第44話 ボクたちのパパは泥棒


ハジけた次元

多分、PARTIIIの中で、最も女性に人気の高い作品の1つかと思われる(笑)。
子守している3人が見られるのは、極めてレアな上、その様子が非ッ常〜にカワユイので(笑)、毎回難しいこと抜きにニヤニヤ笑いつつ楽しんでしまう作品である。
しかし実を言うと、私は「ルパンと子供」というシチュエーションは苦手なので、この話も最初に観た時は私の中で「嫌い」な話に分けられていた(私にとってのパースリってこんな感じの話、多いなぁ)。
だが、今はとても楽しい作品でだと思っていて、「何か気楽な話が観たいな〜」という時に、よく鑑賞していたりする。
とにかく、要注目は次元はハジケっぷりだ。
パースリ次元は、歴代テレビシリーズの中で最も明るくハジケてるが、中でもこの回の次元のノリは最高潮なのである。

深夜穴掘りに向かうルパンたち。
次元と五右エ門はこの格好に不満タラタラのようだが、3人のお揃いの作業服&ヘルメット姿は、メチャクチャツボ!中でもルパンは、どうしてこんな服までこれほど似合うのか、不思議になるほどである(笑)
この格好と肉体労働にあまり乗り気でない相棒とは反対に、ルパンは妙に乗り気でご機嫌な様子。
ルパンたちの今回の「ターゲット」である、ホテルのドアマンに気軽に声をかけたりしている。(お高くとまったドアマンには無視されたけど)

そのホテルでは、全米の宝石商が集まって開かれる展示会の準備が進んでいた。
そこに、宝石商の一人・マッケイの連れとしてちゃっかり入り込んでいる不二子の姿があった。
不二子とマッケイは今回、いい仲になっていたようだが、まあ不二子の目的は当然宝石だということは、すぐにわかるところ。
…それにしても、いくら目が眩むような宝石の数々が展示されていたからといって、それらすべての宝石を盗もうという大仕事を控えているのに、ネックレスをくすねている不二子がどうにも軽薄そうに見えてしまう。
それとも、マッケイにわざと見せ付けた「お茶目」のつもりなんだろうか??
後でまた述べるけれども、この回の不二子はどうも「軽そう」なので、私の好みから言えば「何だかなぁ」と思わずにはいられない。
そしてこのマッケイも腹に一物ある人物。
単なる宝石商とは思えぬ腹黒さ。…だが、そのわりにあまり記憶に残らないのはどうしてなんだろうか。
ちょっと話は逸れるが、どうしてもこのマッケイ、この話を何度観ても名前が覚えられずにいた。
このレビューを書くに当たってようやく覚えた。忘れないように、もう一度連呼しておこう。マッケイね、マッケイ(笑)

さてさて。話をルパンたちに戻すと。一晩中、穴掘り作業に勤しんだ後、マンホールから地上に帰還したルパンの前に、1人の子供が現れた。
ルパンを、「パパ」と呼ぶ男の子。その子は母親と思われる女からの手紙まで持参していたのだった。
……ルパンの隠し子、ついに発覚!!
その時の次元の大ウケ具合は、こっちがひっくり返りそうになるほど(笑)
「キタキタキタキタ、ついにキマシターッ!」という裏声は、「アラスカの星」で渋くキメまくっていた次元さんと同一人物なんだろうかと思ってしまうほど(爆笑)。ま、そこが魅力なんですがv
ルパンは「母親」とされる「メアリー」なんて女は知らないと言っているが、あまりに日頃の行いが悪いからだろう、相棒たちは聞く耳持たずに、結構あっさり納得してしまった。
五右エ門にいたっては「これまでなかったのが不思議なほど」とまで言っている。
その男の子・マークに続き、女の子、そして赤ん坊まで、一気に3人もの隠し子がルパンの前に登場する。
赤ん坊がアジトの前に置き去りにされていたシーンでは、場面がモノクロになるほど。大袈裟な描写に思わず爆笑してしまう。よっぽどその瞬間、空気が凍りついたんだろうなぁ。
その時の、次元の台詞と、裏返った声がまたまた最高。「お前はなぜこの街に来ると欲情するのかッ」…欲情って(大笑)!

しかしルパンにはあまり心当たりがないようである。
だが「いつも一緒だった」はずの次元にすら、あり得ることとされているし…ま、よっぽど行いが悪かったんでしょうねぇ。
しかも「付き合っていた女性」なるものもちゃんといたようで。ルパンはこうでなくちゃv(というのも、個人的に「女好きだがモテナイ」ルパンというのが一番イヤなので、適度に女遊びしているルパンの方が、好みだったりするのである。←どうでもいい話ですが)
こんな具合に、周囲の納得と、強引な子供のノリで、なし崩しにルパンはその子たちの「パパ」になっていくのである。


子連れ泥棒一味

その頃、銭形は長年の勘で(?)ルパンたちが宝石展示会に現れることを見抜いていた。
そこで不二子の姿を見つけ、ルパンが現れることを確信し、不二子をマークすることで、ルパンたちへたどり着こうとしていた。

一方。さんざんルパンに隠し子が登場したことでハジケまくっていた次元だったが、他人事ではなくなってきた。
次元にも、彼を「パパ」と呼ぶ子が登場したのである。その時の次元の驚きようも要チェック。
そして、隠し子騒動は五右エ門にも飛び火する。
ルパンや次元の子供のために、五右エ門が買い物していると(「フケツな」と愚痴りつつ)、そんな彼の元にも彼を「お父さん」と呼ぶ子供が出現するのである。

……憮然としつつも、次元も五右エ門も連れ帰ってきたところを見ると、あながちまるで心当たりがないわけでもなかったのだろうと想像したりして。
後に「どう計算しても心当たりがない」と次元と五右エ門は主張していたが、「計算」しなくてはならないネタ(爆)はあったのだろう。
次元は大いに納得だが、五右エ門もそうなのか、と思うと……実は個人的にちょっと嬉しかったり。
独身のいい歳した男なんだから、イロイロあっても当然のこと、ですよね。まあ「ご清潔」な五右エ門も非常に魅力的ではありますが。
こんな具合に、隠し子騒動が同時多発的に発覚するということなど、どう考えても不自然極まりないのだが、子供のパワーに押されてか、ルパンたち三人は仕方なく「パパ」してしまうのである。
ルパンに3人、次元に2人、五右エ門に1人と、子供だけで6人もいるアジトは大混乱状態。
「女手が欲しいから」と不二子に電話でSOSするものの、今マッケイと二人きりである不二子には、当然断られてしまう。

この回で、私が一番イヤなのは、実はこのシーン。
不二子とマッケイはきっちり男女の仲だったわけで。それがな〜んとなくイヤなのである(単なるワガママ)。
不二子がその時々で色んなボーイフレンドがいたり、恋人がいたりしても全然いいのだが(むしろそれが自然)、個人的に、不二子がマッケイなんかと…というのが釈然としないのである。
宝石目当てで「利用」していたはずのマッケイと、わざわざそんな関係になる必要もないのに、と思うと、どうしても不二子が「軽い」「安い」感じがしてしまって、抵抗がある。
男を焦らすだけ焦らして、うまく利用して、ハイサヨナラ的な、ドライな不二子が私の好みだってだけの話なんですが。
まあ、最初にマッケイに出会った時は利用する気なんかなく、一人の男性として好ましいと思ったからこういう関係になったのかもしれないが、そうであれば尚更、不二子はマッケイに一方的に利用されてしまったことになるので、それはそれで気に入らないのだ。
マッケイがもう少し大物っぽい雰囲気をかもし出していればまだしも、腹黒いだけの単なる一宝石商でしょ?と思うと、不二子が易々と出し抜かれたのが、悔しいというか、納得いかないというか……(不二子贔屓)。

それはともかく。
不二子はマッケイとよろしくやった後に(古;)、彼の宝石を収めてあるショーケースのカードキーをくすねると、展示会場へと向かうのだった。
それに気付いていながら、笑ってるマッケイが、何だかにくたらしい〜ッ(笑)
マッケイが気付いていることになどまるで気付かない不二子は、キャッツアイの如きレオタード姿で宝石展示会場へ侵入する。

ちょうどその頃、子連れのルパンたちも、仕事の最終段階に差し掛かっていた。
宝石展示会場の下にプラスチック爆弾を仕掛けて床を落とし、そこから宝石を戴こうという寸法。
いつもと調子が違うのは、やはり子供が周囲でバタバタと遊びまわっているところだろう(笑)。
赤ちゃんを背負ってるルパンは、妙に可愛い。ルパンはパパぶりが一番サマになっていたりする。そして、何だかんだ言いつつも、きっちり「自分の子」の世話を焼いてる次元も五右エ門もいい感じで、観ていてニンマリしてしまう。
子連れではあっても、そこはルパンたち。ドタバタしつつも確実に計画を進める。
不二子がマッケイの宝石を奪ったちょうどその時、展示会場の床が崩れ落ち、ルパンたちが登場するのだった。
床が崩れ始めた時、不二子がかなり身軽なところを見せ、それがこの回不二子の唯一「らしい」場面のような気がしなくもない。


子役

先に盗みに入っていた不二子と呑気な挨拶を交わし、お構いなしに宝石を奪っていくルパン。
この辺のノリは結構好き。「そっちも欲しい」という不二子に「怒るよ」と答えるルパンが、かなりツボv
盗むだけ盗むと、ルパンたちは不二子を置いてさっさと逃げてしまう。
結局、不二子だけが逮捕されてしまうのだった。…こういうシチュエーションはかなり珍しいだろう。

不二子が「キャラハン刑事」に尋問されている、という状況には、ついついニヤリ。
そこで不二子は、彼女が盗んだマッケイの宝石が偽物だったということを知る。
……マッケイは、最初から不二子の意図はお見通しで、ガラス玉を展示しておきわざと盗ませ、宝石にかけておいた保険金を手に入れようとしていたのだ。
しかも、マッケイの狙いはそれだけではなかった。(なんてヤツだ!笑)

子連れでアジトへ帰ってきたルパンたちを、銭形が待ち受けていた。この時の「初級英語」のような銭形とルパンのやり取りが笑える。
この時の銭形は完全にコミカルなノリ。
ルパンたちが連れている子供たちが、「彼らの子供」だと知ると、急に嘆き始め、ルパンたちを逮捕することも忘れてしまうのだ。
「妻が欲しい〜、子供が欲しい〜」と号泣。「結構家庭に憧れていたんだな」という次元の言葉には納得だが、哀れなような、こんな状況下ではマヌケなような。よっぽどストレスがたまっていたんだろうか。
でもその隙に、ルパンたちは逃げ出してしまうのだから、とっつあん頑張れー!!と言いたくなる。

銭形からは無事逃げ出してきたルパンたちだが、そのどさくさでマークたちは盗んだ宝石を持ったまま姿が消えてしまったのだ。
完全に「パパ」になりきっていたルパンは、迷子か、誘拐かと大いにうろたえ、日頃の頭脳明晰ぶりに翳りが見えるほど(苦笑)。
次元や五右エ門の方が、早く真相にたどり着く。
最初から罠だったのではないか。彼らはルパンたちの子供なんかではなく、宝石を横取りすることを目的として誰かから送り込まれたのだ、ということに。
五右エ門・次元のその考えに、ちょっと不満そうなルパン。よっぽどマークたちに情が移っていたのだろう。

そんな時、マッケイへの怒りに燃え、警察から脱出してきた不二子はパトカーで暴走しながら、ルパンたちの元へとやって来る。
ルパンたちを巻き込み、一緒になって警察から逃げ回る。
「私一人じゃ癪じゃない」と言い切る不二子と、「いい性格してるよ、まったく〜」とぼやくルパンがイイカンジ。ルパンからそう言われて笑ってる不二子はちょっと可愛い。(やってることを冷静に考えたら、可愛いじゃ済まないのかもしれないけど。笑)

ドタバタの逃走劇の合間に、不二子からマッケイに関する話を聞く。
彼と不二子の出会いが彼の経営する「アクターズスタジオ」だと知ると、ここですべてが繋がったのだった。
…それはそうと。この時、ショーウィンドウのマネキンに化けて銭形の目を誤魔化そうとしていた4人。
中でも次元の変装っぷりは、あまりに強烈。ヒゲにピンクのカツラ。すごすぎます。必見。

どうにか警察をふりきって、ルパンたちは問題のアクターズスタジオへ。
そこは突然閉鎖されることになっていた。保険金と宝石を手に入れたマッケイはすべてをたたんで逃げ出すつもりなのだろう。
そこでルパンたちは、マークたちと再会する。
彼らはアクターズスタジオの子役達で、ルパンたちと「お芝居」をしたと信じ込んでいるのだった。
さっきとうって変わって、ルパンを「おじさん」と呼ぶマークに、一瞬「おじさん…」と複雑な様子を見せるルパンがなんとも言えない。
マッケイについて聞きただそうとする次元を押しとどめ、あくまでも「あれは芝居だった」という態度を貫くルパンには、ちょっとグッときてしまう。
「おじさん、マークを本当の子供みたいに思っちゃったもんね」というのは、名子役・マークへの最大の賛辞であると同時に、ルパンの本音でもあったのだろう。
ルパンをもその気にさせたマークは、将来いい俳優になるのかもしれない。

俳優学校も経営していただけあって、なかなか小癪な計画を立て、半ば上手くいきかけたマッケイだが…
結局はルパンたちによって、宝石を奪い返されてしまう。
そして最後まで、あの子供たちがルパンたちの実子だと思い込んでいた銭形に、ルパンたちは追われながら去っていくのだった。

余談だが、いい父親になりそうな順として
五右エ門>ルパン>銭形>次元(理由:現時点で銭形は結局ルパンしか目に入らないので不向き。ルパンが逮捕できれば一番父親向きかも。次元は流れ者だから、子供と家庭は似合わない)
という気がするのだが、皆様はいかがお考えだろうか(笑)。


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