第76話 シェークスピアを知ってるかい


アンジェリカからの手紙

なんとも非常〜〜に語りたいポイントの多い話。
個人的趣味嗜好により(笑)、この話の主役である次元単体よりも、ルパンと次元の関係に目が行きがちではある。
その点ではかなり好きな話の一つなのだが、ただ…この回の次元は、多分カッコイイんだろうとは思うんだけど、あまりにウェットすぎるせいか、アンジェリカとのシーンはちょっと気恥ずかしくなってきて、見てるとモジモジしてきたり(笑)
こんな具合に、次元ファンの方とは多分見方が違うと思うので、その辺はどうぞ悪しからず。


とある国の大統領室に、ルパンたち三人は呼ばれてやって来ていた。
つい習慣で「ルパンたち」と書いたのだが、ここではナント「次元大介とその一味」と称されている。珍しい〜!というか、前代未聞?!
これは三人を呼ぶキッカケとなった手紙が、次元宛だったことに由来する(はず)。

その手紙は、ボロディアス連邦にいる、シスター・アンジェリカからだった。
「アンジェリカ」と思い入れたっぷりそうな次元の声や、彼女の手紙の内容から、過去、二人の間にイロイロあったことが察せられる。
彼女がシスターになっていたことに驚いていたり、助けを呼べば必ず駆けつけると約束したことが匂わされていたりと、とにかく二人の関係が気になるシーンだ(笑)
肝心の手紙の内容はといえば、アンジェリカが次元に助けを求めている。
内戦の続くボロディアスから、独立運動の指導者オセロ博士を助けて欲しい、と。
手紙は、伝書鳩でこの国に届けられていて、この連絡手段ひとつとっても、かなりの切羽詰った感がある。

ルパンたち、じゃなかった、次元たち(笑)を呼び寄せた大統領からも、三人に対してオセロ博士の救出を要請される。
ルパンは、大統領が自国の軍隊を動かせばいいのでは、と至極尤もな指摘をするが、そうはいかない事情があるのだとか。
ボロディアスの黒人差別は人道的に目に余るものがあり、黒人による独立運動を支援したいのだが、現在のボロディアス政府と国交を結んでいる関係で、表立って軍を動かすことは出来ない、とのこと。
だから、この国とはまったく関係ない密かにルパンたちを雇いたい考えのようだ。
成功したら望みの報酬は払うが、もしボロディアスに捕まったら死刑は確実、それについて大統領は一切関知せず、との条件。

どう考えても本来のルパンの仕事ではないし、条件だってそれほどいいとは思えないのだから(デメリットの方が大きそう)、断ってもいいようなものなんだけど、あっさりとボロディアスへ向けて出発しているのは、ひとえに次元のためなんだろう。
義理堅い相棒が、助けを求められてそ知らぬ顔を出来ないのを知っているだろうから…と、早くも妄想モード・オン(笑)
飛行機の中で、ようやく「そのアンジェリカちゃんとはどこいらでお友達になられたのんのん」なんて、茶化して尋ねてるルパン(語尾がカワユイ^^)
この時点でまだ深く事情を聞きだすこともなく、アンジェリカに手を貸すためボロディアスへ向かっていたのだということが判る。大統領の依頼を受けた形になってはいるが、どう考えてもアンジェリカの手紙のため、ひいては次元のためだろう、今回の仕事は。(断言)

さてアンジェリカと次元の関わりだが、彼自身の口からルパンと五右エ門に語られることになる。
8年前、次元がまだ殺し屋だった頃の話だ。
依頼を受けて殺った相手が、マフィアのボスの息子だったことから、次元は世界中を追い回されていた。
そんな中、冬のベネツィアで出会ったのが、アンジェリカ。風邪を引いて具合の悪そうな次元を心配して、彼女から声を掛けてきたのだった。
雪の降るベネツィアでの出会い、なんて、いかにもロマンチック。
その出会いは、ロマンクチックなだけに留まらず、ドラマチックでもあった。
ちょうどそこへ次元を狙う殺し屋が、ボートを走らせ攻撃を仕掛けてきたのだ。
次元は、アンジェリカの車を使ってボートを破壊、敵を撃退する……
貴族のお嬢様が、コロッと恋に落ちるのもわかるような劇的シチュエーション。
病気で弱ってて、しかも何やら陰のある、危険な香りがする男性。でも決して悪い人ではなさそうで、なんて。

ただ次元によって語られたのは、出会いの件りだけだったようで、「彼女のロールスロイスを沈めちまった借りがある」と、しめられている。
救助に乗り出すのに、こんな“借り”を持ち出すなんて、照れ隠しだろうか^^
それ以上のことは「俺はロマンチックな話が苦手でな」と具体的に話すことを避けている。が、彼女との間にロマンチックに濃厚なことが(笑)あったことを、白状しているのも同然で、微笑ましかったり。
それよれ何より。
この次元の話を聞いていた時のルパンの顔!!チロ〜ンと向けられたその横目!!もう可愛いったらありゃしないッ(笑)
五右エ門はいたって真面目に聞いてたけど、ルパンったら、気になるけど茶化したい、みたいな様子。それでいて親身なんだから、たまらない。

どうでもいいけど、ルパンは次元の女性関係ネタには、茶化したりしながらも適度な距離を保ち、さり気なく協力的で、非常に大人の態度を示すように見受けら れるのだが(この回以外では111話がいい例か。また129話では女に獲物を譲ってしまっても意外にすんなり受けて入れてる)、
一方で、新ルにおいては、次元の男性の昔馴染みには冷たい態度を取ることが多いような気がする(代表例84話。99話は敵として現れていたから当然の反応?)
女好きのルパンのこと共感できる部分が多いのだろうし、女ネタではいつも相棒に迷惑をかけているのだから(笑)寛容なのだろう。が、次元の男の昔馴染みに は「殺し屋」が多く、ルパンの嫌いなものに抵触していることが、冷たい態度の原因ではないだろうか。このネタは、改めて84話もしくはパートIII・6話で語りたいと考えている(笑)

え〜と(話が進んでないな)
その頃ボロディアス、黒人の独立戦線はかなり追いつけられた状態にあった。最後の砦ともいえるオセロ病院では、シスター・アンジェリカやオセロ博士が傷ついた兵士を懸命に助けているものの、死者の数は増えるばかりといった状況。
そんな中、次元登場。アンジェリカは嬉しそうに駆け寄り、次元に抱きつくのだった。
「俺は約束を守る男さ」と、次元大介談。
うーん、カッコイイ、確かにカッコイイんだけど、この回は全面的に次元のカッコイイ決め台詞系がたっぷりあるせいか、ちょっと食傷気味かも。
次元カッコイイ!!と盛り上がるよりは、昔の女と再会し彼女のために頑張る次元を、母のように見守りたい心境になる(なぜだ?笑)


オセロ病院

次元は、オセロ博士を脱出させるためにやって来たことを説明する。某国大統領が亡命政府を樹立させる意向であること、国境付近に脱出用飛行機が待機としていることを話し、説得する。
だがオセロは最初、傷ついた兵士たちを見捨てて、自分だけ逃げることは出来ないと拒否。
…ここだけ見ていると、立派な博士なんだけど、実際はとんでもない裏切り者だということを知ってから再鑑賞すると、偽善者ぶりがものすごく憎たらしい。
ここのオセロ博士の熱弁を、ルパンはポカンとした顔で聞いているのが、何気にツボ。
日頃は、この手のことをあまり考えたことのなさそうなルパンだから、ちょっとした刺激になったのだろうか?(笑)

アンジェリカの熱心な説得や黒人の同志たちの勧めもあって、ようやくオセロは亡命を決意。
彼は、アンジェリカに自分の代わりにとロザリオを手渡す。裏切り者のクセに。
ただこれが後に決定的な裏切りの証拠になるのだから、皮肉といおうか、当選の報いといおうか。やっぱり神様関係のものは迂闊に扱わぬが吉。

そうと決まればと、ルパンは早速オセロを連れて、国境へと向かう。どうやら、ルパンと五右エ門がオセロを護衛し、次元は病院に残ってアンジェリカを守る手筈になっている模様。
この時、次元が「済まんなルパン、後で必ず行く」と言えば、ルパンは「ああ、待ってるぜ」と穏やかな口調で答えている。
ああ、相棒ってイイですねv(笑)
それより気になるのは、この時点で次元のいう「後で」はどれくらい後だったのだろうか。
オセロ博士を逃がして欲しいというアンジェリカの依頼なら、ルパンが代わりにやってくれることになったわけで。ただ単にその依頼を果たすだけならば、次元がここに残る必要などないのだ。
もしかしたら、この戦争が終結するまで(亡命政府が出来るまで?)、次元はアンジェリカを守ろうとしていたのだろうか。
だとしたら、この時点ではしばしの別れになると互いに考えていたわけで…ルパンのしみじみとした「ああ、待ってるぜ」という言い回しも納得、かつ激ツボだ。

ルパンたちが去った後、敵の攻撃はますます激しくなる。もうオセロ病院も風前の灯だ。
アンジェリカは外の兵士を心配して飛び出していきそうになるのだが、次元に止められ、一旦地下室に避難する事に。
そこは、オセロ博士の研究室。マグナムで強引に鍵を開け、部屋に入る二人。
そこで彼らが見たものは…
強い光線の下で、椅子がぐるぐる回っている装置……簡単に言ってしまえば、日焼けサロンの強力版のようなものだ。
これを見た次元は、すべてのからくりに気づくのだった。
だがその部屋も、激しい爆撃のために崩れ落ちていく。次元とアンジェリカは、そこから逃げ出した。

その頃、ルパンと五右エ門は、オセロを無事国境まで送り届けていた。
御礼を言うオセロに対し、「俺もね、白だ黒だ黄色だってのは嫌いなんだよ」とルパン。いかにも彼らしい台詞だ。
オセロが本当に、人種差別に対して立ち上がった人物なのだとしたら、さぞいいシーンだっただろうに…(胸中複雑)
しかし。飛び立ったオセロの飛行機に向けて、ミサイルが発射され、命中。
駆け寄ったルパンと五右エ門が見たのは、撃ち落された飛行機、そして、その窓から覗く、オセロらしき人物の血の流れる手だった。


攻撃はついにやんだ。病院は徹底的に破壊され、多くの人々の命は失われた。
次元のお陰で、アンジェリカは無事だったが、その嘆きと動揺は激しく、次元の制止を振り切って、ただただ辺りを走り回る。
「不発弾を踏んじまうぞ!」と、次元は懸命にアンジェリカを止めるものの、彼女はまるで聞こえていないかのよう。
ついには、不発弾に足をかけ爆発させてしまった。あああ、いわんこっちゃない。
昔は、次元があれだけ注意したのに、なんて馬鹿なんだろうとアンジェリカに苛々していたものだが(冷酷な子供だったのね;)、最近はちょっと同情してしまう。
何不自由なく平和に暮らしていたお嬢様が、戦火の真っ只中で自らも命の危険に晒され、目の前で大勢の人たちが死んでしまったとなれば、錯乱の一つや二つしてしまっても不思議はないのかもしれない、と思う。
結果命を失うことになったのだから、その錯乱の代償はずいぶん重いものだけれど。

死にゆくアンジェリカを抱きかかえながら、次元は問う。どうしてシスターになんかなったのか、と。
次元も、薄々は気づいていたのではないか、彼女がシスターになったのは、次元のせいでもあるということを。
「薔薇の花園」(なんかスゴイ名前)から次元が去った後、アンジェリカは神様に愛を求めることになった、という。
要するに、次元と別れて…というか、一方的に去られてしまって、そのショックで世を儚んで出家したということだろう。俗っぽい言い回しでごめんなさい。
それほどまでに愛した男の腕の中で、しかも彼女はオセロ博士は助かったと信じていたからなおのこと、穏やかにこの世を去った。

彼女の死を哀しむ次元。この辺は痛々しいというか、何となく見ていられない感じ。
嘆く様子もごく短く、あっさりとシーンが変わってしまうので、変な抵抗感はないけれど。やっぱり気の毒だ、次元もアンジェリカも。


テントウムシ

オセロが爆撃されて死んだと思い、ルパンと五右エ門はその場で立ち尽くしている。
これでボロディアスの独立も遠くなった、と。
そこへやって来たのは、次元(早)。腕には、亡くなったアンジェリカを抱きながら、「これは罠だ!」と、先ほど見抜いたカラクリをルパンに告げるのだった。

オセロ博士は死んでなどいなかった。そもそも、独立の指導者オセロ博士そのものが、虚構の存在だったのだ。
彼の正体は、GIB長官のブレナン。某国のスパイだ。
次元が地下の研究所で見た装置を使い、黒人に、そしてその独立の指導者になりすましていたのだ。
大統領は、黒人の独立国家など望んでおらず、むしろ白人の利益を守ることに力を注ぐ人物。その手下のブレナンは、豊富な資源を持つボロディアスの独立の動きを知ると、大統領と内通し続け、それをつぶして来たのである。なんつー卑劣なヤツら。
任務を終えたブレナンに、「病院へ行って漂白してきたまえ」という大統領の台詞が、差別的な響きを滲ませており、嫌悪感を覚える。

真相を知ったルパンたちは、黙ってはいない。
アジトに不二子を呼び寄せると、オセロの写真を見せて、似ている人物を知らないかと尋ねる。
最初はオセロは死んだのよ、とあまり取り合わなかった不二子だが、正体は白人だと知ると、ブレナンを思い出す。
さすが、幅広い人脈を持つ不二子!さらには、顔を知ってるだけでなく、二、三度食事したことまであるという。
ルパンの「そいつに会ってくれないか」という頼み、不二子のスパイ的能力・力量を信用してるな〜という感じで非常にツボ。また、「私の美貌をもってすれば、長官の一人や二人」と微笑む不二子もカッコイイ!不二子にしか言えない台詞だ^^

さて早速ブレナンと食事する不二子。彼女の目的も知らずに、堂々と大病を患っていたという嘘をついてるブレナンは憎らしいけどいっそ滑稽だ。
快気祝いの乾杯をしたそのグラスを、不二子はまんまと手に入れてくる。
ルパンは、大量の鉛筆を粉状に削って、それを待っていた。
ブレナンの使ったグラスと、オセロがアンジェリカに渡したロザリオ。この二つに、盛大に鉛筆粉を吹きかける。
黒い粉が舞った時、イヤそうにしかめた五右エ門の顔が好き(笑)

ルパンは、当然のことながら悪戯をしたわけではなく、その二つから指紋を取ろうとしていたのだ。
ブレナンとオセロ博士が、同一人物であるという、決定的な証拠である。
…ちなみに、ここでルパンは「推理小説は読んどくもんだぜ」と言っている。ルパンも推理小説読むんだなぁ(←やたら嬉しい^^)
66話での文学少年発言といい、82話の本だらけのアジトといい、ルパンは本が好きなんじゃないかと勝手に推察。いいわ〜v
ところで鉛筆の芯を粉状にしたもので、指紋採取ってどの推理小説に出てきたんだろう?(読んだことがあったとしても、すぐにこの手のシーンは忘れてしまうボケ頭)「刑事コロンボ」にそういうシーンがあったのは、よく覚えているけれど。


本題に戻ろう、いよいよクライマックスだし。
ようやく登場した銭形は、カートに乗ってゴルフ場を走っている。「ルパンめ」と呟いていることから、ルパンがらみでやって来たことは間違いない。
ここでの銭形は、大統領からまるきり相手にされてないことなどを考えると、ルパンが呼び寄せたとみるのが正解だろうか。
いきなり大統領がルパンたちを殺す行動に出るとは思っておらず、ルパンとしては銭形を、オセロ=ブレナンの公正な証人にしようとしたのかも(?)。

そのゴルフ場にいたのは、ゴルフを楽しむ大統領とブレナン、そして彼らを糾弾に来たルパンたち三人だ。
問い詰める次元に対して、あくまですっとぼけようとするブレナン。
タイトルにもなっているシェークスピアの「オセロ」について、次元が口にするのはこのシーンだ。
「オセロ」の目はなぜ青いか?それは、白人の役者が演じているからだ、とブレナンを追いつめる。
が、指紋という証拠を突きつけられても、まだ「泥棒の言うことなど誰が信じるものか」と居直ってくる。

実は私初見の時、ここで銭形が「俺は信じるぜ」とでも言って出てくるのかと予想してたんだけど、ゼンゼン違っていた(笑)
次元は「神が信じてくれるさ!」と答えたのだった。
彼が信仰深いとはとても思えないが、シスターになったアンジェリカのために言った台詞なのだろう。ただ、どんな理由があるにしても、こういう台詞を堂々と言える次元は、ルパンほどの徹底したリアリストの無信心者ではないのかも、少なくとも本質的には…と思ったりもする。

その後銭形が登場するものの、ちっとも場の空気が読めていなくて、思いきりから回りしている(苦笑)。
突然出てきたICPOにこの話を聞かれたくなかったのか、大統領とブレナンは、ヘリコプターで飛び立ってしまう。
そして、ルパンたちを消そうと、いきなり攻撃を仕掛けてくるのだった。

そのヘリコプターを撃退する三人は、滅法カッコイイ!僅かな言葉だけで、各自が素早く位置につく。この呼吸が好き(惚)
ルパンがヘリの操縦席の窓を撃ち、五右エ門が機体を斬り、次元がとどめに燃料タンクを撃ち抜く。
二人を乗せたヘリは、木っ端微塵になった。
銭形は、ただ呆然とするばかり。(いい役にもできそうだったのに、残念な扱い;)
ルパンは「行こう、アンジェリカが待っている」と次元を促し、立ち去るのだった。

次元は、アンジェリカの墓に詣でながら、心の中で詫びている。
ここは描かれ方がかなり直接的かつセンチメンタルなトーンなので…切ない男の悲哀にも見えるけど、やや情けないようにも見えたりする(次元ゴメン;)。
だが、彼女が死んだ経緯を考えれば、次元がすまなかったと独白するのは、とても納得できる。
この回想シーンや息を引き取る前のアンジェリカの言葉からすると、次元はどうやら幸せ真っ只中の時に、彼女を置いて去ってしまったようだ。
彼女の方は、薔薇の花にくっついてた二匹のテントウムシのように、ずっと二人で一緒に居るつもりだったらしいのに。
もし、あのまま次元が「薔薇の花園」に残ってテントウムシの片割れになっていたら、アンジェリカは当然シスターになっていないだろうし、戦場で死ぬこともなかったはずだと、そう次元は己を責めたんだろう。

ただ。「俺はテントウムシにはなれなかった。逃げ出すつもりはなかったんだ」…そう言ってはいるけれど、やっぱり逃げ出したという面もあったのでは、と思う。
あまりにアンジェリカにのめり込まれて、落ち着かなくなったのではないか。元々が、平穏無事に結婚して一箇所に留まっていられる気質ではない。ましてや、相手は苦労知らずの貴族のお嬢様。
息苦しくなってきたんだろう、と察しはする。その気持ちわかる気もする。満ち足りて平和な時の過ごし方も、よく知らないのではないか。
それで、逃げ出した。
助けが必要な時は駆けつける、だなんて、そんなカッコイイ言葉を残して去られたら、なかなか忘れられるものじゃない。
女から見れば、罪な男かもしれない。…確かに、そう。
でも、次元はこういう風にしか生きられないのだし、アンジェリカはいずれにしてもそれを受け入れることは出来なかっただろう。
互いに思い合っていたとしても、ままならない男女の仲というのは、こういうものなんだろうなぁと、不思議な感慨にふけったりもする。

この墓参りには、ルパンも一緒に居て、二人で無言で立ち去るのが渋い。
二人並んだカットでの終わり方は、ちょっと気に入っている(と、ミーハーコメントで〆てみる)。


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