第80話 最後の差し入れはカップラーメン


シルバー爺さん

脱獄の切り札となるアイテムがカップラーメン(実際は特製ロープ)ということで、微妙にトホホ感があるように思える作品だが(笑)、さすがに脚本は金子裕氏、キャラクターの会話やルパンの余裕の態度などがカッコ良く、細かい部分で好きなシーンが多い。
ゲストキャラのシルバーは、小悪党風なのにルパンが出し抜かれただけあり、なかなかしぶとさを見せてくれる。
また後半、ルパン処刑に際して見せる銭形の苦悩も見所。


刑期を終え刑務所から出てきたシルバーを待ち受けていたのは、我らがルパン。
かつて一緒に現金強奪をした二人だったが、その時の金をシルバーは独り占めしていたのである。
金のありかを吐かせようと、ルパンは拳銃型ライターを突きつけるお茶目も交えつつ(笑)シルバーに迫るが、敵もさるものまったく動じない。
というのも、シルバーはルパンが待っていることを予想し、銭形を呼び寄せておいたのだ。

姿を現した銭形を見て、「相変わらず抜け目のないこったな」と呟くルパン。
見た目は冴えない小悪党のシルバーだが、ルパンが「相変わらず」と言うところを見ると用心深くでずる賢い男なのだろう。
考えてみれば、悪党として大したことがなければルパンが一度だけとはいえ組むこともなかったろうから、シルバーのしぶとい抜け目のなさも納得。

銭形が現れた隙を突いて、シルバーは逃走。ルパンは後を追うが、銭形の手錠を足首にかけられ転倒。
「爺さん」と呼ばれる年齢だというのに、シルバーの逃げ足はかなり速く、屋根の上を伝っていく身軽さもなかなかのもの。
「俺から逃げられると思うなよ」とルパンは叫ぶが、銭形の手錠のせいでその時はシルバーに逃げられてしまう。
シルバーを追うルパンを銭形が追う、という二重の追いかけっこがもどかしいけど面白い(笑)

この時銭形はルパンを捕らえた投げ手錠にロープでなく鎖を使用しており、ちょっと気合が入ってた風なのだが、今回もあっさり逃げられてしまう。
いつの間に、どうやって用意していたのかは謎だが、ルパンは手錠のかけられてた下半身だけあっという間に人形にすり替わり、銭形を踏みつけて去っていく。
ここでのどうでもいいチェックポイントは2点。
一つ目は、ルパンのパンツのカラーリングが珍しいこと。黄緑の地ににオレンジのハート柄はかなりレアで、全テレビシリーズを通してこの回だけではないだろうか。
二つ目、裸足だったはずのルパンに踏まれた銭形の帽子、付いた跡はなぜか靴の形だった。
……ホントどうでもよくてすみません(笑)


さて。ルパンはシルバーを見失うことはなかったらしい。
いつの間にか次元と合流し、シルバーの後をつけていく。
その時、8年前シルバーと組んで銀行輸送列車を襲い、見事成功したものの、土壇場で裏切られた経緯を次元に話している。
次元はその事件を知っていたようで「大胆な列車強盗と噂になったヤツだな」とコメントしている。
116話「108つの鐘は鳴ったか」によれば、(この年の年末時点で)ルパンと次元が初めて組んだのは7年前とされている。
一応素直に新ルが同一時系列上に並んでいると仮定するならば、シルバーとの列車強盗の時は別々に行動していて、次元はどこか別の場所でルパンの大仕事の噂を聞いていたのね…と、無性にしみじみ(&なぜか萌え・笑)してしまう。

また、シルバーの裏切りのくだりでは、次元が「裏切るのは女だけにして欲しいもんだな」と一言。
女は裏切るものだと次元の持論(諦め?)がここでも垣間見られて面白い。
裏切られたルパンは当然シルバーを追ったが、逃げ切れないと思った爺さん、ケチな銀行強盗を起こしてわざと捕まり、刑務所の中へと逃げて行ったのだった。
その間金の隠し場所は一切もらしておらず、いまだにシルバー一人が知るばかりになっている。
無一文のシルバーだから、ずっと付けていればいずれ金のありかに案内することになると、ルパンは踏んでいる様子。

そんなシルバーは市場へ入っていく。車を降りてさらに追うルパンと次元。
ルパンの言う「悪い癖」が出て、シルバーは店頭から骨付き肉をひとつちょろまかす。
ココで次元が「まずいぜ」と言ったのは、盗んだことではなく、それがバレることを指しているのだろう。(いやもちろん、本来盗みそのものがやっちゃマズイことなのは言うまでもありませんが^^)
盗みに気づいた店主はシルバーを追うが、ルパンが仲裁に入る。肉の代金を次元に支払わせるのが無性におかしい。
「なんで俺が!?」と次元ならずとも言いたくなる(笑)
ルパン曰く、後でまとめて利子をつけて返してもらうとのこと。しぶしぶ次元は支払うのだった。
次元といる時、ルパンが自ら支払いをしたのって見たことない気がする(ありましたっけ?)

続いてシルバーは酒場へ。それも色っぽい格好した女性が踊ってる店で、爺さんは舞台にかぶりついて眺めている。
「食い気の次は色気かよ」と次元がイヤミを言いたくなるのもわかる。「爺さん」のわりにお盛ん(死語)である。
二人のテーブルへ注文してない新たなボトルが届けられる。なんとシルバーからで、彼の勘定までルパンたちにつけてくる。
見張られていることを承知の上で、図々しくツケまで回してくるとは…かなりのツワモノ。
またしても「次元」と言いかけたルパンに、「みなまで言うな」と止め、次元は荒っぽく金を支払うのだった(笑)

この回二度も内ポケットを探るシーンがあるので、「次元のサイフが見られるかも!」と一瞬期待してしまうのだが、残念なことに見えずじまいだった。
酒場で支払う時、次元は内ポケットからダイレクトで札を出しているように見えるので、もしかしたらサイフなんてものは使わない派!?
(追記:次元のサイフは136話で1回だけ確認。茶色の長サイフでした^^)


近代刑務所

いつまでもルパンから逃げ切れるとは思っていなかったのだろう、シルバーはルパンのアジトまでついて来たようだ。
ここでの三人のやり取りがとにかくサイコー!
中でも、「あの世じゃ金は使えないぜ」と銃を向けて脅す次元に、「そうでもないじゃろ、地獄の沙汰も金次第というからの」と切り返すシルバー、この辺が特に絶品。

あつかましくも六分四分――もちろんシルバーが6――を要求してくるシルバー、だがルパンはそれを呑むことにした。
さすが金持ち喧嘩せずってところだろうか?(笑)こんな鷹揚なルパンが好き。
シルバーから「(ルパンの物分りの良さを)お前も見習ったらどうだい」と言われ、「フン!」とそっぽを向く次元も可愛いv

乾杯の段になって、シルバーは不意に「もう一人の仲間」について尋ねてくる。
彼が言ってるのは五右ェ門ではなく不二子のこと。彼女は、獄中のシルバーを訪問していたのだとか。
話がキナくさくなってきたその時、シルバーは防毒マスクを取り出し装着、その瞬間窓からラグビーボールのような物体が飛び込んできて、催眠ガスを撒き散らす。
ガスに倒れた(ように見えた)二人を尻目に、上等の葉巻を失敬しつつ、シルバーは去っていった。
ホントしぶといな!
六分四分でもダメなのか。そんなにルパンと金を分けるのがイヤなのか!と、襟首掴んでやりたい気持ちになる(笑)

シルバーは不二子と意気投合し、彼女と金を山分けすることにしたのだとか。
迎えに来た不二子の車に乗り込み、金の隠し場所へと向かう。
どう考えても金銭的にはルパンと六分四分で分けたほうがお得なのに、「山分け」の不二子を選んだのは……やはり「色」に惹かれたからなのだろうか。
歳も考えず、不二子の太ももを触ってくるシルバーを、不二子は抓って撃退しつつも「手に入れるものを手に入れてからね」とウィンクして見せ、思わせぶりをしている。不二子も老人相手によくやるな…。


一方、ルパンだってやられっぱなしではいない。
一部始終を向かいのビルから見ていた五右ェ門、すかさず発信機付きナイフを不二子の車に命中させる。非常に冷静なグッジョブ!だ^^
辛うじて酸素ボンベで助かっていた二人と合流し、早速発信機の示す方へ追跡を開始するのだった。
ところで車の中で五右ェ門が、「他人を騙すやつに限って、自分が騙されると思っていないものだ」と、非常に説得力のある台詞を言っている。
これは、「騙されっぱなしでたまるか!」と怒っているルパンに、「どうせシルバーは不二子に騙されるよ」と慰めて(?)いるのだろうか。
さり気ないのだが、個人的になぜか忘れられない1シーンだったりする。

長いこと車を走らせ、人里離れた山間にまでやって来た不二子とシルバー。
シルバーが隠し場所として指し示した崖の上へ、二人は無我夢中で登っていく。「この上にあるのね!」と頭の中札束一色になってる風の不二子が、なんだかちょっと浅ましい感じ。まあ、可愛いといえば可愛いんだけど(笑)
しかし、崖の上にはルパンたちが先回りしていた。
懸命に這い登ってきた二人に対して、「爺さん、どこに埋めたって?」と余裕の口調で話しかけるルパン、この呼吸がステキ^^

だが、シルバーの指し示した場所には、8年の間に建物が建ってしまっていた。
しかもそれは、世界中の刑務所のモデルとして建てられたといわれるほどの、近代的刑務所なのであった。
五右ェ門が「相手が悪い、諦めろ」という程、その警備の厳しさは名高いのだろう。
諦めムードが漂う中、ルパンだけは余裕綽綽。正面から乗り込んで、金を手に入れると宣言する。


ルパンは手っ取り早く、その刑務所に出頭して自主する。
ルパン逮捕されるの報を聞きつけて飛び込んできた銭形は、「自主」ということにも驚いている様子だった。
彼が入れられたのは、タワールームという死刑囚専用の部屋。
出入りは専用エレベーター一本のみ、あとは明り取りの窓があるだけの、刑務所所長が考案したスペシャルルームなのだった。
「死刑囚」と聞き、またまた動揺する銭形。
なんと、ルパンの犯罪をいちいち裁判にかけていたら一生かかっても終わらないという理由で、ルパン死刑に関しては、大統領の特別許可が降りていたのだった。
刑は一週間後に決行されることになった。

外で見張ってる不二子たちですら、「一週間しかない」と知っているのだから、当然ルパン本人も処刑までの期間を知っていただろう。
それなのにルパンはいたって余裕、呑気すぎるくらいにのんびり構えている。
耳の中から、金の在り処を記したメモを取り出し、目印の大木があることを確認すると、あとはギリギリまでただ寝転がっているのだった。

ルパンからの合図がないと気をもみ、シルバーは「ルパンが金を独り占めするのでは」と、勘ぐり始める。まったく図々しい。自分を基準にしてしか物事を図れないんだから!
ここで五右ェ門が、「ルパンはお主とは違う!」と一喝してくれるので、胸がスッとする。
ゴエから凄まれたシルバーがしゅんとしたのが、ちょっといい気味(笑)
金の在り処という最大の切り札をルパンに渡してしまった上、強面の相棒たちに囲まれて、少しは反省したのだろうか(してない方に1000点)


死刑執行

ルパンの死刑が決まり、その日が迫ると、銭形の苦悩はますます深まっていた。
翌日に死刑を控えても、何の動きも見せないルパンに苛立ち、カレンダーを眺めながら「くそー!何を考えているんだ、ルパン!」と悶々としている。
旧ル4話「脱獄のチャンスは一度」以上に、この時の銭形の心は「逃げて欲しい」に傾注していたのではないだろうか。
旧ル4話では自らの手で逮捕していたが、この回ではなぜか勝手にルパンが自主してきたのだから、銭形としてはこのままルパンとの勝負が終わってしまうことに、とても納得できないだろう。
(余談だが、この時銭形が眺めているカレンダーの日付は4月23日(月)なのだが、ちゃんとこの回の放映日になっている。)

所長は諦めたんだろうと笑っているが、銭形は反論する。
「ルパンはそんな男ではありません。諦めが悪いというか、アバヨの男というか」
アバヨの男って(笑)
確かに、いつも「とっつあんあばよ〜」と逃げられている銭形からすると、「アバヨの男」なのかも。

しかし所長もルパン相手に余裕の態度だ。
あの部屋は、いわば電子レンジ式処刑室になっており、ベッドに囚人を固定し、上からの電子ビームで「こんがりと焼く」形で死刑執行をするのだ。
それを聞いた銭形は驚く。
処刑場を兼ねていたのでは、あの部屋から出るわずかなチャンスすら、ルパンには残されていないと思ったか。

ルパンは夜になっても何の動きも見せずベッドに横たわり、「いよいよ明日か」とひとりごちている。
旧ル4話同様、ギリギリまで待つのがルパン流。つくづく、ルパンはスリルを好む男なのだと実感する。
もちろんこの脱獄計画には、「最後のお願い」としてカップラーメンを差し入れてもらうことが不可欠だったから、ギリギリまで待つのも作戦の一環なのだとは思うけれど。
わざと「のんびりやるか」と構えている様子からは、ルパンの挑戦好きの一面が覗かれる(気がする)。


いよいよ死刑執行の日。所長と銭形は、ルパンの部屋を訪れる。
むさくるしい男二人に起されて、ルパン曰く「朝、女に起してもらわないと機嫌悪いんだ、俺」。
いいわ〜そんなルパンv と、うっかり状況も忘れてニヤついてしまうこの台詞(笑)。

そんなルパンに、銭形が声を掛ける。「ルパン」と。
この声が本当に最高!!
いつもより弱々しく、その中に様々な思いがこもっている絶妙な呼びかけ。ここは、つい巻き戻してもう一度聞いてしまった(笑)
銭形は言う。「何か望みがあればワシが所長に頼んでやるぞ」。
ルパンの最後の望みを、叶えてやろうという銭形の暖かさ。台詞の言い回しと相まってかなりグッとくる。
最初、特にない、と申し出を退けるルパンに、何かあるだろう言ってみろとせっつく銭形が切ない。
好敵手の最期に当たって、何かしてあげたくてたまらなかったのだろう。

銭形の思いを考えると、ルパンって悪いヤツだなぁと思う(笑)。
ルパンは、お願いなんかない、とか、言ったら怒るから言えないとか、さんざん銭形を焦らしに焦らしまくってから(ここのやり取り、面白いんだけどホントじれったい!)、ようやくルパンが言った望みとは、「カップラーメン」。
勿体つけた挙句に、こんな下らない望みを聞かされ、銭形は自らを「冷静な性質」と言ってた傍から怒り心頭(ここの画が妙にスゴイ)。
「今すぐ俺が絞め殺してやる!」とルパンを本当にしめ上げる(笑)

所長が止めに入り何とかルパンと銭形を引き離し、この国にカップラーメンなんてモノはない、とルパンに告げるのだが。
ルパンは「それがね、あるんですよ」と、耳の中からメモを取り出し、カップラーメン屋の電話番号を渡すのだった。
わざわざルパンが持参していたラーメン屋の電話番号なんて、もっともっと疑って当然だと思うのだが、さすがに裁判抜きで死刑に処するこの国でも、最期の望みくらいは叶えてやろうと考えられたのだろうか。
ラーメン屋について調べる猶予を与えないという意味でも、ルパンが処刑ギリギリになってからカップラーメンを所望したことは、作戦に有効だったようだ。

電話を受けたのは、鼻をつまんだ不二子。もしかしたら、注文の電話をしたのは銭形だったのだろうか。(さすがに本当の声で対応するとバレてしまうだろうから)
早速注文の品を届けに、カップラーメン屋のバンを走らせる。

届いたラーメンは、刑務所職員によってちゃんと調べられたようで、銭形に「100%カップラーメンです」と答えている。
……ホントにちゃんと調べたの?(笑)とも思うけれど、ここで発覚しては話が進まない。
無事検査を潜り抜けたカップラーメンはお湯を注がれ、また銭形によって胡椒をたっぷりと掛けられて、ルパンの元へ運ばれていく。
このシーンから察するに、銭形のラーメンの好みは胡椒たっぷりかけたもの、のようだ(^^)

室内の壁に収納される形になっているトイレで用を済ませていたルパン、ラーメンが届くと「待ってました」とカップを取る。


そしていよいよ、死刑執行時間がやって来た。
その時ルパンは、カメラに背を向けベッドの上に横たわっている。
所長が死刑執行を宣言しても、いつでもどうぞと大人しい。
電子ビームのレバーを引こうとした所長の手を、銭形が止める。「ヤツとは長年のよしみです。私にやらせてください」と申し出るために……
25話「必殺鉄トカゲ見参」でもそうだったが、銭形はルパンを殺すならばせめて自分の手で、と思っているようだ。
その想いが、またまた切ない。
(視聴者から見ると、ルパンが大人しく処刑される気がないのは明らかなので、余計銭形が気の毒になる)

じっとりと汗を流し、ついに銭形はレバーを引いた。引いてしまった己の手を見つめる銭形が痛々しい。
処刑のシステムが作動する。
所長はなぜか急にサディスティックな表情を見せ始め、「煮ても焼いても食えないルパンめ」とかなんとか言いながら、食い入るように処刑のシーンを見入っている。
一方銭形は、レバーを引いた己を責めるかのように、壁にひたすら頭を打ち付けている。その様子は本当に痛ましいほどだ;

しかし、ルパンが突然、ぷーっと膨れ始めた。
ルパン本人ではない、いつの間にかフーセンの人形になっていたのだ。
ルパンが逃げたと分かった時の、銭形の顔がイイ。壁に頭をぶつけるのを止め、浮かべていた涙もそのままに「やりおったなルパンめ!」。
その後銭形は立場上露骨に嬉しそうにできないものの、でも明らかに嬉しそう。「確かにフーセンでありますなぁ」とか「大変だ、ルパンが逃げだぞ」と嬉しさを押し殺した白々しい態度を見せている(笑)

収納式トイレに隠れていたルパンは、特製ロープで出来ていたカップラーメンの麺を取り出し、早速脱獄する。
外から次元がライフルで、明り取りの窓の格子を撃ち、その隙間から脱出。ロープはトイレに巻きつけ、それを伝ってタワールームから降りるという寸法だ。
エレベーターでタワールームに昇っていく所長・銭形とすれ違い、「カップラーメンご馳走様」と声を掛けるルパン、すごく楽しそうだ。
……いつの間にフーセン人形を用意したのか?とか、それを膨らませたり、すり替わったりする準備の間、どうやって監視カメラを欺いたのか?とか、この回の 脱獄に関しては気になる点は多々あるものの、個人的に銭形の苦悩のシーンがとても良いので、この際追求しないでおこうと思う(笑)

ルパンは、目的の大金を持ち出すべく、いつの間にか大木を切っている。
現金の袋と一緒に、ルパンもグライダーで空へ舞い、近代刑務所を後にした。
ここでも、(誰が切ったにせよ)木を切る間見つからないのか?とか、最初からグライダーが用意してあったのか?等、謎は多いが、BGMの「Super Here」を聞くと、そんな些細な疑問はどうでもよくなる(笑)

ところがここでまたシルバーが余計なことを仕出かす。
グライダーを引くジープに乗っていたシルバーは、金を早く手にしたくて焦るあまりルパンを振り回す。そんなにがっつくな〜!!
慌てたルパンが「次元、何とかしてくれ〜」と助けを求めると(何気にツボ)、次元はロープを撃った。
ジープから解き放たれたルパンと現金、風向きのせいかみるみる刑務所の方へと戻っていく。
ルパンは身軽に飛び降りるものの、現金はそのまま流されていった。

するとシルバーは、「ワシの金ーー!」とものすごい執着心を見せ、金を追って刑務所へ突っ込む勢い。
ルパンは「あそこの暮らしが気に入ったんでしょ」と、シルバーを見送るのだった。
ルパンにとっては完全にくたびれもうけの回だったように見えるけれど、世界中の刑務所の模範になるような近代刑務所から脱獄してのけた第一号という栄誉を手にしたのだから、挑戦好きのルパンにとってはあながち無意味な事件ではなかったのだろうと思う。

それにしても、振り回されて苦悩した銭形は、ちょっと可哀想だった。
この回ルパンが銭形など眼中にない態度を取ってるのでなおさら、銭形の想いが空回りしてる風に見えて、気の毒になってしまった。


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