第33話 天才少年の危険な遊び


こぐまちゃん

ルパンファンの天才少年が事件の中心のこの話。
かつては「ルパンに弟子入りだなんて(羨ましすぎっ)!!」と思うあまり、メインゲストキャラのミハイル少年に良い印象はなかったのだが(また?笑)、この歳になってから見てみると、なかなかけなげで素直な少年じゃないの…と感じるのだから、歳月とは不思議なものである。
そんな個人的感慨を脇においておくとして。
ミハイルを巡るデータ争奪戦も、マッキントッシュ・ビル攻略も、どちらもライトテイスト。
物足りないような気がしなくもないが、ごく普通にサラッと楽しめる1作、といえるかもしれない。


ルパンたちのターゲットは、マッキントッシュ・ジュエリーの宝石。
マッキントッシュ財団の本拠地であり、難攻不落の要塞ともいえるマッキントッシュ・ビルの最上階に、その宝石店はあった。
次元曰く「世界一高い場所で、世界一高い宝石を、世界一の金持ちたちに売る店」。
ルパンはカメラを仕込んだ飛行船を飛ばしてビルの偵察をするものの、まだ攻略方法は浮かばない状態だった。
尻尾巻いて逃げ出すのかと問う次元に対し、ルパンの答えがいかにもらしくってカッコイイ。
「身持ちの堅いお姫様なら、なおさらそそられるってもんよ」
いいわ〜(笑)

その時ルパン、次元、五右ェ門はどこにいたかというと、ビルを遠く眺められる船の上。
彼らは、釣り人に変装しながら次の仕事の話していたのだ。
……どうでもいいことだが、個人的に、この時のルパンの変装はいまひとつツボにハマらない。ハゲヅラに口ひげが、ギャグっぽいようで妙にリアルな感じがするせいだろうか?(笑)上記の台詞も、素顔で言ってくれていたらもっと良かったのに、なんて。
ちなみに次元はつけっ鼻+顔の下半分ヒゲ(帽子も忘れず着用)、五右ェ門はいつもの次元のようなヒゲプラス口ヒゲ。三人揃ったヒゲ変装を披露している(五右ェ門はいい感じ^^)

特に収穫もないまま、一度撤収しようとしていた三人の前に、猛スピードで飛ばす二台のモーターボートが現れた。
子供を浚ってる怪しい男たちのボートと、それを追う銭形警部のボートである。
銭形は(意外なことに?)、隣のボートで眺めていたルパンに最初気づかずに通り過ぎていった。変装中だったこともあるだろうが、何より少年を取り戻そうと必死だったのだろう。
その時ルパンは銭形を見かけて「ご無沙汰ぶり〜」と言っているので、少しの間銭形はルパンを見失っていた格好になっていたのかもしれない。


二台のボートが通り過ぎた後、激しい水しぶきのため変装が取れたルパンたちは、その追走劇に関わるつもりなどなく立ち去ろうとしていたのだ。
が、ルパンが垂らしていた釣り糸が、少年の乗ったボートに引っかかったまま走り続けていたため、そこに巻き込まれていくことになる。
逃げるボートに引っ張られ、水上スキー状態のルパン。銭形は今度こそその姿を捉えた。
「お前もあの子を狙っているのか?」と叫ぶ銭形。少年は何やら狙われる理由がある様子。

当初関わる気なんかないのに巻き込まれたルパン、「五右ェ門、次元何とかしてくれよ」とぼやくが、ボートで追ってきた次元から網を渡され、素直に受け取ったところを見ると、子供を助けてやろうという気はあったように思われる。
それを見ていたからなのか、少年は果敢に誘拐犯人の腕に噛み付き隙を作ると、ボートから転がるように逃れた。
川に落ちる前に、少年をルパンが網でナイスキャッチ。
誘拐グループの乗ったボートは、五右ェ門が切り刻んで大破。
そのあおりを受けて、少年を網ですくったままのルパンは水中に落ちかけるが、今度は次元が一回り大きな網でルパンをすくった(この構図と、次元の「誰かなんとかしてくれーー!」という叫び声がちょっと楽しい^^)
警察のボートも大破した犯人ボートに追突し、結局ルパンらだけが無事に逃げるのであった。


夜、川べりで焚き火を囲むルパンら三人と、少年。彼はルパンのジャケットをかけてもらって眠っていた(いいなー!←笑)
少年の腕には、電子ロックで封印された特殊金属の腕輪が。いかにもワケありの感じである。
そんな時、冷たいような、至極もっとものような台詞を発したのが五右ェ門で、「要らぬ関わりはごめんだぞ」と言う。
マッキントッシュ・ジュエリーという大仕事が控えていたためこんな台詞を言ったのだろうが、五右ェ門は情が移るまではわりと冷淡な態度を示す方なので、トラブルの予感ぷんぷんの未知の少年に対しての態度は、こんなものだろうという気がする。

その時、少年が目を覚ます。少年の名は、ミハイル。
ここで一つ謎が。ルパンは、名を聞く前に、「こぐまのミーシャ」と少年に呼びかけているのは、どういうワケなんだろう。
名前がわかってみれば、ミハイルの愛称はミーシャだから、モスクワ・オリンピックのマスコットと掛けてそう呼びかけたんだろうけど(後のシーンで不二子が「こぐまちゃん」と言うはきっとそのためだろう)
ルパンは少年が「ミハイル」と名乗る前に、どうして突然「こぐまのミーシャ」と言ったのか、私の長年の疑問である。ミハイルの顔が“熊似”という設定なのだろうか?

まあそれはさておき、次元がミハイルに浚われかけた理由を尋ねても、少年は「誰かと間違えられた」とすっとぼけるばかり。
聞いても無駄だと思ったのか、ルパンはとりあえず食事させようと、焚き火で焼いた魚をミハイルに勧める。
この話の中で、一番好きなのが、実はこの次のシーン。
差し出された串焼き状の魚を見て、お皿はないのかと戸惑うミハイルに、無理に食べなくていいんだぜ、とルパン。
「お上品に生きて、お上品に飢え死にするのも自由だ」
子供といえども、過保護にならないルパン、そしていかにも彼らしい台詞が、何だかとても好きなのだ。

その「自由」と言った彼を見て、ミハイルはそれがルパン三世であることに気づく。
ミハイルは、ルパンの大ファンなのであった。
憧れの人たちに出会えて興奮するミハイルが微笑ましい。
昔は、ミハイルが「ルパンのことならなんでも知ってるよ!」と叫ぶのを、何となくライバル視していた覚えもあるのだが…(←阿呆すぎ;)

ここでミハイルの脅威の記憶力の一端が披露される。ルパンの犯行声明の台詞を、正確に覚えているのだ。
興味深いので、一応ここにも記しておく。

1978年、パリのオレーヌ銀行襲撃後、ル・モンド紙に送った犯行声明文:「世界中のお宝は、みんな俺のポケットの中さ」
1982年、ロンドンのブライトン美術館から、黄金の鷲の像を盗んだ時の台詞:「鷲は羽ばたいた。今、自由の翼を与えられて」

予告状を出したり、盗んだ現場にルパン三世カード等を残しておくのは、作中でもお馴染みだが、新聞に事後声明文を出していることもあったなんて、なかなかの発見だ。1978年といえば、新ル時代に相当する。
また、(当たり前のことかもしれないが)新ルとパートIIIの合間、1982年もルパンは変わらず活躍していたのだとわかり、ちょっと嬉しい。
シリーズ中にえがかれていないエピソードに興味津々^^

ミハイルはルパンだけでなく、次元や五右ェ門のことも全部知ってると豪語し、「ルパンファミリーに入る!」と宣言。
ルパンは、ファンクラブ加入の条件は18歳以上のグラマーな女性限定として断るのだが、ファンではなくて弟子入りするのだと、かなりの押しの強さを見せるのだった。


弟子入り

有限実行のミハイルは、本当にルパンに弟子入りしたように、彼について歩き始める。
歓楽街でナンパするルパンの真似をして、女性を口説いたり、スカートをめくったり、大暴れする10歳のガキ…じゃなかった、少年。
巻き添えをくらったルパンは、女性から何度もひっぱたかれる羽目になり、さんざんな目に遭う。
近くのレストラン(バー?)でその様子を眺めつつ、「見ちゃいられねぇな」「付き合いきれん」と呟きあう相棒たちだが、しっかりルパンのナンパ先にまでついてきている。立派過ぎるほどの付き合いの良さだ(笑)

ミハイルにとっては、何よりも大事な、ルパンとの楽しい思い出になるシーンではあるのだが…
この天才少年、いったいどういうつもりだったのだろうか。
確かに憧れの人と偶然出会え、親しくなるキッカケが出来たら、それは舞い上がって当然だろう。離れたくない、弟子入りしたいと思う気持ちはわかる。
だが、この時彼は、父の研究データという非常に重要なものを握っている重要人物なのだ。
(後にわかるように)国連の依頼で銭形が護衛についていた上、ついさっき誘拐されかかったばかりなのだから、ミハイル自身も自分が狙われていることはよくわかっていたはず。
しかも父を、十日前に処刑されたばかりなのだ。
考えてみると気の毒な、とても心細い身の上だと思うのだけど、なぜかルパンにまとわりついてはしゃいでいるだけなので、ピンと来ない。彼を守ってバックアップしてくれるはずの国連関係者の元へ、帰りたくなかったのか。
普通の少年なら、その場の勢いだけでルパンと遊んでいたとか、先のことなんか考えてなかった、というセンもあるだろうが…。天才といえども、その辺は活発で少しマセた普通の少年だった、ということなのか。
まあ、あまりにこまっしゃくれた少年が「ルパンをボディガードとして利用していた」という設定でなかったこと、また父を殺されてしまった可哀想な少年という面を強調しすぎた作りでなかったことは、私としては好ましいのだが。

さて。ミハイルのせいで女性にビンタされすぎて顔がはれ上がったルパンは、アジトのホテルに戻って氷水で冷やしてる有様。すると、次元が仕事はどうするんだと尋ねてくる。
マッキントッシュ・ビル襲撃作戦はまるっきり目処が立っていないのに、ミハイルと遊んでいる場合ではないはずなのだ。
だがそのミハイルの弟子入り後の行動は、ルパンとのナンパだけに留まらず、ホテル内でも様々なものを盗みまくって、ルパンの元へ運んでくるという暴れっぷり。
つい巻き込まれついでに助けてしまったが、ミハイルに関してはノープランだったルパン、ちょっと途方にくれていたのではないだろうか(笑)
弟子にした覚えはないと突き放すのだが、その口調はあまり強いものではない。

が、その時不二子が(なぜか)窓から現れ、「じゃあその子、あたしにちょうだい」と申し出てくる。ルパンとしては、断る理由はない。
嫌がるミハイルを、お得意の催眠ガスで眠らせると、やや強引に連れて行く不二子。次元が言うとおり、不二子が欲しがるくらいなのだから、やはりタダの子供ではなかったのだ。
不二子は「知らなかったの?ミハイル・カザノフよ」と、言い残して去っていく。

そこでルパンらは、少年の正体を知る。
バイエル共和国の反体制科学者、ウラジミール・カザノフ博士の一人息子。博士は、海水を真水に変える画期的装置を発明した男だったが、十日前に処刑されている。しかし、発明品のデータは国外に持ち出されたと伝えられていたのだった。
すぐに、ミハイルのしていた特殊な腕輪を思い出すルパンと次元。
狙われて当然の重要情報を、彼は持っていたのだ。そして、銭形が護衛についていたのもそのためだったのだ。

今回、銭形は「国連の雇われ警部」(byルパン)。
国連が日本人警部を抜擢するなんてすごい。ここは素直に、銭形が世界的に敏腕警部で鳴らしているからと考えたいところ…なのだが。
先日川に落ちたせいで風邪を引いた銭形は、国連の長官の話をロクに聞けない状態になっていた。くしゃみ・鼻水の症状に悩まされ、集中力がまるでなくなっていたようだ。
「ルパンはきっと捕まえて見せます」と、朦朧としつつも彼らしい台詞を言うものの、この場合は明らかに場違い。長官としては、ミハイルを保護が最重要事だったのだし、ミハイルの持つデータを、水不足で悩む貧しい国々のために有効活用したいと考えていたのに。
何となく、このシーンの銭形にはそのデータやミハイルの重要性がわかっていなそう。残念だがとても敏腕には見えない。
そういえば、銭形が粉薬を飲もうとしているのは珍しい(たぶん風邪薬)。自然治癒力が衰えてくるお年頃になったのかも。

一方、ミハイルを連れ去った不二子は、廃車置場という怪しげな場所で、誰かと待ち合わせ。
すでに少年は目を覚ましていたが、縛られ猿轡をかまされている状態。不二子、子供相手にちょっとひどい。
そこへ現れる悪そうな男。不二子の取引相手だ。彼こそが、マッキントッシュ。
ルパンが狙っているマッキントッシュジュエリーの持ち主、マッキントッシュ財団のオーナーだ。
彼は、博士の研究データを独り占めし、それを実用化することでさらに大儲けしようと企んでいるのだ。
…この辺が、よく考えるとあまりに偶然が過ぎるような感じ。
ルパンが偶然助けた少年は、ルパンが狙ってるマッキントッシュに狙われている、なんて。
とはいえ、個人的にはそれほど気にしない(笑)

そのマッキントッシュはいかにも!という感じの悪役で、不二子を使って目的の少年を手に入れると、彼女との約束は(金か宝石だったのか?)果たそうとせず、手荒な手段に訴えるのだった。
しかも、必要なのはミハイルの腕にはまった情報だけだと言って、外せない腕輪を取るために彼の左手を切り落とそうとする。うわー悪党;

しかし、不二子は隙をついて、ミハイルと一緒にマッキントッシュらの傍を離れる。
スクラップ車に身を隠しつつ、敵の注意は自分がひきつけておくから、その隙に逃げてルパンに事の顛末を知らせろと、ミハイルに告げる。
さっきは「ひどい」と思ったが、自分の身を挺して子供を助けてあげるなんて不二子にもいいところある(笑)
マッキントッシュが是が非でも欲しがってるミハイルをルパンの元へ逃し、彼女の身柄と取引してもらうことが、唯一生き残る手段だと素早く計算したのかもしれないが(それはそれで良い^^)
後に、ミハイルの分として、不二子がマッキントッシュをぼこぼこにするシーンがあるので、多少この少年に悪いことをしたと思っていたのではないか。
故に、ルパンならば、不二子を助けてくれるのは勿論の事、ミハイルにとっても一番良いようにしてくれると信じて、少年をルパンの元へ逃がしたのだと考えたい。
奮闘するものの、結局不二子はマッキントッシュに捕らえられ、代わりにミハイルはルパンの元へとたどり着いた。


マッキントッシュ・ジュエリー

事の顛末をミハイルがルパンに報告していると、上空から何かが降ってきた。窓辺の次元がそれに気づくと、ルパンが例の網を放り投げる。
「またこれかよ」という呟きがおかしい(笑)
降ってきたのは、マッキントッシュ・ジュエリーの箱。中には、ニセのダイヤに書かれたメッセージが。
不二子とこぐまを交換する、として、マッキントッシュからの呼び出し状であった。

ルパンは、迷う素振りなくミハイルに銃を突きつけ、不二子と交換すると言う。少年の抗議も空しく、「不二子とお前じゃ天稟が釣り合うはずねぇだろ」とバッサリだった。
冷たいようだが、考えてみれば出会ったばかりの関わりの薄い少年に過ぎない。ルパンの言い分ももっともかな…と思うのだけど、実はそんなに冷酷じゃないルパン。その辺はどうぞご安心を(笑)。
次元も相棒の考えをよーくわかっていたので、文句一つ言わずついて行ったのだろう。
ちなみに、このシーンでルパンは「不二子は俺のフィアンセ」と表現している。新ルまでにはなかった表現だ。どこまで本気なのかは定かでないものの、パートIIIでは17話「結婚するって本当ですか」、29話「月へハネムーンへ行こう」で二度も結婚式未遂をしている間柄だからだろう。


呼び出された工場跡地では、(なぜか)十字架に架けられた不二子と、マッキントッシュと武装した部下が待ち構えていた。
交渉の末、不二子とミハイルを同時に交換することになる。
次元と五右ェ門は、物陰に隠れルパンの合図を待っている。不二子も、ミハイルも、どちらも助け出すつもりなのだ。
「何だかんだいって、ミハイルを渡す気なんかないんだからな。役者だぜ、ルパンも」と、次元は何となく満足そうに呟いている^^

不二子が降ろされ、いよいよ人質交換。
しかし、ここで予想外のアクシデントが起こる。
先ほどのルパンの言葉を真に受けたミハイルが、自らマッキントッシュの元へ飛び込んでしまい、「早く不二子さんを連れて逃げて!」なんてけなげなことをやり出してしまったのだ。
次元の台詞じゃないけど、本当に計画メチャクチャじゃないかーー!だから子供はっ!!
と思ったりもするけれど、ルパンの韜晦っぷりを理解しろなんて無理な話。むしろ憧れの人にこれ以上迷惑掛けまいとしたミハイルの気持ちがいじらしい。
その時、潜んでいた次元と五右ェ門が敵に気づかれてしまい、結局、マッキントッシュ一味にミハイルを連れ去られてしまうのだった。

あとには、ミハイルが身につけていた例の腕輪が残されていた。少年が外して行ったのだ。
そこに映されていたものは…発明のデータなどではなかった。
ルパンの、ルパン一味の、写真の数々なのだった。
これが、彼の宝物だったのだ。
(ルパンと次元が並んで銃を構えてたり、五右ェ門が海辺で修行らしきものをしていたり、不二子がカメラ目線で水着姿になってたり。こんないい写真、どうやって手に入れたんだろう!羨ましい〜!笑)

この特殊金属の中に、データは入っていなかった。しかし、博士の発明データは確かに存在しているはず。
そしてミハイルは、IQ200の天才少年と言われている……。そうすると、おのずとデータの在り処は決まってくる。彼の頭脳の中だ。
マッキントッシュがその“在り処”に気付く前に、ミハイルを助け出さねばならない。ルパンたちは早速行動開始する。

元々、仕事としてマッキントッシュ・ビルに潜入するはずだったのが、ミハイル救出という目的も兼ねることになる。
先にも書いたように、ルパンの狙いが一箇所に集結していくのは、偶然すぎる感はなきにしもあらずだが、こういう風に収束していく話も嫌いじゃない。また、 「ミハイルを助け出すぞ!!」と人道的な面ばかりで必死にならず、自分たちの仕事と兼ねてる辺りも、泥棒のルパンたちらしくて好きだったりする。

ただマッキントッシュ・ビルの攻略は、案外あっさりしていて、しかもかなり強引だ(笑)。これは時間がなかったから、ということなんだろう(と勝手に解釈)
まず、ルパンと次元がどうにかしてビルの地下に侵入。「鉄壁の城も蟻の一穴から」と、そこにとある仕掛けし、タイマーを翌朝6時にセットするルパン。
次元もルパンも、ろくに互いを見ずに会話しているというのに、仕掛け装置を渡す&受け取るタイミングが絶妙にぴったりなのが、とってもツボ^^
ちなみにこの装置、換気システムを逆流させるものだったようだ。

一方、五右ェ門・不二子組は、マッキントッシュ・ビル隣の、翌朝6時に取り壊しになるビルの屋上に、グライダーで降り立つ。
爆破されるのと同時に、取り扱い危険の“何か”が作動する仕掛け。これは、マッキントッシュビルに流し込む、黒いガスだった模様。
五右ェ門と不二子が、ごく自然に一緒に行動しているのは、なぜか微笑ましくて好き。「引き上げるとしよう」と、五右ェ門が声を掛けてるところもイイ。

マッキントッシュは、ミハイルがデータを覚えているのだということに気付き、彼の頭の中を覗こうと躍起になっていた。だが蘇ってくるのは、ルパンとの思い出ばかりで、いっこうに埒が明かない。
そういえば、ミハイルが仕掛けられたその装置、マモー編でルパンが掛けられたものを思い出させる。
どうでもいいけど、マッキントッシュは十字架形が好きな男のようだ。
さらにどうでもいい…というか、脱力してしまうのは、マッキントッシュの描かれ方。ミハイルにデータを思い出させようと必死になる辺りで、何となくギャグっぽい、滑稽な感じになってしまうのだ。
パートIIIにはよくありがちな、後半パートでのゲストキャラ崩壊。前半では、ありふれた悪役っぽくはあったが、子供の腕を切り落としかねない物騒で冷酷で欲深い男、という雰囲気だったのに、中途半端にコミカルな感じになってしまってて、個人的には肩透かし気味だ。

翌朝6時。取り壊し現場で爆発が起きる。ビルは予定通り崩壊していく。
屋上に仕掛けたガスも破裂し、換気システムも逆流を始める。マッキントッシュ・ビルは、あっという間に上から下までガスに満ちていった。
消防が呼ばれ、高く高くはしごが伸ばされる。
そのはしごから、窓を割ってビル内に潜入する消防員三名、その正体はもちろんルパン、五右ェ門、不二子だ。

マッキントッシュの元で、危うくデータを思い出しかけていたミハイルだったが、ちょうどいいところでルパンらが救いに飛び込んできてくれる。
五右ェ門が、十字架型の装置を切り刻み、不二子が無事ミハイルをキャッチ。
少年は嬉しそうに、「きっと来てくれると思ってたよ!」と言う。それに答えて、「お前は運がいいぜ、これからが見ものだ!」とルパン。
そう、弟子入り志願のミハイルは、ルパン一味が颯爽と宝石を盗み出すところを、その目で全部見ることが出来るのだ。
ああ、これぞルパンファン究極の夢。うっらやっまし〜!(笑)

最上階の宝石店に入り、「店ごと全部いただきだ」と喜んでいたルパンたちの後から、しぶといマッキントッシュが追いかけてきた。ハンカチでガスを防ぎつつ、宝石を、データを渡すまいとするマッキントッシュ。
しかし、不二子の秘密兵器にあっさりKOされてオシマイ。
この時の不二子の武器、新ル第一オープニングでお馴染みのボヨヨンパンチの改良品ともいえるモノ(?)。パンチがリモコンで自在に飛んで、相手にダメージを与えるのだ(!)
…この辺のパースリ風味満載のドタバタ感がお好きな方にはいいのだろうが、私としてはこの不二子パンチ、ちょっと脱力(笑)

邪魔者を片付け、いよいよクライマックス。窓の外には、次元操縦の飛行船がスタンバイしている。
お馴染みの「宝石ごっそり吸い取り作戦」、その拡大版だ。
五右ェ門が窓を斬り、みんなで宝石ケースをぶち割り、飛行船から巨大なバキュームで一斉に吸い上げるのだ。豪快、豪快!ミハイルも楽しそうだ。
ルパンたちは、「面白そうだ」と、大量の宝石と一緒に自ら吸い込まれ、ビルを去っていくのだった。


こうして、ミハイルは国連主催の会議で、海水を真水に変える技術を大々的に発表。これで彼が、狙われることもないだろう。
その様子を安心したようにテレビで見つめるルパンたち三人。
ミハイルのマネージャーとして、不二子がちゃっかり納まっていたのは、彼女らしい敏さといおうか。
自称弟子は、短かった修行期間に覚えたスカートめくりのワザを大舞台上でも披露し、「また遊ぼうね」とルパンにメッセージを送るのだった。


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