第142話 グランドレース 消えた大本命


ウェザー公

珍しく(?)ルパンが子供っぽいというか…やや粋さに欠ける振る舞いをする回なのだが、最後の盗みのハデさが際立つ作品。

物語の始まりはイスタンブール。
冒頭、ルパンはとあるモスクから「虹の王冠」を見事盗み出す。
この仕事でルパンと組んでいたのは、なぜか不二子だけ。不二子が絡んできたから次元と五右エ門は降りたのか(笑)、はたまた特に次元たちの力を借りるまでもない仕事だったからか。
ルパンは、銭形や警官に「虱」をさんざん振りかけて撃退し(痒そう〜^^;)、不二子の操縦するヘリコプターで逃走。しかし、ヘリにぶつかってきたカモメ(?)のせいで操縦が乱れ、そのせいでルパンは海へと墜落してしまう。

その時、次元は停泊中の船上で、ギャンブル友達のウェザー公と競馬を見ながらビリヤードに興じていた。
ギャンブル仲間って……(笑)。次元はやはり相当ギャンブルが好きらしい。
しかもイギリスの貴族と賭け事で遊ぶのだから、掛け金もかなり高そう。もしかして次元は仕事での儲けを結構ギャンブルにつぎ込んでいるのかもしれない。

テレビでは、ウェザー公の持ち馬であるレッドアロー号がレースに臨んでいるところだった。
今回のルパンのターゲットとなるのは、この馬である。
後にやってくる不二子も一目で気に入るほど、相当いい馬のようだ。レースでも常に勝っているらしい。

その時、海に落ちたルパンが次元のいるウェザー公の船へと上がってくる。
慌てて助けあげる次元(^^)。だがウェザー公はルパンに対していたって冷ややかな対応をする。
まあ、よくよく考えればルパンもルパンなのだが(笑)。勝手に人の船に上がってきて、いきなり泥棒してきた王冠の自慢をしちゃうのだから(すごくカワイイけどv)。
せっかく盗んできた王冠を、その程度のものと見下げられ、馬自慢をされたルパンは、レッドアロー号を盗み出すことを宣言する。

そこへやって来た不二子は、なぜだかあまりにもトートツにウェザー公に鞍替えし、ルパンに対して「あたしが欲しければレッドアロー号を盗んでみたら?」というような台詞を言ったりする。
どういう心境の変化だ(笑)! さっきまでルパンと組んで仲良く仕事していたのに。あの王冠をも忘れてしまうほど、レッドアロー号が素晴らしかったか。
イギリス貴族とちょっと遊んでみたかったのだろうか(笑)。

それはそうとこのウェザー公。
どうして次元が「友達」としていたのかがよくわからないほど、あまりいい感じの人間ではない。(単に金払いが良かっただけ?(笑))
プチ・カリオストロ伯爵といった風情の、気取った中年男である。
ルパンが癪に障るのは、なんとなく分かるような気がする。


馬泥棒

ルパンはそれほど「馬」自体は欲しくなどなかったのだろうが、ウェザー公の鼻を明かすためレッドアロー号強奪を図る。
レッドアロー号は、銭形警部に警護されつつ飛行機で次のレースか開催地へと運ばれることになった。
ルパンは、「敵が一番安心しているだろうところを狙う」と、飛んでいる飛行機へと乗り込んでいく。
五右エ門は「兵法に適っている」と、このルパンの奇襲作戦に満足の様子(^^)。

一方、ここでの次元はあまり作戦に積極的に参加できずにいるように見える。
小型セスナを運転し、ルパンたちをウィンザー公と馬の乗った飛行機の上に運ぶと、「俺ができるのはここまでだ」とあっさりと引き上げてしまう。(その後ルパンたちが降りてくる海の上で待っているが)
ルパンに協力したいのは山々なのだが、まだ友達だと思っているウェザー公への義理もあり、相棒とギャンブル友達の間で、ひそかに板ばさみになっていたのではないだろうか。
勿論、断然ルパン寄りだからこそ、仕事から降りずに一応は飛行機の操縦などで協力はしていたのだろうが。
「友達」だと思っている人間に対する、次元の義理堅さが垣間見えるような気がするシーンである。

ルパンもその辺はわかっていたようにも見える。
「俺に出来るのはここまで」と言って去っていく次元をあっさり見送り、「また会おうぜ」と声をかけているのだが。
さり気なく次元の内心はわかっていた、と思う。(思いたい^^)
五右エ門と二人、馬の見張りを倒してからパラシュートをつけ、空から馬ごとダイブする。馬はかなりおびえていて可哀想(^^)。

その頃ウェザー公は、ルパンが飛行機に乗り込み馬を奪おうとしていると気付いているにも関わらず、まったく慌てる気配もない。銭形警部とポーカーを楽しんでいる。
ルパンが現れたことを知り、ポーカーどころではなくなっている銭形なのだが、ウェザー公に「席を立つなら今までの掛け金を払ってから」と言われ、立つに立てなくなってしまう(笑)。
15万ポンドも負けてる銭さん。賭け過ぎだってば…(笑)。

ウェザー公が慌てなかったのには勿論わけがあった。
ルパンが盗んだ馬は、本物のレッドアロー号ではなかったのだ。海に落ちると、レッドアロー号の特徴である赤い色が落ち、中からは白馬が現れてしまう。
ルパンは当然悔しがるのだが……どうもルパンはそれほど馬に目が利く方ではないらしい。
五右エ門も、以前競馬は素人だと言っていたようだし。まんまと騙されてしまう結果となった。


再度、再再度挑戦

だが、ルパンはここで引き下がるようなタイプでは当然ない。
次にレッドアロー号を狙ったのは、ウェザー公が狩りをしている森の中。
獲物を追う獰猛な犬たちをおとりのキツネでひきつけておき、その間にレッドアロー号を盗もうという計画らしい。
それにしてもレッドアロー号ってレースに出場する馬のはず。そういう馬って、普段は狩りに使ったりするものなのだろうか?(笑)まあ別にいいことなのだが。

ある場所でレッドアロー号は突如動けなくなる。様子を見ようとした銭形警部だが、その場で手錠と銃が落ち、地面に張り付いたままになってしまう。
ここに、ルパンが巨大な磁石を埋め込んでおいたのだ。レッドアロー号の蹄鉄が磁石に捕らえられた……。
しかもルパンは前日ウェザー公の服にも砂鉄を振りかけておくという仕掛けをしていた。
身動きが取れなくなっているウェザー公の前に現れ、ルパンは「おとなしくレッドアロー号を渡せ」と言うのだった。

……。
どうもこの辺がちょっとだけ、今回のルパンがイマイチと感じてしまう部分である。
「渡せ」と脅迫するのではなく、ルパンには問答無用で奪って欲しい。と、1ルパンスキーとしてはそう思ってしまうのだけれど。
ルパン曰く、「貴族でございという高慢ちきなやつが大嫌い」ということだが。どうしても高慢な貴族野郎を屈服させたかったのかもしれない。
(このヘンの意地っ張り具合はなかなか好きなのだがv)

が、今回もまた失敗に終る。
狩猟をしていたこの森は、ウェザー公のもの。あちこちに仕掛けがしてあり、ルパンは網に捕らえられてしまう。
そこでルパンは、危うく公爵に殺されそうになる。完全にルパンを獲物扱い。銭形がルパンを殺すことを止めるが聞こうとしない。
が、その時、次元と五右エ門が助けに現れる。
さすが頼りになる相棒たち!

ルパンに傷を負わせたからか、ついに次元はウェザー公と友達の縁を切る、と宣言。
やっぱり最後はルパンを選ぶ次元がいいです(^^)。

ルパンは、網に捕らえられ身動きもままならず、危うくウェザー公に撃ち殺されようとしている時にも、さすが動じることはなかった。
動じるどころか、今度のグランドレースの最中にレッドアロー号を奪うと予告。
警備の目が厳しく光る中、ルパンはある仕掛けをしようとしていた。…どうやって仕掛けたのかは定かではないが、夜中にでもこっそりと行ったのだろう。

レース当日も警備の目は厳しい。ウェザー公はどうせ盗めっこないという態度を崩さない。
そんな中、レースを放送するためのテレビ局の車が場内を走っている。勿論、これがルパンたちの車である。
レースでは、レッドアロー号が予想通り先頭で走り、次々と障害をクリアする。
その障害の一つに、ルパンの仕掛けがされていた。レッドアロー号が跳んだ瞬間、レンガの障害の上部が開きレッドアロー号をその内側に隠してしまった。
まさに予告通り。衆人環視の目の前で、レッドアロー号が消えたのだった。

レッドアロー号は、障害の側面からこっそりとルパンたちの乗るテレビ局の車に移される。
こうしてルパンは見事にウェザー公のハナをあかしたのであった。
個人的に、この衆人環視の中で派手なことをやってみせるルパン、というのはかなり好きなので(笑)、今回ちょっとドジ続きのルパンでもいいか、と思わせる泥棒ぶりである。

ルパンがレッドアロー号を盗んだ途端、不二子はウェザー公の元をあっさりと去る。
今回の不二子の行動にそれほど意味はないので(笑)、彼女の心理を深く考えたりはすまい。

盗んだのはいいが、きっと馬に詳しくないルパンたちはもてあまし気味の様子。「ニンジン代だけで破産しそう」とルパンにボヤかせるほど、とにかくレッドアロー号にエサを食べさせていた。
飼い慣れない動物を育てる時に、やってしまいがちなことである。

競馬に出して稼がせようという、いかにも次元らしい提言に(笑)ルパンは同意するものの……
すでにレッドアロー号は、競馬にまったく向かない体になってしまっていた(大笑)。
あまりにも太りすぎ、レッドアロー号は走ることも儘ならない。
追ってきた銭形警部に、太って見る影もないレッドアロー号を任せてルパンたちはそそくさと逃げていくのだった。


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