第1話 金塊はルパンを呼ぶ


PARTIIIの思い出

「ルパン三世」パート3、記念すべき第1回。(この表現しつこすぎ。爆)

少しだけ個人的思い出話をさせていただくと…このシリーズは、私にとって随分長いこと、受け入れがたいものであった。
新ルで「ルパン」にハマり、その後カリ城、複製人間、旧ルへと進み、ちょうどこの頃原作を読もうか迷っていた時期だったように記憶している。
そんな中始まったパート3。
「新しいルパンが見られる!」と、かなりの興奮状態で、放送開始を待ったものだが…

「アレ?」というのが、パート3の予告を見たときの感想。
絵柄が、あまりにもその時馴染んでいたルパンと違うものであったからだ。
その予告編でかなり動揺し、「きっと本放送では、もう少し『カッコイイルパン』になるに違いない」、と失礼千万な慰めを自分にしていた覚えもある(笑)。
そして始まったパート3は、皆様ご承知の通りの絵柄。

それ以来、ずっとパート3は、私の中でやや番外編扱いをしてしまっていた(ゴメンナサイ!)。
アゴの割れているルパン! 二枚目だがゴツくて眉の濃い五右エ門!
そしてルパンのピンクのジャケット。次元のオレンジシャツ。それにとどめはとっつあんのショッキングピンクシャツとグリーンがかった派手なコート!!
個人的に、その衝撃はなかなかスゴイものがあった。
内容よりも…というか、内容以前にその「今までと違う」ということに驚いてしまった私は、第1話の内容はロクに頭に入らない有様だった(笑)。
さらには、タイトル表示方法や、オープニングテーマに最初から歌詞がついていたこと、エンディングに不二子が登場しないこと等等、それまでのルパンと違うことに、戸惑うことしきり、であった。
だが、私が持っていた「今までのルパン」「こうあるべきルパン」という思い込みを捨てて、改めて見てみると、パート3は本当に面白いシリーズである。
未だに、回によってルパンたちの顔がバラバラなのは、正直慣れきったとは言えないけれども、それを差し引いても充分すぎるほどの面白さ。
声優さんたちの演技も、心底素晴らしい。
音楽も洒落てて、素敵である。

個人的に、一番いいなと最近改めて思っているのは、全体的なアニメの質感、みたいなものだ。
人物と背景のなじみ具合や、適度で心地いい陰影のつけ方、背景の程良いリアルさ、美しさ、力の抜き具合…。
この時期のアニメが、個人的に一番見慣れているからかもしれないが(ルパン以外もよく見ていたし)、作品の「トーン」のようなものは本当に好きである。

この第1話は、原作のサンフランシスコ編をベースにしたお話。
今までのテレビシリーズの中で、最も自然な感じの第1話ではないだろうか。
旧ルも相当に「何気なかった」が、今回はレギュラー登場人物についての説明的な台詞も描写もまったくなく、また新ルのように特別みんなの「再会」的な話でもなかった。
(原作でかなり人気の高そうなサンフランシスコ編を持ってきた辺り、力が入っている気もするが^^)
その辺はいかにもこの洒落たシリーズらしいような、また、人物紹介の必要すらないほどに「ルパン」の認知度が高かったということの表れのような。
そして、新ルの時は「5年ぶり」にみんなが集まったことになっていたが、このシリーズでは特に音信不通だったような描かれ方はされていない。
だが、ルパンが自分を逮捕に追いかけてくる銭形警部を「懐かしい帽子」と表現していたり、話の終盤、ルパンが次元の銃の腕前に「相変わらず…」と感心している。
銭形の場合は、たまたまその期間ルパンの逃げ方が上手かったから「懐かしい」状態になっていたのかもしれないが、次元の腕前についてその表現をしたところを見ると、もしかしたらわりと久しぶりに次元の早撃ちを見たのかな、とも推察できる。


タイル

不二子の電話から、始まるこの話。寝ぼけてるルパンの夢の部分が、いかにも夢っぽい馬鹿馬鹿しさで、個人的にすごくツボ。

不二子の持ってきた話は、かつてのシカゴマフィアのボス、アル・カポネの残した黄金の隠し場所を示す、タイルについてだった。
全部で5枚。それをそろえれば、その黄金が手に入るのだという。
残りのタイルの所有者は、チャイナタウンの陳怪。彼から奪うのを、ルパンに手伝ってもらおうと、連絡をしてきたらしいのだが…

その時現れた銭形のパトカー軍団(笑)に追われ、それから逃げるルパンのところへ、さらには陳怪と、シスコのアウトロー・スターモーが現れる。
二人は、不二子の持っている3枚のタイルを狙っているのだ。
ルパンの車がひっくり返ったドサクサで、不二子は陳怪に連れ去られ、ルパンは銭形警部の手錠を掛けられたまま、スターモーの車に乗せられ拷問?されることになる。

ルパンはスターモーに車から顔を突き出され、コンボイに正面衝突させられそうになったり、背中に爆薬を仕掛けられて散々振り回されたりして、何の目的でタイルを集めているのか問いただされる。
最初のらりくらりと言い逃れしている辺りが、食えないルパンらしくて何ともいい感じ(^^)。
結局アル・カポネの黄金の隠し場所について、ルパンが知っているとわかると、スターモーはゴールデンゲートブリッジの上から、車ごとルパンを落とすのだが…

大昔に見ていた時、この辺はかなりドキドキした覚えアリ。
少しでも動けば、背中の爆弾が作動してしまうし、かといってそのまま車に乗ったままでいれば、溺れ死んでしまうし、と。
だが、ルパンにはスターモーが言うとおり「いい相棒」がいるお陰で、車は無事ヘリが回収、ルパンは助かるのだった。
しかもルパンは、さっきぶつけられそうになったコンボイの運ちゃんに、スターモーをルパンの変装だと思い込ませていた。スターモーはあわや殺されかける恐怖を味わう。そんな仕返しまで、あんな短い隙にもの凄い早業で仕掛けていたルパン。さすが(惚)!
スターモーに向けられるピストルの弾をすべて抜いていた辺りも、何ともニクイ。

それにしても、この時、次元がヘリに乗っているハズなのだが、チラリとも顔を映してくれない。(原作通りだとしたら、もしかしたら五右エ門も乗っていたかも)
スターモーの言う「いい相棒が…」というくだりで、ヘリの中が映されるのを期待してしまうのだが、ちょっと肩透かし。
その後、ルパンの爆薬を外している時が、次元の初お目見えだ。
な、なんというそっけなさ。

五右エ門に至っては、後半になってようやく、不二子を助けるべくケーブルカーの線路を斬って細工するシーンがお初なのである。
二人のファンにしてみれば、なかなかジレッタイところである(笑)
不二子は陳怪の館に連れてこられ、持っているはずのタイルが隠されてないか、身包みはがされて調べられる。
お約束通りの「第1話の不二子ちゃんのお色気シーン」だが、露出の高さはTVシリーズ随一。
とにかく不二子がすっごく可愛いので、このシーンは好きだったりする。
タイルはルパンの車にあったので、不二子は本当に何も持っていなかったわけで、脱がされ損なのだが。

そこへ、ルパンからタイルを奪ったスターモーがやって来る。
今回は陳怪と手を組んで、アル・カポネの黄金を手に入れようというわけだ。
5枚のタイルが全部揃ったかと思えば、なぜか6枚もタイルがあり、そのうちの1枚だけに文字があり、残りには何も記されていない。
二人は不二子をさらに拷問にかけ、これがどういうことなのか白状させようとするわけだが…。
不二子は、本当のところ、どの程度まで知っていたのだろうか。
不二子はルパンに「苦労して集めた」と言っていたわけだし、残りは陳怪が持っていると信じていたようなので、もしかしたら本当に何も知らなかったのかもしれない。
また、不二子のことだから、自分の持っていた3枚のうち1枚にだけ文字があることに気付き、頭のどこかではそれ以外偽物だと、考えることくらいはしていたのかもしれない。

余談だが、不二子の拷問のため、陳怪は巨大なヘビを穴に落とそうとする。
ソレを見て、不二子はヘビが恐れるほどの悲鳴を上げる(笑)。この辺は、新ルのヘビ嫌い設定が生かされているのかも(?)などと思ったりする。


アルカトラズ

あわや不二子が感電させられそうになっていた頃。
ようやく五右エ門の登場となる。

ケーブルカーの線路を斬り、その向きを陳怪の屋敷へ変えると、その足で一人乗り込んできて不二子を助ける五右エ門。
とにかくカッコイイ!
襲い掛かる陳怪の手下など、ものともしない。
何よりいいのは、不二子のほぼスッポンポン状態を見ても、まるで表情を変えずに助けてあげることである。
照れる五右エ門も個人的には好きなのだが、カッコイイのは圧倒的にこういう態度だな、と思う次第。
考えてみれば新ルでは、ヌーディスト島でみんなで裸の付き合いをしたり(爆)、「罰」としてさんざん不二子の服を切り刻んだりもしたので(笑)、五右エ門は不二子の裸にはある程度免疫があるはずなのである。
(後に5話で、ベルタの裸を見て狼狽して取り逃がし、ついにはビーチで女の修行に出たりもするが^^;)
そこへルパンと次元が、ケーブルカーで乗り込んでくる。
このシーンは派手で痛快。
逆に陳怪とスターモーは、電気ビリビリの水の中へ落とされて、自分たちが「電気くらげ」になる有様だった。

この後、本物のタイルの残り4枚は、カポネの服役していた刑務所のあるアルカトラズ島に隠されていると考えたルパンは、そこへ向かう。
本物の1枚は、あのケーブルカーのドサクサか、それ以前五右エ門が部屋に乗り込んできた時にでも、取り返してあったらしい。

カポネのいた部屋から、彼の囚人番号を元に、本物のタイルを見つけ出すルパン。
そこへ、性懲りもなくスターモーと陳怪たちがやって来る。
この時、人の気配に気付いた五右エ門と、次元、そしてルパンのやり取りが最高に好き(^^)
「2人、いや4人か」という五右エ門に対し、「5人だろ」という次元、そして「いんにゃ、7人」と、正解を告げるルパン。
ルパンの言葉に、ちょっとコケたような照れたような表情を見せる五右エ門が可愛い。必見。

火炎放射器などまで持ち出して、ルパンたちを追いつめようとするのだが、所詮スターモーや陳怪では役不足。
ルパンに手玉に取られて、「ネズミの穴」に落とされ、しかも睡眠ガスを吸わされ「反省」させられる。
最後の最後まで多少のしぶとさを見せ、ルパンたちを狙って銃を向けるスターモーだが、次元の一発で逆モヒカンにされてしまう。
スターモー、髪の毛厚すぎ!(爆笑)
次元の0.3秒の腕前は、相変わらず健在の様子。カッコイイ!
そうして手に入れたタイル5枚に書かれた文字を繋ぎ合わせると、「金門橋の北側」という位置が示された。
そこに金の延べ棒、100万ドル分が隠されているのだ。

見張りの五右エ門が朝日の美しさに見惚れる中(笑)、ルパン、次元、不二子の三人は海の中へ潜り、金塊を探す。
海の中へ潜っていくと、次第に3人の周辺が金色に輝いてきて…
というシーンで終わるこの話。

この余韻が、改めて見るととても良い。
子供の頃は「え?これで終わり?」と、かなり怪訝に思ったのだが(笑)
しっかりとお宝を手に入れて大喜びのルパンたち、というのもすごく好きなのだが、「その後」を想像させるこの手の終り方も、洒落ているとようやく気付く今日この頃。

さて余談だが、パート3のお宝は、金(ゴールド)関係が多いようにも思える。(某サイト様ですでに指摘済み)

気になって、パート3のルパンたちの狙ったお宝をざっと見てみたところ、確かに黄金率が高い。
50話中、「アラスカの星」が前後編なので1話扱いすると、49話。
うち12話くらいが黄金がらみである(まだ全話見ていないので、不確実。スミマセン)
金のインゴットそのものであったり、海賊の財宝が黄金の場合もあったり、また金だらけの黄金郷だったり、黄金のリンゴだったり、ピンボール台だったり…
何となく宝石類が多かったような印象のある新ルや、狙う獲物にあまり統一感のない旧ルとは違う。
この辺がまた、各シリーズらしさを作っているのかもしれない。


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