第18話 ショータイムは死の香り


ジェニー

今となってはこのお話、好きか嫌いかと尋ねられれば、躊躇なく「大好き」と言えるのだが、そういう気持ちに至るまでが結構長かった作品でもある。
ルパンとジェニーの接近ぶりが非常に面白くなかったのと(爆)、一番盛り上がるシーンが「ダンス」だという事に、昔の私は違和感を感じていた模様。
とにかくこのジェニーが、昔はホントに引っかかってたのだ、我ながら呆れるほどに(笑)。
ルパンを裏切っているくせに、それがバレた時に「見捨てないで」と言って泣く辺りが、昔の私にはどうにもダメだったようだ(心が狭い^^;)。
しかし今は「ブロードウェイのスターになりたい」と熱望して、どんなチャンスでも掴もうとしていたこのジェニー、魅力的な女の子だと素直に思う。
島津冴子さんが演じているというのも、私の中ではポイントが高い。
「うる星やつら」のしのぶと、「ダーティペア」のユリ。どちらも好きだったし(古い?)

そして、今改めて作品全体を見てみると、どのシーンも生き生きして楽しく、つくづく面白いよなぁと素直に思える。
とにかく全編が粋で洒落ていて、いかにもパースリらしい。


ルパンたちが今回狙うのは、ニューヨークのマフィアのボス・ルーレットの誕生日に集まる、大量の現金である。
その下調べにルーレットの店にやって来たルパンと次元は、ダンサーのジェニーと出会う。
ジェニーのダンスシーンは、作品中練習含めて3度あるが、どれもカッコ良く、特にライトの感じが個人的に好き。

さてダンサー兼バニーガールを務めているらしく、ジェニーはルパンの席にお酒を運んできた。名前を名乗るとき「ウィスキーと同じ名前よ」というのが、酒シーン好きにはたまらない。
早速口説きモードに入るルパンとジェニーは意気投合、次元が気を利かせて席を立ってしまうほどであった。
次元、さすが相棒。ニクイほどの粋な計らい。
しかも、その直後銭形がルパンを逮捕するために店に乱入してきた時も、次元はすかさず店の灯りを撃ち消して、ルパンが逃げ出せるようにサポートする万全のバックアップぶり。惚れ惚れする(^^)。


さて。そのジェニー、どうも最初からちょっと怪しい。
銭形からのルパンに関する尋問が終った後、マフィアらしき男たちから、「何も喋らなかったか」と問い詰められ、しかも「ボスのところで話を聞く」と、連れ去られそうになるのだ。
明らかにマフィアに関係のある女の子だ。
車に押し込まれそうになっているのだが、ジェニーはさすがダンサーとして体を鍛えているせいか、男たちに強硬に抵抗している。最近はこの辺も好み^^

そこへやって来るのが、一旦しは逃げ出したはずのルパン(運転しているのは次元だが^^)。マフィアを蹴散らし、ジェニーを救い出す。
カッコイイ、こんな風に助けられたら、惚れるなって方が無理!!(←私なら・笑)
助けられたジェニーは、元々ルパンのことを銭形に「素敵」と言っていただけあって、車の中では早くもすっかりイチャイチャする仲になっていた。
「ルパンのせいよ」と言いながら頬にキス、そして唇にも。キーッ!!(大笑)

それにしても、次元…ルパンの「お戯れ」には慣れているんだろうけど、人に車の運転をさせておいて、後部座席でイチャつかれたら、たまったものじゃないだろう(笑)。実際、やってれらないと言わんばかりに、二人がいちゃつく姿が映るバックミラーを背けてしまった。


それからすっかり親しくなったらしいルパンとジェニー。ジェニーのトレーニングにルパンが付き合ったりして、自然に一緒にいる感じがとにかく羨ましい(いや、妬ましい?笑)。
公園でのウォーミングアップのシーンも、ジェニーが走りルパンが自転車で伴走したり、二人乗りしたりして、妙に楽しそう。

また、ダンスレッスンのシーンでは、ルパンの貴重なレオタード姿が見られるので、必見。
ジェニーに才能がないと言われたルパンの、とぼけたダンス…その動きが何ともいい感じ。
ここでジェニーの、身の上というか、どういう女の子かということが説明されるのだが、ルパンとのトレーニング、ダンスのレッスンの合間の会話としてそれが なされているため、画面ではクルクルと踊るジェニーとルパンが楽しめ、いかにも「説明」のシーンの単調さがない辺り、見せ方がうまいなと思ったりもする (←偉そう!)。

ダンサーとして、ブロードウェーでのスターを目指すジェニーは、何でもいいから名前を売りたいと、ルパンと金庫破りをしようとしていたのだ。
ルーレットの金庫を開けるための磁気カードを手に入れられるのは、私しかいないとルパンを説得し、一緒につれて行ってくれるように頼むジェニー。
「ブロードウェーのショービジネスは厳しい」と言うように、確かに実力だけでは、なかなかスターにはなれない世界なのかもしれない。
最初から名を売りたいからルパンと行動したいと、結構あけすけにアッケラカンと言っちゃってるところが、最近私がジェニーを好きだと思うようになった一因だ。
ルパンに色仕掛けでコビコビするだけで、何の力もない女の子キャラよりも、はるかにイイ。
それに、夢に向かって一生懸命な人は、それだけでカッコイイと思う。
勿論、ジェニーにはまだルパンに秘密があるわけだが……


モテモテルパン

最初、ジェニーを連れて金庫破りをすることについて迷っていたルパンだったが、結局磁気カード入手ということが決め手となったか、ジェニーを同行させることにする。
それはいいのだが(ルパンがOKしないと話が進まないし)、ルパンったらジェニーの昼のバイト先にまで顔出したりして、ンもう一体どこまで一緒にいる気なのッ!と、思わず嫉妬にかられてしまう(なんてね。笑)

ついにルパンからOKが出るや、「こんなバイトなんて」とさっさとエプロンを脱ぎ、ルパンと行動を共にしようとするジェニー。
だがその前に彼女は、どこかへと電話を掛けていた。
その口元を、遠くからそっと見つめるルパン…。
ルパンが読唇術が出来るのは、旧ル16話ですでに明らかだし、この時ジェニーが何を喋っているかを知り、そしてそこから彼女が誰に電話をしているのかも、ルパンにはすべてわかったのだろう。
元々、金庫の磁気カードを入手できたり、警備状況を知っていたりと、単なるバイトのダンサーにしてはジェニーは知りすぎているわけで…。
だがそれでも、ルパンはジェニーを連れて行く。
ルパンにとってジェニーが敵側の人間であることなど、それほど大した意味はないのかもしれない。可愛い女の子が持ってくるスリルなら喜んで、とでもいった余裕の表れか。


ジェニーが電話をしていた相手は、マフィアのボス・ルーレット。ルパンが今回狙っている当の相手である。
ルパンが誕生日パーティの夜、金庫を狙うことを知らせたのだ。後に分かることだが、ブロードウェイの主役にしてやるとルーレットから言われ、彼の味方についていたようだ。
が、ルーレットにとって、ジェニーなど大した存在ではなかったようで、ルパンと共にジェニーも「ショー」の一環として始末しようと企んでいた。
いかにも悪役らしく、飼っているペットも獰猛そうなワニ。これかせ後に、五右ェ門と戦うことになる。


いよいよルパンはルーレットの誕生パーティに潜入する。
このシーンでの、つけてもつけてなくてもまるで同じチョビヒゲはどういうルパンの気まぐれだったのか…変装のつもり?(笑)
そこで今回出番の少ない不二子と出会う。
不二子もルーレットの金を狙っていたのか、このパーティで集まる現金は1億ドルになると計算していた。
ルパンに、分け前半分で「前祝にキス」を持ちかけてみたりする。どうせ後祝いはないはずだから(笑)、キスひとつで5000万ドルせしめようとは、さすがに不二子。

そんなルパンと不二子が話しているのを見たジェニーは、ご注文のカクテルよッと飲み物を二人の間にドーンと置き、嫉妬してみせる。
間に割り込んできたジェニーを見るや、すぐに事情を察したらしく、不二子は「女の子の趣味が落ちたわねェ、目も悪いんじゃない?」とちょっとイジワル発言をしたりする。
この時の不二子はどちらかというと、あと少しで半分の分け前をルパンに了承させられそうだったところへ、ジェニーという邪魔が入ったことが面白く思ったいなかったようにも見えるが…
やはりこんな露骨なイジワル発言をする辺り、ほんの少しジェラシーも含んでいたのだろうか。いや、きっと含んでいたに違いない(ルパフジ視点・笑)

このように、モテるルパンを見るのは、ルパンスキーとしては嬉しい気分(^^)。
言いたくないけどテレスペでは、まったくもってただのもてない女好きに成り下がってるルパンで情けない限りだが、「本来ルパンは男前」推進委員会としては(笑)こういうルパンが好きである。

さてルーレットが(用心深くスクリーン越しに)挨拶するにいたり、パーティはいよいよ本番たけなわ。
ルパンは運ばれてきたバースデーケーキのクリームを、脇からコッソリ舐め取り、「甘い。クリーム“は”本物だ」などと言っていた。
昔見た時は、最初ルパンがなぜケーキのクリームを舐めたのか分からず、話の最後の方でようやく「やっぱりルパンは、最初から現金の隠し場所を探ってたのか」と気付いて、ルパンに惚れ惚れしたものだ。
さらにはこの行為と台詞は、ジェニーがルーレットの手先だと明らかになり、二人揃って殺されそうになって泣くジェニーの涙を、本物かどうかルパンが舐めてみる(!)シーンと対になっており、この辺の洒落た感覚がパースリ的。

その頃、次元と五右エ門も裏からパーティ会場に潜入していた。
堂々と入り込む次元の余裕振りがまたまたカッコイイ。
この時警備員を気絶させるのは全部五右エ門に任せている。勿論、そんな五右エ門も素敵。
五右エ門にこーゆー仕事を全部任せていたのは、やはり五右エ門の方が武術全般に秀でているせいなのか。
はたまた単に次元が面倒さくがっているだけなのか(笑)

会場の電気が消えたのを合図に、ルパンとジェニーも行動を開始。
金庫へ至る通路は、侵入者があると次々に防犯シャッターが落ちてくる仕組みなのだが、普通に入っていてはとても間に合わない。
それを二人がローラースケートで潜り抜け、突破していくシーンは、とても爽快感がある。
この話ではジェニーとルパンのラストのダンスシーンが有名だが、もしかしたら私個人は、このローラースケートのシーンの方が好きかもしれない(短くて残念)。ホントにその疾走感がたまらなくいい!

ついでに最近気付いたのだが、「30秒息を止めて」とルパンとジェニーがまだガスの充満する通路の中へ突入していくシーンで、
催眠ガスで眠ってしまったルーレットの手下の帽子を、ルパンが蹴り上げて通り過ぎるのである。そこから現れたのはハゲ頭。
ホントに一瞬のシーンなのだが、こうしたお遊び的動きが盛り込まれているのが、パースリの見所の一つである。

それはそうと、金庫方面へ潜入する時、ルパンが投げる即効性の催眠ガス入りぬいぐるみ。あれは確かペンギンズバー?のペンギンだったような。
な、懐かしい〜!このキャラクター、松田聖子歌う「SweetMemories」の流れるCMに登場したペンギンじゃありませんでしたっけ?
この話には他にも、最後のダンスシーンにマイケル・ジャクソンの「スリラー」風のカットが入っていたりと、当時の流行ものが取り入れられている。


ラズベリーガムと赤いバラ

途中まではジェニーの情報通りだったため、順調に金庫ルームへと進んでいく。
が、ジェニーには教えられていなかった落とし穴が作られており、二人はそこへ落ちてしまった。
さすがルパンは、時計に仕掛けた極細ワイヤーを放つことで、穴の底まで落ちることはなかったが、この時ジェニーが自ら口を滑らせたため、ルパンは「ルー レットは俺が今日忍び込むことを知っていたワケだ」と、ジェニーがルーレットに内通していることに気付いていると匂わせる。

ルパンたちの後から、次元と五右エ門も後を追う。
ルパンがローラースケートで潜り抜けた防犯シャッターを斬鉄剣で斬り進む。
と、案の定二人もルパンとジェニーが落ちた穴へと墜落。ルパンのように時計に隠したワイヤーもなかったらしく、巨大ワニの待つ水の中へと落ちてしまう。
これらの様子を、ルーレットが余興の1つとして、パーティ会場で眺めているさまが、何とも小憎らしい。

襲い来るワニに対して、五右エ門は「罪もない動物を殺したくない」というような発言をする。
旧ルの時から比べると、どんどん温厚になっていく五右エ門らしい一言か。
ちなみに、次元は銃が湿ってしまったためお手上げ状態だったらしい。結構素手でも強かったような次元だが(旧ル8話とか)、さすがにワニでは無理だったようで、戦うのは五右ェ門に任せている。今回肉体労働は基本的に五右ェ門の担当らしい。
五右エ門は、サラシを使ってどうにかワニを生け捕りにし(オミゴト!)、さらにはサラシで穴をよじ登っていく。
…さらしの長さ、相当なものだわ。次元が「役に立つ」というのも納得の多方面で活躍したサラシでありました。


さて。個人的非常に気に掛かるシーンの1つがココ(笑)。
ルパンが二人に当てた伝言文を隠したガムを、落とし穴の壁に貼り付けておき、それを五右エ門が発見するのだが(ということは、ルパンは予め二人がこの穴に落ちてくることも予想してたんですね)。
ルパンのお気に入りのラズベリーのガム。それを見た次元は、相棒らしく意図を察する。
気になるのは、その相棒らしい察しのよさではなく(そのへんも好きだが)、次元の次の台詞だ。
「これでまたニ、三日、吐き気が止まらない…」
また?!まただったんですか?
次元は、ルパンの噛み残しガムを口に放り込むと、プーと膨らませて通信文を取り出すのだった!
こんな伝言の方法、ルパンはよく使うのだろうか(大笑)
「オエ〜」と言ってる次元、ちょっとお気の毒?(私が代わりにやってあげたい^^)こういう時、やっぱり五右エ門は傍観しているようだ。
「お前やれよ」「いや、お主がやれば良かろう!」という争いがまるでない辺り、純然たる役割分担でもあるのか(笑)
ルパンからの伝言は、「バースデーケーキがチョメチョメ」。
ここが、本当の現金の隠し場所なのである。さっきの台詞「クリーム“は”本物だな」というのはこういう事だったのだ。

一方、ルパンとジェニーは何とか無事に金庫室にたどり着き、カードで金庫を開けることに成功するが、そこにはカラッポの金庫が広がるだけ。
やはり、これはルーレットの罠。
金庫の中はせり台になっており、パーティの余興として、二人に死のダンスを踊らせようという魂胆なのだった。
この時、金庫の中でジェニーがルーレットに通じていたことを白状するわけだが、前述したように昔はこの辺のジェニーがどうも苦手だった私。
ルパンが有名にしてくれるって信じていた、なんて…調子いいの!と、私のお子様心にはいたく不満だったらしい。
さらには涙をすくい「しょっぱい、本物だなこれは」とのルパンの仕草に、嫉妬の炎は大全開(笑)
今も多少はジェラシーだが(まだ?)、洒落た演出がとても素敵で、そっちの方が見所だなと、一応は大人の感覚も有するようになっている。
と言いつつも、この後のシーンにおいて、舞台の上でジェニーが「さすが私のルパン」と言うところでは、「え?誰のルパンッ?!」とつい怒気も荒く呟いてしまうそうになる(ウソウソ。ウソですよ。笑)

そしていよいよ有名なルパンとジェニーのダンスシーン。
ショーの舞台に上げられた二人は、降り注ぐマシンガンの弾に当たりたくなかったら、弾を避けて踊り続けるしかない。
よくよく考えると、かなりのピンチなのだが、ジェニーのリードの元二人は見事踊り続けてみせるのだった。
ここのカッコよさは、説明するよりもぜひ見ていただきたい!
いざダンスシーンになると度胸が据わって「私についてきて」というジェニーは非常にカッコイイ(ルパンの「はいぃ〜!」という返事の仕方も可愛い!!)
また、さすがの運動神経で目に見えてルパンのダンスが上達していき、二人で息ピッタリの踊りを披露する辺りは拍手喝采したくなる。

最初のうち、ルパンの表情はあまり冴えず、ジェニーをお手本にしながら一生懸命、多少の不器用さで踊っているのだけど、だんだん慣れてくるに従って顔つき が明るくなり、余裕すら感じるカットも見受けられる。。笑顔を見せたり、ジェニーを抱き上げるシーンでは、手が彼女のお尻に触れたからだろう、顔がニ ヤ〜っとしたりする。
1カット、1カットが非常に楽しく、表情豊かで、遊び心もあり(ルパンの背中にデフォルメされたお馴染みのマークがついてるカットもある)、大ピンチであるはずの状況なのに、見てる側としては楽しさ爆発のシーンである。
ここはぜひともスロー再生で要チェック!(笑)

この間、本当の現金の隠し場所であるバースデーケーキの中から、すべて盗み終えた次元と五右エ門が、ようやくルパンを救いに来る。
これまで大立ち回りをほぼ五右エ門に任せていた次元だが、ここでは大活躍。
ルーレットが操作していたダンス用のマシンガンを奪い取ると、ルーレットの命を盾に手下ども大人しくさせ、さらにはクレーンにひっかけルーレットを舞台に乗せてしまう。
ようやく死のダンスから解放されたルパンが、あのマシンガンをお見舞いしようかと言ってみたり、引っかかって宙吊りになってるルーレットをクルクル回し、 ルーレットが回らなくてどーすんだよと仕返しする辺り、残酷になりすぎず、かといってしっかり格の違いを見せ付けてくれて、実にちょうどいい塩梅。

そこへ銭形がようやく踏み込んできて、パーティーはお開きに。
これまでずっと現代的な雰囲気で来たところへ、「お後がよろしいようで。テケテンテン…」などと落語チックな言い回しで去っていく山田ルパンの、このアンバランスで洒落めいたノリに、とにかく痺れる。


こうしてルーレットから解放されたジェニーは、自力でオーディションを受けるところまでこぎつけていた。
だが、スターになるという夢を叶えるよりも、ルパンといたいというジェニー。
確かに、ルパンにはそう思わせるだけの魅力があるんだろうな〜と納得してしまう(^^)。
が、勿論ルパンはそれを諭す。
やっとマフィアとの縁も切れ、実力でオーディションに挑戦できるようになっている。彼女の前途は今ようやく開けたのだから。

そして、オーディションが終るまで待っていてと言うジェニーにルパンは頷く。「きっとよ」と言いながらジェニーはオーディション会場へ入っていくが、もしかしたらこの時すでに、ジェニー自身もルパンとはお別れなのだと気付いていたのかもしれない、と思ったりする。
オーディションに受かり、一流のダンサーになれば、ルパンと一緒にいることは出来ないのだから。それを承知で、やはり夢を取ってオーディション会場へ駆けていったのではないか。

ルパンはそれを見届けると、赤いバラを1輪、ジェニーの自転車に置いて、静かに去っていくのだった。心の中で「頑張んなさいね」と激励しながら。
この大人で粋な去り方が、とにかく最高!
同じように女の子に「連れて行って」と言われたシチュエーションとして、カリ城のラストをも思い出すが、あくまでも個人的にはこちらのルパンの去り方の方が好きである。
ルパンの本心はどんなもので、ジェニーへの思いが一体どの程度のものであったか、ルパンの表情からは伺えないところが、泥臭くなくて素敵なのだ。
1輪の赤いバラが、とても印象に残る。最後の最後まで、粋な作品である。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送