第38話 俺を愛したレティシア


人魚の腕

イルカのくせにーー!
と、この回を観たルパンスキーなら一度は思うのではないだろうか?(笑)
少なくとも、子供の頃の私はそう思った。イルカにすらモテるルパンという図は、可愛いし好きではあるんだけど、このレティシアの態度がどうにもこうにも「イルカのくせに」なのである。
(ちなみに私、本来イルカは大好きな生き物です)
ただ、改めて見るとこの回の不二子は特に可愛くないので(顔のことに非ず)、一途なレティシアの方がマシ?と、うっかり思いそうになってしまうのが危険(笑)


さて、デンマークはコペンハーゲンの名所・人魚姫の像の腕が切り落とされるという事件がすべて発端となる。
その犯人として、なんと五右ェ門が「器物破損」で逮捕され、無期懲役を言い渡されてしまうのだ。
逮捕された時の五右ェ門は、数十日も捜し求めていた、納豆定食のある和食の店で、食事中であった。
久々の納豆に「奥ゆかしい香り」と感動気味の五右ェ門。ガツガツ食べてるその姿は非常に微笑ましいのだが、突然落ちてくる檻が仕掛けられていた事に気付かなかったのはまだ仕方ないとして、店が刑事たちに包囲されている事すら感知しえなかったようで…
大声で歌を歌う程にご機嫌であったし(この歌声、五右ェ門ファンには必見!?)、納豆に夢中だったのかもしれないけれども、この回はその他に、銭形が放っ た発信機が斬鉄剣に仕掛けられたことにも、ウォーレスからもらった納豆に爆弾が仕掛けられていたことにも気付かなかったりと、あまりにも迂闊なところが目 立つ。
納豆のせいですべての勘が狂わされたのだろうか…ある意味女よりタチが悪い納豆の魅力(笑)

結局、抵抗らしい抵抗もせず、五右ェ門は捕まり、そして裁判を受けた結果、設立以来100年間一人の脱獄者も出していないというカルスタット刑務所に入れられてしまうのだった。
…檻ごと地下に放り込む、とんでもない荒っぽい刑務所だ(!)


五右ェ門の逮捕を受けて、ルパンはイルカを借りるため、次元と共にイルカショーにやって来ていた。
飼育員がOKする以前に、その話を聞いていたイルカ=レティシアが、水から跳ね上がってきてルパンにベッタリくっついて了解の意を伝える。その勢いに、ルパンがやや引き気味に「よ、よろしく頼むぜ」と言ってるのが、ちょっぴり笑える^^

なぜイルカの協力が必要だったかというと……
人魚姫の腕を切り落とした真犯人は、単なる物好きな観光客だったのだが、その人物が乗り込んだ船サンタ・マリア号が嵐で沈没してしまい、人魚の腕とともに海の底に沈んでしまっているのだ。
船が沈没した箇所の深さ(海底1000m)や地形による難しさのためサルベージ絶望だと判断されたのだが、市の観光局長ノーマンは諦めきれず、それを引き上げられるのはルパンしかいないと考え、わざと五右ェ門をハメて、ルパンらに接触してきたのだという。
新しく腕を作り直すよりも、元の腕を付け直した方が「お金もかからない」とか、局長秘書のウォーレスは「何より国民が喜びます」と尤もらしいことを言っている。
特にノーマンは、「世界中の子供たちのため」だという事をアピール。人魚姫の腕が取れたままなのは、確かに子供心に痛ましい感じがするだろうし、元に戻してあげてといった手紙が来ていたのは嘘じゃないのだろうけれども。
大人の世界的に見れば胡散臭さ満載の話。

個人的に何より釈然としないのは、実はルパン側の態度だったりする。
しおらしく観光局長は「申し訳ないことをしました」とルパンたちに謝っているけれども、勝手な都合で五右ェ門を罠にハメた相手と、すんなり交渉成立というのが腑に落ちない。
カルスタット刑務所から五右ェ門を助け出すよりは、人魚の腕を海底から引き上げる方が「早い」から、と言っているけれども……
なんとなく、ルパンと次元が丸くなったなぁと感じるシーンである。この回の場合、丸くなりすぎててちょっと物足りない。
五右ェ門を助けるためとはいえ、そもそも五右ェ門を罠にはめた当人に協力するなんて、あまり「らしく」ない感じ(ルパンとしては、協力と言うより五右ェ門と人魚の腕を引き換えにする「取り引き」なんだろうけど)。
何より、難攻不落の刑務所を攻略する方が、五右ェ門を罠にかけたヤツらと組むよりも、よっぽど面白いとルパンなら感じるのでは??と思ってしまうのである。
刑務所攻略には相当時間がかかると読み、その間五右ェ門に獄中で辛抱させるのが不憫だったから、敢えて「早い」方を選んだのか。
ノーマンたちの演技があまりに真に迫っていて、多少は情にほだされたのか。
どちらにしても、ずいぶん優しいなぁと思うのである。

で、この人魚の腕引き上げに、イルカのレティシアが必要だったというわけ。
ルパンはとある大学の研究所から、イルカ語の解読装置を盗み出し、レティシアと意思の疎通を可能にしている。
ここでレティシアの翻訳された言葉が聞こえてくるのだが…まあ、なんとも女っぽい声だこと!(笑)
もっと子供っぽい声だったら、まだ「ルパンルパンv」言ってても笑えるんだけど、妙に女らしい声であれこれルパンにちょっかい出してくるので、つい「イルカのくせにっ」と思ってしまうのだった。
……まあ、ルパンの役に立ってるから、いいのか。
というわけで、レティシアは、沈没したサンタ・マリア号までどんどん潜っていき、ルパンのリードで船の中を探索していくのだった。

その頃五右ェ門は、独房の中で「嫌な予感」を感じクシャミを連発している。
ちょうど、外にはカルスタット刑務所を一望できる場所に、銭形が陣取って見張っていたからか。
それにしてもこの時の銭形の、サバイバル体勢が非常におかしい。火をたき、カップラーメン・うどんの箱に囲まれ、五右ェ門を助けに来るはずのルパンが現れるまでいつまででも目を離さず見張っているぞという気合に満ち溢れている。
でも、そうだよね、ルパンなら五右ェ門を助けに、難攻不落の刑務所に挑む方を選ぶよね、とちょっぴり心の中で銭形に共感してしまうシーンなのであった。
(それじゃ全然違う話になっちゃうんだけど^^;)

探索中のルパンと次元が乗ったモーターボートの元に、不二子がウィンドサーフィンでやって来る。
この時ルパンが「あーら、誰かと思ったら愛しの姫」というところは、メッチャツボ!!(この軽い調子がイイvv)
だがこの時点で不二子は企みまくっている。そもそも彼女の台詞が、直球でしおらしい場合は要注意。
すでに事情を知ってるらしい不二子は、「五右ェ門は私にとっても仲間。人魚の腕を捜すくらい、いくらでも手伝うわ」などと言っている。
ルパンは、すぐに終わるから見物でもしてて「ちゃぶだい」とダジャレをかまして迎えているが、次元はプイとそっぽを向き「イヤな予感がしてきやがった」と一言。
さすが次元の勘は冴えてる(笑)

怒った不二子に返した言葉がこれまた名言。さすが名台詞メーカー次元大介。(暴言メーカーでもある・笑)
「なにしろお前さんの辞書に載ってる『仲間』はイコール『金』だからな」
この回に限っていえば、言い得て妙。
だが不二子は激怒するよりも「ひどーい」と巧みに被害者側にまわりルパンを味方につけようとする。宥めつつもルパンが、不二子のウェットスーツのファス ナーをもうちょっと降ろしてくれたら…というスケベ心丸出しの要望にも、ここではあっさりと応えてあげている。うん、ホントに怪しい(笑)。ルパンはデレ デレしちゃうし、次元じゃなくても「やってられねえ」という感じだ。

抱き上げて〜と甘える不二子に、ルパンは喜んで腕を差し出すが…そこへ割って入ったのは、次元ではなく、レティシアだった!
話を聞いていて、一気に1000メートルも急浮上してきたのかと思うと、けなげすぎて可愛い。
でも「ルパンの浮気モノーッ!」という台詞を聞くと、「ルパンは元々アンタのものじゃないんだってば!」ともツッコミたくなったりする(しつこくてごめんなさい・爆)。

不二子はダメでもイルカならOKらしく(まあ当然か!)、次元はどこか面白がって、レティシアはルパンに惚れてるみたいだと言う。レティシアに同意を求めると、思いきり頷いてるイルカの彼女。
…確かにこの回の不二子は、個人的にあまり好きじゃないんだけど、ただこのシーンでの「何、このイルカ!」という台詞だけは、妙に共感できたりする(笑)


人魚の心臓

そんな時、ひたすら刑務所を見張る銭形の元へ、ルパンたちがイルカを使って人魚の腕を引き上げているという情報がもたらされた。
観光局長との取り引きについて知る由もない銭形にとってはまさに「何を考えているんだ」という状況だろう。
……余談だが、この時点ですでに銭形はいくつものカップ麺を空にしている。見張り始めてからそんなに日数が経っているのか、はたまた一食でこれくらい食べてしまうものなのか、地味に気になるポイントである。
閑話休題。そこで銭形はふと、すでにルパンは五右ェ門を脱獄させてしまったのではないかと思い立ち、刑務所の中へ入り、確認しようとする。


銭形がそうした動きをしている間も、相変わらずレティシアによる深海探索は続いており、今度こそ目的の人魚の腕を発見するに至る。
その時だ。またしてもレティシアはイルカのくせにっ(しつこい・笑)「ねえルパン、不二子と私、どっちが好き?」と尋ねるのだ。
な、なんなの、その人間顔負けの女くさ〜〜い台詞は!!
さすが知能の高い哺乳類、というべきか。はたまたルパンの魅力のせいと思うべきか。
ルパンは正直に不二子と答えそうになるのだが、パッと次元に口元を押さえられる。そして、二人の間で無言の会話が交わされ(笑)、仕方なくルパンは「レティシアお前が最高さ」と棒読み気味で答えるのだった。
こんな見え透いたオベンチャラでも喜ぶのだから、やはりレティシアは単純で可愛い、か。これでもし何かにつけて「私のこと好き?」と聞いてくる“人間の女”だったら相当鬱陶しいので、イルカで良かった…のかもしれない(笑)
「モテる男は辛いよ」とのルパンの小声もgoodだし、イルカに対しておべっかを使わせておきながら、ルパンの呟きに「チェーッ」と言う次元もイイ(この「チェーッ」も声が裏返り気味!笑)


一方銭形は、猪突猛進気味に刑務所内へと入っていく。勢い余って独房への穴から転落するほど。
辿り着いた先は、五右ェ門の独房の前。そこにいたのは、観光局長の秘書・ウォーレスだ。
彼は人魚の腕のありかについて尋問しようと思って来たが、さっきから返事がないと銭形に語る。
すると案の定銭形は独房の中へ突入していき、そこに五右ェ門の姿がないことに気付く。慌てて周囲を見回していると、いきなり壁ごと銭形の方へと倒れこんできて、押しつぶしてしまうのだった。

その隙にウォーレスは五右ェ門に斬鉄剣を渡し、さらには五右ェ門は銭形に変装して脱獄を図るのであった。
ここで個人的に激しく注目してしまう点がある。
銭形に変装した五右ェ門が、銭形そのものの声色を使えているところである。
新ル10話で 初めて銭形に変装した五右ェ門だが、その時はまるきりの地声。以後、新ルではたびたび変装(時に女装・笑)することはあっても、無言を通したり、地声のま まだったりしたのだが、パースリに入って五右ェ門の変装能力は目に見えて高くなり、ついに銭形の声色までマスターしたのか、と思うと、なんだか感無量。

そうして逃げていく五右ェ門だったが、本物の銭形は大人しく壁に潰されたままではなかった。さすがタフなお方!
隙間から手を伸ばし、五右ェ門の斬鉄剣に向けて針状の発信機を指先で飛ばすのだ。しかも命中。投げ手錠の名手だけのことはある。
…ただ、ここで自分のことをうっかり「ゼニガメ」と言い間違えているのがナントモ(笑)。新ルでさんざん呼び間違えられてきた銭形、ついに自分でも言い間違えてる!

そして、観光局長に連れられた五右ェ門と、ルパンが海底から取り戻した人魚の腕を交換する時がやって来た。
ノーマンはこれで世界中の子供たちの笑顔が戻ると嬉し泣きしている。
やっと対面を果たし、「よう、元気そうじゃねえか」というルパンに対して、「心配かけてすまなかった」という五右ェ門。なんてことのないやり取りだが、じんわりと好きな1シーン。
やはりこの回、多少罠にかけた奴等が忌々しかろうとも(あまりそうは見えないんだけど)、難攻不落の刑務所を陥落させるスリルを味わう楽しみを捨ててでも、五右ェ門のために「早く」解決する方を選んだのかもしれないなぁ…

五右ェ門がルパンと次元のいるボートに戻り、その代わり人魚の腕を返そうとした時だった。ルパンは人魚の腕の中に何かを発見するのだが…
まさにその瞬間、崖の上からハンググライダーで飛来する不二子。ルパンから人魚の腕を奪い去って飛んでいってしまうのだった。
もちろん、即座に追いかけるルパンたち。ボートを操縦しながら次元は「くそう、あの腕で何を企んでいやがるんだ?」と呟いている。

ふと五右ェ門の懐に目をやると、彼は何やら持っている。「ミスター・ウォーレスから餞別にいただいた」と、納豆の包みを取り出す五右ェ門。
デンマーク産の納豆だそうだと、やたらと嬉しそうにしてる。デンマークにも納豆が!?というビックリはさておき、中に爆弾が仕掛けられていたことがさらに驚き。
早く捨てろとルパンが怒鳴り、次元と五右ェ門の間でネバネバベタベタした攻防が繰り広げられた後、ボートは爆発。
それを遠方から眺めていたのは、不二子とウォーレスの二人であった……

どうでもいいことですが。納豆に爆弾を発見した後、次元が捨てさせようとしているのはよくわかるのだが、五右ェ門の動作の意味がいまいちよくわからない。
これは納豆に執着して、ちょっぴり抵抗しているのか??はたまた、ウォーレスの偽装納豆だから、手にひっついてしまってなかなか離れなかったのか。いつもここで「早く捨てて!!」とイライラするので(笑)、一応疑問を書いておいてみた(きっと後者ですよね??)


今回モロに敵役ポジションの不二子、「ごめんなさいねルパン、やっぱり私の辞書には『仲間』イコール『お宝』と出てたみたい」と、しっかり次元の暴言を肯定しちゃっている。
不二子に、ルパンから人魚の腕を横取りさせたウォーレスは、その中から大きな宝石を取り出してみせる。
それは、「人魚の心臓」という、デンマークの名家に伝わる宝石なのだった。時価にして10億の値がつくとか。(単位は不明)

そもそも計画を立てたのはウォーレスであり、不二子がそれに加担する、という具合だったようだ。
彼は自分の立場を利用して博物館から宝石を持ち出し、人魚の腕に隠している間にアリバイを作り、その間にバイヤーと宝石の取り引きを行う、という計画だったらしい。
それが、物好きな観光客が人魚の腕をもぎ取り、それを持ったまま船が沈没するというアクシデントがあったせいで、ルパンを巻き込んででもどうしても「古い人魚の腕を取り戻す」必要があったというわけ。
しかも、あの爆弾で宝石も人魚の腕も、ルパン一味と一緒に海の藻屑と消えたことになる、という筋書きなのであった。

……細かいところにツッコミを入れるとキリがないんだけど、博物館から持ち出し、バイヤーに売りさばく間に「アリバイ」を作るってのはどういう事?
時間的なことを言ってるわけでなく、家宅捜索された場合に備えて、人魚の腕に宝石を隠したという意味なのだろうか。ま、どっちでもいいんですが。

この悪巧みの話を、レティシアがマイクですべて拾っており、それはボートの爆発から逃れ、海を漂っているルパンたちへ筒抜けになっていた。
ナイス、レティシア!


結婚式?

予想していたのか、それとも慣れか、その話を聞いても特にルパンに驚いた様子はなく、「そういうわけだったの」と落ち着いたものだった。
一方怒っているのは五右ェ門で、「あの女、絶対に叩き斬ってやる」といきまいている。次元が言ったように地底の獄中に閉じ込められていた恨みかと思いきや…「納豆の恨み」でこれほどご立腹だったらしい。どこまで引っ張るの、納豆ネタ!

同じく話を聞いていたレティシアは、「許せない」と怒り出した。ルパンが止めるのも聞かず、人魚の腕を取り返してやると言って、海から飛び上がりウォーレスに向かっていく。
が、ウォーレスの持っていた網を発射する特殊銃により、レティシアは捕えられてしまうのだった。

次元はレティシアも失敗したことを知り、「どーする、納豆まみれになってこのまま退散かい」と聞くのだが、ここでのルパンの答えが気が利いている。
「ま、せっかく一度は腕の方を手に入れたんだ。ハートを射止めるのは礼儀ってものかもしれないぜ」。
この時まで特に欲しいとは思っていなかった人魚の心臓を、ルパンは狙うことに決めたのだった。
ちなみにこのシーン、少し前までルパンがつかまっていた浮き輪がなくなっており、板切れにルパンと次元だけが掴まり漂うように泳いでおり、五右ェ門だけが平泳ぎで頑張っている。

ウォーレス邸内の、周囲が水族館のように大きな水槽に囲まれた部屋で、気の早い乾杯をしようとしていた不二子。
捕まえたレティシアを見つめながら“彼女”にお礼を言い、「ルパンには可哀想なことをしたけど、これも運命よ」なんて呑気な台詞を言っている。
真後ろから、ウォーレスが不二子に銃を突きつけ、彼女を殺そうとしているのに。

そう、出ましたこのパターン。私は正直、コレが苦手(^^;
不二子が時としてルパンの敵役ポジションに回ることはいいのだけれど、彼女がどうでも良さそうな三流悪党と組んでルパンを出し抜いたつもりが、実は彼女自身が騙される・裏切られるパターン。ある意味自業自得なのだが。
同じ犯罪世界に生きてるプロとの騙し合いで、時に不二子がやられる回があっても個人的には良いんだけど、単なる「小役人」風情に遅れを取る不二子ってどうなの、と思ってしまうわけで(小役人だからこそ、油断してしまった可能性は高そうだけど;)
ウォーレスも例に漏れず、最初から不二子と山分けする気などなく、宝石の存在がバレる前に、ルパンの手元から人魚の腕を強奪する役をやらせるために利用しただけなのだった。
彼の筋書きとしては、ルパンを裏切ったものの良心の呵責に耐え切れずに自殺した、ということになるらしい。
や、その筋書き、ちょっと無理がありますから!(ルパンへの愛があまり感じられない回の)不二子はその程度で自殺するようなタマじゃ…(笑)

そこへ今度は観光局長・ノーマンまでが銃持って来たーー!
「そのお話の主人公は私じゃなくてはね」などと言いながら。どう見ても主役はれるタイプじゃないくせに…やれやれ。
「世界中の子供たちの笑顔が」とかなんとか、殊勝なことを言って善人面していたノーマンまでが、「そんないい話はもっと早く聞かせて欲しかったね」と、欲丸出し。
ウォーレスも意表をつかれたらしく、猟銃をつきつけられ身動きできずにいる。ここで不二子が特にうろたえてないのは好印象。
それにしても…嗚呼、どいつもこいつも宝石に目の色変えちゃってまあ。と、このシーンを見ながらうんざりしていると、ルパンの声が響き渡る。
「陳腐、陳腐!」

まったくもって仰る通り!
ウォーレスの予想通りの裏切り、そして欲ボケしたノーマンの乱入の一幕は、ホントにルパンの言葉通り「陳腐」としか言いようがない。
どうしてこう、男性ゲストキャラは「悪役」じゃなくてはいけないというノリになってしまうのか。
まあ、元々ノーマンも、五右ェ門をあんな無茶なやり方で投獄し、ルパンを利用しようとしたのだから、「善人面」が芝居なだけで、ハナから悪役だったんだろうけども。

そういう意味では、この回唯一無垢なレティシアは、ちょっとした清涼剤なのかもしれない。
ルパンの言葉を口の中のマイクで伝えたレティシア。それによってルパンが爆死していなかったことを知った陳腐な悪党どもは動揺する。
(しかも不二子まで「まさか」と言っている^^; あれしきの爆発でルパンが死んだと思っていたわけではないですよね? 単に突然声が聞こえてきたり、企みがバレちゃったことへの「まさか」だと、私は勝手に思っている、というか思いたいのだけど)

焦ったノーマンは「出て来い」とルパンに言うのだが、言いなりになるはずなどない。
その頃ルパンたちは、天井裏に潜み、何やら仕掛けを作動させようとしていた。(この時次元が楽しそうな顔してるのがイイv)
そしてルパン三世のイルカショーの始まり!と言って、仕掛けのスイッチを入れると、部屋を囲んでいた水槽のガラスが一斉にひびが入り、やがて水が溢れ出してくる。
いち早く水槽から出たレティシアは、悪役たちをつっついて撃退。不二子はただ呆然とするばかりだ。

斬鉄剣で天井裏を斬って降りてきた三人は、素早く人魚の腕と心臓を手に入れると、不二子はスルーしてルパンが一声「行こうかレティシア」。いまやすっかり仲間状態。
再び床下を斬って、大量の水に流されつつ階下へ、そして館の外へ出て行くルパンたち。

だが、周囲の海は銭形によってしっかりと包囲されていたのだった。
五右ェ門が、斬鉄剣の端に仕掛けられていた発信機に、今更気付いて「しまった、拙者としたことが」と言っているが、時すでに遅し(何度も斬ってたのに、その時にも気づかなかったとは…今回の五右ェ門はやはり納豆の呪いで勘が鈍っているとしか思えない・笑)。

完全に警察の船に取り囲まれた事を知り、ルパンは一旦「仕方ねえ、ここはとっつあんに手柄立てさせてやるか」と、一度逮捕されて逃げ出す機会を待つ構えを見せた。
が、そこでレティシアが何か言っている。ヘッドフォンをしているルパンにしかその言葉はわからないのだが、「いやそれは…」などとルパンは躊躇。
それに気付いた次元がヘッドフォンを取り、レティシアの言葉を聴いてみると……

「さあ、どっちにするのルパン? このまま捕まるか、わたしと結婚するか。結婚してくれるなら、必ず助けてあげるわ」

ルパンと結婚!? イルカのくせにっ!!(やはり言ってしまう)
どさくさに紛れて結婚を迫るとは、かなり押しの強い女。やるな、レティシア。でもここのルパンの困った顔がとっても可愛いv
次元は淡々と「オーケーだな、ルパン?」と了解させようとしているのが笑える。まだ渋っているルパンに対し、五右ェ門ったら刀を抜いてOKさせる始末。
ルパンをイルカに捧げてもこの場を逃げ出したいらしい(笑)。

しぶしぶというか、斬鉄剣に恐れをなしてOKしたルパン。
すると大喜びしたレティシアは、「わたしとルパンの結婚式よ!」と大勢の仲間イルカたちを呼び寄せて、警官隊らの船を転覆させ、包囲をメチャクチャにしてしまう。
その弾みで海に落ちた銭形に、1頭のイルカがポッと頬を赤く染め、すり寄って行く。……銭形もイルカにモテたらしい(笑)
元々新ルでゴリラにはよくモテる銭形だったが、イルカにも好かれる性質らしい。ルパンといい、銭形といい、イルカ向けフェロモンでも出しているのだろうか。
一方、同じようにイルカに囲まれて海にいる次元と五右ェ門は、特にモテてる様子はない。

ルパンが銭形に、人魚の腕をくっつけといてちょうだいと言って返したところへ、突然不二子が現れる。(ドレス着てたはずなのに、またウェットスーツに早変わり!)
ここで再びルパンに、裏切るつもりなんかなかった、ちょっと目がくらんだだけ…などと言い訳にならない言い訳囁きながら接近。
相棒たちが冷たい目で見ているのも気付かず、ルパンは「わかってるよ」と言って軽く受け入れ、さらにはキスを迫る始末。……甘すぎるよ(;;)

案の定、不二子はルパンの手の中にあった人魚の心臓を奪うと、突然ジェットスキーに乗って「逆転サヨナラね、ルパン。せいぜいイルカちゃんとお幸せに!」と言って去っていくのだった。
後を追おうにも、ルパンはレティシアの背に乗せられ「幸せになりましょう」と連れ去られてしまう。
ルパンは相棒たちだけでなく、今回は完全に敵役だった不二子や、銭形にまで助けを求めるが、レティシアはどこまでも海を飛び跳ねて、二人だけの世界へ向かって行くのだった……


元々訳もわからず人魚の心臓を巡る陳腐な陰謀に巻き込まれただけだから仕方ないのかもしれないが、ルパンたちに「これ!」といった見せ場がないのが残念な回。
最後に人魚の心臓も不二子に取られてしまうし…何となく釈然としないのだけれども、元々ルパンと次元は五右ェ門救出のために動き出したわけだし、その目的は達したのだから、まあいいのかなという気もする。
ちなみに、コペンハーゲンの「人魚姫の像」は世界三大ガッカリ名所だそうで…(笑)。諸説あるそうだが、他の二つはブリュッセルの「小便小僧」と、シンガポールの「マーライオン」だそうだ。


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