ったことに、かなり頭にきていたらしい。

斬鉄剣をぶん回すルパンに、止めるどころか次元は「おいルパン、水だ」と差し出す。「気が利くねえ、さすが相棒」と、この掛け合いも非常にgood。
不二子が悲鳴を上げて止めるが、男どもは全然聞く耳を持たない。
次元も「こういうのは本人の望む通りにバッサリやるのがいいんだ、それが友情ってもんさ」と言ってルパンの方に協力的。

「ボッサボサの髪」(byルパン)も払いのけ、五右ェ門は懐刀を取り出し(レアパターン!)、すっかり切腹の用意が相整う。緊張感は極限まで高まった。思わず不二子が目を逸らすほどに。
あわや腹を切るかというその時、ルパンは突然刀を捨てた。「なーんにもしねえ野郎の首はねても、面白くもなんともねえ」からと、五右エ門に素手で来い!と、突然殴り合いを始めるのだった。
今まで大人しく切腹しようとしていた五右ェ門なのに、ルパンの心を察したからか、素直に「望むところだ」とその挑戦を受け、思いきりルパンと殴り合っている。
不二子はやはり必死で止めるのだが、次元は「放っときな」と煙草を差し出し笑う(このタイミング、最高)。
ちなみにこの時差し出した煙草は「Marlboro」。作中で煙草の銘柄がはっきり確認できる、数少ないシーンの1つでもある。

ルパンと五右エ門が果てしなくボカスカ戦っている間、次元と不二子は岩を挟み、特に会話をした様子もなく、スパスパと煙草を吹かしていた。
不二子のふてくされたような顔つきが妙におかしい。
散々殴り合って、再度お互いを再認識したルパンと五右エ門は、元の仲に戻る。
一昔前の番長モノのようだが(笑)、男って案外こういう部分を持っているような気もする。女なら一度こじれた仲はこんな風には決して戻らないだろう。
その辺がわかっている次元は2人を放っておき、不二子は止めようとした。男女の反応の違いだろう。
二人同時にやっと力尽きると、次元が淡々と「終わったようだぜ」と不二子に声を掛けるのもなんだか笑える(不二子は岩の向こうで二人の戦いを見てなかったのですね^^)


菊子が木曽路にたどり着きそうな頃、散々殴りあった二人は、落ち着いて話をしはじめていた。(不二子に傷の手当をされているルパンが可愛い^^)
五右ェ門は菊子が父に浮世絵を見せたら、返してもらおうと思っていたのだとか。
だが、不二子は菊子を「あのワル」呼ばわりし、つっけんどんな口調で大人しく返すはずがないと一蹴する。
五右ェ門は思わず菊子を庇った。
その様子に、一同は五右ェ門が菊子に惚れてしまったのだとすぐに気づく。
「心根の優しい方だ」という言葉にいたっては、みんな揃って目を丸くしている(笑)

その時、再び舞う桜吹雪。駄目衛門一味がやって来たのだ。
五右ェ門が迎え撃とうとするものの、すっかり女に惚れてしまったと知ったルパンたちは、彼を菊子の元へ行かせるのだった。
駄目衛門たちと戦いながら、かの堅物が…などと五右ェ門談義するルパンたちの会話がとても好き^^
特にいいのは、女ならではの鋭さを発揮しまくっている不二子だ。
バーベキューにされかかった恨みは相当根強いようだし、実際彼女をワルっぷりを一番間近で見ているのだから、不二子が言うと説得力がある。しかも彼女は騙しのプロ(笑)。
「そんな女かしら」という不二子の言葉には、えらく説得力があるのだ。

どうでもことかもしれないが、ここで五右ェ門がヘリコプターを操縦している。
菊子の元へ急がなくてはならなかった上、移動手段がそれしかないのだから当然かもしれないが、五右ェ門のヘリ操縦もかなりレアだなぁと思う。前編のアルファロメオ運転シーンといい、ヘリ操縦といい、この話の五右ェ門はレアなことしまくっている。


菊子の実家にたどり着き、家の中を彼女の姿を求めて探し回る五右ェ門。だが人の気配はない。
そこに、誘い込むようにわずかに開いたふすまから、菊の花が一輪見えている。思わず部屋へ踏み込む五右ェ門。
すると、巨大な針のついた吊り天井が落ちてくる。
その後から菊子が現れ、「バカな五右ェ門さん」と呟き、去っていくのだ。
五右ェ門が、父に見せたら浮世絵を返してもらおうとしていた事に、菊子は気づいていたのだろう。だから是が非でも富岳三十六景を我が物にしかった菊子は、五右ェ門を殺したのだ。
去っていく五右ェ門を引きとめ、何とか実家まで連れ込もうとしていた事からも、最初からそのつもりだったと推測できる。
一旦は去ってくれて、浮世絵を自分のモノにできると思っていたのに、再び追って来られたため、予定通りに吊り天井を落としたのではないか。

だが、あの程度の罠で死ぬ五右ェ門ではない。
菊子の前に無事な姿を現す。そして、菊子への思いについても「冷めてみれば他愛ないこと」と言ってくれているので、かなりホッとする(笑)
ようやく、その正体に気づいたのだ。
弁天菊子ならぬ、女騙りの大悪党、女の格好をし、盗みタカリを生業にしている弁天小僧菊之助だということに。
見破られた弁天小僧は開き直り、それを認める。途端に顔もものすごーく男くさくブサイクになるので、ちょっとびっくりする(笑)
取れるものなら取ってみやがかれと刀でかかってくる弁天小僧を、五右ェ門は一輪の菊の花を添えた斬鉄剣で切り倒す。


ラストは、前編で白波五人衆に長々と名乗られたお返しか、ルパンたち+なぜか銭形が歌舞伎風に自己紹介し、駄目衛門たちが「参りました」と降参してジ・エンドとなる。
この5人の台詞はほぼ丸暗記しているので(たぶんテープのおかげ)、ここに書いてみたい気もしたのだが、長くなるので割愛する。
それにしても、ルパンたちの名調子、いつ聞いても惚れ惚れしませんか?(^^)


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