第4話 ネッシーの唄が聞こえる


不二子の歌声

4話にして未確認生物ネッシーが登場。早くもなんでもアリの新ル路線だ。
トンデモ設定と博士の生々しい恨みに、個人的にはどこかアンバランスさを感じてしまう作品だ。

ネッシーがテーマなので舞台は勿論、ネス湖。
この時代、ネッシーって話題になってたのかなぁ?架空の動物・雪男だのネッシーだの、そういう方面にまったく興味がないので、ネッシーについてはとんと無知なのだが…。
確か、少し前に有名なネッシーの写真もトリックだと判明したような記憶もある(未確認)。
いずれにしても、今ルパンが作られるとしたら絶対に取り上げられないだろうネタである。

ネス湖で優雅に乗馬を楽しむ不二子ちゃん。乗馬服姿がノーブルでカワイイ!
不二子はご機嫌で唄を口ずさむ。その唄が問題なのだ。
なんと、不二子の歌声に惹かれてネッシーが現われてしまうという、なんとも荒唐無稽な(笑)設定。
不二子の声は、爬虫類の耳に心地よい波長でも出しているのだろうか。(ネッシーのことを爬虫類、恐竜の生き残りみたいに勝手に考えていたけど、あっているのかは自信ナシ)
色っぽくて可愛くて……確かに増山さんの歌声は耳に心地いいけれど。
それにしたって、何だってよりによって不二子の歌声でネッシーなの?(笑)
不二子とネッシー。その組み合わせが、一種シュールですらあるような気がしてしまうほど意味不明な唐突さである。

ところで、何よりも気にかかるのは、今回不二子がやけに「優しい女の子」しているところだ。
ネッシーが自分の声に惹かれて現われるとすれば、普段の不二子ならそれを利用して一儲け企みそうな気もするのだが。
ネッシーが可哀想だといってあくまでも歌うのを拒否する、典型的アニメヒロインのごとき動物愛護の心をもった不二子の姿が見られる
。そういう意味でこの回は、貴重な回なのかもしれない。
ああいう不二子も決して嫌いではないけれど。
動物には案外優しい。人間に対するよりもよっぽど優しいのでは?(笑)
不二子って実は人間(特に男)があまり好きじゃないのかな?と邪推してしまうのは、彼女のこういう一面を見たときだ。

それはそうと、あの「誰かさんと……」という唄、題名何というのだろう?
何だかどこかで聞いたことはあるけれど。ネッシーといい、この歌といい、4話は特に苦手な分野のネタばかり(苦笑)。
不二子って普段こんな唄を口ずさむのか、と初めて見たときはちょっと意外な感じがした覚えがある。


ドクター・オズ

今回登場する悪役、ドクター・オズ。
不二子の声でネッシーが現われることを知り、不二子を捕まえて歌わせようとする、ネッシーに執着するアブナイ博士である。
何でも、かつてネッシーによって足を食いちぎられてしまったという過去があるらしく、ネッシーに偏執的な恨みを抱いている。
ネッシーを捕らえ、見世物にすることで復讐を果たそうというつもりらしい。
見世物にすることが、それほど激しい恨みの復讐になるのか、やや疑問だが、とにかくこの人のネッシーへの恨みは半端じゃないようだ。
ネッシー・ロボなんぞを建造しつつ、20年もネッシー探索に燃えているのだ。

それにしても「ルパン」に登場する博士、ドクターっていうのには、つくづくロクなのがいない。
6話のドクター・パオロ、16話のノーミル博士、46話のマッド博士、50話のゼル博士、139話のドクター・デンジャー、本名すら出てこなかった「ワルサーP38」の「ドクター」等等。
ちょっとアブナかったが、こうして見るとドクター・オズはまだまともな方?

というのも、不二子への拷問が、こういってはなんだが(笑)非常に手ぬるいからだ。(いいんですけどね、不二子ちゃんを痛い目に合わさないでいてくれたんだから……)
壁を引っかく「キー」というイヤな音を聞かせるという拷問なのだ。
確かにあの音は、非常にイヤだ(^^;
でも、根性がまったくない私ですらあれなら強情を張れるような気もする(笑)
が、よーく見ると壁に鎖でつながれた不二子のスカートの裾がボロくなっている。
ということは、その前にいろいろ別な拷問もしたのだろうか?(考えすぎ?)

そしてドクター・オズは無防備といおうか、思慮が足りないといおうか…(^^;。
偏執的な人間に、広い視野を望むほうが間違っているのだが(笑)それにしてったわざわざルパンの寝込みを襲ったりするなんて。
自ら危険を招き寄せている。ルパンという人間のことをまるで知らなかったのだろうか。
さらっておきながら、不二子という人間についても何も調べていなかったに違いない。単に彼女の声にしか興味がなかったのだろう。
まあ、不二子をさらっただけでもすでにルパンを敵に回しており、オズの運命は決したも同然なのだが(笑)


人質役

ルパンたちは、はじめニースでのんびりしていたのだが、不二子の新聞記事を見てネス湖までやってくる。
そしてその目の前で不二子がさらわれてしまう。

そういえば、新ルではやたらと不二子がさらわれるのだが、その記念すべき第1回目の人質の回だろう。
私は、不二子がいつも易々と敵に捕まる安易な展開があまり好きではない(^^;。「捕まる不二子が」嫌いなわけではなく、そうした「安易な展開」が嫌いなだけですが。
……不二子人質は、主人公ルパンを事件に巻き込むお手軽な手段と化しているので、時々「不二子なのに」と思ってしまうことがある。
原作では女ルパンとまでいわれた不二子が、そう簡単に何度も何度も捕まるはずないのに、と思ったりもする。
不二子を助けに行くルパンは大好きなんですけどね(笑)矛盾?

今回もルパンは不二子を救うために、この事件に介入することになる。
ルパンは不二子がさらわれて焦りまくり、ボートのオールで次元をボコボコにしている。可哀想〜!
ほんっとに、次元、ご苦労様(涙)。

そういえば、この話では、やけに五右エ門が飲んだくれている気がする。
スコッチを味わいたくて……と言ってやって来ただけのことはある。ルパンと次元がボートに乗って不二子を探している間、岸辺で1人酒を飲む。
だからといって、勿論飲みつぶれるわけではない。
酒が入っていても、しっかり見張り役を務めていた。
ルパンを麻酔銃で狙っている銭形警部に気づき、撃たれた麻酔弾を斬鉄剣であっさりはね返している。
この辺の、底なしに酒が強そうな五右エ門は、個人的にかなり好きだったりする(^^)。

五右エ門によってはね返されて来た麻酔弾がおでこに刺さった銭形のとっつあん(笑)。自分の仕掛けた罠にはまる、よくあるパターンでぐっすりお休みになってしまう。
今回もいいところナシ。
狙いはいいのに、なかなかそれがうまくいかないという、運の悪さもあるようだ。

結局、不二子の声にだけなぜ反応するのかという謎(?)にはほぼ触れられず、ルパンによって不二子救出と、そしてネッシーの開放に成功し、この話は終わる。
ネス湖は北海に通じているという説、本当にあるのかは知らないが、とにかくネッシーは海へ去っていき、相変わらず幻の生物のまま、というわけだ。
淡水でも海水でも生きられるのか……、ネッシーって。
やっぱり幻の生物はスゴイ(笑)。



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