第19話 裏切りの荒野を走れ


ミス・プレイガール

まだパート3がこれほど好きでなかった頃から、面白くて大好きだった1作。
最後まで目の離せない展開と、テンポの良さ、ややコミカルなノリとすべてが相まって、とにかく面白い!
特にこの回、次元と不二子の口喧嘩は派手。
次元VS不二子の最高峰(笑)。注目。

とある刑務所に、ヘリコプターで降り立ったのは、次元。
なぜか今回、次元は刑務所慰問イベント?のMCになっている。囚人たちに明るいノリで語りかける、この次元の名調子が最高。初っ端から惹きつけられること請け合い(^^)。
そして、「今年のミス・プレイガール」と紹介され囚人たちの前に現れたのは、不二子であった。
二人がこんなことをしている目的は、この刑務所に収監されているパーカーという男を、ルパンが脱獄させようとしているからである。
そのため、不二子の派手で扇情的なダンスで、囚人たちの暴動を起こし、警備の手を集中させるという…
いわば陽動作戦だったわけだ。
不二子に群がる囚人たちをどうにか収めようと、会場に人手が借り出されるため、独房の監視も当然緩む。
その隙に、モーターボートで現れたルパンはパーカーに接触、まんまと彼を脱獄させるのだった。

それにしてもこのMC次元と、プレイガール不二子のコンビは絶妙。
軽快で妙にノリの良い次元のトークも最高だし、その後の不二子のダンスシーン、そして襲い掛かってくる囚人たちを次々に倒していく、その凛々しい戦いぶりは、もうひたすら見惚れるしかない!
洋服をドンドンはぎ取られ、最後はパンツ一丁(女性だからパンティっていうべきなんですかね^^;)になってしまう不二子なのだが、それでも次々に囚人たちをKOしていく。
不二子はこれくらい強くなくちゃ!と痛快。
また、不二子の危機に、次元がまるで手を貸そうともせず、のんびり煙草を吹かして傍観を決め込んでる辺り、何ともツボ。
不二子なら持ちこたえられるだろうという信頼のようでもあり、「たまには少しくらい苦労しやがれ」という次元のイヂワルだったようでもあり(笑)。

ルパンが脱獄させた頃合を見計らって、ようやく次元は目くらましの煙弾を撃ち、その隙に不二子と二人、その場をヘリコプターで脱出するのだった。
囚人たちに「アカンベー」している不二子が、すごく可愛い(^^)。

ルパンがそうして脱獄させたパーカーという小悪党風の男。
かつてルパンから、金庫を横取りして逃げた過去があるようだ。
一見、ザコキャラ風なのだが(失礼!)、とにかく油断ならない。さすがにルパンから一度は獲物を横取りしただけのことはある。
「嫌いだ」が口癖で、色々なモノを手当たり次第嫌うパーカーのキャラはかなり濃い(笑)。

ルパンは、そのパーカーから金庫のありかを聞き出し、分け前を半々で持ちかけるのだが、しぶといパーカーは容易なことでは白状しそうもない。
自分ではその金庫を開けることが出来ないと知りつつも、頑なにそのありかについて口を閉ざす。
そこへ、銭形率いる警備隊がモーターボートで追跡してくる。
車同様モーターボートでも超絶的な操縦テクニックを披露し、銭さんまで感心させ、ついに逃げ切るルパン。その衝撃で、パーカーは気を失ってしまう。

…目覚めたパーカーは、ルパンと二人で潜水艦の中にいる自分を発見する。
その潜水艦は、銭形の激しい攻撃を浴びていた。ミサイル?攻撃を受けるごとに、その潜水艦は壊れていき、そのままでは水圧に押しつぶされてしまう状況。
銭形は、パーカーに「金庫のありかを白状すれば、攻撃をやめる」と持ちかける。
このパーカー、本当になかなかしぶとい。
この見た目からして、アッサリと恐怖に慄くかと思えば…なかなか頑張って口を割ろうとしない。
しかし、ついに撃沈の恐怖に耐えかねたか、そんなパーカーも白状するに至った。

その時、パーカーと一緒に銭形の攻撃にうろたえていたはずのルパンが笑う。
そう。すべてがルパンの仕組んだお芝居だったのだ。
古い潜水艦をプールに沈めているだけ。銭形の声は勿論テープ。攻撃などあるはずもなく。
まんまと騙されたパーカーは、こうして一緒にルパンたちのその隠し場所へと向かうのだった。


裏切り

パーカーが金庫を埋めておいた鬼押し岩(こんな字でいいのかな?)へと向かう4人。
そこで、次元VS不二子の名高い口喧嘩シーンが登場する。
ルパンに地面を掘り返す役目を与えられ、ボヤく次元に対して、「銃を振り回しているよりお似合いよ」という皮肉を言う不二子。
不二子に言い返した次元の台詞は、一度聞いたら忘れられない(笑)。
「胸だけ大きい欲張り女!」
勿論不二子もそんなことを言われて大人しくしているはずもなく、「ムッツリスケベ」と言い返す。

このシーン、本気でツボすぎ。個人的にジゲフジは苦手でも(^^;、次元VS不二子は大好物。
不二子に言わせると、先の刑務所でのイベントの際、次元は衣装をはぎ取られた不二子をチラチラと見ていたそうで…(爆笑)
そりゃ、見るよなぁ(笑)
素直にそれを認めず「目が腐る」と言い返す次元、そして「もともと腐ってんじゃないの」とさらに言い返す不二子。もうノリは完全に子供の喧嘩。
不二子はともかく、私の推定ではこの当時軽く30歳を過ぎてる次元の、この子供っぽさがたまらない(^^)。
それより何より、「胸だけ大きい欲張り女」という言葉、分解してよーく考えてみると「不二子のヤツ、胸だけは大きくて良い」けど、「欲張りな女でどうしようもない」というニュアンスを含んでいるような気がするのは私だけだろうか(笑)。
もしかしたら次元、胸の大きい方が好み??(←邪推です。スミマセン^^;)
「胸だけ大きい」という台詞が唐突に出てくるところを見ると、やはりあの舞台での不二子の姿が、やはり印象深かったんだろうな、とも思ったり。

ルパンが二人の喧嘩に仲裁に入る姿も、すごく好きなのだが、止めなかったらいつまでやっていたのか、聞いていたかったような気もする(笑)。

それはさておき。ルパンと次元は、不二子とパーカーをその場に置いて、金庫を掘り出しに鬼押岩へと向かう。
次元は不二子と組むことについて、「いつ背中にピストル突きつけられるか分からない」と、懸念を表す。
それに対しルパンは「あの裏切り癖も役に立つこともある」というような、意味ありげな台詞で答える。
このルパンの、先の先まで読んでいそうなところが、何より最高!

次元の懸念通り?、不二子はパーカーと二人きりになるや、さっそく裏切りを持ちかける。
金庫が埋まっている場所が、鬼押岩でないことは最初からわかっていたという不二子。パーカーの表情から、それは本当のことらしい。
まんまとルパンの計略に乗っかって、騙されて白状したと思っていたパーカーが、実はルパンを騙していたのである。
それを見抜いていた不二子は、二人で組んで金庫を掘り出し、山分けしようと持ちかけるのだ。
パーカーは、頬を染めつつも不二子の胸や足にセクハラまがいの視線を投げ掛け(大笑)、「その長いアンヨとデッカイオッパイが俺のものにるのなら…」と、不二子に合意する。
最初に見た時、「所詮この程度なのね」とパーカーを見くびっていた私。どうせ不二子に出し抜かれるに違いない、と。
しかし!パーカーはホントしぶといのだ。

不二子と組んだパーカーは、ルパンたちに教えた場所には地雷が埋まっており、地面を掘り返そうとするルパンたちは今頃木っ端微塵だ、と言い放つ。
わざとそんな場所に金庫が埋まっていることにし、ルパンを亡き者にしようとしていたのだ。
実際、ケーブルカーの中から、鬼押岩付近が爆発するところが見え、不二子の顔が曇る…

しかもパーカーのずるさは、それだけに留まらない!
ようやく本当に金庫が埋まっている場所へたどり着き、金庫とご対面したその時。
不二子にも銃を突きつける。
「女は嫌いだ」と言い切るパーカーは、最初から不二子と山分けする気など、なかったのである。


さらに裏切り

だが、それ以上に上手だったのは、やはりルパン!
パーカーの背後に突然現れ、キバまでつけて彼を脅かしてみせる(^^)。本当にルパンが死んだと思っていたらしく、パーカーはかなり怯えていた。

ルパンには、パーカーの思惑などお見通しだったのである。
最初から、パーカーの白状した場所に金庫がないことも、その場所に地雷が埋まっていることも。
そして不二子とルパンは組んでいて、不二子が裏切って見せたのも、本当のありかを知るためのルパンの計略の一つだったのである。
さすがルパン、カッコイイ!(←恒例のルパンスキー発言^^)

ちなみに、そこでも次元は「放っておいたって、不二子は裏切ってくれただろうよ」と憎まれ口を叩く。
そして、金庫を車に積む際にも、次元は金庫と一緒に荷台に乗ると主張。気付いたらなくなっていたなんてイヤだからと、よく持ち逃げをする(笑)不二子へのあからさまな当てこすりである。(ある意味的を射ているだけに当てこすりともいえない?)
この回、どうにも次元と不二子は仲がよくないようで。
刑務所から帰るヘリコプターの中で、すでにひと揉めあったのかと、つい考えてしまいたくなる。
もしくは、ルパンが今回の計画で不二子と組んでいたことを、途中まで知らされていなかったから、何となく面白くないのだろうか?(笑)

ルパンは、パーカーに睡眠ガスをふりかけ彼を眠らせると、金庫を持って3人で逃げ出す。
普通なら、ルパンが上手く裏をかきお宝を見事手に入れて、ここでエンディング!となりそうなものなのに。この話はそう簡単には終わらない。
さすがにパーカー、小ズルさ・しぶとさはパート3の中でもトップクラスなだけはある。
眠ったと見せかけてはいたが、実は睡眠ガスなど吸ってはいなかったのだ。
金庫の埋まっていた場所の隣に、武器もしっかり隠しており、それを掘り出してニヤリと笑う。

パーカーは、車で山を降りているルパンたちを、ケーブルカーから狙い撃つ。
ルパンを追って、この山に来ていた銭形警部の制止もまるで無視、ひたすらルパンたちを狙って撃ちつづける。
悪路と、パーカーからの攻撃を避けるための荒っぽい運転のせいで、さすがの次元もパーカーへの狙いが定まらない。
が、その途中ルパンはわざとパーカーに狙いを定めさせるかのように真っ直ぐ走り、ケーブルカーの支柱へ突っ込まんばかりの勢い。
パーカーはルパンの車めがけてまんまと撃ち込む。が、それこそがルパンの狙い。
ルパンの車が素早く弾を避けると、それは支柱に命中。パーカーは己の乗っているケーブルカーを支える柱を打ち崩すことになってしまい、敢えなくケーブルカーごと地面に放り出される。(よく死ななかったな。笑)
そこへちょうど山の噴火が重なり、崩れてきた大岩に追われながら、逃げ続けるハメになる。
ちなみになぜか銭形警部も一緒に巻き込まれてしまい(笑)パーカーとひたすら逃げまくる。キメの一言は「ルパンなんか嫌いだー」。
いつもこんな目に合う銭さん、つくづくお疲れ様、という感じである(←結構本気)。

無事アジトまでたどり着き、お宝を手に入れたルパンたちは3人で祝杯を挙げる。
いよいよルパンの手によって、金庫が開けられると…中に入っていたのは、他愛もない石のよう。
不二子は怪訝そうにルパンに問うが、「数億の価値ともなると、一見してすぐにわかるわけじゃない」とルパンにその価値を保証され、ニッコリと嬉しそうに笑ってその石を抱きかかえた。

最後の最後で。やはりやってくれる不二子ちゃん。
祝杯用のお酒に(例によって^^)シビレ薬を入れておき、ルパンと次元を出し抜いて、その石を独り占めしようとしたのだった。
ついさっき自分のことを、裏切りなんて出来るような女じゃないとか言っておきながら!(笑)
シビレた二人を尻目に、相変わらずまるで悪びれず、ちゃっかりと石を持ち逃げする不二子。

だが、今回はやっぱりルパンが上手なのだった。
数億の価値があるのは、中に入っていた石でなく、その金庫そのもの。不二子は、何の価値もないタクアン石を大事そうに抱えて持って行ってしまったのだ。
まんまと不二子を騙し終えて、愉快そうに大笑いするルパンと次元。
笑う二人のこのシーンは、本当に好き!(^^)
次元の「ザマァみろってんだ、不二子め!」という言い方が特に痛快そうで笑える(笑)。「可愛いモンじゃないの」と余裕のルパンにもますます惚れる(笑)。
どうやってあのシビレ薬入りの酒を飲んだフリして始末したのかは謎だが(不二子が薬を入れた酒の瓶ごとすり変えたのかも??)、
容易なことでは不二子に騙されたりしない、幾重にも先を読んだルパンが見られるのは本当に嬉しい。
不二子も最後まで仲間のままでいれば、分け前がもらえただろうに…。アレが単なるタクアン石だと知った時の不二子はどんな顔をするんだろう、なんて想像してみると、ついルパンと次元につられて、こっちも笑いたくなってしまう。
さてさて、モーターボート、ルパン、鬼、女等等……とにかく何でもかんでも「嫌い」というパーカー、この作品中何回嫌いと言ったでしょう?(私も正解、知りません。笑)


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