銭形警部の恋愛観を探る



ルパン逮捕に全人生を懸ける銭形警部。
世界中を飛び回るルパンを追って、日々忙しく立ち働いているに違いない。
彼の目には、多分ルパン以外は見えていない。
そのせいだろうか、銭形の恋愛を扱った作品は非常に少ない。女性と絡むこと自体、非常に稀な銭形である。

関わりの深かった女性といえば、ローラ(新ル68)、ジャスミン局長(新85)、ノヴァ(新114)、まりや(TVSP)…。
そのうちちゃんと「恋愛」と呼べるのはローラくらいなものだろうか?
この辺りのことを、少し考えていきたいと思う。

尚、銭形は「ルパンvs複製人間」において、結婚しておりトシコという娘がいるとも語られている。
が、これに関しては当作品のみの設定らしいので、ここでは考察しないこととする。

惚れっぽい!?

旧ル初期はともかく、テレビシリーズが長く続くようになるにつれ、銭形はどんどん「ズッコケ」役をやらされるようになる。
そういった、やや「道化者」のキャラの常として、非常に銭さんは惚れっぽく描かれている。
まあアニメ「ルパン三世」は恋愛モノではないので、惚れるまでに時間をかける余裕がないのは非常によくわかるのだが(笑)、銭形の惚れっぽさは、ルパン・次元・五右エ門の惚れっぽさとはまた一線を画している。

ローラは別格だが(ちゃんと恋愛しているので)、ジャスミン局長や、ましてやノヴァにいたっては、「普通もっと警戒するだろ?」という突っ込みを入れたくなるほどのデレデレぶりである。
ジャスミン局長の場合は、以前からの知り合いでもあるし、あれだけ強引に迫られたら男として悪い気はしなかったのだろうが、ノヴァなんて顔も知らなかったというのに、手紙一つで夢中になってしまっている。ノヴァの顔を見る以前から!(笑)
しかも会ってすぐに結婚する気になっている。
ジャスミン局長もノヴァも確かに美人なのだが…。
銭さんもルパン界の男の例に漏れず(笑)面食いのようである。とにかく女性からのアピールに滅法弱いようだ。

だが、不二子にはかなり免疫があるらしい。
時々不二子の色仕掛けにグラッときかかっている時もあるが(新ル40「ミサイルジャック作戦」)、決して引っかかることはない。(40話ではまんまと頭にカメラを乗せられてしまったが)
新ル134「ルパン逮捕頂上作戦」では、逮捕した不二子に断固とした態度をとり続けるし、「とっつあんの惚れた女」では不二子の弱点を容赦なく攻めまくる(←カエル^^)。
さすがに警察官の鏡であり、ルパン一味の不二子には、彼女がいくら美人であるとはいえ、毅然とした態度をとれるようである。

不二子以外の女性には、迫られると非常に弱い銭形。
だが、原作ではかなり様子が違う。
不二子の色仕掛けに抵抗するところは同じだが(原作新71話「斬ラー」。それでも健康な男性らしい反応をしているけど。笑)
どちらかというと堅物で、女よりはお金に若干弱いようである。
ルパンは美女からの手紙でおびき出されたのに対し、銭形は署長からの「特別の給料あげるからすぐに来なさい」というニセ手紙に引っかかってしまっている(原作新87話「ルパン消去」)。

また、「ようこそアダルトランド」では、まとわりついてくる女性にまったく惑わされることなく「ケッくだらねぇ!」と言い放ち、あくまでもルパンだけを追い求める。
それほど女性に甘い様子は伺えない。

原作で唯一いい雰囲気を醸し出していたのは、原作新89話「限りなく冬眠に近いルパン」の冬眠科学者・シャン博士である。
「成功するまではこの銭形……骨身がバラバラになろうともこの体を実験に提供するッ」という銭形。
この台詞に感激した博士に、キスされている。
原作銭さんはさすがにニヤけることはないが、帽子を下げてちょっと照れくさそう。
命懸けで実験に協力するのは、やはりルパンを300年後に逃してなるものかという執念なのだろうが、もしかしたら博士のこともまんざらでもないのかな?などと勘ぐってしまう(^^)。
「君なら出来る」と励ます銭形の顔が、どこか照れくさそうという気がするのだが(気のせい?)。
もしかしたら原作銭形の好みのポイントは、外見以上に「知的さ」なのかもしれない。

ローラ

アニメの銭形に関しては正直、見境がない(笑)という印象であり、あまり好みのタイプがあるようには思えない。←失礼!(^^)
「ナポレオンの辞書を奪え」で、「女性に縁がなかった」と呟いているので、とにかく仕事一筋で生きている銭形には、そんな心情的余裕はなかったのかもしれない。
が、向こうから強引に迫ってきたわけではないのに、銭形の方から好きになった女性・ローラは、銭形にとって特別な存在のような気がする。
ローラが、銭形にとっては好みのタイプだとも考えられるので、少し彼女について取り上げてみたい。

ローラは勿論美人なのだが、見逃してはならないのはローラの行動力である。
彼女は、たった一人で銭形のホテルへ忍び込み、「ルパンはどこだ」と書かれた紙を突きつける。
取り押さえられてしまうものの、もしもしルパンの居場所を聞き出せたら、一人で乗り込み事情を説明して、金庫を盗んでもらおうとしていたとしか思えない。
無謀というか、勇気があるというか……
銭形に取り押さえられた所へ、カバネの手下に襲われたことがきっかけで、結局銭形に助けられてルパンの元へ行くことが出来たのだが…

ローラは全編を通してほとんど喋ることがないので、どういう性格だったのかが今ひとつ掴みづらいが、辛抱強く(あんな因業オヤジの妻が勤まっていたくらいだから)、そしてある程度は勇気ある女性だったような気がする。
銭形もそんな所に惹かれたのだろう。
いざとなると勇気があり、それでいてどこか保護欲をそそるような女性、ローラ。
銭形のように昔気質で男っぽいタイプだと、あまりにズケズケサバサバしている女性より、どこか潤いのあるような風情の女性、そして憂いを感じさせる女性の方が好きなのではないかという気もする。


こんな銭形攻略法は、とにかく押して押して押しまくる……ということであろう(笑)。
ジャスミン局長のように、かなり大胆に強引に迫ると良いらしい(^^)。
というか、多分好意を「匂わせる」程度では、ルパン逮捕以外ほとんど眼中にないとっつあんには気付いて貰えない可能性が高い。
特にアニメの銭形は鈍そうだし(^^;。
が、あくまでも最終的な告白は銭形にお任せした方がいいだろう。
「結婚して欲しいであります」「愛しちゃったのであります!」等等、ストレートな言葉を投げ掛けてくれるハズ。

あれ、銭形の恋愛論はやはり短くなってしまった(笑)!

(2001.10.29)


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