第1話 ルパン三世颯爽登場


再会

記念すべき「新ルパン三世」の第1回。
といっても、正直内容はたいした事はない(笑)。メインキャラクター5人の紹介の回といったところ。
全編に渡って、ルパンたちのキャラクターが紹介され続ける話である。
ニセのハガキによって豪華客船サーロイン号に呼び寄せられたルパン・次元・五右エ門・不二子、そして同様にニセのICPOの辞令によって呼び寄せられた銭形警部の一同が5年ぶりに顔を揃える。
皆を呼び寄せたのは一体誰なのか……といった話。

それにしても、旧ル第1話のルパンたちの登場の仕方との違いはどうだろう。
旧ルではすべてがさりげなかった。
確かに銭形警部の最初の台詞はやや説明調ではあったけれども、それ以外登場する際に大げさな効果も派手なアクションもなかった。
それに比べると、新ルの第1話はいかにも「登場人物紹介です」といった作りになっている。

旧ルでは、ふらりといった感じで現われた主人公・ルパンが、新ルでは豪華客船に向かって空からダイビングするといった派手な登場となっている。
(余談だが、空から降りてくるルパンを見た不二子の反応が可愛くってイイ。「飛び降り自殺だわ」って。そんな自殺、ある?笑)
それが悪いというつもりはまったくない。わたしはこういうのも非常に好きである。
派手で、豪快で、時に子供っぽく、無性に楽しい。これが新ルの魅力だと思う。

空手修行中の五右エ門、射撃訓練中の次元、男にモテまくってる不二子、ルパン逮捕にやって来る銭形警部。
それぞれのキャラクターがわかりやすく紹介されており、生まれて初めて「ルパン」を見た人でも入りやすいだろうと思う。

まあ、やっぱり空手の五右エ門はなんとなく今ひとつなのだが(笑)。
やっぱり五右エ門は剣の修行をしていて欲しかった。
今回の話では、斬鉄剣の影はいまだ異様に薄い。
五右エ門は登場時も空手修行だし、マッサージ中に襲われた時も空手。クライマックス時、ようやく斬鉄剣を使ったと思えばあっという間に折れている。
よくよく考えれば、衝撃的な第一回だったのかもしれない。←今更?(笑)
五右エ門の分身的存在であり、何でも切り裂く剣であるはずの斬鉄剣……新ルにおいてその存在感が出てくるのはもうしばらく先である。

こうして集められたルパンたちには、船の上でさまざまな罠が仕掛けられる。
この罠を潜り抜けていく過程も、ルパンたちのキャラクター(というか特技)をよく紹介している。
歯医者の治療台に仕掛けられた毒蛇をマグナムで打ち抜く次元。
大男を空手で倒す五右エ門。(それにしても五右エ門、女にマッサージしてもらったりして!しかもふんどし姿で!!)
プールサイドでの不二子のナイスバディ(笑)。
すばやくサメのプールから不二子を救ったルパンのすばやさ、そしてその後のズッコケぶり。
クライマックスシーンでも、それぞれの特技を生かして戦っている。
勿論、どんな爆発でも生き残る銭形警部の不死身ぶり(笑)と執念深さを最後のシーンで紹介するのも忘れていない。
ルパンが言うように、「かくて宿命の追いつ追われつが始まるのだ!」
こうして新ルは始まった。


懲りない悪役

ルパンたちを呼び寄せ、そして抹殺しようといくつもの罠を張っていたのは、ご承知のとおりミスターXである。
旧ル第1回でもルパンの命を狙うために、50億ドルものお金をかけ、ヒダスピードウェイなどというレーシングコースを作り、あっさりと敗れ去った大ばか者である。
世界最大の犯罪シンジケート「レッド・スコーピオン」のコミッショナーだというが、どうしてこんなアホがボスにまで成り上がれたのかが不思議である。

今回は、ルパンたちを殺すために豪華客船サーロイン号を作ったという。
プール・劇場・サッカー場・競馬場はては交番まである。まるでひとつの街のような巨大な客船である。
総工費1兆2千億円というのだから驚きだ。
ルパンも言っているが、たかが人間一人消すのにあまりにもご苦労なことである。
そして、旧ル第1話でルパンに感電させられ黒焦げになった体を、サイボーグと化し(自称「超人間」(爆笑))甦っての再登場なのだ。
「超人間」と化すにもかなりのお金がかかっているはずだし、ルパンを殺すために一体総額いくらかけているのだろう。
これだけの大掛かりな罠を作るわりに、やることといったら杜撰極まりない。
最後のシーンだって、余裕ぶちかまして武器だの車だのを与えるから結局大失敗するのである。
最初っから、ルパンたちが船に揃った時点で奥歯の自爆装置を起爆させればいいのに。
ヘタに苦しめてやろうなどという、愚かでサディスティックな欲をかくからこうなるのだ。ルパンたちならあんな罠、どうってことないと気づかないのだろうか。
ルパンたちの実力をいつまでたっても認識できない故である。

こういった誇大妄想的悪役というのは、自分や敵の能力を冷静に分析する能力に決定的に欠けている。
そして概してサディスティックな性格をしており、それが墓穴を掘るのである。
何よりもやることが首尾一貫していない。
そもそもどうして銭形警部を呼んだりしたのだろう。ルパンを逮捕させる気などさらさらなく、ひたすら抹殺だけを望んでいたのではなかったのだろうか。
ルパンの牽制に役立つとでも踏んだのか?
それとも銭形警部にも恨みを持っていたのだろうか?
こういう悪役は、自分では深謀遠慮だと信じ込んでさまざまに愚にもつかない準備をしてしまうのである。(ミスターX、決して嫌いなキャラじゃないんだけど、考えれば考えるほどバカなので、つい辛口に!)

案の定、ミスターXは旧ルの時と同じくルパンに感電させられて倒れた。
なぜ同じ倒され方をする!??(笑)
前回感電して黒焦げになったんだから、「超人間」となる時に何はさておきまずは耐電ボディにしようと思わなかったのだろうか。
思わなかったんだろう。悪役は、反省という言葉とは永遠に無縁なのだから。
そして一層逆恨み的な憎悪を募らせていくのである。
ちなみにミスターXはここで死んではいない。65話「ルパンの敵はルパン」にも再々登場する。
シリーズを超え、通算3度もルパンたちに敗れる、まさに懲りない悪役なのだ。


5年という歳月

旧ル最終回での国外脱出以来5年間、ルパンたちはまったくの別行動をしていたようだ。
その5年間、各自が何をしていたのかは非常に想像が膨らむところである。
それぞれに泥棒や修行、用心棒などなどいろいろなことをして暮らしてきたのだろう。
そして5年という歳月がルパンたちを少し変えていた。

旧ル初期。若く熱く、カッコよかったルパンは、格好つけない格好よさという魅力を身につけている。この余裕の雰囲気が最高に素敵(^^)
また次元はさらに銃の実力をあげているようだし、新ルの中でも回を追うごとに渋く、大人の男の魅力をさり気なく滲ませるのである。
二人とも自信に基づいた余裕、適度な息の抜き方といったものを感じられる。
五右エ門は、殺気立ち、抜き身の刀のようだった、いかにも「剣豪坊や」といった雰囲気を、かなり落ち着かせている。
不二子の裏切りぶりは相変わらずだが、ルパンとの普段の関係はややサバサバしたものへと変わっている。
この間、実際ルパンとは会っていないようだし…。でも、この二人のことだから、長い間会っていない時が続こうとも、ひとたび再会すれば瞬く間に以前のルパンと不二子に戻るだろう。
それはきっと、次元や五右エ門たちとの間にも、言えることだと思う。

銭形警部だけは、高畑村の駐在時代に敏腕警部振りをさびつかせたか、ほぼギャグ路線となってしまっているのが残念といえば残念。
ルパンたちの変化を視聴者の低年齢層獲得のためと言うなかれ(笑)。
ルパンたちの「成長」「成熟」「大人の余裕」……そんな風に考えても面白いのではないだろうか。

格好つけなくてもカッコイイ。むしろ気負いすぎはヤボである。
決めるところだけビシッと決める。
自信と実績があるからこその、余裕。ギャグ、ユーモア。
緊張とリラックスのほどよいメリハリが新ルの魅力であると思う。


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