第110話 激写 これが不二子だ


拷問

今回起こる事件の発端というか元凶は、「未来の映るカメラ」。
この設定からして、いかにも新ル風の何でもありな雰囲気。
とはいえ、原作にもタイムマシンをはじめとした現実離れした品々は出てくることだし、(いつも繰り返してるけど)その辺の裾野の広さが「ルパン」の魅力だと思う次第。

個人的に、カメラを手に入れたルパンら三人が公園で大笑いしてるシーンと、銭形が不二子を助け出すシーンが大好きなので、この話の印象はかなり良い。
他にもツボなシーンも多いし、何よりこの回は次元のお尻丸出しのシャワーシーンがバッチリ見られる。次元ファンの皆様の間では「激写これが次元だ」とも呼ばれる、なかなかオイシイ回なのである(笑)


さて。「ルパン現る」の報を受けて、銭形登場。ガッペルト長官の待つビルへ、タクシーで乗りつける。
(それはそうと今回舞台になる国、戯画化された戦前のドイツ風のノリだけど、作中で国名はついてないのかしら?)
急ぐ銭形は、掃除のモップに引っかかり、転倒。駆け寄って詫びる掃除係の女性に、大丈夫だと言って去っていくのだが…
この掃除をしていた女性が、実は不二子。時にはこんな地味な潜入方法も取るのだ。さすがプロフェッショナル。
銭形を転ばせて謝った隙に、彼の靴底に盗聴器を仕掛けていた。

銭形が呼ばれた会議の様子は、逐一不二子にも届くことになった。
彼女が盗み聞いたところによると……
この国から、一台のカメラが盗まれた。その犯人がルパンだと、ガッペルト長官、ボスマルク大臣は主張する。
黄金や宝石が付いたわけでもないカメラをルパンが盗むとは思えないと銭形は反論するが、長官らは聞く耳を持たない。開発者であるハイデルベルク博士も、とにかく是が非でも取り返さねばならないと主張。何やらそのカメラには曰くありげな様子。
この国お得意の「ハイル国家!」を全員で唱えて士気を高める一同。この国では、とにかく個人より国家国家、なのである。


ルパンたちはといえば、カメラのことなど知る様子もなく、競馬場で遊んでいた。(仕事以外の彼らの姿が見られて嬉しい^^)
次元の様子からして、全然当たっていないようだ。
周りには、大穴を当てて喜ぶ二人組がいて、「よく当てるよ」とルパンも呟いている。
五右ェ門は次のレースに出走するゴエモンジョーという馬に賭ける事に。ルパンに言わせると五右ェ門は、「競馬は素人」、まともに考えればゴエモンジョーなんて馬がくるはずはない程の配当なのだが彼に意思は強い。
結局、ルパンは五右ェ門の希望通りゴエモンジョー単勝に賭ける事になった。自分で買いに行かず、ルパンに買って来させてるところが妙にツボ(笑)
例の大穴を当てていた二人組は、なぜかカメラを持って、馬の姿のないレース場のゴール付近の写真を撮っていた。
それが、ガッペルト長官らが探している未来の映るカメラだとは知る由もないルパンは、その様子に呆れるばかり。

馬券を買った帰り、ルパンは銭形と遭遇。競馬場内を追い掛け回される。
そんな中レースはスタート。五右ェ門の予想通り、ゴエモンジョーが一着でゴール!五右ェ門の勘の良さは素晴らしい。
「ビギナーズラックはよくあることだぜ」と言ってる次元は、ちょっと負け惜しみ気味?(笑)
銭形を振り切ったルパンは、馬券を現金に変えに行くが、窓口のおばさんが銭形の変装。結構上手に女性に化けていた。
こうしてルパンは捕まり、先に行っていたはずの次元も銃を構えた兵士らに囲まれていた。


競馬場にいた大穴二人組は、現金を山ほど積んで車を走らせていた。
そこへ、ヒッチハイクをしている色っぽい女の子が!当然、二人は彼女を車に乗せた。
その女性は不二子の変装。地味な格好で掃除してたかと思えば、今度はアフロ風の髪に露出の多い衣装に変身、大忙しだ。
うまく二人に接近した不二子は、よ〜く効く睡眠薬で眠らせて(お得意の手!)、カメラを奪い去るのだった。


一方、捕らえられたルパンと次元は、ガッペルトから徹底的に“科学的に”調べ上げられていた。その様子はまるで拷問のよう。
深層心理まで探ってその人物の弱点を明らかにし、真実を白状させる。これがガッペルトのやり方だった。
あんまりな方法に、銭形は人権蹂躙だと異議を申し立てるが、この国ではそんな言葉はない。すべては「国家のため」なのだ。
その調査で明らかになったのは、ルパンはくすぐられることを何より恐れており、次元は女性恐怖症だ、ということ。
ホント?(笑)
次元は天井から降りてくる巨大な針山に迫られ、ルパンはくすぐられる拷問を受けるが、カメラを盗んでいないのだから、白状することなどない。そう思うと、かなり気の毒;
ルパンなんか、くすぐられ疲れてヘロヘロだ。
なぜかパンツ一丁にされ(!)、ふらふらになって牢に戻ってくる。次元に支えられた姿が痛々しい。
次元にジャケットをかけてもらって休んでいる姿は、本当に母性本能がくすぐられて困っちゃう(笑)このシーン、地味だけど好きv(という同志は多いに違いない・大笑)

一人、逮捕を逃れていた五右ェ門は、夜になると二人を助けにやって来る。カッコイイ〜!!
警備員をそっとなぎ倒し、二人のいる牢の外で、口笛の合図。「五右ェ門だ」とすぐにわかる二人も良い。
脱獄にガッペルトが気づいた時はすでに遅い。三人は悠々と逃げ出した後であった。


未来の写るカメラ

アジトに戻ったルパンと次元は早速一杯(笑)。
二人して、散々な目に遭ったことへの怒りをぶちまけあっている(なんだかイイな^^)
ちなみにこの酒、カミュナポレオンで、82話で飲んでた酒と同じ。銘柄がはっきりわかる場合はわりと珍しい。

ガッペルトらがあまりにも「国家のため」を連呼することを揶揄して、
次元「二言目にはコッカコッカだ。俺たちはニワトリじゃねえってんだ」
ルパン「コッカドースルドってんだ」
わははは。
やってもいないことで不当にいたぶられたまま黙っている彼らではない。こうなったら絶対にそのカメラを手に入れてやる、と決意する。

カメラといえば…と、競馬場でカメラを持ち歩いていた二人組が、やたらと大穴を当てていたことを思い出す。
馬もいないところで写真を取っていたりと、今にして思えば何かと怪しい。
まずはその筋から手繰ってみようと思った時、五右ェ門が「もはや二人の元にはない」と断言。
そう言って二人に新聞を投げて寄越す。
その新聞には、次々に巨額の賭け金を当てて有名になっている不二子の姿があった。
んも〜不二子ちゃんたら派手なんだから。もっと地味に稼げばいいのに(無理無理・笑)


今度はカジノで大儲けを企む不二子。「今夜の記念」だとか理由をつけてルーレット台の写真を撮り、出る目を知ってから一点賭け。
目立つこと、目立つこと。
大金が舞い込んできて喜んでいたのもつかの間、不二子はガッペルトに逮捕されてしまうのだった。
……逮捕直前に、ボーイに化けたルパンがカメラを摩り替えていたことも知らずに。
ルパンたちも気づいたのだから、カメラを血眼になって追っているガッペルトに勘付かれないはずがなかったのだ。


まんまとカメラを手に入れたルパンはまだ、不二子が逮捕されたことを知らない。
また、そもそもこれがどういうカメラなのか、この時点でルパンにも判っていないので、あれこれと三人で推測しあっている。
「賭け事のお守りみたいなものなんじゃないか」との次元の推測を、「そんなモノを国が追い回すとは思えない」とバッサリ却下する五右ェ門。意外に現実的なところもあって、こういう五右ェ門って良いなぁと思う^^

とりあえず撮ってみようと、ルパンはシャワーを浴びにいこうとしていた次元にカメラを向ける。
次元「シャワー浴びた後の方がいいんじゃねえのか?」
ルパン「バカヤロー、変わりゃしねえよ」
この二人の軽口も大好物(笑)

ポーズを取った次元を写したはずなのに、出来た写真は、なんとシャワーを浴びる真っ最中の次元!!(お尻丸出しセクシーショット)
よくよくカメラを見てみると、日付のほかに時間まで設定できるようになっている。その写真は、三分後にセットされていたのだ。
ルパンは100年後に日時をセットしなおして、自分を写すように頼む。
するとそこには……よぼよぼの爺さんになったルパンの姿が!
って、100年後も生きてるんかい!!(大笑)
さすがルパンv 私が生きてる間は間違いなく健在なのねと思うと、安心して見ていられる(笑)
その姿を見て「ゲボ。イヤなもん見ちまった」という次元と、ルパン当人も「ゲボ」と言ってるのがオカシイ^^

ようやくこのカメラの正体がわかった。これは未来を写すカメラなのだ。
三人は声を合わせて、これがあれば「俺たちは百万長者だ」と笑い合う。

ここでルパンたちって素敵だなぁと思うのは、「百万長者だ」と言っていたのに、カメラですぐに金儲けしないことだ。
まるで子供のように、珍しいカメラを使って遊んでいる。
ちっともがっつかないこの余裕。好き!

公園で見かけた澄ました美人、彼女を指して次元が「ルパン」と一言。ルパンも「わかってるって」とすぐにカメラを向ける(息ピッタリv)。
30年後にセットしたカメラでパチリ。出てきた写真は、すっかり地味なお婆さんになってしまった彼女の姿。
三人は(五右ェ門まで!)、それを見て大笑い。ホントに悪ガキみたいだ(笑)
個人的に、妙にお気に入りのシーンなのである。
また、22世紀にセットしたカメラで街のあちこちを写して、未来都市をその目で見たりしていた。

そんな時、軍用車(?)に追われるハイデルベルク博士が!
拷問受けてる時に博士を知ったのだろうか。不穏な様子を感じ、ルパンたちは博士を助けることに。
「ワンパターンだけっども、例のヤツ頼むわ」とルパンが言うと、五右ェ門は「心得た」と追っ手を斬鉄剣で真っ二つにした。

助けた博士から話を聞いてみると、そのカメラは元々、「過去を写すカメラ」として開発されたものだったとのこと。ちょっとした手違いで、反対に未来が写るカメラになってしまったらしい。
そもそもの目的は、容疑者のあらゆる過去を写し出し、尋問に役立てるというガッペルトの方針があったからだとか。
人間の過去を、どんな瞬間も余さず明確にしてしまい、写真として目に見える形にするなんて、考えると相当不気味でイヤなカメラである。
しかも、その秘密を守るため、ガッペルトは開発者の博士まで消しにかかったのだった。

命令を出してるのは、ボスマルク大臣なんだろ?とルパンは問うが、博士は即座に否定。
だがそれに関して詳しい話を聞いている暇はなかった。博士は、不二子がガッペルトに逮捕されて危ないと告げたのだった。


国家のため

不二子は閉所恐怖症だった。
その弱点を徹底的に突かれ、カメラのありかを白状するよう迫られる。
不二子としては、カメラはいつの間にかすりかえられていたとしか言えないだろう。だがガッペルトは追及の手を緩めない。
カメラを持っている人物は見当がついている、彼女を痛めつけて、その人物と取引するのだ、と。
筋が通ってるんだか通ってないんだか、よくわからん。ただのサディストなんだろうか。
そもそも、冒頭でルパンがカメラを盗んだと勘違いしていたし、ここでも今カメラを持っているのはルパンだと察していた様子(こっちは合ってるが)。
なぜかルパンに拘ってる印象を受けるのだけど、それは気のせい?(このアニメがルパン主役だから、とかは言わないように・笑)

不二子までも執拗な拷問を受けるのを見て、銭形の男気に火がついた。一人奮戦して不二子を救おうとするのだ。
このシーンの銭形、大好き!
ボスマルク大臣に食って掛かるが、「すべて国家のためじゃよ」と一蹴される。
すると、怒り心頭の銭形はボスマルクを投げ飛ばす。
ボスマルクは派手に制御装置に激突、その衝撃で不二子に迫る天井が急降下してしまうが、危ないところで銭形がそれを止めた。不二子は、気絶してしまった。本当に圧迫感のある状況が苦手らしい。

一国の大臣を投げ飛ばしちゃったよ…と銭形の立場が心配になるが、そういう意味では心配なかった。ボスマルクはなんとロボットで、ガッペルトの傀儡だったのだ。
「知られたからには消えてもらう」と、悪役の定番中の定番の台詞を吐くと、ガッペルトは銭形を殺そうと襲い掛かってくる。
「そううまく行くかな?」と素早く銭形は逃げ出した。カッコイイ!
銭形を追って場内騒然。そんな中、隙を見つけて不二子まで救い出してるところがますますカッコイイ!!
上空にヘリコプターが接近してくるのに気づき、「頑張れ不二子、救援だぞ」と励ます。
男気があって頼もしい銭形、こんな姿が見られると本当に嬉しい^^


銭形が察したように、上空を飛んでいたのはルパンのヘリ。(操縦する時にルパンがかぶってる帽子、似合うv)
その中で、ルパンは博士から長官の弱点を聞き出す。
赤ん坊の頃、鼻をかじられたとかで、彼はネズミが大の苦手なのだった。(……ドラ○もん!?)

屋上でガッペルトとルパンは取引をすることになる。
まずは、カメラと不二子を交換。
戻ってきた不二子をギュッと抱き寄せるルパンの一瞬の仕草がイイ!
疑り深いガッペルトは、カメラが本物であるかどうかを確認しようと、シャッターを押す。
その時、カメラからネズミのおもちゃが飛び出した。当然、驚愕するガッペルト。

「今だ、とっつあん!」とルパンの合図とともに、隙を突いて銭形も逃げ出す。
一斉射撃を浴びせられるものの、ポンコツロボットのボスマルクが暴走し、敵味方関係なく暴れ始めた。その混乱の中、カメラは壊れ、ルパンたちも無事に逃げ出した。
ただし、銭形だけは人員オーバーでヘリに乗れず、ロープで吊り下げられることになってしまうが(^^;
しぶとく追いすがるボスマルクは、銭形の足にしがみつくがズボンと共に落下していく。「国家のため」を繰り返しながら。


人員オーバーのヘリコプターは、墜落寸前。とある島に、不時着することに。
五右ェ門は「あの島は…!」と嫌そうなのだが、緊急事態だからと諦める。
そこは、ヌーディスト島。新ルでは18話に続いて二度目の登場だ。よっぽどこの時期、話題になっていたのだろうか。唐突な舞台転換だ。
気になるのは、五右ェ門が降りる前からヌーディスト島だとわかっていたらしいこと。
元々あの島がヌーディスト島だと知っていたのか、はたまた常人離れした視力で眼下に広がる島の様子を見て取ったからなのか。どっちなんだろう(笑)

股間にハッパをつけろとおばさま方に迫られて照れまくる銭形はいい味出してる^^
一方ルパンたちはあっけらかんとヌーディスト島に馴染んでおり、あのカメラについて語っていた。
カメラが壊れた時は次元も、そしてこの島では五右ェ門も、「もったいないことをした」と失ったカメラを惜しんでいた。
だが、ルパンだけは違う。
「人間、先のことが見えちゃったら何の楽しみもねぇ」と、スリルを愛するルパンらしい台詞。
それに、不二子の50年後の姿なんて見たくないと、これまたいかにも彼の感想。老婆姿なんか見ちゃったら、夢とトキメキを失ってしまうものね(笑)
次元がわざと不二子にカメラを向ける仕草をする。ルパンは「見たくねぇっていってんだろ」と、次元にゲンコツ(よっぽどイヤなんだな・笑)

そんな男どものやりとりを知ってか知らずか、不二子は惜しげもなくヌードを披露して海岸を犬と戯れながら走っていた。
こんな具合に、爽やかなヌード姿も時には良い。走る不二子はとても健康的で綺麗だった。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送