第35話 ゴリラギャングを追っかけろ


ゴリラ…

新ルのぶっとんだノリというか、「おいおい」と突っ込まずにはいられない設定炸裂の一つ。
ただ、この「ゴリラギャング」という噴飯モノの設定も、特にドシリアスな話の中に組み込まれているわけではないし、適度にコミカルなノリの中で展開していくので、それほど激しい違和感はない(そうかな?笑)。実は私、それほど「嫌い」な話ではないのである。
そもそも、個人的にはこのお話、話の流れが云々といった視点から見るのではなく、キャラクターのちょっとした台詞や動作をちまちまと楽しむのが相応しいと思っている。そうすると、十分すぎるほど楽しめる。
また、何より、この回の不二子のファッションの可愛らしさと言ったら!!これを鑑賞するためにある話だといっても過言ではない(笑)
毎回様々な変装やファッションを披露してくれる不二子だが、「いつもの姿」が一度も見られない、というのは、やや珍しいかもしれない。


さて、ルパンたちがやってきたのは、アフリカ大陸。はっきりした国名は出されていないが、自然豊かで野生動物溢れる場所柄であるようだ。
遥々ここまでやって来たのは、もちろん狙いあってのこと。ロックフード夫人所有の黒真珠を追って、である。
パーティで楽しむロックフード夫人を伺うルパンと次元は、そこで不二子と鉢合わせ。彼女もまた黒真珠を狙っていることを知る。
銭形が警備にあたっていることもあって、ルパンは面倒を避けるつもりだったか、不二子に共同戦線を申し込む。
珍しく素直に受ける不二子だが…やはりその陰には企みが(笑)

そんな時パーティ会場に闖入者が!
その正体は……ゴリラだっていうんだから、驚いていいのか、大笑いしていいのか、よくわからないところである。
まあ実際、自分がパーティしているところに野生(とこの時点では思われてる)ゴリラが現れたら怖いと思うので、慌てふためく人々の気持ちはわかる、わかる。
ただ。このゴリラ、すでにすっっっごい胡散臭いんですけど(苦笑)
会場を荒らしつつも、しっかりロックフード夫人にターゲットオン。ゴリラと見せかけたいんじゃないの?それともバレてもいいやという気持ちだったのか。
そんなゴリラの前に立ちはだかり、身をもってロックフード夫人を庇う銭形は、男らしくていい感じ。
生憎、すぐ「ゴリラに仲間だと思われキスされる」という、ギャグの役回りとなってしまうのだが。
その様子を伺っていたルパンが、「さすがわかってる」と呟いてるところが笑える。
ちなみに、銭形はのちの96話「ルパンのお料理天国」でもゴリラに好かれるハメになる。ゴリラ向けフェロモンでも出してるのかしらん。

で。ゴリラどもは、黒真珠をちゃっかり奪うと、アイコンタクトまでして(!)引き上げていく。
この時点ですでに「ゴリラじゃない度」満点なのだが(実際人間二人にゴリラ一頭のグループだった)、ルパンも気づくことはない。
…うーむ。なんだかすごいなぁ(いろんな意味で)。
ゴリラの知能がどれくらいのものだか、よく知らないから何ともいえないが、よりによってパーティ会場でもっとも高価な黒真珠だけを盗んでいく、なんて芸当がそうできるとは思えない。
訓練すれば可能なのかもしれないが、そんなすごいゴリラが現れたーと驚く前に、「あれホントにゴリラなの?」と、まずは疑う気もするのだが…

それに!さらにすごいのは、ゴリラどもは堂々と車を運転して逃げちゃってることである(大笑)
チンパンジーのアイちゃん並に天才ゴリラだったとしても、車をああも見事に運転したりできないだろう。
彼らには、自分たちがゴリラでなく人間だということを隠す気なんかハナからないのだ、うん、そうに違いない(笑)

黒真珠のために、クルマを飛ばして「ゴリラ」を追ってるルパンたちが、それに気づかず「ゴリラにしちゃアジなマネを」と言ったりしていると、「いい加減気づけー」と突っ込みたくてたまらなくなる。
が、まあこの場合そうしたことはサラッと流し、あのゴリラたちは相当リアルだったんだろう、で済ませよう。
ルパンに匹敵するほど(?)の運転技術を披露し、追いかけっこを繰り広げる。
途中、行き止まりの道からゴリラたちの車は忽然と姿を消す。結局ルパンと次元は、追跡をいったん諦めざるを得なくなった。
この時のカーチェイスといい、消えたトリックといい、他愛ないといえば他愛ないのだが…
タイトルが「ゴリラギャングを追っかけろ」なのだから、タイトルに偽りなしということで。これでいいのだ。


可愛い!!

ところで。登場した時から、不二子の格好はえらく可愛い。
いつもと違って、やや強くカールのかかった髪にバンダナ、それとお揃いのブラウス、それにキリンみたいな柄のスカート。
色合いといい、髪型といい、柄といい、どこかアフリカンテイスト。ストライプのうちの一色と同じピンクの靴を履いてるところも良い。
翌日、ルパンたち四人が一堂に会している時もその格好なので、ぜひたっぷり堪能して欲しい。

ゴリラなんぞに狙った獲物を横取りされ、ルパンはやや意気消沈。次元に「カッカしなさんな」とたしなめられるほど、カリカリしたり「トホホ」だったりしていた。
そこですかさず、ルパンに提案を持ちかける不二子の呼吸が、さすがといったところ。よくもいけしゃあしゃあと(笑)

不二子の提案とは、もう一度パーティを開いて、ゴリラギャングをおびき寄せる、というものだった。
ルパンがあちこちで盗んでいた宝石を「貸して」と言った不二子、それを身に着けて囮になる、という計画のようだ。
それら宝石を身に着けた不二子を想像し、ルパンはすっかり楽しげで、喜んで貸すことになる。
その時のルパンの様子に、次元は咳払いしたりして、何となくツボ。

ちなみにアフリカまで同行して来ている五右エ門だが、「ぱーてー」は気が進まないらしく、いったんは降りることになる。
五右エ門の「ぱーてー」の発音も面白くって良いし、それを繰り返すルパンの「ぱーてー」の言い方も好き!
で、この場面でもっと好きなのは、ルパンが不二子に「ホテルに帰って準備しよっか」という言い回しだ。
ココにこんなにツボにはまるのは、私だけなのかしら。特に変わった発音をしているわけでも、目立つ言葉でもないのだが、「しよっか」という可愛い言葉遣いと山田さんのお声があいまって、無性に「ルパンっていいーー」という具合に盛り上がってしまう(バカすぎ)

自由行動の五右エ門だけは暇そうにソファで寝そべっているが(←新鮮な感じ!)、計画を実行に移すべく、準備を整えるルパンたち。
ルパンはアバンルー侯爵という人物に、次元は腕利きのガードマンに、そして不二子はアバンルー侯爵夫人として、身を整えた。
この時の不二子の美しさ、可愛らしさは、もうたまりません。
個人的に、不二子の金髪オカッパヘアは大好物。この回ではさらに髪がロングっぽくなっていて、GOOD。またグリーンのドレスが映えること映えること!
この回のルパンは、総じて不二子に「甘すぎ」というくらい甘いのだが、こんなに可愛くちゃ仕方ないよねぇ、とルパンに同意してしまいたくなるほど(笑)

準備の整った三人は、いざパーティ会場へ。
アバンルー侯爵というのは多分実在の人物なのだろう。多くの人を集め、慈善パーティなどをやって不自然でない、裕福な貴族。
だからというわけではないだろうが、パーティの警備にやって来た銭形は、どこか侯爵に(実はルパンなのに)低姿勢だった。
ルパンは何気ない顔をして、銭形がゴリラにキスされた件や、ルパンをなかなか逮捕できない件について、チクチクッとやるのである。次元も吹き出すほどだし、相当ルパンも内心楽しんでいたのだろう。ふふ。(←悔しがる銭形も好きなので^^)

さてパーティ会場では、ルパンと不二子がダンスしていて、この辺も嬉しい限り。この二人のダンスは、旧ル14話以来だろうか。
ガードマン役の次元は、さすがにパーティを楽しむこともなく、周辺の様子を伺っている。
そこに現れたのは、自由行動しているはずの五右エ門。「正面は銭形が見張っているから、来るとすればここだ」と、次元にアドバイスをする。
降りたといえども、やはり仲間のことが心配だったのだろう。そしてそれだけ言うと「ま、うまくやれ」と言い残して去っていこうとするのである。
素直になれず、でも仲間思いの…ニクいようなイイ男っぷり。「あいつ…」という次元の台詞の雰囲気もとても好き。

だが、ゴリラたちは予想もつかないところからやって来た。アバンルー公爵夫人から、ということで、大きな荷物が会場に運び込まれていく。
侯爵が慈善事業として、こどもの家を作ることになり、その完成予想模型が披露されるのだ。
突発的な事態に戸惑うルパンだが、不二子のささやきもあり、笑って取り繕うしかない。
そうこうしていると、その模型の中からゴリラ三匹が登場するのだ。


ゴリラの影に女あり

ゴリラは迷うことなく(苦笑)、高価な宝石をたくさん身に着けた不二子の元へやって来て、ルパンから奪いさらって行ってしまう。このギャングども、腕っ節が強いことだけは間違いない。
またしても車に乗っての逃亡。
それを見た次元は、思わず発砲しそうになるが、五右エ門に「撃つな、不二子がいる」とたしなめられる。この回の五右エ門は、さらに小屋のシーンでも不二子がいるからという理由で次元の発砲を止めている。
基本的には仲間であるわけだし(しかもこの回で裏切りはまだ発覚してないし)、五右エ門が不二子の安全を思いやるのは当然なのだが、裏切り発覚後も不二子 を糾弾しているのは次元のみで、五右エ門は静観の構え。この回の仕事そのものに、あまり関心がないからかもしれないが、不二子にどことなく優しいような気 もする。

本題に戻ると…。次元と五右エ門は車でゴリラギャングを追うことに。さらには、ルパンの相棒二人を見つけた銭形も黙っちゃいない。
彼らに追いつき開口一番「ルパンはどこだ」と攻め寄るが(ゴリラよりもやっぱりルパンなのね。笑)、まずはゴリラギャングだという次元のもっともな提案により、いったん協力してゴリラギャングを追いつめることに。
挟み撃ちにしようとしたものの、ゴリラの運転テクのせいで、またしても取り逃がす。次元と五右エ門は店に突っ込んでしまっている。そこで飲み物を買って去っていくのも何気に笑いを誘う。

だが今回は逃げられっぱなしではない。前回ゴリラの車が消えた地点へ先回りしていたルパンが、「消えた仕掛け」を探っていたのだ。
その仕掛け(単なるクレーン)を見つけたルパンたちは、さらにゴリラを追う。
(またしても)余談だが、車に乗り込んでくる時の、ルパンの「ひら〜り」という言い方も好きだったり←結局全部好きなんだけど(笑)

だが追跡の途中で、車がガソリン切れ。それでもメゲることなく走って(!)追い続けることに。
前回失敗したときは、ルパンがカリカリしていたのに、今回は次元がややキレ気味。
勝手な推測だが、ジャングルの中を走って、相当疲れ、さらには暑くてたまらなくって、イライラしてたんじゃないかと思ったりする(笑)
(や、次元って三人の中では持久力ないし、暑がりっぽいので。妄想失礼)

ついに彼らのアジトらしき小屋を発見。そこでようやく、ゴリラだと思っていたのが実は人間だったことが発覚する。遅。
三匹のうち一匹は本物のゴリラで、銭形にキスしたのはコイツだと思われるが、それにしても本物を一頭混ぜておいたのは、どういうことなのか。匂いなどのリ アリティを出すためか。はたまた、元は密猟者であった彼らが捕らえた、頭のいいゴリラが身近にいたから利用しただけなのか。
ちょっと謎なのだが、まあ実はどうでもいい(笑)

不二子を人質に取られていると思い込んでる三人は、迂闊に手が出せず、夜を待つことになる。
そして、いよいよ小屋に近づく三人。この時、ロープを掴んでシュルーッと移動する三人の様子が非常にいい!
木に結んだロープの先の鉤を小屋の屋根に引っ掛け近づく。木のしなりが後の小屋宙吊りにつながっていたりして、面白いと思う。
そうして覗き込んだ小屋の中には、ギャングのボスとして君臨する不二子の姿があった。
…またもや企んでいたのである。黒真珠を先に奪い、またルパンから彼所有の宝石類を巻き上げるために、こんなことを仕組んだのだ。たぶんルパンと組むよりも、こちらの作戦の方がメリットが大きかったのだろう。

その時、小屋に異変が。しなった木が戻ろうとする力で引っ張られ、小屋が宙に浮き始めたのだ。
このどさくさで、ルパンたちは小屋に侵入。男二人もやっつけて、さらにはひどい格好で身動き取れなくなっている不二子から宝石も奪い返す。
それにしても、この時の次元の怒りようはなかなかスゴイ。
ルパンが宝石を貸すと決めた時から、不二子が裏切ったら「スカンピンのオケラ」になることを心配していただけに、予想が当たって腹を立てていたのだろう。不二子の細腕を取って「こいつは詐欺師だ!」と糾弾している。
容赦のない次元、好き(^^)そして「いいじゃないの〜」と鷹揚に許してしまうルパンも好きv

だがこれで終わりではなかった。追跡を続けていた銭形が、警官隊を引き連れて包囲したのだ。
ルパンたちは屋根から逃げることにする。その際、不二子を気遣い、優しく抱きかかえるルパンに、次元は「裏切り者なんかほっとけ」と今回はあくまで冷たい。
ルパンの合図で五右エ門がロープを斬り、その反動で小屋は大きく跳ね、ルパンたちも宙に舞い上がる。
それぞれ(なぜか)用意していたパラシュートで空中散歩。飛び上がりパラシュートを開く時のポーズも味があって良いので、ぜひチェックを。

ルパンの足にしがみつき、力尽きようとしていた不二子だが、彼女を助けるために、ルパンは宝石を入れていたカバンを下に落としてしまう。宝石たちはアフリカの大地に消えた。
不二子に振り回された挙句、くたびれもうけに終わる…わけなのだが、ルパンは不二子を抱いて空を漂っているのが嬉しいらしく、「宝石よりも…」と満足そう。
あまりモノに執着せず、楽しければいいかというルパン、という感じで、すごく好きなのである。
だが不二子のせいでスカンピンのオケラになってしまい、次元はきっと機嫌を悪くしているだろう(笑)


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