第134話 ルパン逮捕頂上作戦


結婚

子供の頃から大好きな1作。繰り返し見た回数はかなりに上り、新ルではトップクラスかもしれないほど。
まずルパンたちの顔が可愛いv 特に不二子が美人でメチャ好み。
追いつめられる場面でかかるクラシック音楽も印象的。

また何と言っても内容!!これが好きなのだ。
基本構造はシンプルで、追いつめられたルパンが、土壇場で鮮やかに逆転してみせるという…ベーシックなものなのだが、それゆえにいっそうルパンの「醍醐味」ここに極まれリ、と感じる作品なのである。
また追いつめる相手役が銭形警部であることも嬉しい。


事の発端はまたまた不〜二子ちゃん。
ルパンを「結婚」でそそのかし、国際ダイヤモンド輸出機構の本部から、キンバレー産のダイヤ300億分を盗むよう仕向ける。
ルパンはすっかりその気になって舞い上がっており、二人のハネムーンのための四頭立て馬車をダイヤで飾る気満々であった。
それを聞いた次元と五右エ門が、一瞬言葉を失った後、同時に「ハネムーン?!」と叫ぶところがおかしい(^^)
超余談だが、「国際ダイヤモンド輸出機構」と聞くと、「ルパン」のこの回よりも、断然「パタリロ!」を思い出してしまうのは、多分私だけではないはずだと…(笑)

次元も五右エ門もこの話を「胡散臭い」と思っているにもかかわらず、とりあえずルパンと行動を共にしているところが、個人的にはツボ。ダイヤ盗みに行く途中のトラックの中で、ルパンの妙に浮かれて楽しそうな様子と、二人がムスーッとした顔のコントラストが笑える。
ルパンは、ただでさえ気乗りしてなさそうな二人に対して、盗んだダイヤを全部、ルパンと不二子の結婚式の為にプレゼントしてくれ、とお願いしている。…すっごい高額な祝儀(笑)
それはいいにしても結婚話自体は、ものすご〜く疑わしい。不二子はあまりに「前科」がありすぎる。相棒として「おめでとう」と言えるはずもなく…
五右エ門は不二子を「あの女狐!」と吐き捨てるし、次元は次元で、不二子に毎度騙されてもまだ懲りずにその気になるルパンに対して、「このカボチャ頭!!」と怒鳴りつける。
いや〜もう何から何まで、三人のやり取りはツボすぎる。この話、とにかくそういう箇所が多くて、楽しいのであります。

さて。ボイラー室の燃料を補充に来たとの名目で、本部に潜入したルパンたち。
ダイヤが保管されている金庫室には、殆ど警備らしい警備がされておらず、次元の不信感はますます募る。
が、ルパンは一向に頓着しない。完全に舞い上がってるご様子。金庫に鍵がかかっていないことすらも「善意に解釈」するほどだ。
ルパンの言う善意とは、すべてがルパンと不二子の結婚を祝福している、ということらしい(笑)
まーひとつのことに熱中すると他の事がどうでもよくなるルパンらしいというか(相当「結婚」で頭がいっぱいだったのだろう←?)、いざとなればどんな警備も切り抜けられるという自信の表れとでも言おうか。
ちなみに金庫室に潜入したルパンと次元は、揃いのツナギと帽子着用。これがまたツボv

大量のダイヤを、お馴染みのバキュームで吸い取るルパン。そのスイッチを入れるのは車内の座席下に隠れて待機していた五右エ門の役目。
ルパンの合図で座席下から顔を出し、スイッチを押す時「ハ〜ア」というため息まじりの様子なのがおかしい。五右エ門も「付き合ってられない」と思いながらも、つい付き合ってしまうんだろうなぁ。
ダイヤを次々に吸い込んでいく様子は、相変わらず楽しそう。ルパンファンなら一度はやってみたいコトだ(笑)
そうしてすべてのダイヤをあっさり盗み終えたルパンたちは、不二子の待つ空港へと向かうのだった。
ルパンたちが去った後、国際ダイヤモンド輸出機構の警備員が、どこかへ合図しているのも知らずに。

不二子はスイスで結婚式を望んでいるそうで、パリから一気にスイスまでダイヤを輸送機で運ぶ手はずになっていた。
空港で落ち合う四人。ルパンの想像通り(願望通り、か?)不二子は妙にしおらしく、ルパンを熱く出迎える。
次元と五右エ門が「本気なのか?」「祝言を挙げるという…」と、結婚の意志を問いただす辺りも、妙に好きだ。
一応、不二子はもっともらしく結婚の意志をチラつかせるわけだが…相棒たちがすんなり信じるはずもない。
それをルパンは、もてないからひがんでる、などと言って次元をからかう。浮かれて逆立ちまでしながら(←これがまた可愛いっっvv)
この回前半のルパンの浮かれ具合、あまりにあんまりなお調子者っぷりなのだが、後半あの見事な大逆転劇を演じてくれるルパンだからこそ、こういうシーンも素直に「可愛い〜vv」と思えるのだ。
こうして、どことなく怪しい雲行きながらも、ルパンだけは「スイスへスイスイ」という駄洒落まで飛び出すほど上機嫌で、ダイヤを輸送機に詰み、スイスへ向けて出発するのだった。


構想十年

五右エ門が、輸送機に不二子の姿が見えないことに気づく。ルパンは化粧直し等この期に及んでまだオメデタイ解釈をしていたが、どこにも不二子の姿はない。
「乗り忘れた」という可能性は、「ガメツイ女が!」という次元の一言で却下される。同感(笑)。
乗り忘れたのでなく、わざと乗らなかったのだ。
次元が「化けの皮をはぐ」間もなく、不二子はルパンたちを罠の中に突き落として逃げていった。
輸送機の中の通信機を通じて、不二子がまたしても「ごめんなさ〜い」と告白。ゴールデンサファイアという宝石に目がくらんで、ルパンたちを裏切ったのだ。
不二子を買収したのは、銭形。
今回完全本気モードの銭形は、「構想十年」という大作戦を引っさげて、ルパン逮捕に挑むのである。
最初は「またどうせロクでもないこと」と、大して危機感もなく、やや銭形をバカにしていたルパンだが、今回は少し様子が違うのだ。

不二子はルパンたちを罠に掛け、役目は終わったとばかりに退散しようとしたが、そうはいかない。銭形は、サファイアはくれてやるが逮捕しないとは言ってないと、彼女に手錠を掛けた。
「キタナーイ!ズルーイ!」と大声で叫び、その後「私の知っている銭形警部はそんな人ではなかったわ」と可愛らしく拗ねる不二子。思わず銭形も一瞬ひるむし、心苦しそうな様子になるのだが、やはり今回一味違う銭形は、不二子を解放しようとはしなかった。

いよいよ銭形の作戦が開始される。
まずは輸送機をレーダーでリモートコントロールし、一晩中、ルパンたちをさんざん振り回す。
もちろんパラシュートも最初から用意されていない。脱出不可能である。なす術もなくただグルグル振り回されて、ヒーヒー言ってる三人がまた可愛い!(こればっか)
そして輸送機は、スイスとオーストリア国境の山頂へと誘導され、そこに着陸させられる。
どうでもいいことだが、山頂目指して輸送機が飛んでいる時、五右エ門が「これは拙者の第六感だが」と言っている。109でも「これは拙者の勘だが」と言っているし、五右エ門は自分の推論を述べる前に、こうした前置きをするのがクセなのかしら、などと、妄想してしまう。
「勘」「第六感」と、「きちんとした論理に基づいた推測じゃないが」と言いたげなところが、いかにも律儀な五右エ門らしい。その勘が冴えてるところも五右エ門っぽい。…ホントどーでもいい話ですみません(笑)

ルパンたちが空を振り回されてる一方で、銭形たち警官集団は、オーストリア鉄道で目的地まで移動する。
手錠で繋がれたままの不二子と銭形の距離感や、やり取りも面白い。
不二子はうまいこと、ルパンがこの包囲網から脱出できたら手錠を外す、との約束を取り付けて、最後の望みをルパンに託していた。そんな条件にOKしたのも、銭形の自信がいかに強かったかの表れだろう。

さてさて。ルパンたちを目的の山頂に着陸させると、続いては、世界各国から集めに集めた警官たちが、山裾から完全包囲。
まさに蟻の這い出る隙間もないほどにルパンたちのいる山頂を取り囲む。
取り囲んでる警官たちの姿を遠くから写すシーンの、かなり大雑把な描き方が、いかにも「描ききれないくらい大勢いる」っぽい感じがする(笑)
銭形が10年かけただけあって、よっぽど念入りに根回しをしたのだろう。「国連の要請」として各国警察官たちは動いているのだった。
また、単なる人海戦術でもなかった。
最新兵器も導入し、ルパンたちに攻撃を仕掛けていく。今回は人名尊重という銭形の普段のやり方すら捨てて、徹底的に容赦なく包囲、攻撃をする構え。
死にたくなければ降参しろ、というわけだ。
早速、戦車から迫撃砲が撃ち込まれる。
それを見上げ、怯まず片っ端から斬っていく五右エ門がカッコイイ!!
攻め込む警官たちを、地の利を生かしてどうにか近づかせないルパンと次元。
だが、あまりに多数に無勢である。
輸送機の燃料は完全にカラッポ。山の下は完全に警官たちに囲まれ、さらには迫撃砲が降り注ぐ…
どこにも逃げ場はない。逃げる手段もない。
ルパンたちは徹底的に追いつめられていたのである。


飛んだ!

銭形の居ぬ間に足で(!)スイッチを入れ、ルパンと連絡を取る不二子。
彼女は銭形との約束により、ルパンと運命共同体になってしまっているので、必死にはっぱを掛ける。
自分でルパンを追いつめておいて、まったく勝手だなぁとあきれてしまうんだけど、なぜか可愛いので許しちゃう(笑)
銭形によって、その通信はすぐに断ち切られるのだが、再度不二子から結婚するとの言葉を聞き、ルパンもようやくやる気になったようだ。

が、その瞬間不発弾が輸送機の屋根を突き破り、ルパンの真横に落ちてくる。五右エ門が斬り損ねたのだ。
この時のルパンの「ごえもーーーん」という叫び、イントネーション、大・大好きvv
不発弾で良かったなという、五右エ門の返答もイイ。

警官らと撃ち合っていたルパンと次元だが、いよいよ形勢が悪くなる。弾数にも限界がある。
何とかならねーのか、と次元はルパンにせっつく。
毎度のことなので今更何とも思わないが(笑)、とにかく次元も(多分五右エ門も)「頭脳労働はルパンの役目」と割り切ってる様子。
まあ、ワガママし放題、不二子に騙され放題で相棒には迷惑かけてるんだし、ここはルパン、天才の意地の見せ所である。
ただこの時点では、不二子にも次元にも「(逃げ出すったって)どーやって?」と聞き返しているところをみると、まるっきり手段が思いついていなかったのだろう。
確かに、どうしようもないのだ。手持ちの武器はそれぞれの拳銃と刀だけだし、その弾もつきかけ、刀の切れ味も落ちてきている。
追い討ちを掛けるように、空からの攻撃も始まった。ご丁寧にそのヘリには装甲版が張ってあり、マグナムでも撃ち落すことが出来ないシロモノであった。
ルパンたちは外で防戦することもまならず、ついに輸送機の中に篭ることに。
輸送機は攻撃にさらされ、穴が開き、どんどん壊れていく。やがて身を隠していることもままならなくなるだろう。
またまたさらには、ダイナマイト班により、山の切り崩し作戦も始まっていた。
時間がない。

普通、こうなってしまっては「降伏」か「討ち死」しか道はない。
五右エ門は、「死に花だけは武士らしく」警官たちの中に斬り込むことを決意する。後者を選択したのだ。
が、それはルパンによって軽く一笑に付されてしまう。
「相変わらずロマンチストだねぇ、あーたも。そんな精神とは早くオサラバしないと、激動の80年代乗り切れないよ」と。
ここは、絶望的状況に立たされた時のルパンと五右エ門のスタンスの違いが非常によくわかるシーンなので、とっっても気に入っている。
ルパンにかかると、五右エ門も次元も「ロマンチスト」だ(次元は58話のラストで言われている)。
五右エ門は「己の死に様」に、次元は「恋愛」に、ロマンを見出しているようにルパンには思えるのだろう。盗みにはひとときのロマンを感じることはあるにせよ、多分彼こそは徹底的なリアリストゆえに。
…と、この辺のポイントは、語り始めるとすごーく熱くなってしまうので(笑)またいずれ機会を改めたい。

ルパンが軽口めかして五右エ門の斬り込み案を退けた時、遥か遠くを走るオーストリア鉄道、トランス・サルピン号が目に入る。
それをキッカケに、ルパンの頭脳がいよいよ回転(素敵!!)。
失敗しても「とっつあんにごめんなさいするよりはマシでしょ」と、この辺のさり気ないプライドの高さが、最高に、猛烈に好きなのである(惚)
ルパンはがらくたを集めて何かを組み立て始める。
まだルパンの意図が見えない次元は、こんなので遊んでる場合じゃないとぼやくのだが(ぼやいたり気をもんだりしながらも、きっと「何かしでかし始めた」と相棒を見守ってる部分があるように感じられる。←妄想しすぎ??笑)
ルパンは平気な顔で作業を続ける。この時「あんまり退屈なんで」という、ルパンのこの余裕も、たまらない。

ありあわせの材料で、スコープ付きの「クロスボウ」を作り上げると、1キロメートル先に通る列車に狙いを定める。
通過していく列車の最後尾目がけて、三人がかりで引き絞った鋼鉄の弓を、一気に放つ。
狙い違わず列車の屋根に突き刺さる。「矢」についていたワイヤーがピンと張る。
そうしてボロボロの輸送機が列車に引っ張られて……飛んだのだ。
極限まで機体が軽くなっていた輸送機は、見事空へと逃げ去ったのだ。
さっすがルパン!本当に痛快!
相棒たちの、しみじみとした驚き方もいい感じである。

銭形もポカンと驚いているが、気を取り直して追撃を命じる。……が。
ここへきての詰めの甘さが痛恨。ヘリなどすべての燃料がなくなってしまい、ルパン追走は不可能となった。嗚呼、哀れ。
銭形の作戦ミスに関しては、キャラ論の銭形のページで語ってるので、興味がある方はそちらもどうぞ
予算とか、いろいろ難しい問題があったんだろうなぁ、この作戦。
だが国連まで動かした銭形の熱意だけは、立派なものであることには違いないだろう。
ルパンが逃げたことで、不二子も解放するハメに(←本当に約束守るところが義理堅い)。
嬉しそう(そして得意げ)な不二子と、悔しさのあまり手錠すら食いちぎるほどの銭形の落差がスゴイ。

無事に逃げたルパンは、まだ結婚式に夢を膨らませている。
だが、列車に引っ張られたまま飛び続けていた輸送機は、トンネルに激突。
完全に機体は壊れ、中に積んでいたダイヤも空に散ってしまった。勿体無い〜(笑)
だがダイヤのことなどあまり気にする素振りもなく、「ちゃんと着陸できたんだからいいじゃない」と鷹揚なルパンが本当に魅力的vv
不二子との結婚式、ハネムーン用のダイヤがパーになってしまったというのに、この様子…となると、元々どこまでルパンが本気になっていたかも怪しいところか?(笑)
ノせられたフリして、あれこれとスリルを味わうことこそを、ルパンは楽しんでいるのかもしれない。


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