第14話 誘拐ゲームはお好き


誘拐ゲーム

この話の中で一番印象に残るのは、とっつあんと五右ェ門のコスプレだ(変装!)。
冒頭から登場する銭さんのレゲエっぽい(笑)姿は、妙に新鮮である。
パーマがかった髪(清潔にしてないためもつれている髪を演出しているのかしら?)や、無精ひげ、チューリップハットのような??変わった帽子、ボーダーシャツ、中途半端な長さのズボン、サンダル。どれをとっても、普段の銭形には見られない要素。
それもまた意外に似合っているところが良い(^^)。

しかし銭形は何も好きでこんな格好をしているわけではない。
銭形がいるこの公園で、身代金の受け渡しが行われようとしているのだった。そのために、犯人に気付かれないよう張り込みをしているというわけである。
誘拐されたのは大金持ちの老女・アルダ。
そして何と、身代金を受け取りに来たのは、ルパンだったのである。(老人に変装している時の声が結構好きv)

誘拐なんて、ルパンらしくもない!きっとニセルパン登場って話ね…と、初めてこの話を見た時は思っていたのだが…どうも本物らしいのだ。
銭形の変装を見破っているところや、鮮やかに身代金を戴いていく様子は、どこから見てもルパンであった。
ルパンが誘拐なんて卑劣なことを…と、ルパンの車を発信機を頼りに追いながら、銭形もその車中で一人考えている。
銭形が、敵ながらも根底の部分でルパンを憎みきれずにいるのは、才能も然ることながら、貫かれるその美学のためでもあっただろうから、「老女を誘拐」などという極めて卑怯な犯罪をルパンがやったとあっては、銭形が怒っていても無理はない。

一方、まんまと身代金を手に入れてきたルパンは、用意されていたトラックに車ごと乗り込み、銭形の追跡を振り切って、それをある女の元へ運ぶ。
待っていたのは金髪の怪しげな女。誘拐事件の黒幕はこの女のようである。
約束を守ったのだから、「愛の領収書を」といつものように迫ったものの、謎めいた女の言葉とともに女が指を鳴らすと、ルパンの様子が変わった。そしてルパンは、一味らしき覆面の男に後頭部を殴られ、あえなく気絶してしまう…。
その女の胸に輝くのは、トンボ型のペンダント。

ご承知の通り、ルパンは自主的に女の言いなりになって誘拐までしたわけでは決してなく、この謎の美女に「催眠術」を掛けられ、意のままに操られてしまっていた、というのが真相である。
そのせいで、ルパンは3日間の記憶をなくしいる。
何より「誘拐」という部分は完全な狂言で、この謎の美女と、誘拐されたとされるアルダはグルなのであった。

ちなみにこの美女の正体は不二子。
今回ばかりは、ルパンに「誘拐して」とおねだりするわけにも行かなかっただろう。(ルパンは不二子のためとはいえ、仕事の主義を曲げないわけだし。新ル63など)
というわけで、不二子は謎の美女としてルパンの前に現れ、催眠術をかけて記憶を失わせ、単に身代金の受け渡しだけをやらせたのだろう。
…不二子のままで催眠術をかけるわけには行かなかったのか。その辺はやや疑問でもあるが、万が一ルパンが記憶を取り戻した場合に備えていたのだろうか??(あまり意味ない?^^;)

後の会話でわかることだが、発端としてはロンが不二子に惚れた事らしい。アルダが何としてでも息子の願いを叶えたいばかりに、不二子に賭けを持ちかけたのだ。
誘拐犯という濡れ衣を着せられたルパンが、無事に逃げ切れるかどうか、という。
勿論不二子は逃げ切る方に賭けた。だからこそ、謎の女としてルパンを気絶させた時、「何としてでも逃げ切るのよ」とか、「貴方を信じているわ」と言うのだ。
…個人的には、この「貴方を信じている」が非常にツボ。
実に勝手極まる言い草だし、ルパンの意思をなどお構いなしに賭けに巻き込むなんて、綺麗なやり方ではないのだけれど、不二子は徹底的にルパンの頭脳・行動力・タフさを信じているゆえに、時々こうした賭けをしてしまう。(代表例:新ル109話126話
そして、クライマックスでの不二子の本物の涙があるゆえに、こんな勝手な行動すらも、個人的には許せてしまうのである。


さて。気絶させられたルパンは、追ってきた銭形に捕まってしまう。
気づいた時には催眠術は解けていたのだが、3日間の記憶がスッポリと抜けており、いくら銭形から「誘拐した」と責められたところで、ちっとも実感がなさそうで(やってないんだから当たり前だが)、呑気な様子で戸惑っている。
この緊迫感のない受け答えがすごくツボv 頭が痛いのに銭さんに振り回されて可哀想〜とか思ってしまうほど(笑)
ただ身代金の受け渡し場所に現れ、実際に警察の前からお金を持って行ったのはルパン当人なわけで。今回はルパンにかなり不利な状況であった。

留置所に放り込まれたルパン。銭形に捨て台詞のように「死刑は間違いない」などと言われても、まだ「ど〜このキツネが化かしやがったのしからねぇ」などと、どこか余裕のありそうなところが最高v
そんなルパンの元へやって来たのは警官と神父。
もう死刑執行かと勘違いしたか「いくらなんでもまだ早いんじゃない?」と慌てるルパン(可愛いv←笑)。
だがそれは、助けにやって来た次元と五右エ門なのであった。さすが相棒!
ただその手段は少々荒っぽく(笑)、ゴミ箱の中に(しかもすごく臭そう)ルパンを突っ込んで、留置所から脱出させた。

そ、それにしてもこの時の神父姿の五右エ門の格好が、とんでもなく良い。宗教は違えど、五右エ門のストイックさが神父の格好とよくマッチしている(気がする)。次元やルパンなら、もっともっと胡散臭い神父になることだろう。
この回以外、あまり目ぼしい変装シーンが思い出せないパースリ五右エ門の中で、文句なく一番好きな格好。必見。


マザコン

さて、留置所を逃げ出し、シャワーも浴びてサッパリしたルパン。
この時のルパンのガウン姿も、激ツボ。う〜ん、セクシーv(笑)ルパンスキーにはたまらない光景。

それはそうと、テレビで「ルパンがやったとされる誘拐」に関するニュースが流れているのを見ても、ルパンは相変わらず記憶が不鮮明。次元には、自分じゃないと言いつつも断言する自信すらない有様だった。
だが、時計の振り子を見ているうちに、ルパンはようやくおぼろげに思い出したはじめる…
トンボ型のペンダントをつけていた女。その女がものすごく美女だった事、そしてルパンに対して催眠術をかけている光景を。

ここで個人的にちょっとビックリするのは、次元が「そういえば不二子のヤツがトンボ型のペンダントをつけているのを見た」と発言したことである。
どこで見かけたのかはわからないが、よく覚えてたな。
ルパンなら女のアクセサリーや口紅の色までよ〜く記憶していても不思議ではないが…次元もそうだとは思わなかった。
印象的なトンボ型のペンダントであることは確かだが。
それよりも、お洒落な女であるはずの不二子が、何日にも渡って同じペンダントをしていることの方が驚きといえようか(お洒落な人はアクセサリーも服に合わせて替えるだろうし)
よっぽどこのペンダントが、この頃の不二子のお気に入りだったのだろう。

また、このシーンで五右エ門が殆どルパンの話を聞いておらず、ウォークマンを聞き入っているのが、印象に残る。
この時期ウォークマン出始めの頃だったっけか?
…五右エ門が聞いているのは、きっと日本の心・演歌だろう。外国暮らしが長くなって、日本の歌が恋しくなったのかもしれない(^^)。


いずれにせよここでようやく、ペンダントの女=不二子=この事件の黒幕という構図が明らかになった。
また、どうもこのアルダという老婆も噛んでいるだろうというわけで、ルパンはアルダ邸へと忍び込むのであった。


このアルダ婆さんというのが、結構な食わせモノだ。
息子が(身の程知らずにも!)惚れた不二子と結婚させるために、「ルパンが逃げ切れるか」という賭けをし、そのために狂言誘拐まで起こしたのだから。相当 な富豪らしいが、それまで一般人として暮らしていたのではなかったのだろうか。ロンというバカ息子のために、犯罪の道に踏み込んだのか。
それとも、大富豪になるまでも、何かしら胡散臭い方法でお金を稼いだりと、元から犯罪に対する抵抗感がなかったのか。

このロンちゃんとアルダのベッタベタな変態的親子関係、もちろんギャグっぽくえがかれているので、笑うしかないのだけれども(ただし苦笑い)、個人的にこの手のノリというのは、気味が悪くて仕方ない。
こんな「冬彦さん」の如き親子関係って、本当にあるものなんだろうか(例えが古!)。
このロンとやらが何歳なのかは、はっきりわからないが(外見はとっちゃん坊やみたい;)、結婚できる年齢なのは間違いないところだろう。むしろアルダが「婆さん」と呼ばれる年齢であることを考えると、ロンも結構歳をくっているとも思われる。

ガーッ!!このマザコン男、いい歳して結婚相手ぐらい自分の力でモノにしろ〜!気持ち悪いったらもうっ。母離れできてないうちは、生意気にも結婚したいなんて思うんじゃないっっ!!
母親も、いい歳して息子離れしせんかい!と、「ママちゃ〜ん」「ロンちゃ〜ん」という、二人のやり取りを聞いていると、こんな具合についイライラしてしまう(笑)
しかもロンのヤツがママにチュッチュとキスするシーンで、アルダが「あら嬉しい」などと言って、二人で戯れているのを見ると、「お前ら永遠に二人っきりでいろ!不二子を巻き込むな!」と怒鳴り飛ばしはたくなる(荒っぽくて失礼)

ルパンが脱獄したことを知り、賭けに勝った形となった不二子。掛け金を受け取るためにアルダ邸を訪れたというのに、ロンからエンゲージリングなんかプレゼントされて、ご立腹。
あっさりロンを撃退するのだが(その都度泣くロンと、猫なで声で慰めるアルダが本気で目障り;)、アルダは勝負はまだついてないと言い張り、是が非でもロンと不二子を結婚させる構えである。


余談だが、個人的に「ルパン界で死んでも付き合いたくない男ワースト3」を挙げるならば
ほぼ同率で1位で、このロンちゃんと、新ル「鬼首島に女が消えた」のバカ…じゃなくって若、新ル「老婆とルパンの泥棒合戦」のベンソンの三人である。
女性の皆様はいかがだろうか?(笑)


さてさて。アルダ邸の窓の外から様子を見ていたルパンは、不二子とアルダの話を聞き、真相をすべて知ることになる。
屈強なボディーガード二人組に発見されてしまい、一旦は逃げ出したものの、ルパンの気性からしてこのまま済ませるとは思えない。
アルダもその辺は読んでいたようで、ルパンはまたここに来ると自信満々に言い切っている。
それにしても、いくら最愛のバカ息子のためとはいえ、あのルパンと正面きって対立しようとは、アルダの度胸だけは立派なものである。
ちなみに、ルパンが去ってしまった後、力自慢系の男二人に監禁されてしまう不二子だが、ただ大人しく引きずられていったりせず、かなりの抵抗を見せるところは、地味にお気に入りポイントだったりする。


アルダ邸に再度ルパンが乗り込む前にも、一つ見逃せないツボポイントが1つ(笑)。
「どーしても行くのか」と、次元がルパンを見送るシーンである。ここで次元がルパンの煙草に火をつけているので、ついニヤニヤ。(二人の煙草シーン大好き)
しかも、「今度捕まったら知らねぇぞ」と言った傍から、ルパンが下水道に入ってすぐ悲鳴をあげただけで、駆けつける次元が最高。
ルパンの悲鳴の原因は、下水道に住むワニだったのだが…本当にルパンはワニに驚いて悲鳴をあげたのか、それとも次元をちょっと試してみたのかは謎である(勘ぐりすぎだってば;)
「パタリロ!」のネタにもあった気がするのだが、NYの下水道にワニっていうのは定番なんだろうか。
次元が「こりゃでかいカバンが出来るぜ」と言っているし、このワニも、新ル99話に続き、ルパンファミリーの鰐皮のバッグコレクションに入ることになったのだろう(笑)


死刑執行

ルパンがアルダ邸に忍び込んでみると、ロンのヤツが不二子人形にキスしたり裸にしたりして遊んでいた。ゾゾゾ〜ッ!オエ。
ルパンの台詞のように、ホントにロンを見ていると尻がムズムズしてくるわ!(笑)
現れたルパンが何一つしていないうちから、びびりまくってママちゃんに助けを求めるロンの情けなさ。あ〜あ(グッタリ)
アルダ邸には、あちこちにカメラが仕掛けられているようで、ロンの部屋もアルダには筒抜けだ。ルパンが現れたこともすでに承知。罠も仕掛けられている。
だが、当然のことながらルパンの方が何枚も上手なのである。

一瞬、ロンの部屋の画像がおかしくなるものの、すぐに復旧したのでアルダはそれほど気に留めなかったようだ。
その後ルパンが、屋敷に仕掛られていた落とし穴の罠にハマり、銭形に連行されていくことになる。
思い通りに事が進んだと信じている親子は、機嫌が良さそうである。
ルパンは、特定重要犯罪人ということで、なんと裁判ナシに、即死刑が執行されることに決まったのだという。ルパンが「弁護士を呼べ〜」などと騒ぐものの、聞き入れられることもなく連れ去られた。

邪魔者のルパンを排除して、いよいよ本物の不二子に迫るロン。
…だが、このロンちゃんはルパンの変装。連れて行かれたルパンの方が、ロンなのだ。先ほどのビデオの一瞬の乱れ…その隙に、ルパンはロンと入れ替わり、彼に「自分はルパンである」という催眠術をかけてしまっていたのだった。
事件の始まりが、(不二子によるものだったとはいえ)ルパン自身が催眠術にかけられてしまった事だから、こういう手段を用いたのだろう。
やられたら、やられた方法で意趣返しするのはルパンの最も好むやり方である。


ところで、やはり不二子に迫ったルパンは、変装しつつもルパンらしい行動を取るなぁと思う(笑)。
マザコン男のロンちゃんなら、花束をたたき返された時点ですぐに泣きながらママの元へ逃げ帰っただろう。
なのに、ロン@ルパンは強引に押し倒す(さすが)。しかもアルダがカメラ越しに見ていてもお構いなし(さらにさすが)。
もちろん不二子の方は平気である筈もなく、思いきり股間を蹴り上げるという手段で、魔の手(笑)から逃れているが。
つくづくわからないのは、アルダの方だ。「ママが見ていてあげますからね」って本気?!
ベッドの中まで覗かれるんじゃ、全財産が75億ドルあったところでこんな家に嫁に来るマトモな女なんかいないってーの!
危うく逃れた不二子が、居間で「私にもプライドというものがありますのよ」とアルダに抗議したのは、本当にご尤もである。

だが、ちっとも悪びれる様子もなく、アルダは75億ドルという全財産をチラつかせて、不二子をあくまでロンと結婚させようとする。
嘘でない証拠に、現金を邸まで運ばせる手はずになっていたのだから、それに関しては本気だったのだろう。
そして、ルパンが死んでしまえば、不二子の気持ちも変わるに違いないと、高をくくっていたようだ。
実際、75億ドルという金額を聞いた時の不二子は、ちょっぴりその金額の多さに驚き、軽く食いついているように見えなくもない(笑)。当然ロンと結婚する気はゼロだろうが、何とかして75億ドルだけ手に入れる方法はないかと、考えたのではないだろうか。


不二子は、この時点でもルパンが死刑になるなんて信じてはいない。むしろ死刑になると思い込んでいるアルダ親子に「ルパンのことをご存知ないようね」と自信満々の態度であった。
しかしいよいよルパン死刑執行の3時が近付く。その様子はテレビ中継されるとして(ルパンの仕掛けなのだが)、ロンによってテレビがつけられると不二子も少し慌て始める。

本当にルパンが13階段の下までやって来た。死刑執行人に名乗り出た銭形に連れられて。ルパンは逃げる様子もなく、大人しく処刑されようとしている。
画面の中では、いよいよ迫ったルパンの死に、銭形が男泣きをしている。ルパンは「墓参りしてくれよな」と覚悟の言葉を告げている……
ありえないとわかっていても、まさか本当に処刑されてしまうのでは?と、思わせるシーンだ。

そんなルパンの様子を見て、動揺し、涙を流して「逃げて!」という不二子は、本当に可愛い!
このルパンのために流した、本物の涙。悪い子なんだけど、この回の不二子はこれですべてが帳消しになるほど魅力的。大好き!!
旧ル4話でも、「ルパンが処刑された」と信じた時は、一人そっと涙を流した不二子。今回は、自分の企みのせいだったのと、目の前で処刑が実行された衝撃もあり、これほど
ストレートに感情表現してしまったのではないだろうか。

そして刑が執行されると、テレビ画面にすがり付いて大いに泣く。
ルパンが死ぬはずないと信じきっていたからこそやってしまった己の行動を、この時ばかりは悔いて、「私が悪かったわ、だから生き返って」という不二子の悲痛な叫びに、キュンキュンしてしまうルパフジ好きの私(笑)。

ルパンが死んでも(と思い込んでも)、75億ドルという大金をちらつかされても、不二子は断固としてロンを拒否する。
そこに「そんなにルパンが良かったのか?」という言葉が聞こえてくる。その声は……もちろんルパン。
ロンがルパンだったと知った時の、不二子の嬉しそうな様子を見ていると、見ているこちらまですごく嬉しくなってしまう(^^)。
「不二子、こっちへ来いよ」と言われ(←この言い方、悶絶モノのカッコ良さ!)、ルパンの肩にしっかりとすがりつく不二子もツボ。この辺のルパフジ具合はとにかく大好きなシーンvv

ここでルパンはタネ明かしをし、死刑に処されたのは実はロンだったとアルダに思わせる。自分の企みのために、結局息子を失った思った時には、ものすごい衝撃と哀しみと苦悶を感じたことだろう。
これが、ルパン流の仕返しだったわけだ。

もちろんルパンは、むやみやたらと残酷なタイプではないので、ロンも本当に死んではいない。
やがて本物のルパンがアルダ邸から出て「公開処刑場」へと移動し、“銭形と”握手したりして、すべての種明かしがなされる。
死刑の実況中継自体が、全部ルパンの「ドッキリ」だったわけだ。

男泣きしてみせた銭形は次元の変装、そしてアナウンサーは五右ェ門の変装であった。
ところで、銭形に化けていた次元の名演技もさることながら(泣く場面なんか、ノリノリでやっていそう^^)、アナウンサーに化けた五右エ門の存在も忘れがたい。
この回素顔のままでは、「懺悔の時間でござる」としか喋っていない五右エ門。アナウンサー姿の時の方が、よっぽど口数が多いのだ(笑)

こうして一応無事生きていたロンは催眠術から解けると、この世とあの世の狭間で(笑)怖がって泣き喚く。ママちゃんと離れ離れになるなんて、ロンにとってはさぞ怖かったことだろう(苦笑)
こうして、ルパンはアルダ邸に乗り込む前に言っていた通り「マザコン親子をギャフンと言わせる」ことに成功したのである。
相変わらず、テレビ越しに「ロンちゃん」「ママちゃーん」と二人ですがり付き合っているので、このまま永遠に二人きりでお幸せに、といったところだ。

そしてアルダの用意していた75億ドルはしっかりといただき、復讐も果たしたルパンは、不二子に「愛の奴隷」になるよう催眠術を掛け、車内で不二子と思いきりイチャつき、次元をあきれ、嫉妬させる。
この時の「んーー、やってられないっ」という次元のキレっぷりがたまらない。
せっかくのお金が散っちゃってますよ、次元さん!(笑)


このラストで一番気になるのは、ルパンが言った通り本当に「愛の奴隷」になるように、不二子に催眠術をかけたのか?という点である。
確かに首謀者はアルダ婆さんだったけれども、不二子もルパンに誘拐犯の濡れ衣を着せることに一役買っていたわけで…そういう意味ではルパンがちょっとした仕返しに、催眠術を掛けかえすというのは、いかにもやりそうなことではある。

だが、催眠術を掛けたのだとしたら、そのタイミングはアルダ邸を辞してからということになる(ロンに化けて不二子に襲い掛かるシーンはあるが、アルダの監視カメラ越しの目が光っていたし、不二子があれだけ必死の抵抗をしている最中に催眠状態にすることは不可能だろう)。
アルダ邸にいる時から、不二子はルパンの前で彼の死をあれだけ嘆き、生きていたこと素直に喜ぶ姿を見せてしまっているのだ。いわば、素でラブラブな状態に なっている。しかも、75億ドルが全部手に入ったとなれば、不二子の機嫌は最高に良かったはずで、車内でルパンにベッタリしていても特に不思議ではない。
だから、敢えてその後ルパンが不二子に催眠術をかける必要はないような気もする。

そんな不二子の様子に疑問を投げかけた次元に対して、ルパンが茶目っ気たっぷりの答えとして「催眠術をかけた」と言っただけなのではないだろうか(不二子があんなにルパンを思っていたことを、暴露するほど野暮ではないだろうし^^)。
また、考えようによっては、ダイレクトに催眠術をかけたわけではなくとも、アルダ親子に報復すると同時に、不二子にも“ルパン”処刑のシーンを見せるこの やり方自体が、不二子に反省・後悔させ、本音を引き出すための「催眠術」的役割を果たす作戦として機能した、とも受け取れる。
この辺はいろいろと妄想すると非常に楽しい。

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