第126話 地獄へルパンを道連れ


レディ・ブラック

とにかく色々とツボを刺激されるこの作品(^^)。
まずルパンと次元が全編にわたって共に行動し、しかもその合間においしい名場面が(笑)さりげなく盛り込まれていて、とにかく楽しい。
そして不二子の裏切り方と、ルパンが五右エ門に渡しておいた「形見」のオチが非常に良いv
まあ順に話を追っていこう。


事の発端は、いつものことながら不二子の賭け。
またしても「ルパンは本当に不死身かどうか」を賭けることになる。これで一体通算何度目の賭けだろう?(^^;
勿論、不二子は「ルパンは不死身である」という方に賭けるのだ。

そんな賭けを持ち出したのは、レディ・ブラック。
不二子も羨むほどの大金持ちで、かつ美貌の持ち主(^^)。まあ、ご承知のこととは思うが、このお方は実はオトコ。
最初に見た時は、不二子にもチェスを楽しむような同性の友達がいるんだな、と妙に感心(?)した覚えがあるのだが…やはり違ったみたい(笑)
それはともかく、ブラックはルパンが本当に不死身だったら自分の宝石コレクションを不二子にあげる、と申し出る。
最初は、ちょっと乗り気でなかった雰囲気の不二子。さすがに何度もルパンで賭けをして、時にはオシオキもされているので、ちょっとは懲りていたのかもしれないが、世界中のコレクターが欲しがるその宝石に目がくらみ、その賭けに乗ることにする。

それにしても、不二子はルパンの不死身振りが本当に自慢らしい(^^)。
不二子があちこちで吹聴するから、「それならば…」と、賭けをしたがる連中が出てくるのだろう。
「あなたはルパンを知らないから…」とブラックに対して、今までルパンを甘く見て殺しにかかった連中が悉く失敗していることを話すときの不二子は、何だか嬉しそうで得意げである。

ブラックは内心、さぞ面白くなかったことだろう。
それはそうと、もしも不二子が負けた時、要はルパンが本当に死んだ時、不二子から何を差し出すことになっていたのか。
ブラックはルパンを殺すことだけが目的だったのだから、最初から特に不二子に何か差し出せとは言わなかったのだろうか。
だから、不二子は最初からブラックを「怪しい」と気付いていたのかもしれない…

余談だが、最初にこの話を見た時、まだブラックを「レディ」だと信じていたので、不二子に女友達がいるなんて意外だなぁと思ったものだ。
一緒にチェスをさすような友達がいることに感心するなんて、不二子にちょっと失礼だったかもしれないけど……やっぱり少し意外じゃないだろうか?(笑)
まあ、不二子が爆弾なんか用意してブラックの家に来ていることを考えてみても、純粋な友達という雰囲気ではなかったけど。
結果、ブラックは男だったので、「不二子にも女友達が!」という驚きは無駄になってしまった(笑)

それはさておき、話を元に戻そう。
不二子はルパンを電話で呼び出す。
大きな仕事を持ちかけたらしいのだが、詳細をまったく言わなかったようだ。
当然、次元と五右エ門は、そんな仕事には大反対。次元は「くせぇなぁ」とか「俺たちの上前をハネようって魂胆」と言い続けるし、五右エ門はあっさりと降りてしまう。
仕事の内容を聞いてから…と止めるルパンだが、五右エ門は「おなごと仕事する気はない」と、今回は時代錯誤的な台詞で拒絶している。
あまりにも乗り気でなかったのだろう。
その時、ルパンは「俺の形見だと思ってとっといてくれ」と言って、五右エ門に懐中時計を渡す。
それを受け取り、ふっと笑う五右エ門の様子が、またまたツボ!(笑)。ゴエファン必見?
この時、「形見」が何か気付いたのかもしれない。五右エ門は今回ルパンが不二子を全然信じていないことがわかり、そして待機していたものと思われる。


道連れにされたのは次元

そして、ここからルパンと次元の相棒度がかな〜り高い。
五右エ門は仕事を降りるままにさせていたルパンだが(実はいざという時の救助要員だったわけだが)、次元の方は強引に一緒に連れて行く。
次元を縛り上げ、口をガムテープでふさぎ、車に放り込んだらしきルパン。
次元は「何の恨みがあって!」と怒りまくるが、「だってこうでもしなきゃ来やしないんだもん」とルパンはいたって涼しげな顔(^^)。
あくまでも嫌がる次元を、ついには催眠スプレーで眠らせ、「着いたら起こしてあげっから、それまでオネンネしてらっしゃい」とアッサリ言い放つルパン。
この回は、この後も次元に「どうしよう」と事あるごとに聞いて怒られたり、「先に行く順番をジャンケンで決めようぜ」と持ちかけてみたり……
何となくルパンが相棒・次元に甘えている部分がさりげなく見られて、無性に楽しい!!これだけで、この話は十二分に見る価値がある(笑)

さて、不二子に指示された場所にたどり着いたルパンだが、案の定閉じ込められ、連れ去られてしまう。
目覚めた次元は事情を察し、ルパンに「どういうことだ」と詰め寄る。ルパンは怒られるのをわかっていながらも、笑って言い訳する辺りがまた可愛いv
次元がルパンをぶん殴って、ケンカする辺りもまたまた…(笑)
とにかくこの辺のジャレ合いは、ぜひぜひ実際にご覧くださいvv

そこへ、レディ・ブラックと不二子がモニターに現れ、またしてもルパンが殺せるかどうかの賭けをしたことが判明。
不二子の悪びれない態度も、ここまでくればもうご立派としかいいようがない。
レディ・ブラックは、今ルパンがいる場所から抜け出せたら、ルパンの勝ちとすると一方的に宣言し、ゲームが始まる。
その道の途中には、様々な罠が仕掛けてある模様。
だが、「ちゃ〜んとアンヨで歩かなきゃ」出られないわけで、ルパンと次元は出口を探しつつ歩き始める。
つくづく、今回次元は完全なトバッチリ。あれだけ不二子の話に乗ることを反対していたのに…まあ次元でなくとも怒りたくもなる状況。以前、どなたかがこの話は「地獄へ次元を道連れ」というタイトルが正しいのではと言われたのを聞き、大爆笑しつつとても納得した記憶がある。

さて、レディ・ブラックはルパンと知り合いの様子。ルパンとは何度かやりあっているらしい。
その都度ルパンにまんまと財宝を盗まれ、敗れ去っていた。
だが、レディ・ブラックがルパンを殺したいと憎むのは、それが理由ではない。もっと昔の出来事のせいであった。

ブラックがまだ幼い少年の頃、ブラックの母と、ルパンは付き合っていたらしい。
ブラックの回想からすると、ブラック母とルパンはかなり親密だった雰囲気。そして、ブラックのこともルパンは可愛がっていたようだ。
ブラックはルパンに憧れていたのに、自分が母の付録でしかなかったことに、痛く心を傷つけられていたらしい。
さらに、ブラックからすれば、ルパンに母を奪われたと感じられ、ずっとルパンへの恨みを持ち続けていたのだ。
そしてその恨みを晴らすべく、プレイボーイのルパンが女に負けるという屈辱を味あわせようと、自ら女装し挑戦し続けた執念の人なのだった。
「女に負けた」ことにしたいから女装、というのはちょっと無理があるような気がするけれど、いずれにしてもかなり倒錯した思いを抱いているようだ。
女装すれば母にそっくりな自分……。どちらかと言えば、マザーコンプレックスが影響しているようにも思える。

そんなブラックが仕掛けた罠は、まず巨大な球が追いかけてくるという、人間ビリヤード。
その巨大な鉄球は、人の体温に反応して爆発するという、押しつぶすだけでは足りないという執念深いブラックらしい作りになっている。
必死に逃げるルパンと次元だが、ついにルパンが追いつかれ爆発してしまう!
その時、瓦礫の下敷きになったルパンを必死に助けようとしたが、急に「無駄か…」と無力感に襲われた次元の様子が、すごく良いv
根気がないからか、すぐ瓦礫をどける作業をやめてしまう次元がおかしい(笑)せめてもっと掘ってからあきらめてくれ〜(大笑)
「おっちょこちょいで女ったらしの、取柄のないヤツだったが…」との台詞もまた、次元らしく皮肉っぽく、なのにそこはかとなく哀しげ。
勿論、ルパンが死ぬはずもなく、コーナーポケットに避難して無事生きていた。次元に「取柄のないヤツ」と評されたルパンはスネ気味だが、次元はルパンが生きていて、さっきとは一転、すごく嬉しそうだ^^

鉄球攻めの後は、水攻め、と容赦なく次々に罠が襲い掛かる。
ルパンは、この建物の構造が何かに似ている…と思い出しかけたところだったのだが。
水を避けて逃げ込んだ場所は、またまたとんでもない場所だった。
部屋の天井が徐々に落ちて来る、そして天井の穴から顔を出そうとすると、まさに人間モグラ叩きのように巨大ハンマーで殴られるという仕組み。
足元からは相変わらず水が迫ってきているし…なかなかの大ピンチ。
ルパンは、次元をモグラにしてその隙にハンマーにワイヤーを引っ掛けて上へ上がり、そして機械をハデにぶち壊して天井を止めることに成功。
ブラックのコントロールパネルの方も、操作不能になるほどのダメージを受ける。


形見

その時の衝撃で、ひっくり返ったブラックのカツラが取れ、不二子は初めてブラックが男だったことを知る。
それにしても、どうせずっと女装して「お嬢様」として暮らしているのなら、髪を伸ばせばいいのに…
ずいぶんハマっていたように見えたが、本心では女装なんか本当はしたくなかったのだろうか??

不二子に対して、ルパンへの恨みを語ったブラックは、不二子をも殺そうと彼女に銃を向ける。
元々、不二子ときちんと賭けをする気などなかったのだ。だから、不二子が負けた時に差し出すものも要求しなかった。
単にルパンをおびき寄せるために利用したのだろう。
だが、不二子はそう簡単に殺されはしない。
「甘いわね、レディ・ブラック!私がこのコンピューター室に何の仕掛けもしなかったと思うの?」
わりとウカツに罠にはまりがちな新ルの不二子ちゃんなのだが、今回は抜け目なく行動しており、魅力的!
ハッタリなどではなく、本当にコンピューター室に爆薬をしかけてあったのだ。
撃たれる寸前、不二子はそれを爆発させる。
ブラックは、最後までルパンへの恨みを口にしながら、その爆発のために命を落とす。

不二子は、最初からルパンを死なせるつもりなどはなかったのだ。
勿論不二子は、ブラックにルパンを殺すことは出来ないと信じていただろう。だがブラックの様子から、賭けを反古にされる危険を感じていたに違いない。
だから念のために爆弾を仕掛けておいたのだとは思う。自分の身を守るために。
が、しかし!それと同時にそこはかとな〜んルパンへの愛も感じるんですけど。いざという時には、助けられるように、と。……勘違い、欲目かしら?(笑)

不二子から、そこが大爆発を起こすと知らされたルパンと次元は、急いでそこを脱出しようとする。
その建物は、クフ王のピラミッドを忠実に模して建てられたものだった。造りからそれに気付いたルパンは、出口に向かう。
だがブラックの罠は本当に入念であり、ルパンを逃がすつもりはなく出口のあるべき場所に、扉はなかった。
爆発までのカウントダウンは着実に進む。さらには毒ガスまで流されてくる。恐るべし、オトコの執念!

この絶体絶命の状況下においても、ルパンと次元は何気にジャレあっている。
「生まれ変わったら絶対てめぇとは組まねぇ」という次元に対し、「じゃあ、借りた金返さなくていいんだ」と笑うルパン。
(そういえばよく「ここは出しといて」と次元に金を出させているルパン。あれは借金?(笑))
毒ガスだけでなく、ついには水まで迫ってきた。

そこでルパンはついに叫ぶ。「ごえもーーん」と。そう、お待たせしました、五右エ門登場!(^^)
最もオイシイ場面で、五右エ門の斬鉄剣は振るわれた。斬鉄剣で、出口のないピラミッドは開けられたのだった。
その時の五右エ門の台詞「手間をかけさせるな」が、また渋いv
こうしてルパンと次元は無事に脱出できたのだった。

不二子からブラックの過去を聞いたルパンは、「あの時の子供」だと思い出し、ちょっとマジメな顔つき。
一方、次元は五右エ門に「どうして居場所がわかったのか」と聞くと、五右エ門はルパンから受け取った「形見」を取り出す。
それは懐中時計などではなく、電波受信装置だったのだ。ルパンは、そもそも最初から不二子の呼び出しを怪しいと思い、五右エ門にいつでも助けに来られるようにしていたというわけだった。
次元はそれに気付き大爆笑。
不二子は、実際何度も裏切ったことや、今回も罠にかける片棒を担いでいたことはすっかり棚に上げて、「私を信じていなかったのね」と逆ギレ(笑)。
そこへ現れたとっつあん(弁当持参で不二子を辛抱強くマークしていて、ようやくルパンを発見したのだ)と、そして怒った不二子から、ルパンたちはまたまた逃げていくのであった。


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