第34話 吸血鬼になったルパン


黄金のマリア像

作品のトーンはそれほどおどろおどろしいものでもないが、所謂「伝奇ホラー」的、とでも言うべき回だろうか。
日本にキリストの墓があるとか、その子孫と伝えられる家があるとか、その村(周辺?)に伝わる歌がヘブライ語に似た響きで…云々という伝説は、そっち系(笑)の話が好きなかたには有名すぎるネタ。
それに加えて、キリストの双子の妹で吸血族のカミーラというゲストキャラが登場し、いろいろと盛りだくさん。
私としては、こういう設定、嫌いじゃない。
原作にも吸血鬼ネタはあるので、本物の吸血鬼が出てきても、それほど激しい違和感はない。(テレビシリーズでも新ル以降は、7話14話にも呪いやゾンビが登場しているし)
ただ何となく、この話にはピンボケのような印象が、正直ある。
どうせやるなら、もっと徹底的に濃厚に「吸血鬼VSルパン一味」の切り口で押してくれても良かった、と私は思っているのかも。
また、カミーラと出会った後のルパンの活躍が、個人的には今ひとつだというのもあるのかもしれない(笑)


日本の平来村で、2000年前の棺が発見される。
その中には、世界最古の黄金のマリア像と、一人の女性が眠っていた。
女性は棺の中で、仮死状態で生き続けていたのだった。
発見した丸木戸博士は、考古学的にも医学的にも世紀の大発見であるこの謎を解こうと、黄金像は自分の研究所に保管し、女性は国立病院へ運ぶことに決める。言うまでもなく、このアンビリーバボーな女性がカミーラである。
どうでもいいけど、どうしてこの博士、マルキ・ド・サドからネーミングを取っているのだろう?(笑)

そこへ登場する銭形。警視庁からの特別任務として派遣され、黄金像の警備に当たる。
いつ何時、ルパンがこの像を狙うかもしれないと警戒している。それはずばり的中。さすがの銭形のカン、というより、ルパンの欲しがる獲物の好みを、よく知り尽くしているゆえなのだろう。
その銭形の帽子を、棺発掘時から周辺を飛び回っていたコウモリのうちの一匹が奪って飛び去る。
カミーラ行くところ、常にコウモリが飛び交い、不気味さを演出している。
コウモリを追いかける時、銭形が自分の帽子を「俺のトレードマーク!」と叫んでいた。…次元と同じく銭形も帽子を自らのトレードマークと思っているようだ。彼もクラシックな男だからか^^

さてルパンの方はといえば。
銭形の推測通り、ルパンは黄金のマリア像を狙おうとしていたのだが、相棒たちの反対にあっていた。
次元はトランプを玩び、一枚引いたカードがスペードのエースだったことで、自分のイヤな予感を再実感している。
どうしてもこの仕事に気乗りせず、胸騒ぎがするのだとか。
理論の人というより感覚的な人だからか、次元は結構自分の「胸騒ぎ」「嫌な予感」といった根拠のないもの(とルパンには感じられるもの)を大事にする。特に新ルではそれが顕著だ。
この時も、わざわざ五右ェ門に占ってもらっている。

筮竹占いも出来る五右ェ門、さすが新ルの神秘現象担当(笑)。彼の占い姿は、77話でも披露されることになる。
占いの結果は、水山蹇。
よくわからないが、とにかくここでは「大凶」の卦なんだとか。
五右ェ門は「君子危うきに近寄らず」と言うのだが、当然ルパンに相棒たちのアドバイスは受け入れられない。
「オレ様の腕前より、非科学的な占いなんか信じやがって!」と怒り、たった一人で黄金像を頂くため出て行ってしまう。この怒り方がルパンらしくて、お気に入り。
占いなんかハナからバカにしている上、危うければ危ういほど近づいてその危険を乗り越えて目的を達したくなるルパンからすれば、相棒の心配も腹立たしいものだったのだろう。
怒りにまかせ、「金輪際一緒に仕事してやんねーからな!」という、上からモノを言う王様発言も可愛らしい(←どこまでもルパンスキー)


その頃国立病院では、カミーラが手当て、保護をされていたのだが、少し目を離した隙に彼女の姿は消えてしまう。
輸血していた針を抜き、その血の跡が、窓の外へてんてんと続いていた。

また、丸木戸佐渡博士の研究室では、銭形が警視庁開発の特殊盗難予防金庫に、黄金のマリア像をしまっていた。
一旦金庫をロックしてしまえば、金庫に少し触れただけでも500ボルトの電流が流れる仕組み。それに加え、常にテレビカメラで金庫の様子を監視するという態勢を取る。
が、ルパンはどこに盗聴器を仕掛けたものか、その話を窓の外の木の上ですべて聞いているのだった。

銭形が警視庁開発の金庫で守るならと、ルパンは彼自身が開発したリモコン銃で受けて立つ。
ライフルのような銃で、特殊な弾を撃ち込む。それはガラスを派手に割ることなく部屋の中に飛び込み、さらに金庫のダイヤル部分にピタリと付く。(ルパンの銃の腕も、当たり前のことかもしれないが相当イイ^^)
ダイヤルに取り付いた機械を、リモコンで操作すると、金庫に触れることなくダイヤルを回すことが出来るという仕組みだ。
これを自分で作ったルパンは、やっぱりスゴイ。


黄金像のある研究所を、丘の上から見下ろす一匹の狼…。
その狼と、無人で走る、棺を積んだ馬車が一台、共に走って研究所へと向かった。
確かに不気味な光景だ。特に無人馬車(馬の顔まで少し怖い;)
それを見ていたのは、次元と五右ェ門。ルパンのことが心配で、後をつけてきたのだった。
…そんなに心配なら、最初から一緒に行けばいいのにと思ったりするけど、そこがまた可愛い(笑)。まあ、仕事自体には気乗りしないどころか嫌な予感プンプンしているわけだし、ルパンの身をこれほど案じていなければ、本来なら近づきたくもないところなのだろう。
五右ェ門がなかなか戻ってこないルパンを心配して、「ヤツめ、何をしておるのだ」と呟く様子が好き。


カミーラ

さて。リモコン銃で金庫のロックを解くと、ルパンはいつのまにか金庫から像を取り出していた。
相変わらず木の上に居たまま、どうやって像を手元に持って来たのか、そのシーンは描かれていないので謎なのだが、金庫のダイヤルを回した、あの特殊な機械が、また変形でもして像を掴んで飛んできたのかもしれない(無理ありすぎ?)
せっかくテレビモニタの前に陣取って金庫の様子を監視していたはずの銭形だが、ラーメンをすすることに気を取られてしまったのか、次にモニタを見たときには、すでに像は消えていた。う、迂闊な;

像をもって逃げようとするルパンと、それを追って表に飛び出してきた銭形の前に、例の不気味な狼が姿を見せる。
銭形を威嚇して足止めし、ルパンに襲い掛かり、黄金のマリア像を奪う狼。なかなか手強い。
像をくわえて去っていく狼のあとを、ルパンは車で追った。
いかにもタダモノではない狼なのだが、この時点でルパンが「(狼を)裏で操っている」と思ったのは、動物に対する訓練を施したヤツがいるといったレベルの発想だっただろう。
そんな様子を、(この期に及んでまだ!)見ているだけの次元と五右ェ門は、再びルパンの後を追った。
銭形もまた、少し遅れてルパンを追うのだった。

馬車を追跡していたルパンだが、カーブの途中で馬車がいきなり止まっていたため、突っ込んでいってしまう。
馬車は大破、乗っていた棺は道路へ転がり出た。
こんな時でも出てくる「このバシャ(バカ)!」というルパンのダジャレ(笑)

が、棺の中に美しい女性が眠っていることに気づき、ルパンは彼女を病院へと運ぶのだった。
運んだ先は、平来病院。飲兵衛のヨッパライ医者がテキトーに「貧血気味」と診察しており、このゆるさが何となく笑える。
ルパンにせっつかれて、もう少し真面目にカミーラを見てみると、彼女の首筋に赤い斑点があることに気づいた。
この医者は「キスマークだろ!」と笑い飛ばすのだが(なんだか憎めないわ〜、この医者)、ルパンはこの時、気づいていたのだろう。
何に、といえば、彼女が吸血鬼であるということに。

先にオチを言ってしまうと、この後吸血鬼になったと思われていたルパンが、実は「吸血鬼用エリマキ」をしていたため、人間のままだったんだよという、「ご都合主義すぎでは!」という展開になる(笑)…のだが。
この赤い斑点を見た時すでに、ルパンが用心していたのだと思えば、多少納得がいく。
徹底的に現実主義者のルパンが、吸血鬼の存在を信じてそれに備えるか?という疑問もあろうが、ルパンもいくつかの怪異を経験した後だし、かつ西洋ではきわめてポピュラーな吸血鬼、ルパンが赤い斑点から連想しても不思議ではない、ような(強引かなぁ)。
生まれつき吸血鬼の牙をもっていたカミーラが、なぜ首筋にかまれた痕があるのか、それはそれで不思議だが。

とはいえ、ルパンは「カワイコちゃん」のカミーラが気に掛かっていたようで、病院で彼女につきそっている。
「くーか、くーか」といわんばかりのやたらと可愛い寝顔で居眠りし(笑)、ふと目を覚ますとカミーラの姿は消えていた。
彼女を探して墓地へ赴くと、彼女の方からルパンに近づいてくる。
(いつの間にルパンの名を知ったのか。医者とルパンの会話を、実は聞いていたのかも?)

「会うは別れのはじめなんてのは、つれないじゃない。オレは本気でお前に惚れてんだから」
と、イキナリ口説き始めるルパン。
いつの間にそれほど好きになったの?とすごく唐突な感じなのだが、美人に目がないルパンであることだし、またさらには黄金のマリア像を奪った狼と関係ありそうなカミーラに探りを入れてるのだろう、と自分を納得させている。
カミーラの方は下心満々で、自分からルパンに「キスしてくれる?」と誘ってくる。
ルパンがメロメロになりながらキスしようと近づくと、カミーラは吸血鬼の本性を現して、ルパンの首筋に牙をむく。

その時、ようやく現れる次元と五右ェ門。
次元の「その接吻、やっちゃならねえ!」という台詞、インパクト大。接吻て(笑)。五右ェ門の言葉遣いがうつったのか。
なぜだかいつの間にか、カミーラが吸血鬼であることを見破った二人は、「その女は吸血鬼だ!」と叫び、五右ェ門は彼女に斬りかかる。
キスの邪魔をされたルパンは怒るのだが、カミーラは本性むき出しのまま高笑いする。
すでにルパンの血を吸い(そう思い込み)、「わが一族の血の洗礼を受けた」と宣言、無人馬車と狼を呼び寄せ、それに乗ると、ルパンと共に去っていく。
カミーラの隣でニヤリと笑ったルパンの口には、吸血鬼の牙が生えているのだった。

ところで、ルパンの方は目的あってカミーラに接近していたのだろうが、カミーラの方はどうしてルパンを仲間にしたのだろう。
2000年ぶりに生き血が吸いたかっただけなのか。吸血鬼に血を吸う理由を求めるのが野暮というものか(笑)


そして、いよいよこの回屈指の強烈なシーンが登場する。
次元と五右ェ門が、夜を徹してルパンを追っていくと、平来村に辿り着く。ここは、棺と黄金のマリア像が発掘された村。
「へぶらいむら」と読むことを知ってる五右ェ門、さすが日本に詳しいと思わせる。

そんな二人の前に現れたのは、田舎のプレスリー!!
吉幾三の「ぜったいプレスリー」という曲を歌いつつ、吉幾三コスをして現れる。チンチクリンな無精ひげ男の正体は、ナント不二子なのだ。
……唐突。あまりにも唐突なこの変装。もはや唖然とするしかない。
なぜ変装して、この村にキリストの墓があると言う伝説があることを二人に告げたのか。
この曲を知らない人が見たら、なおのことワケがわからないシーンだろう。
実は私も良く知らないのだが、77年のヒット曲だったらしく(そんなにヒットしてたっけ??)、新ルでお馴染みの、流行りモノを節操なく取り入れるパターンであり、この変装に意味を求めても無駄なのだとは思う。
それにしても強烈だ。不二子が化けていると思うと尚のこと。

その変装も、五右ェ門にはアッサリ見破られ、全身の変装を切り裂かれた不二子は、下着一枚の姿を露にする。(この回では白の下着^^)
そんな姿にされても動じることなく、「さすが五右ェ門ね」と堂々としている不二子はカッコイイ。田舎のプレスリーだったことも帳消しになるくらいに←こだわってる?(笑)
彼女は、ルパンと同じく黄金のマリア像を狙って平来村へやって来ていた。吸血鬼になったルパンと鉢合わせしており、「薄気味悪い様子」と表現している。実際吸血鬼になっていなかったことを考えると、ルパンの演技力は相当なものだったのだろう。
次元がここで、「可哀想に、ヤツは吸血鬼になっちまったんだ」と不二子に説明するところが、地味だけどツボ^^
また、そう言った後次元が「アーメン」と十字を切り、祈るポーズをしてみせるのも忘れがたい。
信仰心なさそうな次元だが、案外そうでもないのかもしれない。困った時の神頼み程度のものかもしれないが、ルパンに比べると次元には、敬虔な気持ちや、怪異を畏怖する気持ちがありそうだ。

不二子の証言から、ルパンはカミーラと共に、鬼姫山の湖に浮かぶ古い城へ消えて言ったことが判った。
三人は、一緒に城へ乗り込むことになったようだが、あいにくの嵐のため決行できず、山小屋に籠ることになった。
そこでは、次元が大量のニンニクをぶら下げ、吸血鬼に備えていた。
さらには十字架まで用意している手際の良さ。
一方五右ェ門は、吸血鬼の弱点を知らなかったようで、ニンニクの臭いに辟易していた。
魔よけに渡された十字架に対しても、「うちは代々神道なのに」と漏らしている。
54話で、母は観音信仰していたと言っていたが、石川家としての信仰の対象はどうやら神道の神々のようだ。

そんな嵐の中、銭形はルパンを追って城へ向かっていた。たぶん、独自に聞き込みでもして情報を得たのだろう。
意外なことに、銭形はカミナリが嫌いで、しかも高所恐怖症なんだとか。「カミナリ嫌いなのよ〜」という独り言が妙に可愛い。
個人的に銭形のこの弱点はすごく意外だったので、キャラ論の銭形警部の嗜好の項で推論を書いている。


吸血城

その夜。
大量のニンニクに鼻をつまんでイヤそうな顔をする五右ェ門が可愛い(笑)。彼は西洋文化に疎いためか、吸血鬼の弱点について知らなかったようだ。もう一つの弱点である十字架を、次元から渡された時も「我が家は代々神道なのだが」と腑に落ちないような顔をしていた。
気になるのは、145話で「ニンニクと核兵器が嫌い」と言っていた次元が、平然とニンニク吊るしをしていた事だ。
ニオイはわりと平気だが、食べた時の味覚・食感が苦手なのだろうか。

そうやって準備を整えた次元たちの籠る山小屋に、吸血鬼ルパンが迫っていた。
眠っていた三人の元へ、吸血鬼の弱点であるはずのニンニクにもびくともせず乗り込み、ルパンは不二子をあっという間に浚ってしまった。
「ルパン!」とその背に呼びかけ、銃を向ける次元。だが、やはり撃てない。(なんだかこの辺、ちょっとイイ!笑)
振り向いたルパンの顔を見て、ヤツは完全に吸血鬼だと呟き、このままでは不二子まで…と危機感を募らせ、城へ乗り込むことにするのだった。

吸血城に不二子を連れ帰ったルパンは、ピアノを弾くカミーラにそれを報告。
どうやら、本当にルパンが吸血族の仲間になったかどうか、試されていたようだ。
カミーラは不二子をいけにえにして、2000年ぶりに吸血族の真夜中の舞踏会を開くんだとか。彼女の奏でるピアノを合図に、城の地下で眠る吸血鬼たちが目を覚まし地上へ出てくる…
これらのシーン、何となく「そういう雰囲気にしたいんだろうな」という方向性(?)みたいなものはわかる気がするんだけど、どうにもすべてが唐突に感じて、状況があまりピンとこない。だから、あまり怖くもないし危機感もない。ちょっと残念。
基本的には「吸血鬼」伝説のない日本の地下に、洋風の格好をした大勢の吸血鬼が眠っていたというのも、やや強引に思える(ごめんなさい、サラッと流すべき 箇所なのはわかっているのだけれど、この辺のネタは昔伝奇SF小説等でさんざん読んでるので、イロイロ目に付くみたい^^;)

そして、カミーラは問わず語りでルパンに自分の生い立ちを話はじめる。
キリストの双子の妹で、生まれながらに牙を持った吸血鬼であること、父ヨセフに山へ捨てられたこと、狼とコウモリに育てられ、やがて成長した彼女は、イエス・キリストが大切にしていた母マリアの黄金像を奪って、海を渡って日本まで逃げてきたことを語る。
人口冬眠用の棺に入って(!)、2000年間眠り続けてきた。
奪われた像を追って、キリストもこの地へ降り立ち、ここで亡くなったのだという。伝説は本当だったというわけだ。
…う〜ん、すごいな(笑)。2000年前に冬眠用の棺!その他もろもろ、とにかくすごい。


一方次元と五右ェ門は、湖を越えて城に渡るため辺りを見回していると、舟と、渡し守の男を発見。彼からパーティがあるとの情報を入手する。
次元はその渡し守に変装し、五右ェ門はシルクハットに黒いマントという、吸血鬼ルックに身を固めて、二人城へと潜り込むのだった。
この五右ェ門の洋装はかなりカッコイイ。ゴエファン必見(^^)

城では吸血族のパーティが始まっていた。不二子は祭壇のような場所に、手足を縛られ、口もふさがれて寝かされている。浚ってきてそのままにしてるルパンのせいで…(笑)
パーティでは、吸血族の前で演説するカミーラ。もうじきこの世を吸血族の手で支配するつもりになっており、その時こそ母と兄への復讐が成就すると考えていた。
思えば、自分で好き好んで吸血鬼に生まれたわけでもないのに実の親に捨てられ、その一方で双子の兄は後世神として崇められていくのだから、(どうやってカミーラが自分の出自を知ったのかは謎だが)復讐のひとつもしてやりたくなるだろう。

ダンスの最中、パーティに潜り込んだ次元と五右ェ門。ナント二人は、何食わぬ顔をしてるつもりか、二人で手を取り踊りながら、ルパンに近づいていくのだ。
男同士でよけい目立ちそうな組み合わせなんですが!(笑)
「はい、ごめんなさいよ」と吸血鬼たちをかき分ける時の次元の言い方も好き。ここもかなり印象に残るシーンだ。

不二子を浚ったばかりの時は、完全に吸血鬼になってしまったと思い込んでいたはずだが、その後冷静になったら気づいたらしい。ニンニクにびくともしなかったルパンが、吸血鬼になってなどいなかったことを。
ようやくルパンに接することが出来、やはりルパンは人間のままで正気であることを確かめられたのだが、迂闊にも三人は鏡の前に立って会話してしまっていた。
真の吸血鬼は、鏡に映らないのに、三人の姿はしっかりと映っていた。

正体がバレ、吸血鬼に囲まれるルパンたち。五右ェ門が素早く不二子の戒めを解き、手を取って助け出す。
ルパンと次元は銃で、五右ェ門は斬鉄剣で吸血鬼に対抗するが、それらの武器はまったく効き目なし。
14話、50・51話のゾンビと同じパターンである。
それでも何とか4人は城の外へ逃げ出し、追ってくるカミーラに、次元がニンニクを投げつける。
吸血鬼らが怯んだ隙に、五右ェ門が斬鉄剣と鞘をロープでくくり十字の形にすると、彼らはいっそう恐れる。効いてる、効いてる。
斬鉄剣十字架を投げつけると、ちょうどそこへ落雷が!
たちまち吸血鬼たちは炎に包まれ、灰になって消えていくのだった……
斬鉄剣、意外に電気を通しやすいのだろうか。21話でも斬鉄剣+雷という方法で、敵を倒している。

ここでルパンは、ニヤッと牙をむき出しで笑った後、それを取り外して「吸血鬼の真似はオシマイ」と言う。(キバつきのルパンも可愛かった^^)
どうして助かっていたのかというと、首に巻いた吸血鬼用エリマキがガードしてくれたお陰だからなんだとか。チャンチャン。
(きっと、そのエリマキにはルパンの血が少量、ちゃんと入っていたのだろうなぁ。芸が細かい。ルパン、発明好きなのかも?)
ちょっと余談だが。黄金のマリア像が目的だったのだろうとは思いつつも、像のために動いている様子がまるでなかったため、どうしてもルパンが吸血鬼のフリを長々としていたことが不思議に思えてしまう。
どうせなら、原作みたいに本当にルパンが吸血鬼になってしまう話でも良かったのかも…と思う反面、それだとルパンの異変を三人が救助という7話のパターンになってしまうから、これはこれでいいのかなとも思ったり(煮え切らない感想)

最終的に、みんなで話し合った結果、黄金のマリア像は2000年前の元の持ち主、キリストの元へ返すことになった。
教会に像を置いていこうとすると、不二子は未練たっぷりな様子を見せるが、ルパンは断固はねつける。
そこへ現れるのが、ルパンを追いボロボロに疲れた銭形。ルパンと不二子は慌てて隠れる。
薄汚れていて、ついに神頼みになってしまうほど憔悴した様子は、ちょっと気の毒であり、ルパンも同様だったのか、祈る銭形の前にそっと黄金像を置き、神様のフリをしてお告げをする(教会で神様のフリするとは、不敬っぷりも堂に入ってるルパン。笑)
捜し求めていた黄金のマリア像が見つかって大喜びの銭形、声の主はルパン自身だとも知らず、さらにルパンの行方を尋ね、「北北西」とのお告げ(笑)に、元気を取り戻して再び走り去るのだった。
またもや話の本筋にはあまり絡まず、脇でルパンを追っていただけだったが、銭形的には苦手なものオンパレードの道中の末、“神の導き”で目的のものを見出したりして、結構劇的な経験だったのではないだろうか。


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