第94話 ルパン対スーパーマン


銀行ギャング

当時流行していた「スーパーマン」ネタの作品。
90話でも「スーパーマン」が登場しており、話の内容や雰囲気は当然違うとはいえ、短期間に同じ映画ネタが出てくるのが、紛らわしいような(笑)。それくらい当時の「スーパーマン」ブームがすごかったということなのだろうか?(相変わらず当時の流行ネタに弱い)
この回のルパンは、完全に事件に巻き込まれた形になっていて(銭形の思い込みのせいで!)、あまり痛快な見せ場がないようにも感じられるのだが、そこはそれ、小ネタで楽しもうと思う(笑)


新しい大型スーパーマーケットがオープンしたため、客足が途絶えたオンボロマーケット、5thファミリー・マーケット。
第8銀行と組んでるとあって、資金面でも充実してるらしいスーパーマーケットの前で、小規模店舗はなすすべもなく、悔しそうに見上げるばかり。
息の荒い息子が、相手に一泡吹かせたいと言っていると…
そこに登場するのが、峰不二子。企みの裏に女あり。というか、彼女が企みそのものだ。
「私の計画に乗らない?」と、唐突に何かをその店の主と息子に持ちかける。

この後起きるスーパーマン&銀行ギャングの事件は、すべて不二子とこのマーケット親子によるものなのだが、私としては正直、不二子の計画がピンとこない。
スーパーマンに注目を集めておき、その隙に銀行強盗を働く、そしてその法則性が警察に明らかになった頃、銀行を狙うと見せかけて本命の大型スーパー狙って襲撃をかける、というものなのだが…
最初から、スーパーマンで人々の注目を集めた隙に、大型スーパーを襲って店を壊してしまえば済むことなのに、とも思うがそうもいかないのだろうか。
店の資金も不足していたようだから、銀行ギャングをする事も必要だったのか。第1銀行を襲ったときの100万ドルは返したようだが、それ以外で得た金は懐に入れていたのかもしれない。だとすれば不二子としては、その強盗したお金が狙いだった?
そう考えると一応筋は通ってるのだけど、同時に何となくチグハグした感じを受ける。無理やりスーパーマンネタにこじつけたような…(禁句)
9話の時の不二子プロデュースの陰謀の方が、個人的にはずーーっと好きだ。
ただその9話と合わせて考えてみると、不二子は直接的に盗んだりするよりも、演劇性の強い計画を好むのかな、と感じたりもする。いずれキャラ論で不二子プロデュース事件簿でも書きたいところだが、それはさておき。

こうして不二子と手を組んだ5thファミリーマーケットの家族は、銀行強盗という犯罪を開始する。
息子がスーパーマンにコスプレして空を飛び、街の人々の注意を引き付ける。銀行のガードマンまで、スーパーマン見たさに持ち場を離れてしまうというのだから、相当な人気が伺える。
街は当然大渋滞。みんな空を見上げているのだから、車も動かなくなろうというもの。

その渋滞に、ドライブ中のルパンと次元は巻き込まれてしまった。周囲の状況を何も把握していない様子。
動かない車にルパンが驚いていると、次元が淡々と「渋滞だろ」。
誰もが空を見上げていることにルパンが疑問を呈すると、次元は再び「飛行機の渋滞だろ」。
次元の答え、テキトーにも程がある(笑)。こんな気の抜けたルパンと次元の会話も好きだ。

騒ぎの隙に、すぐ近くの第1銀行では、覆面をしたギャングたち(ファミリーマーケットの息子たち)が金を奪って逃走していた。
ギャングの車と、渋滞をすり抜けようとしていたルパンたちの車が、あやうく接触しかかる。
突然怒り心頭したルパンは、ギャングの車をムキになって追い始めた。
当初向かっていたのとは逆方向だというのに。相当、当て逃げされかかったのが腹立たしかったのだろう。

そこへ、マクリード警部が馬に乗って登場!ギャングたちを追う。
これにも元ネタがあり、1970〜77年アメリカのテレビドラマとして放送された「警部マクロード」がそれらしい。
ニューヨークが舞台だからということで、こういう警部を登場させたのかもしれないが、ここぞという出番・見せ場がないので、残念。特にルパンと関わるシーンが殆どないゲストというのは、少々寂しい。
「警部マクロード」は田舎育ちの警部が都会で大暴れといった感じのストーリーらしいが(未見)、それを元にしたマクリード警部、違った登場のさせ方をしていたら、ルパンと面白い絡み方が出来たかもしれないのに、と思う。

ルパンからもマクリードからも逃げるギャング、ルパンに今度こそ派手に車をぶつけて方向転換。
上空では、スーパーマンがギャングの方へ飛んでいるように見える。
手柄を奪われまいと馬を駆って警部が追いつめてみると、壁に激突したギャングたちの車の残骸があるばかり。
しかしギャングたちの姿は見えず、スーパーマンからの「金は後で返す」といった手紙が残されているのだった。


銀行の警備員を前に、マクリードは事情を質していた。
揃いも揃って警備員ら全員が、スーパーマンを見ようと持ち場を離れていたために引き起こされた事態だったことが判明する。マクリードじゃなくても怒りたくなるというものだ。ちゃんと仕事しろ〜(笑)
そこへ、銭形警部がマクリードを訪ねてやって来る。
落ちていたお金を拾い、届けにきたのである。その金は、先ほど第1銀行から盗まれた100万ドル。車の事故現場付近に落ちていたとのことだ。
そこにはスーパーマンの署名が…。一見、スーパーマンが取り返してくれたように見える。
お金を返すことで、スーパーマンは正義の味方でギャングとは無関係と主張したいための行為だろうか。第7銀行襲撃までは、二者のつながりをあまり勘付かれたくなかった、ということなのか。(うーん?)

金を返しに来た銭形の自己紹介がちょっと笑える。
「東京警視庁にその人在りと知られている銭形警部であります」
確かにそうなんだろうけど、すごい自信(笑)海外では、これくらい自己主張したほうがいいのかな?
銭形は、スーパーマンの正体に見当がついてるとマクリードに匂わし、この件でひと肌脱がしてもらうと、事件に協力することになる。
…銭形の考えているスーパーマンの正体は、当然のことながらルパン。この濡れ衣のせいで、ルパンは事件に関わらなくてはいけないことになる。


インスタント天ぷらそば

その頃のルパンと次元は、車の修理をしてもらっていた。
「丁寧に直せよ、大事な車なんだから」というルパンの台詞が新鮮。いつもやたらと大破しているイメージのあるルパンの車だが(笑)、それでもやはり大事に思っているようだ。
修理を待っている間、次元がカーラジオをつけると、先ほどの銀行ギャングがニュースになっていた。
そして奪われた100万ドルが、スーパーマンの手によって取り戻された、と報じている。このため、スーパーマンの人気はさらに爆発した様子。
しかしルパンは、その件にはあまり関心がなさそうで、どうせなら車も元に戻して欲しいもんだ…ということを呟いている。
90話では映画「スーパーマン」が非常に気に入ったようだったが、ここでは無関心そう。
「映画」なら娯楽として好きだけれど、誰かが化けているに違いない自称スーパーマンは、どうでも良かったのだろう。

再びスーパーマンがニューヨークの上空に現れる。今回は第2銀行のすぐ近くだ。
すると、前回の事件の教訓をまったく生かしてない第2銀行の職員やガードマンは、スーパーマンに釣られてまたまた持ち場を離れてしまう。
「まさか自分のところにギャングは来ない」とでも思っているのか。まあ、自分だけはと思うのが人間の性(笑)
手薄になった銀行から、ギャングたちはあっさり金を盗み出す。
こうして、事件は続いていった。


ニューヨークに何をしに来たのかははっきりしないのだが、この回のルパンたちは単に遊びに来ていたように見受けられる。
このシーンでは、ハンバーガーショップで呑気に食事している。
しかし食べているのは、ルパンと次元のみ。五右ェ門は店内にこそいたものの、食べる素振りはおろか注文すらしていない。
「五右ェ門、お前召し上がらないのか?」と問うルパンに対し(この言い方がなんだかイイv)、五右ェ門は「ふん、そんなまずいもの」と一刀両断。
ハンバーガーやホットドック等は彼の口に合わないのだそうだ。
和風をこよなく愛する五右ェ門だから無理ないものの、135話でケチャップを嫌いだと言っていたので、それを使ってるハンバーガーが苦手なのかもしれない。
マイペースの五右ェ門らしく、「そばでも食ってくる」ことに。
次元がアメリカで蕎麦屋の場所を知ってるのかと訊くと、「スーパーマーケットでインスタントそばを買ってくる」と言って店を去るのだった。
ルパンに「風変わりなヤツだ」と言われるのだから、五右ェ門は相当なモノ(笑)。
いつも諺を使うのは五右ェ門である場合が多いが、この時はその五右ェ門に対して「郷に入りては郷に従えってんだよ」とルパンが呟いていて、おかしい^^

仕事中や緊急事態ではもう少し柔軟な対応をするのだろうが、プライベートな時間ではあくまで自分の嗜好を貫くのが、五右ェ門らしくて妙に可愛い(笑)
この時、インスタントそばに味をしめたのか、96話で再びそれを食している。きっと海外ではたびたび愛用しているのだろう。


その五右ェ門、立ち寄った店は例のつぶれかけた「5thファミリーマーケット」。久しぶりの客が、五右ェ門だったのだ。
「インスタント天ぷらそば」を求めると、店主は埃にまみれた商品を出してくる。
それだけでも買う気が失せるいや〜んな感じだが、製造年月日を見ると3年前の商品。
確かインスタント麺の賞味期限は4、5ヶ月程度だったはずだから(違ったかな?)、そんなものを出された五右ェ門が買わずに帰ると言うのは、しごく尤もな反応である。(ちょっとムッとしてる雰囲気のゴエさん、可愛い)
それなのに、店主はいきなり逆切れ。向こうの店でうちの悪口を言いふらすつもりでしょう!とかなんとか。
…大規模なライバル店が出来たことよりも、店主のそうした態度が客を遠ざけたのでは?と思いたくなってしまう。

それだけに留まらず、店主は指を鳴らして息子を呼び出す。何となく、不穏なムードが立ち込める。
「まさか、買わないって言っただけで、客に暴力振るう気? どんな極悪スーパーなの?」と一瞬ギョッとするシーンだが…
まるで分身の術のように、瞬時にあちこちから姿を現した息子。五右ェ門に襲い掛かるのかと思いきや、幸いそうではなくて、息子の早業をさして店主は、面白いものを見せたんだから、ひとつ買っていってと迫るのだった。強引商法。
五右ェ門は了解して1ドル払う。すると、買ったインスタントそばをその場で見事に八等分してみせた。
居あい抜きの凄さに唖然とする店主に、五右ェ門は「フン」とだけ言って立ち去るのだった。ちょっとだけ自慢げのような(笑)、驚かされっぱなしではいないぞ、とでもいう五右ェ門の気概が見えるようで、ここのシーンも可愛いのであった(こればっかし)

別のスーパーで大量のインスタントそば(両手に抱えるほど!)を買い込んだ五右ェ門が、空を見上げるとそこにはまたまたスーパーマンの姿が。
マクリードと銭形は、それを追って走っていくのだった。マクリードは馬で、銭形は自分の足で(笑)
第3銀行も同様の手口で襲われると、マクリードは「ギャングたちは、スーパーマンが現れる場所を知っているのか」という疑問を抱く。
ここで銭形は、ギャングの正体はルパンであるという説を披露。
(一味の写真をニューヨーク署の面々にスライドショーする際、なぜか不二子のサービスカットまで持ってる!どこでどうやって手に入れたのか、気になる!!)

そして、アメリカの警察の弱点を指摘する。スーパーマンを正義の味方だとハナから信じ込んでいることだと。
これは非常に鋭い指摘、さすが銭形。マクリードはなかなかギャングとスーパーマンがグルだというところまで思考が辿り着かなかった。
惜しいのは、長年のルパン病で(笑)大胆な犯罪は何でもルパンの仕業にしてしまったことだろう。

そこへルパン本人が登場。なぜか仕事着を着て、ビルの窓から覗き込んでいた。
自分はスーパーマンじゃないと告げると、ロープを伝って向かい側のビルへ逃げていく。
それに向けて発砲しようとするマクリードを、銭形は「撃てばいいというものではありません、それもお国の欠点ですぞ」とまたまた鋭い指摘をする。
なぜかちょうどその時、スーパーマンが現れ、人々の注目を浴びてる隙に銀行強盗が繰り返された(ガードマン、学習しろ〜!)。
あまりのタイミングの良さに、まるでルパンが変装してスーパーマンになったかのよう。
新聞では、スーパーマン=ルパンが銀行を襲ったと報じられてしまった。
このままでは、ルパンの仕業ということにされてしまう。どうしても真犯人を見つけなくてはならなくなったのだった。


スーパーケット

真相解明に乗り出したルパンは、襲われた銀行の場所を、地図に印をつけていく。
それら点を線で繋ぐと、一つの円が現れた。スーパーマンはその円の中のみ登場しており、その範囲内しか飛ぶ力がないのだと推察。
円の中心部に当たるところが、スーパーマンの本拠地だと、ルパンは導き出した(カッコイイーv)
そこは、例の5thアベニューの5丁目のファミリーマーケット。
五右ェ門は、その店で妙な動きを見せた息子のことを思い出し、一人で「心当たりがある」とそこへ乗り込んで行った。
ルパンと一緒に行けばいいのに(笑)でもそれが五右ェ門っぽいのかも?
びっくり目で五右ェ門を見送ってる次元の様子が、なかなかインパクト大。

店に着くと、シャッターを斬って侵入する。が、待ち受けていた息子たちに不意をつかれ、五右ェ門はあっさり捕まってしまう。不覚!
店の息子たちはナント5つ子で、彼らがスーパーマン&ギャング実行犯だったのだ。
やっぱり昼間のお侍か、と言って二階から出てくる店主。この台詞からして、五右ェ門のことを不二子から聞いていたのだろうか。
斬鉄剣を奪われ、五右ェ門は縛り上げられてしまう。刀は、「おねえちゃん(by店主)」こと黒幕の不二子が欲しがっているといって、持っていかれてしまった…

五右ェ門をそこに転がしたまま、店主と息子たちは二階の部屋へ立ち去る。直後、ルパンが缶詰の隙間から顔を覗かせた。
五右ェ門が侵入したドサクサに、ルパンは入り込めたのだ。五右ェ門の突入を無駄にしないところが、やっぱりさすが^^
「今助けてやっかんな」の台詞、言い回しが何となく優しくていい。

二階の一室では、マーケット家族と不二子が打ち合わせ中。明日が本番だと言っている。
不二子が絡んでいることを知り、話を盗み聞きしたルパンはこっそりと立ち去った。
アジトに戻ると、次元にもそれを説明する。
「スーパーマーケットがスーパーマンに化けるとはさすが不二子の考えること」等ルパンは一応評価している様子。
…どうでもいいけどこの計画、↑スーパーつながりのダジャレが発端だったのかしら?
明日、彼らは銀行は狙わないぜ、と次元に告げ、五右ェ門と「な」とばかりに目を合わせる。ルパンは企みを見抜いたのだ。
それはそうと、次元だけがわかってなくて、ルパンと五右ェ門が訳知りなのはちょっとだけ珍しい感じがする。

その頃、マクリードら警察側も犯行現場を地図上で繋ぐと円を描くことに気づいていた。
そして襲う銀行の法則性からして、次は第8銀行だと目星をつけるのだが、真相に近づきつつも、惜しいところでハズレている。
警察はその推理に基づき、第8銀行の屋上でスーパーマンを待ち受ける。


翌日、マーケット一味は、スーパーマンに化ける息子の身体に空気を入れたり、腰にジェットエンジン?をつけたりして、準備を進めていた。
本日の狙いは、第8銀行の隣。大本命の、商売敵・大型スーパーマーケットだ。
「スーパーマーケットマンの誇りをもって」なんて言ってるけど…やっぱりダジャレ?

第8銀行で待ち受ける銭形ら警察陣の前に、飛んでくるスーパーマンの姿が。
それと同時に、ルパンはピンクのスーパーマンコスチュームでわざわざ現れてみせる。
「これで俺がスーパーマンじゃないってわかったでしょ?」と。
そのためにわざわざコスプレを?だとしたら、やっぱり「スーパーマン」好きなのだろう(笑)
ギャングらが「$」マークなのに対して、ルパンの胸には三世の「III」。オリジナルのコスチュームかと思うと、ちょっと微笑ましい。
銭形に、ここ(銀行)じゃなくてお隣に気をつけましょーと忠告すると、ルパンはスーパーマンの前に飛び出していく。

その間、商売敵の店を襲い、マシンガン乱射して商品を壊した後、とどめに時限爆弾まで仕掛けていこうとする極悪マーケット家族。
不二子から話を持ちかけられたとはいえ、とてもじゃないけどカタギのすることとは思えない(笑)
不二子が「調べさせてもらったわ」と冒頭で言っていたのは、経営が苦しいとかそういうことだけじゃなくて、この家族が違法行為でも仕出かしそうなことも含めてだったのかもしれない。
が、爆弾を仕掛けようとしたところで、銭形たち警察に取り囲まれ、あえなくお縄に。
銭形が「ルパンの忠告を素直に聞いたお陰で助かったぜ」と、自身で言うようになぜだかとっても素直に認めている。珍しい〜。でもまあ、お手柄になったことだろうし、結果オーライか。

空中ではスーパーマンもどきとルパンが戦っていたが、ルパンの持ち出したロープの先の杭が引っかかったせいで、ボディに入れていた空気が抜け、あっさりとスーパーマンは落ちていった。
代わって現れたのが、斬鉄剣を手にした不二子(しかも不二子までスーパーマンコス!)。
計画の邪魔をされたことで相当怒っており、ルパンに対して斬鉄剣を振り回す。
ルパンが杭で引っ掛けてブラジャーをはずしちゃうものだから(すごすぎるテク)、彼女の怒りはますますパワーアップしてしまう。

…ところで、この時点で「計画を邪魔をした」と怒っていることからすると、それ以前に銀行強盗で得た金は警察に押収されてしまったのだろうか?
大型のスーパーマーケットを破壊することで、不二子に何らかの利益でもあったのだろうか??
やっぱり今回の不二子の計画は、私には今ひとつよくわからない感じ。

そんなこともどうでもよくなってしまうのは、不二子が空中を飛び回りながら、斬鉄剣でビルを斬っていることだ(!!)
五右ェ門じゃないのに、そんなスゴ技が出来るとは…恐るべし不二子、といったところだろうか。


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