第135話 毒薬と魔術とルパン三世


毒のトリオ

タイトルや道具立て等はシリアスなのに、案外コミカルなある回。
ルパンたちの台詞や動作が可愛いことが多く、そういう意味では気に入っている(絵柄は好みではないけど)
オドロオドロしく話を進めても面白かったかなという気もするが、こういうトーンでも良かったと思う。
この話で一番意見が分かれるとしたら、ボルジア家の毒薬によって数時間だけ女になってしまった銭形の扱い方なんじゃないかと思うのだけど…
私は正直「ああ、銭形をまたまた道化にしちゃったよ」と残念な気持ちもあるにはあるのだが、あの件りが話の筋にまるで無関係なまま終わったわけではなかっ たし、何より納谷さんの演技に惚れ惚れするので、トータルでは(この回に限り)激しく嫌だとは思っていないようだ。←自己分析の結果


さて。ルパンのアジト前に「KC BAHER」とロゴの入った車が近づき、怪しげな男二人が降りてくる。彼らは何やら器具を取り出すと、アジトの方へと近づいていくのだった。
そんなことは露知らず、ルパン・次元・五右エ門の三人は、大量の食品を買って帰って来る途中であった。
後部座席で、メモを読み上げる次元「じゃがいも10個…」、それに答える五右エ門「ござる」。いちいち確認している律儀さが、無性に可愛い!
そんでもって、このシーンで五右エ門がケチャップ嫌いであることが判明する。「嫌いでござる」。
五右エ門がケチャップを好まないのは、古き良き日本食をこよなく愛する五右エ門らしいと、とても納得のいく好き嫌いである。

こんなことしているのも、不二子が手料理を振舞うと言い出したかららしい。ルパンは「不二子の手料理は世界一」と早くもウキウキしている。
五右エ門は多分、せっかくの手料理なのに洋食メニューだったのが、お気に召さなかったのかもしれない(笑)
それにしても、材料費だけでマキシムにいけると次元に言わしめるほど、一体どれだけ高級材料を買ったのだろう!
さすが不二子、材料までゴージャス。
だが、不二子がこの時点ですでに企みを抱えていたことは後に明らかになるので、手料理するからと買出しを頼まれたのは、ルパンたちを少しの間アジトから追い払っておき、テレビ放送の仕掛けをしておくためだったと思われる。

ルパンたちが家に戻ると、不二子は料理本をそっちのけで、テレビに釘付けであった。
彼女が見ていたのは、稀代の毒殺魔で終身刑に処されている、ルクレチア・ボルジア4世が所有する名高い宝石が、近々公開されることになったというニュース番組だ。
時価数百億するという、「毒のトリオ」という三種類の宝石。不二子の目が早くも輝いている。
一方で、ルパンは宝石よりも、テレビの美人アナウンサーに鼻の下を伸ばしていたし、次元はさすが情報通らしく、代々毒殺を続けて財を成したボルジア家がこわ〜い一族であることを解説するなど、男衆がそれほど食いつく様子はなかった。

が、不二子の説得はさすがに上手だった。
まずは数百億という宝石の莫大な価値を繰り返し、続いてこのニュースを見ていたのはルパンだけではないと、何気なく闘争心を煽り、「ルパンが出遅れたとあっては値打ちが下がるんじゃない?」と世界一の大泥棒のプライドをくすぐってみせる。
案の定、ルパンはその気になって、公開前に宝石の下調べをするため、すぐにボルジア家へと向かうのだった。

次元と五右エ門は、この時点ではあまり乗り気ではない。
だが重要なのは、ちゃんとルパンについていってるところ。何だかんだ言っててもよっぽどの理由がない限り、相棒たちはルパンを見捨てて立ち去ることをしないのだ。そんなところが好き^^

ボルジア家に向かう車内でおかしいのは、ルパンと次元の会話。
毒薬の扱いに長けたボルジア家の宝石だからと、「触れた途端に手が腐るなんて御免だぜ」と次元が言えば、「次元なら大概の毒はきかないよ」と呑気に茶化すルパン。「何ッ?!」という切り返しも、長年のコンビっぽくいいテンポ(お笑いじゃない)
一方五右エ門はマイペースに会話に割り込む。「無計画すぎる」とルパンのイキナリの行動に批判的だ。
ルパンは拗ねたような顔をして、「お前ら最近、反対が多すぎるぞ!」と一喝する。
この言葉を検証してみると、確かに133話、134話と、次元・五右エ門がルパンに異を唱える回が二回連続で続いていた。もしこれを踏まえてのちょっとしたお遊び台詞なのだとしたら、余計楽しい。

この後相棒二人はあまり反対の言葉を重ねなかったと見え、ルパンは一路ボルジア家へと走り続ける。
かなりの長距離らしいのに、運転はルパン一人が担当(笑)。しかも次元も五右エ門も、道中寝ちゃってるようだ。なんか、すごい自然な感じで微笑ましい。文句を言わないで一人運転しているルパンもイイ^^

夜が明ける頃、ボルジア家に到着。どことなく不気味な雰囲気漂う城である。
そこへ、空飛ぶじゅうたんがお出迎え(!)
乗っていたのは、ルクレチアの甥・ガルタンで、インド魔術を学んだゆえこうした術が使えるのだとか。
ガルタンが「インド魔術を学んだ」と自己紹介したのに、そのすぐ後ルパンは「さすがインド手品」と言っている。
ルパンにとっては、こうした小手先のトリック技(に見えたのだろう)には「手品」という言葉の方が相応しく思えたのかもしれない。

ここで、ガルタンはルパン来訪の目的をすでに知っていて、「手品」と茶化されたからではないだろうが、自ら種明かしをしてみせる。
ルパンらがここへ来るきっかけになったニュース番組は、ガルタンが仕組んでルパンのアジトにだけ流れるようにしたものだったのだ。仕掛けをした「KC BAHER」の車と、その中からは美人アナウンサーが、悪びれずにルパンの前に現れた。
五右エ門は「もしかしたら不二子のヤツも一枚かんでいるかもしれん」と察し、実際それは当たっているのだった…

要するに、ルパンたちはガルタンにこの屋敷まで宝石を餌に呼び出されたも同然だったのである。

その目的はといえば、義理の姉であるルクレチア・ボルジア4世を、パリの刑務所から救い出して欲しいと依頼するためであった。
身内をずっと獄中へ置くのは忍びないから脱獄させたいのだが、どんな手を尽くしても失敗したので、いよいよ最後の手段としてルパンたちの腕を見込んで頼みたいとのことらしい。
意外にも…ルパンは躊躇する様子なく、「報酬は高いよ」と答えた。
提示された報酬は二種類。
ボルジア家秘伝の毒で、それ水にを垂らすと水中の魚は瞬く間に骨だけになってしまうという猛毒。
毒の威力に驚いた三人のシーン、そのうちのルパンと次元が、一瞬肩を組んでいるようにも見える。互いにしがみつくほど驚いたのかと、ちょっと可愛らしい^^
もう一つ提示された報酬は、「毒のトリオ」と呼ばれる三種類の宝石…毒の花(200カラットのルビー)、毒の星(200カラットのサファイア)、毒の女王(125カラットのダイヤモンド)。
ルパンたちは当然、宝石の方を選んだ。

ところで。
こんな風に騙されたような形でここへ来ることになったというのに、ガルタンに含むところはあまりないらしい。
この回のルパンは、全体的に深くものごとを考えてない感じ。報酬の宝石が魅力的だったのだろうか。
…個人的には、この頃少し暇だったから、ちょっとした刺激が欲しかったのかなぁと思ったりするのだけれど(笑)
用心しているのは、ルパンよりも次元のようで、「騙しっこなしだぜ、ガルタンさんよ」と牽制しているし、後に発信機が役立ったと言ってるのも次元である。頼りになる相棒だ。


ルクレチア・ボルジア四世

余談だが。ボルジア家というのは、元はスペイン郷士の家柄で、やがてローマ教皇まで輩出するようになる一族。
イタリアでのし上がっていく過程の権謀術数のせいか悪名高く、「ルパン」の作中でも代々毒殺魔が出る怖い一族云々という設定なのも、その辺から来ているの だろう。実際、かのチェーザレ・ボルジアは暗殺のため、毒の専門家で科学者セバスチャン・ピンソーンを召抱えていたという。
作中に出てくる「ルクレチア・ボルジア」というのは、教皇アレッサンドロ2世の娘でチェーザレ・ボルジアの妹。
最終的にフェラーラ公夫人に納まったはずだから、彼女の「4世」というのはちょっとアレなんだけど(笑)、生き残った子供のうちに娘が一人いたみたいなので、可能性があるとすればその血筋?
なんて、本当は歴史と「ルパン」世界は関係ないと、しっかりわかっているのだけれど、こういう妄想も時には楽しい←単なる個人的趣味(笑)

話を「ルパン」に戻すと。
ルクレチアを脱獄させるために、ルパンたち三人があえて刑務所に入ることになる。
いつもだったら自首したり、わざと銭形に捕まったりすることろなのだが、今回はなんとガルタンが銭形に変装してルパンたちを刑務所に護送するのだった。さすがインド手品。変装までお手のものらしい。

すごいのは、この銭形の変装がバレなかったことだけではない。
ルパンたち三人は一本の鉄棒でで繋がった形で捕らえられていくのだけど、そのまんまの状態で牢にぶち込まれるのだ。身体検査も何もなし!
天下のルパンを捕まえたというのに、どういう杜撰さだろうか。
さらには、部屋は三人一緒。
しかも、この刑務所ルクレチアがルパンたちの部屋の二つ先、というくらいだから、男女の房が分かれてもいないのだ。ホントにテキトー極まりなくて、笑ってしまう。
…もしかして、パートIII・29話でルパンが「パリの刑務所はドブくさい」と言っていたのは、ここのことなのだろうか。こんなに杜撰な管理されてる建物だったらドブの匂いくらいしそうだなと、ちょっと納得(笑)

でもルパンたちにとっては、このいい加減な管理体制は大いに役立った。
鉄の棒の中には、斬鉄剣が仕込まれていたし、様々な道具を身に着けて持ち込んでいたからだ。
五右エ門は斬鉄剣を取り出すと、ルクレチアの部屋まで、部屋の壁を切り裂いて進んでいった。
間の部屋に居た男は、こんな風にとんでもない闖入者に出会うわ、五右エ門に「どかぬと一緒にぶった斬るぞ」と脅されるわ、両側の壁を壊され部屋がめちゃめちゃになるわで、お気の毒。

こんな風に荒っぽい手でルクレチアの元に辿り着いたルパンたち。
しかしルクレチアは肝の据わった婆さんで、またガルタンに頼まれたんだねと一向に動じず、一緒に脱獄することを拒否するのだった。
なお脱獄を勧めるルパンを振り返ったルクレチア、なぜかその顔は銭形にそっくりで、五右エ門には「おぞましい顔じゃ」と言われてしまう。

ガルタンの話と微妙に食い違っており、少し戸惑う三人なのだが、計画決行時間が迫っていたし、とりあえずは脱獄させることを優先する。
次元が、準備してきたジェットエンジンのようなモノを、ベッドの足にそれぞれ取り付けると、ルパンは薬で眠らせたルクレチアをベッドの上に寝かせる。続いて五右エ門が、またもや斬鉄剣で刑務所の壁に斬り込みを入れた。
五右エ門自身言ってるように、刑務所のシーンはホントに「斬鉄剣の大安売り」状態である。
そうして、ルパンたち三人もベッドの上に乗れば準備完了。
ジェットエンジンが時間になると強力に噴射し、壁にぶち当たり、ぶち抜いていく。
それだけに留まらず、ルパンたちを乗せたベッドは、噴射の向きを変えて空を飛んで刑務所の塀も越えれば(!)、ガルタンの待つ護送車の後部へ軟着陸も出来るのだった(!!)
何と言おうか……すごいなぁ、空飛ぶベッド。

無事にルクレチアを脱獄させたルパンは、ガルタンに報酬を要求するが、ちょうどその時上空にヘリコプターが現れた。そのヘリコプターから、まきびしがばら撒かれ、彼らの乗った護送車をパンクさせるのだった。
車の外に下りて、まきびしを払いのけるルパンたち。次元はまんまと踏みつけて痛がってる。
忍者が使っていたというまきびし(by五右エ門)を見て、「だいたいの見当はついてきたぞ」。次元と五右エ門の頭に浮かんでいたのは、ヘリを操縦する峰不二子の姿だったのだろう。
さらにはご丁寧にも、そのまきびしには「MADE IN JAPAN」の文字まで書かれていたらしい。なにもそこまでヒントくれなくても。

タイヤのパンクを直すとか何とか言って、ルパンたち三人を遠ざけていたガルタンは、その隙に車ごとヘリコプターに引き上げられ、あっという間に去っていってしまった。
ヘリコプターはガルタンとグルだったのだ。やっぱり、相棒たちの当初の考え通り、不二子とガルタンは組んでいたのだ。
報酬渡すのが嫌で、ルパンたちを利用するだけしたら置き去りにするということだ。見た感じからして卑怯臭ぷんぷんのガルタンだったが、やっぱりその通りの人物であった。

が。そんなことはすでに慣れっこになっているようで、次元は仕掛けておいた発信機が役に立ったと満足げだった。
次元さん、Good Job!
(どうでもいいけど、ここまでで「すごい、さすがルパン」という場面がないなぁ…)


ボルジア家の秘宝

ルクレチアを追跡しているのは、ルパンたちだけではなかった。
フランス警察も、まだ莫大な宝石を所有しているといわれるルクレチアがこんな風に連れ去られる可能性を考慮していたと見える。彼女のイヤリングに、発信機をつけていたのだった。
そこに同席していた銭形は、ルクレチア脱獄にルパンが絡んでいたこと、そして銭形その人までも関係していたとの報に戸惑うばかりだ。当然、銭形に心当たりはないのだから。
しかし警察署長(?)はずけずけと、変装なのはわかってるが、ルパンたちにおちょくられているんだよ!と、銭形を罵倒する。
そして、ルクレチアとルパンたちを捕まえて来いと命ぜられるのだった。ちょっと可哀想かも(^^;

怒りに燃えて、銭形は発信機が指した場所――コートダジュールの海岸沖に浮かぶルクレチアの別荘へと向かった。
その様子を、同様に追って来たルパンたちは目に留めていた。
それはそうと、別荘の様子を伺っていたシーンで、五右エ門が「憎っくき峰不二子め」と呟いているのが、わりと印象的。この回、刑務所内の壁を斬る時とか、静かながらちょっと殺気立ってる感じ。
もう一個余談。
別荘へ向かうルパンが「そろそろ俺たちも行こうじゃん」等、語尾に「じゃん」を二度つけて喋っている。
この時期、横浜言葉の「〜じゃん」って流行ってたんでしたっけ?(相変わらず疎い。ボンヤリ生きていた私;)

その頃別荘では、メイド姿に扮した不二子が、「峰不二子お手製のシチュー」をルクレチアに振舞おうとしていた。
これって、ルパンたちに買わせた材料…では、さすがにないだろうが(笑)
ルクレチアは頑なで、ガルタンと手を組んでる不二子に心を許そうとはしなかった。

そもそも、ルクレチアが刑務所にいたのは、自ら望んでのことだった。
ガルタンが拷問にかけてまで、ルクレチアからボルジア家の秘宝のありかを執拗に聞き出そうとすることに耐えかねて、安全な刑務所に逃げ込んだというのが、真相だったのだ。
不二子はすかさず、自分が味方になって守ってあげると持ちかけるのだが、そんな抜け駆けを許すようなガルタンではなかった。
現れたガルタンに毒のトリオを渡すよう、銃を向けて迫る不二子だったが、インド魔術であっさり逆襲にあう。カラフルなテープでぐるぐる巻きにされた上に、宙吊り状態で放置されてしまうのだった。

邪魔者の不二子を片付けると、ガルタンはルクレチアに自白剤のようなものを打ち(ボルジアの毒の一種らしい)、宝のありかを白状させようとする。
…こんなものがあるんだったら、拷問なんかせず最初からさっさと使えば良かったのにと思うんだけど。まあ、年老いた伯母に毒物を打つの拷問するのも、いずれにしてもヒドイことではあるが。
とどめの台詞もまたまたあくどい。白状し終わったら、ルクレチアの好きなところへ行かせてあげると囁き、「刑務所でも、地獄でも、ね」と続く。

さて屋敷に潜入したルパンたちは、ボルジア家の毒薬が保管されている部屋で、その種類の多さに圧倒されていた。
そこへ現れたのが、同じく忍び込んできていた銭形。
邪魔をされたくなかったからか、ルパンはその時手にしていた「男を女にする薬」を銭形にそっと吹きかける。
そのラベルを読んだ時は「わ〜オソロシ」と言っていたものを銭形に使うとは(笑)
その隙に三人は逃げ出す。次元はちょっと銭形を心配していたが、数時間で効果が切れるから大丈夫とルパンは涼しい顔。
ここまでくると、毒薬というか摩訶不思議な秘薬って感じになってくる。

その薬の効果は即効・絶大で、銭形はすぐに女性化してしまう。上手い具合にそこにあった女性のカツラをかぶって鏡を覗き込み、「カワユイ」としなを作ったりしてしまう…。ああ、おいたわしや。

ルクレチアの方も、薬の効果が現れており、言いたくもない宝石のありかをついに喋り始めていた。
隠し場所は、別荘の近くにある灯台。キラキラ光るレンズに、宝石が埋め込まれている…
それを聞いたガルタンは、素早く駆け出して灯台へ向かう。ルクレチアの話が続いているのも気づかずに。

話には続きがあり、その宝石をレンズから無理に外すと、空気が入り、中に置かれているボルジア最後の毒薬である薬品と化学反応を起こし、大爆発する仕組みになっているのだ、という。
宙吊りになったままそれを聞いた不二子は驚愕、ガルタンは間違いなく爆発に巻き込まれるだろう。

そこへ現れたルパンたちに、不二子は「ガルタンが危ない」と訴えるのだが、ルパンはちっとも気にとめない。ガルタンには騙され利用されているわけだから、ルパンらしい当然の反応だろう。
ここで次元が不二子に対して、「今回もいろいろとやってくれたな、あとできっちり話をつけさせてもらうぜ」と威嚇するのが、なんだかおかしい(^^)
が、不二子に救いを求められると、ルパンはやっぱり甘い顔をしてしまうわけで。
「不二子も悪気じゃなかったんだから」と、とりなすが、次元はすかさず「悪気だよ!」。ナイスつっこみ。

ルパンたちはガルタン放置の方向だったのだが、そうは言っていられなくなった。
女性化した銭形(五右エ門曰く「銭形のとっつあんのなれの果て」)が、ガルタンを見初めて(!)後を追っていってしまったのだ。このままでは銭形まで爆発に巻き込まれてしまう。
ルパンらは後を追った。

宝石を見つけ夢中で取り出したガルタンは、追って来たのがルクレチアだと思っていたようで、最初はちっとも気に留めていなかったが、「素敵」とキスされるに及んで、異変に気づく(笑)
さすがに変装した経験があるだけに、“彼女”が銭形だと見破ったが、猛烈に迫られてどうにもならなくなるガルタン。
女になって男に迫る銭形、という光景は、本当の彼の姿を考えると「ううーーん;」と頭を抱えたくもなるけれど、ここは一つ、納谷さんの可愛らしい女性風の作り声とノリを楽しもう。
どうでもいいけど、銭形って女性化しても目的に向かって一直線に迫る気質は変わらないらしい。追って追って追いまくり、迫って迫って落とすタイプのようだ(笑)
「ダメ、逃がさない。逮捕!…ナンチャッテ」辺り、本当にユーモラスで笑える。

そこへルパンが、ガルタンの魔術で棒状にしたロープをよじ登って、灯台へやって来る。
ルパンに宝石を横取りされると思ったのか、ガルタンはロープを元に戻す。危くそのまま地上に落ちるところだったが、ルパンは素早く灯台の縁を掴んでそれを逃れた。
一生懸命ルパンが「ここは爆発する」と警告しているのに、ガルタンも銭形も聞く耳を持っていない。もう毒薬が化学反応を起こし始めていて、時間がないというのに。
ガルタンに抱きつくが邪険に突き飛ばされた銭形は、ルパンに羽交い絞めのような形でキャッチされ、そのまま海へとダイブ。そのお陰で、二人は無事だった。
直後、灯台はロケットのように空へと飛び立ち(!!)、空中で大爆発を起こすのだった。
ガルタンも、ボルジア家の秘宝も、地中海へと消えた。


こうして、ボルジアの秘宝は手に入らなかったが、ルパンたちにはすることが残っていた。
不二子へのお仕置きである(笑)
「許さないぞ、不二子」といかにも楽しそうな次元。ルパンが庇うかと思いきや、そんなこともなくて、一緒になって不二子(相変わらず宙吊り状態。術者が死んでも効果は残るらしい)に迫る。
三人が決定したお仕置きの内容は、ボルジア家最後の毒薬のオマケを、不二子に使うというものだった。
薬をかけると、不二子を拘束していたテープみたいなものが溶け、宙吊りからも解放された。身軽に着地する不二子、カッコイイと思ったら…
毒薬の効果で、服がペロンと破けて胸から下が丸見えになってしまったのだった(パンツ無事でよかったね)
五右エ門はさすがに目をそらしていたが、次元とルパンはしてやったりの様子。次元なんかピースまでしちゃって、ホント楽しそう。この悪ガキどもが…という感じ(笑)

これまで、裏切った不二子に対して様々なお仕置きをしてきた三人だが、今回のが一番セクハラ度(笑)が高い。
122話と似たようなノリのお仕置きだが、あっちは脅かしておいて服だけを斬ってビキニ姿にしたに留まり、こちらは胸まで出させちゃってるわけで。でもまあ不二子が悪いんだから仕方ないのか。

そしてルクレチアは、といえば。
銭形に連行されて元居た刑務所に戻ることになった。長年住んだせいで、居心地が良くなったのだとか。
銭形のモーターボートにルクレチアを乗せる時、さり気なく手をとってサポートし「気をつけてね、おばあちゃん」と声をかけるルパン。この紳士的態度がツボ!やっぱり婆様キャラは美味しい(笑)
だがそこでルクレチアが一言。彼女はルパン二世の大ファンだったそうで「あんたよりずーっとハンサムだったよ」と。
軽くいじけるルパンをひじで突っつき、「しっかりしろぃ」と発破をかける次元。このシーンも美味しい。
この回は、ルパンと次元のお笑い的掛け合いが多かったように思え、そこも見所であろうか。

ルパンたちに世話になったからと、今回だけ逮捕を見送ることにした銭形(義理堅いね、相変わらず)
薬の効果が残っていた彼の掛け声「いくわよ〜」で、ジ・エンド。赤面する銭形が、やけに可愛い。


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