第5話 金塊の運び方教えます


この回は、結構「初」づくめの多い回である。
まず、五右エ門が2ndシリーズで初めて、斬鉄剣で金庫を破る。(正確には金庫の床だが)
そして不二子が初めてルパンを裏切る。

話の発端は、不二子。そして謎の車椅子の男だ。
彼らは、ルパンたちの滞在しているホテルの部屋のナンバープレートを、自分の部屋のものと取り替えて、彼らががそこへ入ってくるように仕向けて待ち受けている。
ルパンたちの本当の部屋には、銭形警部が罠を仕掛けて待っているからだった。
(ちなみにルパンの部屋に罠を仕掛けていた銭形警部は、のちに案の定自分の仕掛けた罠に自らひっかかってしまう^^;)
ルパンたちと接触した不二子と車椅子の男は、スイス銀行の金塊強奪の計画を持ちかける。
ルパンは、金塊が魅力的だったのか、それとも不二子が持ってきた話だったから乗ったのか……とにかく、この怪しげな男の計画に乗ることになる。
それにしても、何でこんな胡散臭い男の話に乗るのかなぁ、ルパン(笑)。
「いかにも変装しています!」って感じの男、しかも名前すら名乗らない怪しすぎる男の話なんて。
今回現われた不二子も、当初なぜだか金髪に変装しているし、露骨にアヤシイ話だと思うのだが。

ともかく、ルパンたちは金塊を盗み出すことにした。
金塊のあるスイス銀行金庫は、警備が非常に厳重であり、地下以外からの侵入は不可能だった。
そこで、五右エ門の出番となる。
斬鉄剣で金庫の床を丸く切り抜く。金庫に眠っていた金塊が頭上から降り注ぐ……。
今となっては見慣れたように感じられる光景だが、実はこの回が初めてではないかと思う。
どんな厳重な警備をしていても、地下からこんな具合に破られるのではお手上げだろう。
これから先、五右エ門は「つまらぬもの」をさんざん斬ることになるのだが……それはまた別なところで考えよう。
こうして盗み出した金塊は、車椅子の男の計画に従って国外に持ち出されることになる。


黄金カー内の出来事

盗み出した莫大な量の金塊を、そのままの形で運び出すとなると、やはり厳しい検問にどうしても引っかかってしまう。
そこでこの車椅子の男は、黄金を溶かして車のボディに仕立て上げるというアイディアを考える。
黄金の上からペンキで色を塗って普通の車に見せかけ、その車に乗って国境を越えようというのだ。
なかなか頭がいい。
いいアイディアだと思ったからこそ、ルパンも言われた通りに行動していたのだろう。
胡散臭い男の指示に従って一生懸命働いている三人、可愛いような…でもそんな姿見たくないような、複雑な感じ(^^;)

さて、この黄金カーの中でびっくりするような事が起きる。
次元と五右エ門の声が一瞬、入れ替わるのだ。
次元の口が動いているときに五右エ門の声がし、五右エ門の口が動いているときに次元の声がする。
ものすごく不思議な感じがする。
製作現場が相当混乱していたとかいう話だが、どうしてこんなことが起きたのか、詳しいことは良く知らない。最近のアニメではあまり見られないミスのような気がする。
めったに見られない光景だけに、印象的。
わたしはこの話の細部を、最近見直すまで忘れていたのだが、この声の入れ替わりシーンだけは異様に覚えていた。
次元ファン&五右エ門ファン、必見?!(笑)

順調に行くかと思った計画だが、やはり邪魔が入り、ルパンたちは仕方なく黄金カーを捨てて一旦逃げることになる。
そしてほとぼりが冷めた頃、黄金カーを取り返しに来るのだが……
そこで待っていたのは、銭形警部とニセ黄金カーだった。
五右エ門が、この時「せめてひとかけらだけでも」と言って黄金を切り取ろうとするところがなかなか好きだ。
珍しく往生際が悪い五右エ門。あまり彼らしくないところが良い(笑)。まあ、彼のこの行動がなければ、この黄金カーが偽物だとは気がつかなかったのだが。
ルパンたちは、ようやくはめられたことを悟る。

それにしても、銭形警部はこの話で二度もルパンに手錠をかけている。が、二度ともあっさりと逃げられるのだ。
ルパンに普通の手錠は通用しないのを、きっと痛いほど知ったことだろう。


裏切り

そして今回、新ルにおいて不二子がルパンたちを裏切る初めての回でもある。
旧ルでは第1話から裏切りまくっていた不二子だが、新ルでは4話の間ずっとルパン一味して行動していた。いよいよ謎の女・峰不二子の本領発揮である。
ルパンたちをはめ、黄金カーを偽物にすりかえておいたのは、当然のことながら不二子と車椅子の男だった。
最初からルパンたちを利用し、車椅子の男と金塊を山分けするつもりだったのだ。
不二子にしてみれば、ルパンたちと組むと分け前が4分の1、この男と組めば半分…そう計算してこの男と組んだのだろう。実際この男は国境を越すアイディアも持っていたようだし。
だが、不二子もこの男に利用されていただけだった。
乾杯しようとしたワインに睡眠薬を入れられ、車を奪われてしまう。
不二子の意識がなくなる直前、この男は正体を現す。
この男はスイス銀行の頭取だった。自分の銀行から金塊を持ち逃げしようと企んだのだった。車椅子というのも芝居で、実はちゃんと歩けたりする。

それにしてもこの男も甘い。
不二子を殺さずに眠らせるだけで留めておくのは、まあ元は銀行マンという堅気の人間だったことを考えれば理解もできるのだが、なぜ不二子の意識のある間に正体を現したのだろうか。
そして、せっかく黄金カーを独り占めしたのに、偶然にもルパンたちがいるレストランの前に車を止めてしまう。さらには追ってきた不二子にも見つかってしまう。
ツメも甘く、運もない男だ。黄金カーのアイディアはなかなか優れていたというのに。
結局、頭取は銭形警部に逮捕される。
黄金カーのアイディアを考えたのは自分だと自慢して、警部に叱られている。
この辺りの自己顕示欲の強さが、不二子に不用意に正体をバラすという無謀な行動に出てしまった所以だろうか。

一旦はルパンたちを出し抜いてどさくさまぎれに黄金カーを奪った不二子だが、追跡するルパンたちに焦ったか、車もろとも海に落ちてしまう。
不二子は船でやって来たルパンに、いつもの甘い声で助けをねだる。
次元と五右エ門は、旧ル時代以来5年ぶりの裏切りに怒り心頭といった様子。不二子を海から引き上げることを反対する。ルパンだけはいつものように不二子に大甘で、二人にとりなして不二子を助け上げる。
不二子の「お二人さん、ごめんなさいネ」という、悪びれない態度はさすが裏切りのプロといった感じ(笑)。
ルパンが「憎めないんだなぁ」と言う通り(by旧ルOP)、なぜだか憎めない不二子。
その後ルパンにちゃっかりオイルを塗らせたりして、すでにニースのバカンスモードに切り替わっている。黄金カーのことなど忘れてしまっているかのように。

車は結局、警察によって引き上げられ、ルパンたちは結局何も手に入れられない。まさにくたびれもうけの回。
次元と五右エ門がぼやくのは、本当にごもっともなことである。



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