第12話 大統領への贈り物


ナポレオンのワイン

旧ル8話で、ナポレオンが持っていたトランプに続き、ナポレオン絡みのお宝第二弾。新ルでは初のナポレオン由来のお宝登場だ。

今回、個人的に影の主役は五右エ門だと思っている(笑)
不二子のパンチラ覗き見事件といい、赤フンといい、ファン心にクリティカルヒットする行動を見せてくれる。
今回は、ナポレオンがジョゼフィーヌのために作らせたというワインの、最後の一本をルパンたちは狙う。
フランス・ボルドーから、友好のためのクリスマスプレゼントとしてアメリカ大統領へ、そのワインは贈られることになったのだ。
ニュースをテレビで見ているルパンたちの様子が、日常っぽい雰囲気をかもし出していて、いい感じ。
五右エ門だけは、「酒は日本酒に限る」と言っているが、他の3人は三者三様に興味がありそうである。
洋酒全般が好きな次元は、そのワインの味そのものに興味があり、不二子は(新ル不二子だけに)そのワインのロマンチックで由緒ありげなところに惹かれ、そしてルパンは挑戦欲を刺激され興味が沸き…
と、これはまあ、勝手過ぎる深読みだが(笑)。

ルパンは、不二子が「私もナポレオンみたいな人の妻になりたいわ」と言ったことがキッカケとなったか、思い付きのようにワインを盗み出すことにする。
「プレゼントしてもいいんだぜ」という、ルパンの言い方が、どこか挑戦的で、英雄ナポレオンへのルパンのちょっとした拘り?や思い入れなどがありそう…という妄想を誘う(ホントに妄想)。

早速ルパンは、ナポレオンのワインを盗むため、そのありかを探ろうと銭形を利用することにするのだった。

ルパンを追い続ける銭形の官費は、この時点でどうもかなり乏しいらしく、あまり上等でなさそうな宿に滞在し、パンと水だけという食事を嘆く銭形の姿が見られる。
こ、米と味噌汁くらい、差し入れしてあげたい(涙)
「ルパン専任捜査官」という仕事自体が、ICPO内では出来たてで、予算がさほど取れていなかったのだろうか?
食事中は、硬いフランスパンに辟易し、随分落ち込んでいたような銭形だったが、ルパンからの予告状が届くや目が生き返るのは、もはや習性か。
勢いあまってフランスパンを窓からフッ飛ばし、道路にいた車のフロントガラスを突き破ってしまったりしている。
…って!そのパン、どんだけ硬いの!?よく銭さんは食いちぎれたな(笑)
車のガラスを割ってしまったことを、知らん振りしようとする銭形が可愛い。というか、その誤魔化し方が、口笛(しかもこのマーク「♪」付き!)という古さ。
今見ると、妙にノスタルジックな感じで笑える。

ナポレオンのワインを守ろうと、銭形は当然ワインの貯蔵してあるシャトーへ行く。
それを見越して、ルパンは予告状を出し、銭形をマークしてワインのありかを探ろうとしていたのだ。
銭形を待ち受けながら、シャトーに関する薀蓄を述べるルパンが可愛いv
こういう具合に雑学に詳しかったり、文学青年ぶりがチラッと見受けられるシーン等があると、つい嬉しくなってしまう。

銭形は、とあるシャトーへと半ば強引に入っていく。ゼニガメと名前を間違えられながら。
ゼニガメだの、ジョニガタだの、銭形警部はわりとよく名前を間違えられるが、外国人には「ゼニガタ」の発音はしにくいのだろうか。

さて、銭形の入って行ったシャトーへと、ルパンたちも潜入を開始する。
ルパンがワインをシャトーへと運ぶ気のいいボルドー人に化け、残りの三人は、ワインの樽の中へ潜るという、大変な潜入方法を取る。
変装したルパンと、銭形のパトカーが併走する際、ムニャムニャムニャ、とフランス語っぽい挨拶を交し合い、あまりのしつこさに銭形がげんなりするシーンも微笑ましい。

が、それよりも問題のシーンが存在する。
問題のシーンその1は、ここ。
不二子が樽の中へ入る時、ミニスカートをはいていたせいで、当然下着が見えそうになる。
それを、ルパンはいつものようにデレデレとした顔をして眺めて、結局不二子に怒られるのだが、そんな不二子に視線をやるもう一人の人物がいたのである。
ごっ、五右エ門さん!(爆)

実はムッツリスケベで、こっそりと見ていた…というわけでは決してなく、ついつい、我知らず視線が彷徨い出てしまったんですよね?ええ、わかりますとも!
五右エ門さんも男。当然の反応ですとも!
不二子が、ルパンには「また覗いたりして!」的な怒り方をしたのに、五右エ門に対しては、怒ることも忘れて「まあ」と、さも意外そうに驚いているところに、常日頃の不二子に対する彼の行いが、いかに品行方正であったかが、伺えるというもの。
と、庇ってみたりして(笑)。


ワインの洪水

ルパンがインチキくさいフランス語を駆使し(笑)、どうにか銭形や警備の人間の目を誤魔化して4人はシャトー内に入ることに成功。
樽の中に入っていた3人は、コロコロと転がされていたのだから、相当目が回っただろうと思う。
ワインが樽の中に入っているかもチェックされたが、その辺も当然抜かりなく、樽の中の三人はそれぞれワインを手に持ち、試飲スポイトにそれを吸わせて、危機を乗り切るのだった。

いよいよ蔵の中へと入った4人。さあ、ナポレオンのワインを探そうとしたその時。
銭形が警官隊を引き連れて、ルパンたちを包囲していた。
ルパンが自分を見張っていたことを長年の付き合いで予測していたか、ナポレオンのワインの元へとは敢えて行かず、違うシャトーへとルパンたちを導いたのだ。
さすが銭形。ルパンの手口をしっかりと読んだ、かなり的確な作戦である。
絶体絶命かと思われたその時。五右エ門が次々とワインの樽を真っ二つにし始める。
ルパンや次元も、徹底的にワインをぶちまける。

「そんなバカな!」と言いたくなるほどに、ワインはあっという間に倉庫に満ち満ちていく。
そして警官達は、ワインの海に呑まれていく…。
この大袈裟加減が、ダイナミックかつ馬鹿馬鹿しくて、かなり好き。
ルパンたちは、ワインの海を泳ぎ安全な場所に辿りつくと、アルコールであるワインに火をつけるぞと脅し、銭形を牽制。地元警察はあっという間に酔って上機嫌となり、ルパンたちを追うどころではなくなってしまった。
こうしてルパンはまんまと逃げ延びるのであった。
火をつけると脅迫?するルパンの、この悪党ぶりがまたまた素敵v
そして、ほろ酔い加減でトラックを運転する、ご機嫌ルパンの可愛らしさは、筆舌しがたい(笑)!
この時、トラックの助手席には次元、後部座席がないため荷台に五右エ門と不二子が乗っていた。不二子が助手席に乗らないのは、割と珍しい??

その翌日は、不二子以外、銭形も含めて全員二日酔い。頭に氷を乗せるほど、辛い頭痛に襲われていたようだ。
ワインに浸かっていなかったようにも見えた五右エ門だが、彼も同様に二日酔いらしい。
二日酔いで、グッタリしている姿を見ると、やっぱりみんな人間なのね、とちょっと親近感。

同じく二日酔いになりながらの銭形は、ワインを守りきった功労者として、いきなり評価されることになる。
相変わらず名前はきちんと覚えてもらえず、「ゼニガメ」と呼ばれているが。
そして銭形は、ワインをアメリカへ運ぶ護衛役に抜擢される。
ワインは、専用機でアメリカへと運ばれることになったのだ。

もちろん、ルパンたちは一度の失敗で諦めたわけではなかった。
次の機会を狙い、4人で空港を見張る。専用機に詰まれる大きなコンテナにも、すかさず不二子の目は光る。
金髪のスチュワーデスに化けて調べると、ごく一部のものにしか中身は分からない、フランスからアメリカへのプレゼントらしい。
五右エ門は「俺はそっちの方がいいな」と率直な感想。
確かに五右エ門にとってみれば、本来それほど好きでもないワインよりも、意味ありげなお宝の方がいいだろう。
ルパンはついでにそれも戴くことにし、計画を実行に移す。
この時、五右エ門は単独行動。独り、専用機よりも早くアメリカへと渡るのだった。


骨折り損

得意の変装で、ルパン・次元・不二子は専用機に乗り込む。
次元はアシスタントパーサー、不二子はスチュワーデス。…ルパンは、どういう役柄なのだろう?(笑)
フランス政府側の人間という役どころだろうか。サングラス+カツラだと、ものすごく胡散臭くなる。
出迎える銭形と三人の、インチキくさい適当なフランス語会話、そして銭形の「コマンタレ、クソッタレ」という、プリミティヴとも言えるギャグが無性に笑える今日この頃。
とにかくこの回では、フランス人は友好的ねという設定らしく、銭形に次元パーサーが歓迎のキスをしているところも隠れた見所(笑)
余談だか、銭形は新ル1話でルパンから、この回で次元から、新ル40話で不二子から、それぞれ頬にキスされた経験がある。さすが長い付き合いといおうか、羨ましいといおうか(笑)

そして飛行機の中で気になることといえば。やはり、セクハラまがいの銭形の態度であろう。
「ベネチア超特急」の時といい、金髪不二子に関心を示す銭形。こういう女性が好みなのだろうか。
「色目使うのよ!」と不二子もややおかんむり?(笑)典型的なオヤジ態度と言えばその通りなのだが、この辺が新ルの銭形と言ったところか。
続いて気になったのは、次元のつけっ鼻。
三人が機内で合流するシーンで、パーサー次元は「あー鼻がムズムズする」といいながら、つけっ鼻を取るのだ。あ、鼻つけてたんですか!と、思ってしまったのは私だけ?(笑)
最初、絵柄が乱れて、鼻が大きめのブサイクな顔に描かれただけかと思ってしまっていた。次元、ごめんね。

何はともあれ、飛行機に忍び込んでしまえばルパンたちの勝ちも同然。一度の撃退で、やや油断したか、この辺の銭形のツメの甘さが悔やまれる。
催眠ガスを機内に撒き、一同を眠らせる。そして飛行機はルパンが操縦する。

その頃、先にアメリカに渡っていた五右エ門は、大型トラックをどこからか調達し、打ち合わせどおりの場所を走っていた。
トラックを一人で運転する五右エ門の姿も珍しいが、それ以上に!
自分がここにいることを、飛行機の中のルパンたちに示すため、五右エ門の取った方法…
それが、赤フンである。問題のシーンその2!
五右エ門のフンドシといえば、ほぼ白と決まっているのだが、この回に限っては「赤」なのだ。
目印に使おうと、わざと持ってきたのか…いや、そんな時間はなかったようにも見える。
とすれば、五右エ門は時々赤いフンドシも着用していることになる。結構、見えない部分では派手好き?なんだろうか。
赤フンを見た不二子が、頬を染めるのも可愛らしい。

こうして無事五右エ門と合流したルパンたち。
フランスからのコンテナをそのままトラックに移し変え、そして銭形が膝に抱えたままのワインを、奪い取る。
その代わりに、安物のワインを置いて…。

眠りから覚めた銭形は、ルパンにやられたことに気付くが、手にルパンからのワインを持っていたため、周囲からはナポレオンのワインを守りきったと勘違いされる。
結局、銭形は本物が盗まれたと言い出せぬまま、アメリカ大統領の晩餐会始まってしまった。
大統領たちがナポレオンのワインを飲む様子は、テレビ放送されていた。ルパンたちはまるで悪戯っ子のようにそれを眺めている(笑)
安物のワインを由緒あるナポレオンの作らせたワインだと信じ、ありがたがって絶賛するアメリカのお偉方。
その様子に、4人は大爆笑!見ているこちらまでつられるほどの大笑いぶりである。

人間の舌なんか、当てにならないんだよなぁというルパン。ご尤も。
揺るぎなく的確な舌の持ち主も確かにいるが、その日の体調や、食すときのムードに乗せられるのが人間。安物ワインでも、こういう雰囲気で飲めば、そこそこ 美味しかったのだろう。例え内心「この程度の味か」と思ったにせよ、フランスとの友好の証、しかもテレビカメラの前とあっては、絶賛するしかあるまい。
銭形、命拾いの巻(笑)

安物ワインをありがたがって飲んでいる大統領たちを尻目に、ルパンたちは本物のナポレオンワインで乾杯する。
まるでもったいぶる様子もなく、サラッと開けてとっとと飲んでしまおうとするルパンたちが、粋でカッコイイ。
が。その味は、とんでもないシロモノ。かび臭くて、飲めたものではないという。
「香りがまるで違う」と誉めていたのに、実際飲んでみると吐き出すほどにマズイとは!
どういうワイン??

さらには、「ついでに」とルパンたちが盗んだコンテナの中身は、フランスからアメリカの子供達へ当てたクリスマスプレゼントの、フランス人形だったのだ。
不二子の言うとおり「骨折り損のくたびれもうけ」の結末。
が、最後は「ルパンサンタ」が、ヘリコプターで人形を空から降らせるという、ややメルヘンっぽく、ほのぼのした雰囲気で終るので、後味は決して悪くない。

ただ心配なのは、次元に「飲まず嫌い」と言われていた五右エ門が、こんなかび臭いモノを飲んでしまい、余計ワイン嫌いにならないかということ(笑)
口直しに、本当に美味しいワインでも飲ませてあげたいところである。(大きなお世話?)


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送